格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★DREAM.17:予想と展望

▼第1試合 無差別級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
ミノワマン(フリー/スーパーハルクトーナメント優勝)
vs
バル・ハーン(モンゴル/チーム新日本)

急遽追加になった第1試合。今年からの再生DREAMはバンタム級のスタートもあって、軽量級の試合の割合が多い。軽量級は大会場だと見劣りするし、一本・KO決着も減る。そんな中にミノワマンのハルクマッチが1試合あるだけでも、会場の雰囲気はだいぶ変わってくる。運営側もそれは承知の上のはずなのに、なぜかここまでずっとミノワマンの試合が汲まれることはなかった。その間、HEATやグラジエイターで試合(MMAやプロレス)をやってはいたが。
相手のバル・ハーンは大きいけど戦績は2戦1勝1敗で、まあいつものミノワマンの試合になりそう。美濃輪ももう35歳。実力的にはピークを過ぎるころ。しかも、階級上の相手との試合でダメージを負うこともある(全くノーダメージで勝つことも多いが)。実際、大晦日の泉戦ではパウンドをもらい続け、翌月の試合を脳のダメージによりキャンセルしている。このままずっと同じような試合を続けていくんだろうか。ハルク優勝でもう「上がり」になってしまったし、今さら同階級のタイトル戦線なんて目指さない(し目指せない)だろう。
ミノワマンが足関で一本勝ち。

▼第2試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 DREAMルール 5分3R
ユサップ・サーデュラエフ(ロシア・タゲスタン共和国/Uflacker Academy)
vs
ホドルフォ・マルケス・ディニス(ブラジル/ノヴァウニオン/修斗南米フェザー級1位)

バンタム級GPは前座扱い。まあメンツが無名選手揃いだし、1回戦は仕方がないか……。
二人ともローカル戦線で活躍していて、メジャーはこれが初出場。ユサップはロシア人だが、現在はアメリカ在住で、戦績もすべて北米のもの。レスリングのバックボーンに加え、柔術やボクシングも身につけていて、しっかりとした実力がある。対するディニスは名門ノヴァ所属。ローカルでも割と判定率高め。塩漬け系?レスラーのサーヂュラエフを固めるのは難しいと思うが。お互いの戦ってきた舞台が違うので、実力の比較は難しいが、ディニスの方がレベルが高い相手とやってきているのではないか。
組み・打撃で上回るディニスが判定勝ち。

▼第3試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 DREAMルール 5分3R
今成正和(Team-ROKEN/初代DEEPフェザー&バンタム級王者)
vs
エイブル・カラム(アメリカ/KOTCフライ級王者)

今成が過去に敗れた外国人選手のうち、階級上のヨアキム・ハンセン以外、すべてブラジリアン柔術家に押さえ込まれての判定負け。それ以外の外国人戦では、現在4試合連続で1R一本勝ちしている。日本人対決だと、今成の戦法が知れ渡っていて、誰とやっても同じような試合になり判定決着が多いが、外国人はわりと真っ向勝負してきてくれるので、その分今成が一本で勝つチャンスがある。
グラウンドが得意なカラムだが、その得意のグラウンドで所に一本負けしているので、今成相手には通用しないだろう。今成が一本勝ち。

▼第4試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 DREAMルール 5分3R
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム/初代DREAMフェザー級王者)
vs
大塚隆史(AACC/第2代DEEPバンタム級王者)

前回の対戦では、上からパウンドを落としていたビビアーノになぜか膠着イエローが出されたということしか印象に残っていない。大塚はメジャー初参戦ということを考えたら、ビビアーノ相手によく健闘していた方かもしれないが、その後、やや伸び悩んでいるし、正直そこまで再戦が見たいカードではない。
ただ、今回の出場メンバーで、ビビアーノを下せるとしたら大塚しかいないと思う。大塚にとって、大沢の代役でビビアーノ戦が決まったのは大きなチャンス。最近負けた試合は、すべて本人が負けたとは思っていない、競った内容だった。勝ち方を覚えれば、一気に日本バンタム級のトップに立てるだけの能力は持っている。
予想は前回同様の内容でビビアーノ判定勝ち。

▼第5試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 DREAMルール 5分3R
所 英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス/DREAMバンタム級日本トーナメント優勝)
vs
アントニオ・バヌエロス(アメリカ/ピット・ファイト・チーム)

元WEC・UFCファイターのバヌエロス。しかし、UFC最後の試合は、ものすごく退屈だったという印象しかない。しかし、今回の初顔3人のうちでは、もっとも実績がある選手。ディニスとユサップは底が見えないだけに不気味さはあるが、WECで大沢を下しているバヌエロスをエースの所と当てるというのは、なかなか思い切ったカード。
基本的にはテイクダウンを防いでボクシングで打ち勝つというスタイル。しかし、金網とリングの違いが影響する可能性がある。ジョシュ・トムソンも、ロープ際での川尻のテイクダウンに対しあまり対処が出来なかった。グラウンドはあまりやらないタイプなので、寝技に持ち込めれば所ペースになる。
所一本勝ち。

▼第6試合 ミドル級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
中村和裕(吉田道場)
vs
ジェラルド・ハリス(アメリカ/ゴースト・ドッグ

TUF7では優勝したアミール・サドローに一回戦で敗れたハリスだが、UFCデビュー後は3連勝。しかし、マイケル・ファルカオンに判定負けした1敗だけでリリースされている。バヌエロス同様、負けた試合は退屈でブーイングが飛びまくっていた。戦績が悪くないのに日本に来るような選手は、試合内容に問題がある場合が多い……。
ある意味中村も同じタイプの選手。前回、DREAM初参戦で判定勝ちしたのに、2回目の参戦までは1年以上開いてしまった。ミドル級が盛り下がっているだけに、勝つだけではなく内容も求められる。中村自身もそれをわかっていて、進退をかけて試合に臨むようなので、期待したい。
ハリス判定勝ち。

▼第7試合 ライト級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
北岡 悟(LOTUS/初代戦極ライト級王者)
vs
ヴィラミー・シケリム(ブラジル/ノヴァウニオン/第10代修斗世界ウェルター級王者)

青木・川尻の相手としてラインナップされていたシケリム。UFCは1戦でリリースされたが、打撃・グラウンドとも強く、一筋縄ではいかない。継続参戦すれば、ライト級上位でタイトル争いが出来るレベルだと思う。
初戦から厳しい相手との試合になった北岡。インパクトを残すには一本勝ちが求められるが、気負って無理に一本を狙いに行くと、凌がれた後が怖い。確実にポジションを取ってリードした結果、チャンスがあれば一本を狙うくらいでいいと思う。
判定で北岡。

▼第8試合 ウェルター級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
桜庭和志Laughter7
vs
ヤン・カブラル(ブラジル/Aranhe Jiu-Jitsu)

ノヴァ・ウニオンで黒帯を取得したというカブラルだが、現在はスペイン在住で、試合経験も半数近くがヨーロッパでのもの。対戦相手のレベル的には、同じノヴァでもシケリムやディニスほどではない。全試合一本勝ちで、寝技が強いのは間違いないが、一方では打撃やレスリングのレベルは良くわからない。
桜庭がMMAでスターになる過程では、打撃とレスリングが出来ない柔術家相手に、グラウンドを避けて打撃で痛めつけるという試合を繰り返していたが、果たして今のレベルの柔術家相手でも同じ戦法が通用するのか?大晦日には良くわからなかった、桜庭のウェルター級への適応状況も気になる。
カブラル判定勝ち。

▼第9試合 フェザー級ワンマッチ 5分3R
宇野 薫(UCS/第4代修斗世界ウェルター級王者)
vs
リオン武(シューティングジム横浜/第5代・第8代修斗世界ライト級王者)

前回、宇野は連敗で崖っぷちまで追い込まれていたが、若いウィッキーを完封して見事に復活。今回も、ウィッキーと同じSTG横浜*1のリオンと対戦。宮田に完封された者同士でもある。ウィッキーはスタンドレスリングで完封されたが、同じチームのリオンは対策を取ってくるはず。打撃ではリオン。宇野は打撃を凌ぎつつ、ワンチャンスで一本を取りたい。
リオン判定勝ち。

▼セミファイナル(第10試合) フェザー級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
川尻達也(T-BLOOD/第8代修斗世界ウェルター級王者)
vs
ヨアキム・ハンセンノルウェー/ヘルボーイ・ハンセンMMA/初代DREAMライト級王者)

川尻のフェザー転向は、フェザー級の活性化というプラスよりも、ライト級の過疎化というマイナスの方が大きい。そういう見方を払拭するためにも、川尻はハンセンを圧倒して勝たなければならない。テイクダウンは取れても、ライト級時代の塩漬けにする圧力が維持できていなければ、ハンセンの下からの攻めに苦戦するだろう。川尻が初のフェザー級でどれだけ動けるかがポイント。
川尻がパウンドでKO勝ち。

▼メインイベント(第11試合) ライト級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
青木真也パラエストラ東京/Evolve MMA/DREAMライト級王者)
vs
ロブ・マックロー(アメリカ/チーム・オーヤマ/第4代WECライト級王者)

まだレベルが低かった時代のWEC王者・マックロー。3月のBellatorでは、ライト級トーナメントで本命と目されながらまさかの一回戦敗退。このレベルの相手とメインで当てられるというのも楽じゃない。いつも通りの試合をすれば負ける相手ではないが、メインという余計な意識がひとつ乗っかってくると、いつも通りの試合にならない可能性も。まあ青木はそんなか弱いメンタルを持ち合わせていないと思うが。
青木がチョークで一本。
明日16時から速報します。

*1:ウィッキーの所属はSTGYになっているが