RIZIN師走の超強者祭り:第1試合・芦澤竜誠 vs. ジョリー
アマチュアMMAのキャリアがあるジョリーだが、プロでどのレベルかは不明。芦澤も梅野戦を見る限り、梅野に比べるとMMAへの対処ができていない。もちろん得意の打撃戦になれば優位は動かないだろうが、FIGHTER'S FLOW所属のジョリーが勝つための戦略を練ってくれば苦戦もありうる。まあ、このレベルで第1試合に抜擢されて、勝ちに徹した試合をして勝ったところで意味はないと思うが。
芦澤KO勝ち。
第2試合・雑賀“ヤン坊”達也 vs. “ブラックパンサー”ベイノア
ヤン坊は11月にダウンを奪われてから一本負け。年内は試合をする予定もなく、12月に入ってからトレーニングを再開したものの、年末は家族旅行の予定だったとのこと。準備期間はないが、RIZINでは3連敗で、まともなルートではもう試合が組まれることはないだろうから、チャンスに飛びつくしかない。
ベイノアはLFAで2連勝しているが、相手は同じ前座クラスの選手で、RIZINで戦ってきた相手に比べるとレベルは大きく下がるので、過大評価するほどのものではない。とはいえ、打撃ではベイノアが上で、準備期間の差もあってベイノアの優位は動かないか。ヤン坊が勝つには玉砕覚悟で序盤から打ち合いに出て、先に打撃を効かせるしかない。
ベイノアKO勝ち。
第3試合・篠塚辰樹 vs. 冨澤大智
2年前の大晦日ではオープンフィンガーグローブキックで対戦して篠塚が判定勝ちした試合。今回はMMA。篠塚はその後ベアナックルFCの参戦も発表されていたが立ち消え。MMAの本格的なトレーニングは今年に入ってからで、5月にヒロヤと対戦したが、簡単にテイクダウンされてパウンドを打たれ続けるのみでKO負け。組みの強いヒロヤと5ヶ月の練習期間で対戦するのは無理があった。
冨澤は昨年大晦日に三浦孝太相手のMMAデビュー戦でKO勝ち。5月にアーセンと対戦したが、やはり相性的に最悪で、何もできず最後はチョークで一本負け。9月の平本弟との対戦では、レベル的に釣り合っていてスプリット判定勝ち。
打撃の武器という部分では篠塚が上だが、MMAファイターとしてのトータル能力で上回る冨澤が判定勝ち。
第4試合・後藤丈治 vs. ホセ・トーレス
後藤は昨年はRIZINから声がかからず、ONEとDEEPで強豪外国人と対戦し連敗。今年地元北海道大会でRIZINに再登場を果たし、鹿志村に勝った試合が評価されたのか、11月に中島戦が組まれて1RKO勝ち。
トーレスはもともとフライ級でUFCにも参戦していたが、BRAVE CFではフライ級トーナメントで体重が落とせなくなり途中棄権。以降はバンタムで戦っていたものの、一昨年にンコシ・ウデベレに2連敗しバンタム級王座から陥落したことで、またフライ級に。昨年の大晦日の神龍戦は59kg契約で僅差判定勝ちだったが、今年はBrave CFのタイトル戦と、RIZINフライ級GP一回戦の扇久保戦でいずれも判定負け。やはり今はバンタムの選手で、減量苦がなくなることもプラスになるはず。
去年後藤が敗れた2選手よりもトーレスはワンランク上と見る。トーレス判定勝ち。
第5試合・神龍誠 vs. ヒロヤ
フライ級GPベスト4ながら、大晦日に試合のオファーがなかった神龍。一回戦負けながら大晦日の試合が決まったヒロヤから指名を受けての出場。ATT所属にはなったが、もともと出稽古でATTに訪れた際に所属が決まっただけなので、今回のATT滞在期間は一ヶ月そこそこ。この試合に影響するほどは変わっていないだろう。
ヒロヤは武器のレスリングで神龍に上を行かれるので厳しい戦いになる。
神龍一本勝ち。
第6試合・カルシャガ・ダウトベック vs. 久保優太
ダウトベックはベスト階級をバンタム級だと考えており、シェイドゥラエフは友人で対戦したくないとのこと。フェザー級の強豪外国人はお腹いっぱいなので、井上 vs. サバテロの次の挑戦者が見当たらないバンタム級に落とすことはRIZINにとってもウェルカムでは。
選挙出馬で1年ぶりのブランク明けとなる久保。斎藤のラーメン屋くらいに本気でやっていたなら、復帰への影響もありそうだが、特にそういったこともなさそう。
打撃の攻防なら久保にもチャンスはあるだろうが、ダウトベックが打ち合いながらテイクダウンを狙うようだと、久保は対処しきれないと見る。
ダウトベック判定勝ち。
第7試合・秋元強真 vs. 新居すぐる
本来新居と対戦する予定だったアーチュレッタが欠場となり、新居と実力的につり合いが取れる相手なら事欠かないし、出場をアピールしている選手も大勢いる中、11月に萩原と激闘を繰り広げたばかりの秋元の緊急出場が決定。ヤン坊のように、通常の方法ではRIZINに出るのが難しいランクにいる選手が緊急オファーに応じるのは理解できるが、秋元はそうではない。
もともと結果を残していない新居がアーチュレッタの相手になるのは疑問だったが、アーチュレッタが欠場したことで、試合中止でいいのではと思っていた。まして、ダメージの残る秋元をわざわざ緊急で出すほどでもない。秋元は「脳のダメージは全くない」とアピールしたが、ボクシングでのリング禍を見ても、現在のスポーツ医学では脳のダメージについてすべて解明されたとは言い難く、仮に医者がダメージがないと言っていたとしても、本当にダメージがないかは誰にもわからないだろう。
ダメージのことを除外するとしても、秋元 vs. 新居はわざわざ組むほどのカードとは思えない。普通にやれば秋元の勝ちは見えている。リスクはあるだろうが、相手がイージーだから出てきたように見える。これが相手がダウトベックなら実現していないだろう(本人がやる気でも周囲が止めるはず。逆に言うと、新居戦は周囲も止めなかったから実現したのだろう)。仮に秋元が負けたとしても、新居が今後トップ戦線で戦うということにはならず、見る側が「直前出場だったから」「前戦のダメージがあったから」という言い訳をどうしても考えてしまう。
この試合が組まれてマイナスにならない結果は、秋元がノーダメージで圧勝することだが、事前にそう考えて見るという時点で楽しめないし、ノレない。仮にそうなったとしても、ダメージがある、準備ができていない中でも出てくることを称賛する(転じて、そうしたオファーを断ることを非難する)風潮が強まりそうでうんざりする。しっかりと準備をしてきた者同士の対戦こそが見たいので。
秋元がパウンドでKO勝ち。
第8試合・福田龍彌 vs. 安藤達也
修斗でフライ級王者だった福田と、バンタム級王者だった安藤の対戦。
福田はRIZINで3連勝(相手はNavE、アーセン、芦澤)したものの、今年はDEEPで牛久相手にバンタム級王座防衛戦を行い判定勝ち。これが実績として評価されたのか、7月の超RIZINで井上直樹のタイトルに挑戦。しかし井上には距離を制せられてジャブを打ち込まれる展開で判定負け。バンタムに上げてから初黒星を喫した。
安藤は昨年勘違いによるフェザー級エントリーとなったRoad to UFCで一回戦負け。1年ぶりの試合が6月のRIZIN初参戦で、マゲラム・ガサンザデに1Rチョークで一本勝ち。正直、ガサンザデは白川相手にも苦戦していたので、そこまでの選手ではないと思ったが、7月にはヤン・ジヨン相手に2Rチョークで一本勝ち。バンタムではここ9年間では、2020年の大塚戦で、アクシデントで足を負傷してのTKO負けのみ。
一番結果が読めないカード。福田判定勝ちと予想。
第10試合・クレベル・コイケ vs. ヴガール・ケラモフ
クレベルはシェイドゥラエフに秒殺KO負けで王座から陥落し、インターバル2ヶ月の朝倉未来戦ではスプリットの判定負け。本人は勝っていたと主張していて、判定は微妙だったかもしれないが、クレベルの試合内容自体は悪くなかった。
ケラモフは昨年の大晦日は階級上のサトシのタイトルに挑戦し1R一本負け。6月の北海道大会では木村柊也に判定勝ちしたが、インフルに感染し体調が悪かったとのこと。11月の神戸大会では感染症により直前欠場。今年に入ってからはコンディションが作れていない。
お互い不安を抱えている者同士だが、ケラモフの体調が万全なら、上を取ってパウンドで削る展開で判定勝ちか。
第11試合 女子スーパーアトム級タイトルマッチ・伊澤星花 vs. RENA
王者伊澤は先月2年ぶりに防衛戦を行い判定勝ち(7月にもタイトル戦が組まれていたが、相手の体重オーバーでノンタイトル戦に)。
RENAは23年4月にクレア・ロペスに一本負け。その後2連勝とはいえ、相手がシン・ユリとケイト・ロータス。そこからさらに1年半近いブランク明け。
序盤の出会い頭で打撃がヒットすればRENAにも勝機はある。もっともこれはすべてのカードに当てはまることなので、実質勝ち目がないのと同義。
伊澤がパウンドでKO勝ち。
第12試合 バンタム級タイトルマッチ・井上直樹 vs. ダニー・サバテロ
井上は3度目の防衛戦。現在4連勝中で、RIZINで過去に敗れた相手は、今はフライ級の扇久保と、今はフェザー級のアーチュレッタのみ。勝ったが苦戦した元谷も今はフライ級。バンタムは選手がいなくなっているのもあって、挑戦者候補が不足している中、元BellatrのサバテロがRIZINと契約。
サバテロは5月のRIZINデビュー戦こそ太田をボクシングで圧倒しての勝利だったが、前戦の将光戦ではレスリング能力の高さで組みでコントロールしきって勝利。しかし、割れる内容ではないと思ったが、謎にスプリット判定になったのが不安要素として残る。ダメージも差をつけるほどではない上に、アグレッシブもジェネラルシップも上回っていたのに、将光に一票入ってのが謎だが、JMOCが判定結果を公開しなくなったため、なぜ落としたのかは未だに不明。
相性としてはアーチュレッタ戦でもアーチュレッタのテイクダウンに苦戦していた井上が不利。3R中、明確にダメージを与える場面を作らないと、判定になったら厳しい。サバテロも、コントロールのみだと判定で持っていかれる可能性があるので、パウンドで削る場面を作りたいところ。
サバテロ判定勝ち。
第13試合 フライ級タイトルマッチ・扇久保博正 vs. 元谷友貴
ともにグラップリングを強みとしながらも打撃が強く、穴がない。テイクダウンからの塩漬けスタイルの扇久保に対し、元谷は柔術ベース。6年前の対戦では扇久保がスプリット判定勝ち。
両者ともベテランだが、まだ衰えは見せていない。今回も僅差の試合になるか。
扇久保判定勝ち。
第14試合 ライト級タイトルマッチ・ホベルト・サトシ・ソウザ vs. イルホム・ノジモフ
サトシは2年連続での階級下の相手とのタイトル防衛戦。ノジモフがもともとライト級での試合が組まれていて、直前でライト級に変更されるわけではないのは唯一のポジティブな要素。とはいえ、まだRIZINライト級では実績がなく、勝負論があるとは言えないが。ノジモフが最初に様子見するのではなく、打撃で仕掛けていくところが見たい。逆に、それ以外では何かが起こるという期待は持てない。
サトシ一本勝ち。
第15試合 フェザー級タイトルマッチ・ラジャブアリ・シェイドゥラエフ vs. 朝倉未来
組み・打撃ともにシェイドゥラエフが優位。朝倉が勝つには、序盤の出会い頭の打撃を効かせることしかない。つまりは伊澤 vs. RENAと同じで、勝ち筋が見えない。
シェイドゥラエフKO勝ち。
イベント開始は31日13時から。速報します。