格闘技徒然草

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UFC275:セミファイナル・ヴァレンチーナ・シェフチェンコ vs. タイラ・サントス

女子フライ級タイトルマッチ5分5R。シェフチェンコ7度目の防衛戦。サントス4位。

王者シェフチェンコ中央アジアキルギス出身(現在はペルー国籍)なので、一応アジア凱旋試合ということになる(日本人選手がキルギスで試合をすることになっても凱旋という意識はなさそうだが)。フライ級王者で、女子P4Pランキングでも1位。アマンダ・ヌネスのバンタム級タイトルに挑戦してスプリット判定負け、UFCでの敗戦もヌネスとの2戦のみというシェフチェンコは、フライ級に落としてから全勝で、危ない場面すら見せていない。今回勝てば、ロンダ・ラウジーを抜いて女子のタイトル連続防衛記録単独1位となる。試合前のインタビューでは、今後バンタム級との二冠を視野に入れていることを明かしている。

サントスは父親がムエタイのコーチで、16歳からムエタイを始めた。20歳でMMAデビューし、現在28歳。UFC初戦でいきなりランカーのマラ・ロメロ・ボレラと対戦し判定負けしたのがキャリア唯一の黒星。柔術は青帯だが、前戦はパンチでダウンを奪った後、バックに回ってのチョークで1R一本勝ち。柔術黒帯のロクサン・モダフェリに対しても、テイクダウンして上を取ると、ロクサンの下からの仕掛けを潰してパウンドを打ち込んで判定勝ちしており、組技にも十分対応できる力がある。

どっしり構えているシェフチェンコ。飛び込んだサントスに右を合わせる。サントスも距離を詰められず、見合いが続く。パンチで突進したサントス。四つに組んだシェフチェンコ。ダブルアンダーフックでケージに押し込む。背中でクラッチ。投げを狙ったが潰して上になったサントス。バックマウント!チョークを狙うがディフェンスしているシェフチェンコ。残り1分。なおもチョークを狙うサントス。シェフチェンコ背中のサントスにパンチを入れる。ホーン。

1Rサントス。チョークを防いで背中のサントスにパンチを入れていたシェフチェンコだが、さすがにラウンドは取れないだろう。反り投げが強引すぎた。

2R。ワンツーを入れたシェフチェンコ。少し前に出ていく。組み止めたサントスが脇を差してケージに押し込む。ボディロックし外掛けテイクダウン。シェフチェンコはガード。下から肘。フットチョーク。外した。上にいるサントスだがここまで上にいるだけ。密着して細かいパウンドを入れるサントスだが、動きがなくレフェリーブレイク。残り1分。パンチで出たところで四つに組んだサントス。シェフチェンコ強引に首投げ。袈裟固め。サントスがバックを取ろうとするが、逆にバックに回り腕十字を狙うシェフチェンコ。しかしこらえて上になったサントス。密着したままこつこつ殴るサントスにシェフチェンコも下から殴る。ホーン。

2Rシェフチェンコ。サントス、せっかく上を取ったのに攻めがなさすぎる。

3R。ジャブ、ミドルを入れるシェフチェンコ。ロー。バックスピンキック。サントス出るがパンチを貰う。シェフチェンコ胴タックルからテイクダウン。しかし倒れ際に上を取ろうとするサントス。シェフチェンコ先に立ってスタンドへ。サントス組んだ。脇を差している。シェフチェンコはケージまで下がってテイクダウンディフェンス。ボディロックからテイクダウン。バックに回る。両足フックしバックマウント。チョーク。顎の上から絞めるが腕をつかんでディフェンス。その体勢のままホーン。

3Rサントス。四つになった時の強さではサントス。シェフチェンコも安易に組み付けない。

4R。ライブオッズはイーブンに。左を入れたシェフチェンコ。左ミドル。左ハイからワンツーを入れたシェフチェンコだが、その前にバッティングがありタイムストップ。もらったサントスの右目が完全に腫れているが、わりとすぐに再開。四つに組んだサントスだがシェフチェンコ肘で引き剥がす。シェフチェンコの左がヒット。右目が見にくいのでもらっているか。左を当てていくシェフチェンコ。サントスが組もうとすると肘で引き剥がす。パンチの連打から左ハイ。サントス手が出ない。シェフチェンコワンツー。残り20秒で飛び込んだシェフチェンコにサントスタックル。テイクダウン。肘を入れた。ホーン。

4Rシェフチェンコ。2Rは微妙なので、判定まで行けばサントスの目もあるか。

5R。パンチのコンボを入れたシェフチェンコ。連打で出たシェフチェンコ。ケージに詰めて更に打ち込む。そこで組み付いたサントス。シェフチェンコ首投げ。投げたが袈裟固めでバックを取りに行くサントス。サントス上になる。バックに乗ったがシェフチェンコ股下から抜けて立った。スタンド。シェフチェンコタックル。テイクダウン。ハーフ。固めて肩パンチを入れるシェフチェンコ。残り1分。パスしたがハーフに戻すサントス。シェフチェンコ固めたままタイムアップ。

5Rシェフチェンコだが10-8まではない。

48-47、47-48、49-46のスプリットでシェフチェンコが王座防衛に成功。

勝ったシェフチェンコだが、得意の首投げから袈裟固めを取ってもバックに回られ、四つ組みからもテイクダウンを奪われるとポジションを取られて苦戦。首投げや反り投げなど、強引な攻めで墓穴を掘ることが多かった。

サントスは2R上を取った時に手数が少なすぎたのが悔やまれる。

49-46でシェフチェンコに入れたジャッジは1Rもシェフチェンコにしている。バックを取ってチョークを狙っていたが、シェフチェンコは防いで背中にパンチを入れていた。それまでのスタンドでの攻防の差をつけたのか。

mmadecisions.com

メディアのジャッジは48-47シェフチェンコが最多、次いで48-47サントス。49-46シェフチェンコも少ないながらいて、100%あり得ないジャッジではなかったか。