第1試合・RENA vs. サマンサ・ジャン・フランソワ
女子49kg契約5分3R。
フランソワはMMA戦績4勝5敗のキックボクサー。絶対もっと強い選手を呼んでこれるはず。いまだにRENAプロテクトは続けるのか。タイトルマッチの勝者がどちらになったとしても、浅倉との再戦はもうないだろうし浜崎は練習仲間なので対戦しないとなると、RENAは今後の目標を見つけられるのか?
RENAのKO勝ち。
第2試合・大尊伸光 vs. トフィック・ムサエフ
70kg契約5分3R。肘なしルール。
来年のライト級GPに向けての試合とのことだが、初顔同士を当ててもなという気がする。ブランダオンや矢地に勝ったグスタボは呼べなかったのか。ムサエフの実力がわからないので予想なし。
第3試合・真珠・野沢オークレア vs. ヤスティナ・ハバ
女子57kg契約5分3R。
ハバはプロデビュー戦のポーランド人。野沢は階級的にも今後の使い道に困る気がするが、線ではなく点で見ている大晦日限定の視聴者には関係ないか。
よくわからないが野沢が勝つだろう。
59kg契約5分3R。
大物的な扱いを受けている佐々木だが、扇久保に敗れているパントージャに敗れてUFCフライ級では3勝3敗。バンタム級では1勝2敗。今年ニューヨークに移住してから実力は増していると思うが、まだ堀口の相手として名前が上がるレベルではない。が、今回の相手がケイプというのはやはり期待の現れか。組みも割とできるケイプだが、総合力では佐々木が上。
佐々木がチョークで一本勝ち。
60kg契約5分3R。
どうせならバンタム級でいいのになぜか60kg契約。スコッギンスはUFCフライ級では計量失敗で試合を飛ばしたためバンタムに上げたものの、初戦で敗れてすぐまたフライに戻している。佐々木にはチョークで一本負けし、その後3連敗を喫したところでリリースされた。若くてアグレッシブなため面白い試合が期待できそう。元谷にとっては過去最強の外国人との対戦に。
スコッギンス判定勝ち。
第6試合・矢地祐介 vs. ジョニー・ケース
70kg契約5分3R。肘なしルール。
ケースはUFCは連敗でリリースされたが、一時は4連勝もしており、徳留にもパンチでダウンを奪ってから一本勝ちしている。なかなかの掘り出し物。今年はPFLにも出場したが、トーナメントではドローでルールにより勝ち上がりならず。前回KO負けでRIZIN初黒星を喫した矢地は正念場。
ケースKO勝ち。
宮田和幸引退試合&山本“KID”徳郁メモリアルマッチ65kg契約5分3R。
アーセンは1年2ヶ月ぶりの試合でMMA6戦目。もっとコンスタントに試合をした方がいいと思うが。42歳の宮田は引退だが怪我等ではなく後進を育てることに集中するための引退とのこと。前戦は2年前になるが、アンディ・サワーに完勝。MMAの引き出しでは完全に宮田が上だが、試合をしないでいた1年以上の間にアーセンがどれだけ成長したか。
宮田一本勝ち。
女子51kg契約5分3R。肘なしルール。
今月のJEWELSで特に盛り上がる試合でもなく判定ドローだった長野。山本とは階級も違い、今回は長野の階級に上げての試合となる。同日のJEWELSのメインでアトム級タイトルを獲得してRIZIN出場をアピールした前澤の方が階級は合うが、上の階級でも山本にとっては長野の方が戦いやすいだろう。
レスリングでは当然山本が遥かに上。しかしテイクダウンしても極める技がなく判定か。
第9試合・ダロン・クルックシャンク vs. ダミアン・ブラウン
70kg契約5分3R。
UFC2勝4敗のブラウンは今年2月にキム・ドンヒョン2号に判定負けし3連敗となったところでリリースされ、それ以来の試合。禅道会空手の黒帯で、試合では一本勝ちが多いものの、負けた試合ではストライカー相手に打撃で打ち合って盛り上げている。
クルックシャンクKO勝ち。
第10試合・ギャビ・ガルシア vs. バーバラ・ネポムセーノ
女子102.5kg契約5分3R。
バーバラはブラジルのキックボクサーで、階級はミドル級。以前からギャビとの対戦をアピールしていたものの、MMA経験はなし。体格差もある。いつもどおりのギャビが一方的に勝って終わるだけの試合か。毎回攻防がない同じような試合ばかりでもうクビでいいと思うが、フジテレビからの要望か。神取についてノータッチなのはなぜ?
ギャビは前回減量に失敗した時は107kgだったが、102.5kgまで落とせるのか?どちらにしろ体重差はあるのだし、普通に無差別級でいい気がするが。
ギャビがパウンドでKO勝ち。
第11試合・イリー・プロハースカ vs. ブランドン・ホールジー
93kg契約1R10分・2R5分。この試合だけ1R10分ルールが生きてるが、契約の問題なのか?試合ごとにルールが変わるのはわかりにくいから止めたほうがいい。
プロハースカはRIZIN最多タイの7勝(もう一人は堀口)で、唯一負けた相手が旗揚げ戦の100kg級トーナメント決勝でのキング・モー戦。UFCでもトップ10には十分入るだろうし、Bellatorでもタイトル戦線に絡む力があるが、RIZINではトーナメント以降は特にテーマがない相手と組まれてきており、フィニッシュして勝利しても次につながらない展開が続いてきた。今回もまた割と強いが特に話題にならない試合。こういう使い方しかされないならBellatorにレンタル移籍させてほしい。
ホールジーは元Bellator王者だが体重オーバーでベルトを剥奪。今年はPFLに出場し、決勝に進出したヴィニー・マガリャエスに一本負けしている。
プロハースカKO勝ち。
女子スーパーアトム級初代王座決定戦5分3R。
ここ2年で大きく成長した浅倉だが、相手は世界トップの浜崎。タックルでテイクダウンは取れてもRENA戦のように固めきることはできないだろう。次第にタックルを切られて打撃で削られる展開になり判定負け。
バンタム級初代王座決定戦5分3R。肘なしルール。ここまで何試合か肘なしの試合があるが、女子スーパーアトム級タイトル戦とこの試合とでルールが違うのはなぜ?
コールドウェルにとっては初のリングでの試合。ケージではテイクダウンをケージにより掛かることで耐えることができるが、リングではロープに押し込みクラッチすることでテイクダウンが取りやすくなる。その部分ではコールドウェル有利に働くものの、コールドウェルもそこまでリングの特性を活かすことができるかどうか。とはいえ堀口にとってはDJ戦以来の勝てるかどうかわからない試合。現在のオッズは堀口1.65倍・コールドウェル2.11倍で、コールドウェルはキャリアで初めてアンダードッグとなっている。
予測が難しいが、序盤はテイクダウンを奪うコールドウェルが後半失速して打撃をもらい出し、堀口がKO勝ちと予想。
メインイベント・フロイド・メイウェザー vs. 那須川天心
普通に考えて、天心は同階級のボクシング世界王者に勝てないだろうし、キックでも67kgの王者には勝てないのに、ボクシングで67kgの元王者に勝てるという結論にはならない。
どれだけ不利が予想されても格闘技である以上100%ではない、という言い分はあるものの、それなら天心ではなく大雅や紀左衛門であったとしても同じことが言えるわけだし、軽量級のキックボクサーがボクシング経験無しでメイウェザーとボクシングマッチをやるなら、誰がやったとしても結果に大差はないだろう。
ただそれはボクシングの勝負だった場合の話。今回の試合はいかなる結末の場合でも勝敗はつかないエキシビション。
最初にこのカードが発表された時は「RIZINはボクシング公式戦を組めないから、ボクシングの試合としては非公式戦」とだけ説明し真剣勝負であるというニュアンスだったが、実際には勝負ですらなかった。メイウェザーの試合キャンセル騒動後には「エキシというと日本ではぬるいスパーのイメージがあるがアメリカでは非公式戦はすべてエキシビション」と、非公式ではあっても真剣にやるということをアピールしていたものの、その後メイウェザー陣営がアップロードした動画で選手やトレーナーにこの試合の予想を聞いた時には「エキシに勝敗も何もない」「エキシなんだから本気ではやらない」と言っており、アメリカでもエキシはエキシでしかなかった。
まず榊原委員長にしてからが、この試合について「天心がどこまでメイウェザーを本気にさせられるか」と言っており、メイウェザーが本気でないことを前提としてしまっている。
ルール上、本気で打撃を当ててKOしても良いとはなってはいるが、メイウェザーにとっては10kg軽いボクシングデビュー戦の世界的に無名な選手をKOしても一切評価は上がらないどころか、大人気ないという批判さえされかねない。それだけ差がある相手を本気で倒しに行って倒せなかったらみっともなく映ってしまう。結局、本人が語るように、9分間テクニックを見せるだけの試合になりそう。ただでさえ倒すのが難しいメイウェザーがディフェンスに徹したら、同じボクサーのトップ選手でも倒すのは難しい。
青木がこの試合を評して「伝えたいものがない、売るためだけの試合」と言っていたが、RIZINや天心がメイウェザー戦を以前から熱望していたとか、天心が来年からボクシングに転向するとか、天心の活躍を見てメイウェザーが興味を示していたとか、そういったバックボーンすらなく、ただエキシで稼ぎたいメイウェザー側から売り込まれたものに飛びついただけの試合。
メイウェザーが2Rディフェンスし続け、3Rにちょっとだけパンチで追い込んで見せ場を作るくらいはしてくれるかと。