中国のジェライスーは昨年も出場し、一回戦で上久保と対戦。全くの無名だったが、ONEで6連勝していた上久保に打撃を打ち込み苦戦させ、スプリット判定まで持ち込んだ。今年は一回戦で同じ中国のリー・ユンフェンにチョークで一本勝ちすると、準決勝ではパンクラス王者透暉鷹に対し、1Rテイクダウンを奪われ終始攻められ続けたが、2Rはケージに押し込む展開で取り返すと、3Rは透暉鷹のタックルをがぶってギロチンを仕掛け、下になり外した透暉鷹から上をキープし続けて勝利した。28歳。
スヨンは元ブラックコンバット&DEEP王者。昨年9月にDEEPとの対抗戦で、当時の王者石司とダブルタイトル戦で対戦すると、バックマウントからのパウンド連打で1RKO勝ち。カザフスタンのNaiza FCのバンタム級王座と合わせて3団体同時王者となった(Naiza FCの王座は12月の防衛戦で敗れて陥落)。トーナメント初戦はRIZINで瀧澤に圧勝した野瀬との対戦だったが、グラウンド合戦で常に野瀬の上を行き判定ながら完勝。準決勝は同じく日本の小崎に勝利して勝ち上がった中国のザウパースーとの対戦で、スヨンが常にテイクダウンで先手を取る展開で勝利。しかし組みに対する評価が辛いためか、判定は割れてスプリットでの勝利だった。28歳。
両者オーソドックス。スヨンがハイキックを放つ。ジェライスーが詰めて右ストレート。さらにバックスピンキックがボディにヒット。飛び込んだジェライスーにパンチを入れたスヨン。飛び込んだスヨンはシングルレッグに。テイクダウン成功。ガードで背中を付けたジェライスーだが、下からパンチを入れていく。ハーフにしたスヨンは肩パンチを入れる。体を起こしたジェライスー。起き上がらせないスヨン。フックガードに切り替えたジェライスーだが、スヨンが両足を超えてマウントに。ジェライスーはハーフに戻すと体を起こしタックルへ。がぶったスヨン。四つから支釣込足でまたテイクダウン。サイド。残り40秒でまたマウントに。ブリッジで抵抗するジェライスー。スヨンはマウントをキープして残り僅かで鉄槌・パウンドを打ち込んだ。1R終了。
2R。ジェライスーがジャブを入れる。スヨンもパンチを放っていく。ワンツーを打ち込む。ジェライスー大振りの右。スヨンタックルを狙ったが、足に触らせずに切ったジェライスー。タックルを警戒してか手数が少ないジェライスー。ジェライスーサウスポーにスイッチ。しかし蹴りが空振りになりオーソドックスに戻した。スヨンが飛び込んで右フックをヒット。タックルのフェイントで沈み込んでからアッパーを入れたスヨン。さらにカーフキック。ジェライスーが出てきたところにシングルレッグ。こらえたジェライスー。しかしジェライスーのバックブローにスヨンが右を合わせると、ジェライスースリップ気味に倒れる。押さえ込んだスヨン。ハーフからパウンド。ガードに戻したジェライスー。下からヒジを入れる。ヒジでカットしたスヨン。2R終了のホーン。
3R。ここまで劣勢でフィニッシュを狙っていきたいジェライスー。間合いを詰めるが手が出ない。逆にスヨンが蹴りをヒットさせる。ジェライスーのローに右のパンチを合わせたスヨン。タックルのフェイントを見せる。スヨンがスイッチをしながらロー・パンチをヒットさせていく。踏み込んで右を出したジェライスーだが浅い。さらにパンチで出たところで組み付いたスヨン。これは離れた。残り1分。スヨンニータップ。切られたがヒザを入れて離れた。ジェライスーがパンチで出るが、ステップで距離を取るスヨン。残り20秒でジェライスー虚を突いたタックルでテイクダウン。スヨンはハーフガードでホールディングして凌ぐ。タイムアップ。
30-27×2、29-28の3-0でスヨンがRoad to UFCシーズン3バンタム級を制覇。
試合後のインタビューでは「ファイターとしてはまだまだ未熟で一番下にいるが、そこから上に這い上がって見せる」とコメント。DEEPバンタム級王者からはソン・ジンス、ビクター・ヘンリーに続いて3人目のUFCファイターに。