格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★総評

事前に思っていたのと比べて、かなり予想外、予想以上のものが見られて面白かった部分と、予想以下でガッカリした部分が半々。
まず、昨日の地上波中継で見られなかった試合から。
川尻達也vs横田一則
川尻があんなに簡単にテイクダウンをとるとは思わなかった。上になってからも横田を逃がさず、マウントになってからの安定感もすごかった。今まで見た川尻で一番強く見えた。青木戦ではグラウンドに持ち込むことはないだろうから、全く違う展開になるだろうけど。
横田は全然駄目。試合後のインタビューでは「ケガでグラウンドの練習が全然出来なかった」とか相変わらず言い訳してるが、一発勝負の対抗戦で準備が出来なかったのは弱いということ。怪我なら川尻もしていたし、言い訳にならない。「相手がテイクダウンで来たから打撃は自分が上」という負け惜しみも情けない。テイクダウンに行ったのは打撃で勝てないからではなく、単にテイクダウンの方が楽に勝てるというだけだろう。
ワンマッチ
ワンマッチは事前の予想以下のものしか見られず。GGはストップに抗議していたけど、あのまま続けても同じでは。西島はパンチでダウンを取られたってことで、もう諦めが付くのでは。
青木vs廣田
極めたことより、テイクダウンを簡単にとった方が実力差を感じた。あそこで極めなくても青木の勝ちは動かなかっただろう。折ったのは格闘技なんだししょうがない。レフェリー島田が一瞬気がつくのが遅れたのはいただけなかったが。廣田がフリーになってセコンドにタオルを投げられる人間がいなくなってしまったのも良くなかったのかもしれない。
試合後の挑発については、本人が非を認めて謝罪して笹原Pからも厳重注意が出たということで話は終わりだと思うが、批判されるのは仕方が無いし、謝罪はしているけど、あの挑発で人気を喪うことも本人はわかっているだろう。試合はパーフェクトなのにこういう所で物議を醸すあたりが青木らしい。
泉vs柴田
この試合に関しては特に期待以上のものは見られず。泉は何も成長したようには見えなかった。階級下の柴田よりリーチが短いのが厳しい。柴田の方がむしろ成長は感じられたが、それでもやっぱり実力的にはDEEPに出た方がいいレベル。
小見川vs高谷
小見川のボクシング技術の成長が予想以上。サンドロ・金原・日沖でも判定だったので、まさか高谷をKOするとは思わなかった。高谷はWECでKOされて以来、所戦・ビビアーノ戦とダウンを喫する場面が増えてきている。打たれ弱くなっているのだろうか。
マッハvs郷野
打撃で郷野が優勢になるのは想定内だったが、グラウンドでも翻弄するとは思わなかった。どうしてもマッハが衰えたという印象がしてしまう。体も緩かったし。DREAMウェルター級日本人の中ではまだ最強なのかもしれないが、決してトップクラスと言えない外国人相手にも勝てないなら、DEEPで日本人相手とやっていった方がいいのでは。本人に節制する気があればまだ実力は戻るかもしれないが、
ミノワマンvsソクジュ
ミノワマンは実力的には変わったようには見えないし、最後のパンチも狙ったものではなかったが、こういう所で勝ちを引き寄せるのが並じゃないものを持ってる。ミノワマンはソクジュをジェロニモだと言っていたが、自分にはむしろミノワマンジェロニモに思えた。いろいろな意味で超人的な出場者の中で、唯一普通の人間の能力しかないのに挑んでいる感じで。
去年はDEEPで格闘技の試合が並ぶ中、ひとりだけプロレスの試合をしていて、しかも周りの本業プロレスラーに比べて明らかにしょっぱかったので心配だったが、今年はもう総合だけで行けるのでは。
ソクジュはあまりにも消極的。ミノワマンの足関を警戒しすぎたか。足関なんてちゃんとした総合の選手に極めたことはないのだが。普通に攻めていたら普通に勝てていた試合だと思った。
三崎vsマヌーフ
このカードに直前まで迷っていたという三崎。やっぱり準備期間がないのは気の毒だった。それはマヌーフも同じではあるが、マヌーフの場合は誰が相手でもやる練習は一緒だろうけど、三崎の場合はマヌーフを想定した対策を立てればだいぶ違ったと思う。
吉田vs石井
試合後引退を口にした吉田だが、あの体を見ると、肉体的な限界というより、総合へのモチベーションを失いつつあるのか。
石井は準備期間は長かったが、総合初心者がエクストリーム・クートゥアや町田道場でトップ選手と練習する意味はあったのだろうか。それより初心者クラスで基礎から教わった方が良かったのでは。総合転向を発表したのは一昨年だったが、去年、PODで練習するようになってからが本当のスタートだろう。
試合後のインタビューを拒否したのはいただけない。プロとしての覚悟が足りない。準備期間をたっぷりとったのも恥をかきたくなかったからなんだろうけど、プライドを捨てて一からやるつもりがないなら、柔道に戻った方がいい。
金原vsKID
神の子はもう普通の子になってしまった。ベストウェイトに落としたところで、全盛期の実力は戻ってこないだろう。DREAMではもう下の階級は作らないだろうし、WECでも通用するとは思えない。今更修斗フェザー級に出ることもありえない。所相手ならまだ実力的にも吊り合うだろうし、DREAMで続けていくしかないんだろうけど。
金原は最終ラウンドに守りに入ってしまった。戦極で戦っている頃からずっとそうだが、これではいくら勝ってもフェザー級はメジャーにならない。ただ試合をして勝っているだけ。本人は特にメジャーにするつもりもないのかもしれないが。
所vsジョンマン
所はジョンマン相手でも準備期間がちゃんとあったら危なかったと思うが、DREAMフェザー級が総崩れする中でしっかり生き残るあたり、所も運を持ってる。
今年の戦極・DREAM
DREAMライト級はタイトルマッチへのいい前振りにできた。青木vs川尻の次はどういう展開になるのかわからないが、やっぱりStrikeforce王者と絡んでいくのでは。反対に、戦極ライト級は、廣田が長期欠場になるだろうし、挑戦者の横田も完敗で、完全崩壊してしまった。どうなるんだろうか。戦極の今後の展開も不透明だし、厳しい。フェザー級では金原・小見川は勝ったけど、3月のSRCに小見川が出られるのかどうか。
ウェルター級に関しては、DREAMは唯一の日本人レギュラーであるマッハが完敗。SRCもダンホンがベラトールとの契約が決まってしまい、瀧本も残るかどうか分からないので、郷野がDREAMに移籍するのが一番いいと思った。その分、ミドル級の選手をSRCに貸し出したらどうか。
その他
無駄に試合数が多すぎ。ワンマッチはいらなかった。時間が押しすぎて、会場では試合順を変更したり、煽りVをカットしたようだが、全部判定になっても問題ないようにするべきでは。
テレビ的にはDREAMvs戦極の対抗戦がどれだけ一般視聴者に伝わったのかが不安。