格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★川尻vs宇野世紀の一戦

一日ネットで結果を見ないように気をつけてまでスカパー観戦した甲斐があった。今年のベストバウト候補。
もう一日過ぎてるし、詳細な観戦記がフリジッドスターさんの所(id:frigidstar)に出ているので、感想をややとりとめもなく。
まずはセミから。もう旬は過ぎた感じがしていたパルヴァーだが、モノが違った。パンチの重さが半端じゃない。植松が完全な引き立て役になってしまった。KIDとの対戦が見たい。K-1ルールでもいいから。むしろK-1ルールで見たいくらい。これでますます修斗ライト級が加熱していくわけだが、ちょっと強豪が集まりすぎという気もする。トップランカー同士の対戦が毎月組まれるくらいじゃないと消化しきれないのでは。贅沢な悩みだが。
メイン。素晴らしかった。あの宇野がまったくテイクダウンできない川尻のパワーと腰の強さ。そして川尻がディフェンス一方になる宇野の上手さ。どちらも最高だった。宇野は、UFCに行ってむしろ評価が下がっていたのかもという気がした。宇野が去った以降の修斗は、以前とはレベルが違うと言われてもいたし。しかし、さすがに世界のメジャーリーグでやってきただけのことはあった。
全体としてみたら、やはり川尻強しという印象を受けた。最終ラウンド終了間際の攻勢を抜きにしても、一度も宇野に有利なポジションを取らせず、最後までタックルを切り続けた。組んでからの膝もバンバン入っていて、宇野はあまり効いた様子は見えなかったが、ラウンドが進むほどに調子が上がる宇野が最後に失速したのもこれが影響していたのかもしれない。
一方の宇野。振り返ってみたら、効果があった攻めはローだけだったかもしれない。でも、自分は宇野の方に素晴らしさを感じた。常に攻め続けていたのは宇野。名前は上でも、挑戦者のように積極的に攻めていった。
だが、無理にテイクダウンを狙って、結果として潰され、不利なポジションになることも多かった。プロ意識が裏目に出たとも言える。しかし、宇野は不利な体勢になっても、そこからがうまい。不利なはずなのに攻めさせない。抜ける。逆に攻めていく。とにかく、面白いのは宇野だった。
判定に関しては、ラウンド毎をデジタルに採点したらああなるのは仕方がない。どういう結果もありえたし、予想できないことではなかった。しかし、やっぱりやや後味の悪さが残ったのも事実。誰のせいでもないことだが。
今回、川尻はドローとはいえ印象ではほとんど勝者だったが、評価をあげたのは宇野だと思う。まあ、川尻が有利だと思っていたので、宇野の健闘が予想外だったからなのだが。結果的に、いきなりシャオリンとやるよりずっと良かったのではないだろうか。輝いていたのは宇野。しかし、その宇野をがっしりと受け止めて、上回って見せた川尻の強さも捨てがたい。しかしその川尻相手に攻め続ける宇野というのも・・・とループに陥ってしまうような、そんな試合だったと思う。
最後に船木のバッテンおじぎをしてから帰る宇野がかわいかった。