格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC Fight Night292:オッズ/予想と展望

ヘナート・モイカノ 1.85
トム・ノーラン 1.98
ランディ・ブラウン 3.11
ジャコビー・スミス 1.40
オデー・オズボーン 1.93
コーディ・ダーデン 1.89
ヤナ・サントス 3.15
ルアナ・サントス 1.38
ジャン・ポール・レボスノヤニ 1.34
ファーマン・ハサノフ 3.40
フランシス・マーシャル 1.41
ダコタ・ホープ 3.00
ロドリゴ・セジナンド 1.59
ティオドル・ベリグレン 2.42
ジュリアン・イローサ 2.45
リー・ジョンヨン 1.57
ザカリー・リース 1.36
ミッキー・ガル 3.32
ニック・クライン 3.60
ジョセフ・クロプスコット 1.31
タリタ・アレンカー 3.30
ピエラ・ロドリゲス 1.35
ルシア・サボヴァ 1.15
タイナラ・リズボア 5.70

今週・来週と2週連続で開催されるAPEX大会で、現地ではハロウィン当日。

「マネー」モイカノは直近の5大会で3度目のメイン。柔術ベースでトップから組みで攻める手堅い選手だったが、2024年のUFC300では、マウントを取ってのパウンドで、34歳にして初のKO勝ち。マウントでの安定感があることで、強いパンチを打ち込んでもマウントをキープでき、戦い方の幅が広がった。続く9月のパリ大会ではブノワ・サン・ドニにやはりマウントからのパウンドでTKO勝ち。昨年1月には、試合前日に欠場したツァルキャンの代役として王者マハチェフのタイトルに挑むチャンスを掴んだものの、1Rダースチョークで一本負けしている。さらにベニール・ダリウシュにも敗れて連敗となったが、今年4月には、クリス・ダンカンからパンチでダウンを奪い、チョークで一本勝ちしている。

モイカノはフェザー級時代に敗れているブライアン・オルテガ戦が3月に組まれたが、オルテガが負傷欠場。9月のノーチェUFCで再度組まれるも、今度は練習中のカットでオルテガがまた欠場。当初は欠場したオルテガに代わって、ノーランとモイカノが9月に対戦すると発表されたが、その後に今大会のメインにスライドされている。

37歳のモイカノは、金を欲しがるキャラが定着して、地味なファイトスタイルながらインフルエンサーとしての地位を確立しており、登録者が30万人を超えるYouTubeではUFCの実況配信なども行っている。現ライト級ランカーでは2番目に年長の37歳(1位ダリウシュとは誕生日が15日差。なお、王者のゲイジーはさらに1歳年上である)。

モイカノはUFCとの契約があと3試合だが、契約を満了してフリーエージェントになることを望んでいるという。Youtubeでの配信やジム、自身が主催するMMAイベントと、生計を立てる手段はあるため、UFCと再契約するかどうかはUFCがどれだけ稼げるかによるとしている。FAになった後はインフルエンサーボクシングにも興味を持っているとのこと。

モイカノに挑むのが、ライト級ランカー最年少で唯一の2000年代生まれであるオーストラリアのノーラン。UFCデビュー戦はニコラス・モッタに1RKO負けしたが、そこから5連勝。オーストラリアの選手に多い、ラグビーに活かすために格闘技を初めた選手。190cmの長身ストライカーだが、同じストライカー相手にはテイクダウンも使って戦う。前回、初のランカー挑戦となるファレス・ジアム戦で判定勝ちして5連勝とすると、試合後にモイカノとの対戦をアピールしていた。今回が初メイン。しかしここまで組みが強い相手との対戦経験はなく、モイカノ相手にどこまでできるかは不透明。

モイカノ一本勝ち。

第5試合にはRoad To UFCシーズン1フェザー級ウィナーのリー・ジョンヨンが出場。ジョンヨンは決勝から1年後の2024年2月のUFCデビュー戦で勝った後2連敗。Road To UFCシーズン1ウィナーは、先月バンタム級ウィナーの中村倫也が出場し一本負けで、まだ今年勝ち星がない。今回の相手は大ベテランのジュリアン・イローサ。2015年にUFCと契約してから2度リリースされたが復活し、再契約後8勝5敗。しかし現在は2連敗中で、今回の試合で引退を表明している。2024年に息子が生まれてから、人生の優先順位が変わったとのこと。

第1試合開始は11月1日朝6時。速報します。

UFC333:ポストファイトボーナス/総評

・ファイト・オブ・ザ・ナイト(10万ドル):ピョートル・ヤン vs. メラブ・ドバリシビリ

・パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(10万ドル):アレクサンダー・ヴォルカノフスキー、ロニー・カヴァナ

・フィニッシュボーナス(2万5000ドル):アーロン・ピコ、ドミニク・レイエス、アブドゥルラフマン・ヤキヤエフ、アブス・マゴメドフ、コーディ・スティール

メインはイヴロイエフが思ったほどタックルを仕掛けなかったが、前回同様の5R仕様だったのだろうか。スタッツ上は1Rに4回タックルを仕掛けて3回テイクダウンを奪ったものの、ヴォルカノフスキーは押さえ込ませずに立っていた。ただこれは想定内で、その繰り返しでヴォルカノフスキーのスタミナを削っていくのがイヴロイエフのスタイルだったが、2Rには逆に得意のスクランブルの展開で上を取られてコントロールされ、スタンドでパンチを被弾してKO負け。

トプリア戦の完敗で衰えた印象があったヴォルカノフスキーだが強かった。王座決定戦と初防衛戦は人気先行で実力的にはイヴロイエフより劣るロペスが相手だからと思っていたが、この試合を見る限りは、グラップラー相手だとまだ遅れを取るとは思えない。

次の挑戦者は4位スターリング(来月9位のボルハスと対戦)か5位のジェアン・シウヴァ(9月のノーチェUFCで勝利し、次戦未定)か。2月のシドニー大会はファイトナイトなので、まだ先になりそう。

ヴォルカノフスキー自身は試合後の記者会見で、ライト級王者ゲイジーと両者ベルトを返上してのW引退試合をしたいと、試合前に語っていた要望を再度表明していた。ダナ・ホワイトもその決断には前向きに応じたものの、ゲイジーがそれに同意するとは思えず、まだ検討段階にとどまっている。ゲイジーもヴォルカノフスキーもキャリア末期であることは否定できないが、最後は今後を担う若いファイターにバトンタッチして去って欲しいところ。

セミはヤドンがメラブを返り討ちに。ほぼ前回と同じ展開で、序盤はテイクダウンと打撃のヒットでメラブが攻勢だったが、後半3Rはヤンが39回のテイクダウンをすべて切ってボディを効かせての勝利。メラブもボディのダメージを大げさに表明しすぎだったが、5Rには打たれても効いた様子は見せずに耐えていた。しかしスタッツ上は3R・4Rは打撃のヒット数で互角がメラブが上だったものの、やはりダメージを受けたこととテイクダウンを奪えなかったことでヤンにポイントを取られている。

ヤンは試合後の記者会見で、後半のメラブのスタミナ切れを誘っていたと言っており、序盤の手数が少なくテイクダウンを取られる展開も織り込み済みだったか。とはいえ、並の相手ならメラブの動きが落ちずに5Rテイクダウンを取り続ける展開になるところ。ヤンのボディで削られたのと、テイクダウンへの対処も3Rから本腰を入れ始めたということか。

メラブは敗れたが、テイクダウン・アテンプトがUFC記録となる58回を記録。毎ラウンド10回以上テイクダウンを仕掛けているという計算になる(実際、テイクダウンしてバックコントロールする時間が一番長かった2Rを除けば、各ラウンドで10回以上テイクダウンを仕掛けている)。相手がヤンだったから攻略しきれなかったものの、並の相手なら連続防衛していた当初のパフォーマンスは出せるはず。今回はダイレクトリマッチだったが、負けを帳消しにできるチャンスであると同時に、敗れて2連敗となると、完全に勝者との格付けがついてしまった印象を与えてしまうし、再挑戦のチャンスも当分与えられなくなる。結果論ではあるが、リマッチよりも他のトップランカーと対戦する道の方が良かった。ヤンとは相性が悪すぎる。

ヤンは次戦の相手として誰でもいいと述べたものの、来場していたソン・ヤドンの名前を挙げて「ソン・ヤドンでもキング・コングでも誰でもいい」とコメントしていた。別に相手にこだわらず、UFCが決めた相手と戦う方針のようだが、会場に来ていたのはヤドン。本人が勝手に来ていたのか、UFCが呼んだのかは知らないが、試合後にカメラに抜かれたりと、会場に来ていたことが次戦へのプロモーション作りにつながっている。確かに8月のウマル・ヌルマゴメドフへの勝利は大きかったが、ヤドンには過去に敗れているうえに、1月にショーン・オマリーに敗れている以上、過去に(疑惑の判定で)ヤンに勝っているオマリーが優先されるべきでは。過去にはUFCがオマリーの売り出しをゴリ押ししているようにも見えたが、過去に勝っているヤンが王者になったというのに、それ以降はむしろオマリーが冷遇されているとも思える扱いをUFCから受けているのが不思議ではある。

セミ前は、カヴァナがテミロフを1RKOし、UFCでの初黒星をつけている。テミロフは、パンチの威力はあるが、的確姓で劣り、最後はKOされるというあたり、RIZINで後藤丈治に敗れた弟と共通する弱点があるのかもしれない。カヴァナの勝利は見事だったが、この勝利で、7月にカヴァナをフィニッシュしたロイバルの評価が上がることにも期待したい。大会中に、1月30日のトロント大会でのヴァン vs. ケイプのフライ級王座戦が発表されたが、カヴァナだけではなくロイバルも、次の挑戦者候補として名前が上がってくるだろう。さらに、ヴァンには敗れたが1位のパントージャ、4位の平良、来月のカタール大会で組まれている5位堀口 vs. 7位アルマバエフの勝者も候補に上がってくるのは確実か。

プレリムではチョプロフやアリエフの無敗Under25ファイターが初黒星を喫する一方で、同じく無敗の25歳以下・ライトヘビー級のヤキヤエフは4試合連続での1Rフィニッシュ勝利。今回はついにランカー超え。そのうち壁に当たりそうではあるが、飛び級で一気にタイトル挑戦者候補と当てても面白いかもしれない。

UFC333:メインイベント・アレクサンダー・ヴォルカノフスキー vs. モフサル・イヴロイエフ

フェザー級タイトルマッチ5分5R。ヴォルカノフスキーは2度目の防衛戦。イヴロイエフはランキング・METAランキングともに1位。

オーストラリアのヴォルカノフスキーは38歳。UFC15勝3敗(5KO勝ち)。キャリアでは28勝4敗(13KO、3一本勝ち)。レスリングとフィジカルを活かした打撃が武器。ジュニア時代にレスリングのオーストラリア王者となり、その後はラグビーに転向。その時代は100kg近くまで増量していた。ラグビーの体力づくりのためMMAを始める。10年前の2016年に粕谷優介戦でUFCデビュー。2戦目はフェザー級に落として廣田に勝利すると、7連勝で当時の絶対王者マックス・ホロウェイの王座に挑戦し、判定勝ちで王座を獲得した。フェザー級で4度の防衛に成功すると、2023年にはライト級に上げて王者イスラム・マハチェフと対戦。敗れたものの、階級上の王者相手に健闘したことで評価が上がっている。しかし、その年の10月に欠場選手の代役として急遽マハチェフと再戦したが1RKO負け。さらに5か月後のイリア・トプリアとの対戦で2RKO負けして王座から陥落した。昨年4月の再起戦では、トプリアが返上した王座の決定戦でディエゴ・ロペスに勝利し、2度目の王座獲得。今年2月の防衛戦の相手がまたロペスとなったが、その試合でも完勝している。

ロシア・イングーシ出身のイヴロイエフは32歳。UFC10勝0敗(10判定勝ち)。キャリアでは20勝0敗(3KO、4一本勝ち)。UFCデビューから10連勝で、すべて判定勝ち。多彩なテイクダウンとスクランブルの強さ、何よりも衰えないスタミナが強みで、決して序盤からレスリング力で圧倒するわけではなく、組みの展開で相手のスタミナを削っていき、相手の動きが落ちても自分は変わらずハイペースな攻めを続けることで、次第に差がついていく。バックボーンはグレコで、東京五輪グレコ金メダリストのムサ・イヴロイエフは従兄弟。連勝してもフィニッシュがないことでチャンスが与えられず、昨年はウイルス感染による体調不良もあり試合なしに終わっている。今年3月の復帰戦でレローン・マーフィーと対戦。組み主体のファイトスタイルによりUFCの評価が低く、ただ勝つだけでは王座挑戦が確約されていなかったためか、序盤はレスリングを使わずに打撃で打ち合ったものの、後半はいつものようにレスリングの展開で圧倒。それでもまた判定となったことで、試合後ダナ・ホワイトは「王座挑戦者の候補の一人」という評価にとどまったが、ようやく王座挑戦が実現した。出身のイングーシとアブダビは時差1時間で、イヴロイエフの方がホームに近いと言える。

オッズは非常に僅差だったものの、現時点ではヴォルカノフスキー1.93倍、イヴロイエフ1.89倍で、イヴロイエフはUFCデビューから全試合フェイバリットに。

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UFC333:セミファイナル・ピョートル・ヤン vs. メラブ・ドバリシビリ

バンタム級タイトルマッチ5分5R。ヤンは初防衛戦。ドバリシビリはランキング・METAランキングともに1位。

ロシアのヤンは33歳。UFC12勝4敗(4KO勝ち)。キャリアでは20勝5敗(7KO、1一本勝ち)。高いボクシング技術を武器とするストライカー。13歳からボクシングを始め、20歳でMMA転向。2018年のUFCデビュー戦では石原夜叉坊に1RKO勝ち。そのまま無敗で6連勝し、ヘンリー・セフードの引退で返上したベルトをジョゼ・アルドと争い、5RKO勝ちで王座を獲得した。しかし初防衛戦ではアルジャメイン・スターリングに優勢な展開から、明らかに反則のグラウンドヒザを打ち込み、反則負けで王座陥落。サンドヘイゲンに勝って暫定王座を獲得したが、スターリングとの再戦ではバックを奪われる展開でスプリット判定負け。さらにショーン・オマリーに議論を呼ぶ内容での判定負け。2023年3月のメラブとの初戦では、メラブが49回のタックルで11度のテイクダウンを奪う展開で、打撃でも圧されて判定負け。5戦で1勝4敗となり、完全に勢いを失った。そこから3連勝で、昨年12月にメラブと再戦。今度はテイクダウンを2度しか許さず、逆に5度のテイクダウンも奪い、2度目の王座獲得となった。その後腰を手術したため長期の欠場となり、今回が再起戦となる。

ジョージアのドバリシビリは35歳。UFC14勝3敗(1KO、1一本勝ち)。キャリアでは21勝5敗(3KO、2一本勝ち)。UFC史上最多119回のテイクダウン成功数を誇るテイクダウンマシーン。押さえ込まずに立たれてもまたテイクダウンを奪う展開で相手の体力を削っていくスタイル。ジョージアで柔道・サンボを学び、21歳からアメリカに移住し、ニューヨークのセラ・ロンゴ・ファイトチームに所属。2017年のUFCデビューからは2連敗したが、そこから連勝。しかし判定が多いためにすぐにはチャンスが与えられず、8連勝した後の2023年のヤン戦で初のメインに抜擢された。そこで勝利したことで、ようやくタイトルコンテンダーとしての道がひらけたものの、同門のスターリングを破ったオマリーとの対戦はなかなか実現せず、2024年9月にようやく対戦。試合は終始ドバリシビリがテイクダウンでリードする展開で、5Rにミドルで腹を効かせられたピンチを乗り越えて判定勝ち。昨年は無敗のウマル、オマリーとの再戦、サンドヘイゲン戦と3度の防衛に成功し、そこからインターバル2か月でヤンとの再戦に臨んでUFC史上初の年間4度の防衛に挑んだものの、判定負けで王座を失った。その後はレスリングイベントRAFでエドガーやセフードなどの元UFC王者と対戦しているが、MMAの試合はヤンの復帰を待っていたため10か月ぶりとなる。今回の試合に向けては、新たなレスリングコーチを雇い、ヤン対策に特化してきた。

前戦ではヤンがスタンドでペースを握る展開で、メラブはなかなかテイクダウンを奪えず。3Rにようやくテイクダウンを奪って、いつものように後半圧倒するペースに持ち込んだかと思ったが、ボディを打ち込まれて明らかに効いた様子を見せてしまったのが響き、後半3Rをすべてヤンが取って判定勝ちしている。

オッズはヤン1.57倍、ドバリシビリ2.45倍。

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UFC333:第12試合・ロニー・カヴァナ vs. ラマザン・テミロフ

フライ級。ランキングはカヴァナ6位、テミロフ10位。METAランキングではカヴァナ6位、テミロフ7位。

イギリスのカヴァナは27歳。UFC3勝2敗(3判定勝ち)。キャリアでは10勝2敗(4KO、1一本勝ち)。幼少期からキックボクシングに取り組み、スピードと爆発力のあるパンチ、変則的な蹴り技を武器とするストライカー。ブラッド・ピケットのグレートブリテン・トップチーム所属。ロンドン出身・在住だが、母親が香港出身のため、中国大会には中国国籍として出場することもある。UFC3戦目でルーキーキラーのチャールズ・ジョンソン相手に序盤に打撃で圧倒したものの、失速した2Rにパンチを貰い逆転KO負けでキャリア初黒星。しかし翌年2月のメキシコ大会では、欠場したアルマバエフの代役として初のメインで元王者のブランドン・モレノと対戦。モレノのテイクダウンを防ぎ、打撃では2Rにダウンも奪ってビッグアップセット勝利をものにしている。7月にはトップランカーのロイバルと対戦。平良に勝った後、ヴァンとケイプに連敗中のロイバル相手にオッズではフェイバリットの評価だった。カヴァナが打撃でリードする場面もあったものの、3Rにテイクダウンからバックを奪われてのチョークで一本負けしている。

ウズベキスタンのテミロフは29歳。UFC3勝0敗(2KO勝ち)。キャリアでは20勝2敗(12KO、1一本勝ち)。フライ級ながら、速い踏み込みからの左右のフックにより、高いKO率を誇るハードパンチャー。バックボーンは空手・ハンドトゥハンド・コンバット(近接格闘術)、テコンドーなど。2023年にRIZINで2連続KO勝ちしたが、翌年UFCと直接契約。2戦目でランカーのチャールズ・ジョンソンに判定勝ち。しかし昨年7月には禁止薬物により1年間の出場停止処分となっている。今年7月の復帰初戦では、元タイトル挑戦者のスティーヴ・エルセグと対戦。序盤はエルセグがテミロフの速い踏み込みからのパンチを凌いでいたものの、徐々にパンチが当たりだし、1R終盤に連続でパンチが入りKO勝ち。試合後にカヴァナとの対戦をアピールしており、今回の試合はそれが実ってのもの。

オッズは現時点でカヴァナ1.91倍、テミロフ1.91倍。

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UFC333:第11試合・アレクサンドル・ヴォルコフ vs. リズヴァン・クニエフ

ヘビー級。ヴォルコフ2位、クニエフ7位。METAランキングはヴォルコフ4位、クニエフ5位。

ロシアのヴォルコフは38歳。UFC14勝5敗(6KO、1一本勝ち)。キャリアでは40勝11敗(24KO、4一本勝ち)。極真がバックボーンで、206cmの長身・長いリーチからの蹴りを武器とするストライカー。2024年にセルゲイ・パブロヴィッチとのロシア人対決を制してから2年以上トップ3の座にいるが、まだタイトル挑戦経験がない。現王者のガーヌに判定負けしてから、ジャイルトン・アウメイダとワルド・コルテス・アコスタに判定勝ちしているものの、アウメイダ戦は簡単にテイクダウンを許す展開で、アウメイダのパウンドがないことに救われての判定勝ち。アコスタ戦は距離を取ってのアウトボクシングに徹し、リードした3Rは倒しに行くのではなく距離を取り逃げ切る選択をしての判定勝ちと、内容で大きく評価を下げている。それもあって、来月のガーヌの初防衛戦は、4月にランキング入りしたばかりのホキットに挑戦権を奪われた。

ロシア・ダゲスタンのクニエフは34歳。UFC2勝1敗(1KO勝ち)。キャリアでは15勝3敗1分1NC(7KO、3一本勝ち)。バックボーンは散打。相手のテイクダウンを凌いでボクシングで勝負するスタイル。UFCデビュー戦のカーティス・ブレイズ戦ではテイクダウンを奪われたものの、アウメイダ戦、レスラーのタイレル・フォーチュン戦ではテイクダウンをすべて切っている。しかし、PFL時代には同じく長身でリーチが長いヘナン・フェヘイラ相手に苦戦したこともあり(クニエフの判定勝ち後、禁止薬物検出によりNC)、長身のストライカーはやや苦手にしているところがある。11年前の2015年にはIGFに参戦している(後のUFCファイター・ジャスティン・ウィリスに判定負け)。

両者は昨年10月にアレックス・ペレイラと対戦したマゴメド・アンカラエフのファイトキャンプにともに参加しており、その際にスパーリングをしたこともあるとのこと。

オッズはヴォルコフ1.80倍、クニエフ2.05倍。

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UFC333:第10試合・アーロン・ピコ vs. ルシーニ・ケイタ

フェザー級。ピコはランキング11位、METAランキング14位。Tapologyのランキングは95人中ピコ20位、ケイタ37位。

アメリカのピコは30歳。UFC1勝1敗(1判定勝ち)。キャリアでは14勝5敗(9KO、2一本勝ち)。レスリングエリートで、アマチュアボクシングの実績もあり、鳴り物入りでBellatorと契約したものの、20歳でのプロデビュー戦でまさかの秒殺一本負け。これで歯車が狂ったのか、その後は派手なKO勝ちと、一発をもらってのKO負けのどちらかという、戦績が安定しない時期が続いた。レスリングを武器に押さえ込む展開が増えてからは派手なフィニッシュ勝利は減ったものの、10戦で9勝1敗(肩の脱臼による途中棄権の1敗のみ)と勝ちが増えた。昨年8月にUFC初参戦。いきなりトップランカーのレローン・マーフィーと対戦し、打撃でリードしている展開から、バックヒジをもらってKO負け。ある種、デビュー当時のスタイルに戻ったように見えた。2戦目は、同じく元Bellatorで、先にUFCデビューしてランキング入りしていたパトリシオ・ピットブルと対戦。距離を取っての打撃とテイクダウンで優勢に試合を進めて判定勝ち。ランキング入りを果たしている。

当初は上位ランカーのアーノルド・アレンとの対戦が組まれていたが、アレンが欠場。先月のパリ大会でUFC初勝利を挙げたばかりの元OKTAGON王者ルシーニ・ケイタが代役に名乗りを挙げた。

ベルギーのケイタは28歳。UFC1勝1敗(1KO勝ち)。キャリアでは17勝2敗(11KO勝ち)。爆発的なスピードとパンチ力を持つストライカー。OKTAGONでフェザー級王座を獲得後、ライト級30万ユーロ(約5200万円)のトーナメントで優勝しライト級王座も獲得。他団体大物選手枠としてUFCとの直接契約を果たしたが、昨年9月のパリ大会でのUFCデビュー戦では、いきなりランカーのパトリシオとの試合が組まれたものの、計量で3ポンドオーバー。パトリシオが対戦を拒否したため、試合が消滅している。今年3月のUFCデビュー戦では、リーチが長いウッドに距離を取られてカーフで削られる展開となり、スプリット判定負け。ビッグネームがUFC初戦で勝てないというジンクス「UFCジッター」に、ピコ同様に嵌ってしまった。9月の2戦目は、ほぼホームのパリ大会に、前回の計量失敗以来の出場が決定。UFC5勝2敗のムハンマド・ナイモフを1RでKOし、ようやく本領発揮。大きなインパクトを残した。

オッズはピコ1.87倍、ケイタ1.95倍。

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UFC333:第9試合・アザマト・ムルザカノフ vs. ドミニク・レイエス

ライトヘビー級。ムルザカノフ7位、レイエス8位。METAランキングでは逆にレイエスが上で、ムルザカノフ9位、レイエス7位。

ロシアのムルザカノフは37歳。UFC6勝1敗(5KO勝ち)。キャリアでは16勝1敗(12KO、1一本勝ち)。ライトヘビーでは2番目に小柄な178cmながら、素早い飛び込みからの強烈なパンチでKOの山を築くストライカー。バックボーンはレスリング・ボクシング・近接格闘術。UFCデビューから6連勝・5KOで、もう少しでトップランカーの位置まで上り詰めたが、前戦はライトヘビー級本格転向初戦となるパウロ・コスタとの対戦。距離を詰めるところに打撃を合わせられる展開で、3RにハイキックでKO負けし、プロ初黒星を喫した。本人はコスタ戦の前に健康上の問題があり、ベストのコンディションではなかったとのことで、コスタとの再戦を要望したが、当然UFCからは受け入れられずに今回の試合が決まっている。レイエスとは身長で15cm、リーチでは14cmの差がある。

アメリカのレイエスは36歳。UFC10勝5敗(6KO、1一本勝ち)。キャリアでは16勝5敗(10KO、2一本勝ち)。重量級に多い、大学アメフト出身のスーパーアスリートタイプの選手で、身体能力の高さを活かした打撃が武器。無敗でUFCと契約して6連勝し、2020年にジョン・ジョーンズのタイトルに挑戦。判定負けしたものの、レイエスの勝利を支持する見方も多く、ジョーンズをキャリアでもっとも追い込んでいる。それだけに、JJのヘビー級転向によるタイトル返上後は、王者の最有力候補だったが、そこからブワホビッチ、プロハースカ、ライアン・スパン相手に3連続フィニッシュ負け。明らかに打たれ弱さを見せており、限界説が囁かれていた。しかし、ここから5戦で4勝1敗(3KO勝ち・1敗の相手は現王者アルバーグ)と驚異の復活を果たしている。

オッズはムルザカノフ1.44倍、レイエス2.85倍。

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UFC333:第8試合・ニキータ・クリロフ vs. アブドゥルラフマン・ヤキヤエフ

ライトヘビー級。クリロフ15位、ヤキヤエフはランク外。METAランキングではクリロフがランク外でヤキヤエフが15位。Tapologyのランキングは49人中クリロフ23位、ヤキヤエフ28位。

ロシアのクリロフは34歳。UFC12勝10敗(5KO、5一本勝ち)。キャリアでは31勝12敗(13KO、16一本勝ち)。出身はウクライナだが、現在はロシア国籍を取得している。バックボーンは極真で、蹴りを織り交ぜた打撃とサブミッションが武器。2013年にUFCと契約し、6勝3敗でランキングにも入っていたが、家族との時間を大切にするために、UFCとの契約満了後は地元ロシアのFNGと契約。2018年にUFCロシア大会で復帰したものの、復帰後の戦績は6勝7敗と負け越している。3連勝していた2023年に左肩を負傷し、約2年間の長期欠場中には、リハビリが難航したことで一時は引退も考えていた。復帰後は1勝3敗(3KO負け)。

チェチェン出身・トルコ国籍のヤキヤエフは25歳。UFC3勝0敗(1KO、2一本勝ち)。キャリアでは10勝0敗(4KO、5一本勝ち)。コンバットサンボがバックボーン。10勝のうち8勝が1R勝利で、UFCでは3試合とも1Rでフィニッシュしている。相手を一撃で倒すパンチの威力と、テイクダウンから短時間でサブミッションにつなげるグラップリング能力が武器。まだ底が見えない部分が多い。昨年11月のUFCデビュー戦はわずか33秒での一本勝ちで、ライトヘビー級最短一本勝ち記録を保持している。前戦はUFC1勝2敗のジュリアス・ウォーカーにわずか8秒でKO勝ち。4戦目でランキング挑戦のチャンスを手にした。

オッズはクリロフ4.90倍、ヤキヤエフ1.19倍。お互いランキング間際同士だが、オッズでは大差となっている。

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UFC333:第7試合・アブス・マゴメドフ vs. キャム・ラウストン

ミドル級。マゴメドフ12位。METAランキングではマゴメドフ13位。Tapologyのランキングは81人中マゴメドフ18位、ラウストン31位。

チェチェン出身・ドイツ国籍のマゴメドフは36歳。UFC5勝3敗(1KO、2一本勝ち)。キャリアでは29勝7敗1分(14KO、8一本勝ち)。長い手足を活かした打撃とテイクダウンからのサブミッションを幅広く使いこなすオールラウンダー。特に蹴りの強さが武器。15歳までダゲスタンで育ち、そこで学んだレスリングがバックボーン。母の治療のために一家でドイツに移住し、そこでMMAを始めている。2022年9月のパリ大会でUFCデビューし、わずか19秒でKO勝ち。2戦目は対戦相手から拒否され続けた結果、ランカーで現王者のストリックランドと対戦することになったものの、2Rに入り急失速し、ストリックランドのパンチのラッシュでKO負け(ストリックランドは次戦でアデサニヤを破り1度目のミドル級王者となっている)。その後は4勝2敗で、敗れた相手はカイオ・ボハーリョ(現5位)とジョー・パイファー(現6位)。3敗はいずれも序盤は優勢だったが、2R以降にひっくり返されての負け。

オーストラリアのラウストンは31歳。UFC3勝0敗(2KO勝ち)。キャリアでは15勝3敗(6KO、7一本勝ち)。シティキックボクシング所属で、メインで防衛戦を行うヴォルカノフスキーとは同胞でチームメイト。元ミドル級王者アデサニヤとは、長年のスパーリングパートナーだった。18歳まではバスケをしており、その後にMMAに転向。キックトーナメントのKing of the Ringと、グラップリングのADCCニュージーランド大会の両方で優勝経験がある。打撃は一発で倒すタイプではなく、組み技と混ぜて試合を優勢に進め、チャンスが生まれるとフィニッシュを狙いに行く。2024年のDWCSでは、エリートレスラーのトレス・フィニーにテイクダウンからコントロールされ完敗。昨年、2度目のDWCSで勝利してUFCとの契約を決めた。前戦はUFC1勝1敗のロベルト・ブリチェックにテイクダウンからコントロールする展開に持ち込み判定勝ち。3連勝とはいえ、まだ前座戦線での実績しかないものの、初のランカー挑戦のチャンスを掴んでいる。

オッズはマゴメドフ1.82倍、ラウストン2.02倍。

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UFC333:第6試合・グラント・ドーソン vs. ヌルーロ・アリエフ

ライト級。Tapologyのランキングは98人中ドーソン18位、アリエフ48位。

アメリカのドーソンは32歳。UFC12勝2敗1分(2KO、5一本勝ち)。キャリアでは24勝3敗1分(5KO、14一本勝ち)。バックボーンのレスリングを武器としたテイクダウン&コントロール、グラウンドでのチョークが武器。高校時代にレスリングで好成績を残すと、大学レスリングには進まずMMAに転向。2019年にUFCデビューすると、1分を挟んで8連勝。2023年に初のメインに登場したものの、曲者ボビー・グリーンにまさかの秒殺KO負けでUFC初黒星を喫した。その後、ランク外の選手相手に3連勝し、再びランキング入りしたものの、今度はメキシコのプロスペクト・マヌエル・トーレスに1RKO負け。前戦はATTの同門・マテウス・レベツキと対戦し、得意のチョークで一本勝ちしたものの、これだけハイアベレージを残しながら、ランカーとの対戦は2023年のダミル・イスマグロフ戦以降組まれていない(イスマグロフはドーソン戦の負けで5勝2敗となったところでUFCと再契約されずに放出されている)。今回もランク外の地味強との対戦に。

タジキスタンのアリエフは25歳。UFC4勝0敗(4判定勝ち)。キャリアでは12勝0敗(2KO勝ち)。12歳から始めたフリースタイルレスリングがバックボーンで、テイクダウンから塩漬けにしてコントロールし続けるスタイル。DWCSではテイクダウンからパウンド・ヒジで削り、1RでTKO勝ち。タジキスタン出身で初のUFCファイターとなったが、ここまではひたすらレスリングでコントロールしての判定勝ち。テイクダウンするまでに打撃も見せてはいるが、あまりレベルが高いとは言えず、テイクダウン後にダメージを与える攻めが少なすぎるのが欠点。このスタイルでは、テイクダウンを奪えない相手と対戦した場合にどうなるかという疑問が残る。

オッズはドーソン1.80倍、アリエフ2.05倍。

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UFC333:第5試合・コルビー・シックネス vs. アサフ・チョプロフ

バンタム級。Tapologyのランキングは89人中シックネス52位、チョプロフはランク外。

オーストラリアのシックネスは27歳。UFC2勝1敗(2判定勝ち)。キャリアでは9勝1敗(2KO、2一本勝ち)。6歳から始めたレスリング、黒帯を取得した柔術がバックボーンのグラップラー。昨年2月のオーストラリア大会で、欠場選手の代役としてUFCデビューし、アレクサンドレ・トプリアと対戦したが判定負け。テイクダウンを奪えない相手には苦戦する傾向にある。前戦ではヴィンス・モラレス相手にテイクダウンを奪えなかったものの、打撃のヒット数で上回っての判定勝ち。メインで防衛戦を行うヴォルカノフスキーとは18歳からメイントレーニングパートナーを務めてきたが、今回は長年の夢だった、ヴォルカノフスキーと同じ大会への出場が初めて実現する。

ロシアのチョプロフは24歳。UFCデビュー戦。キャリアでは11勝0敗(5KO、5一本勝ち)。レスリングベースだが、KOできるパンチも持つウェルラウンダー。10歳から5年間、空道の経験もある。UFC参戦・DWCS出場をアピールし続け、6月のアゼルバイジャン大会出場の話もあったが実現せず。7月にはUFCファイトナイト・アブダビ大会のファイトウィークに開催されたUAEウォーリアーズで、元ONEタイトル挑戦者のリース・マクラーレンを1R1分3秒でKO。バンタム級王座の防衛に成功している。この勝利が評価され、DWCSを経ずにUFCとの直接契約が決まった。メインと同じオーストラリア vs. ロシアの構図で、チョプロフにとってはマクラーレン戦に続くオージーファイターとの対戦となる。シックネスがヴォルカノフスキーの練習仲間なのに対し、チョプロフはセミで防衛戦を行うピョートル・ヤンのトレーニングパートナーを務めている。

オッズはシックネス5.10倍、チョプロフ1.18倍。今大会一番の大差に。

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