格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★DEEP60感想

SAMURAIニアライブ視聴。
中村大介 vs. 伊藤崇文
中村の腕十字は素早く察知して全て外して見せた伊藤。中村はいくら得意技でもあそこまで狙うと警戒されてしまう。しかし2Rには打撃勝負に出た伊藤にパンチを浴びせてKO。
試合後、北岡戦をアピールする中村。すぐにではなく「チャンスがあれば」ということだが、解説の北岡はファイトマネー次第という回答だった。要は、高いファイトマネーを要求してもプロモーションが組む価値があるとみなすだけの注目があるかどうか。中村は菊野に完敗しているので、その菊野に勝っている北岡としては当然の回答か。
昇侍 vs. キム・ホジュン
チェ・ドゥホの代役として直前に出場が決まったホジュン。キックをバックボーンにした、プロキャリアはわずか2戦の選手だが、びっくりするほどグラップリングが強かった。少なくとも組み技では昇侍を上回っていた。韓国の総合格闘技のレベルはどんどん上がっている。しかし、次第に昇侍が打撃で削っていくと、タックルも決まらなくなり最後はパンチでKO。結果は順当だった。
途中、ホジュンがグラウンド状態の昇侍の顔面に膝を入れて反則を取られていたが、明らかにルールが分かっておらず、同じ体勢でまたやってしまった。急遽参戦とはいえ、グラウンド状態での顔面への膝はNGのルールの方が多いし、あまり言い訳にはならない。しかし、そもそも最初の段階で芹澤レフェリーがちゃんと注意をしたり、2回目の体勢になった時に事前に警告していれば防げたはず。説明は日本語でやっていたようなので伝わっていなかったのだろう。通訳経由にする必要がある。
菊野克紀 vs. 岸本泰昭
両脇を差してから瞬時に投げてテイクダウンする菊野の四つ組みの強さが印象に残った。スタンドでは菊野の構えを岸本が警戒しすぎていたが、実際の打撃では岸本の方が当たっていたし、あまり効果はなかったように思う。テイクダウンを取りまくるが、そこからの攻めはやや足りなかったか。一方、岸本は3Rにパンチでバランスを崩したところにサッカーボールキックを放ったところが有効打とみなされたのかもしれない。それでもドローはないと思うが。
中西良行 vs. 悠羽輝
悠羽輝が中西のテイクダウンを良く防いで、テイクダウンされても何度も立ち上がっていたが、攻撃に出る余力までは残っていなかった。やはりキャリアの不足か。本来ならタイトルマッチまで上がってくる間に経験を詰めるところが、この階級の層の薄さのため、3勝したところで王者以外相手がいなくなってしまったというのが不運。
悠羽輝はロープ掴みが多いのが気になった。ローブローなどと違い、ロープ掴みは故意にやっているのだから、1回目からカードでいいと思う。反則だと分かっていて掴んでいるのに口頭注意する意味はない。現状では実質1回まではOKというのと同じになってしまっている。
過去にロープ掴みの前科がある選手はちょくちょくやる傾向にあるので特に厳しめにして欲しい。あと、メインでの桜井の場外転落も、ポジションを取られそうになったところだったので場外逃避に見えた。同じ選手だけ何回も場外に落ちるのは不自然。ドントムーブがないのだから、故意に場外に逃げる動きには厳しく反則を取って欲しい。
中村和裕 vs. 桜井隆多
パンチでは中村が優勢。両脇を差させてからの得意の払い越しで何度も投げるなど、テイクダウンでも優勢。それでいて、桜井は一発のパンチの重さとタフネスで、なんだかんだで最後には互角の勝負に持ち込むのがすごい。
それでも全体的には中村ペース。中村の勝利で問題ない内容だった。中村は足関も良かった。吉田道場は意外とフットロッカーが多い。
客席も両者の応援団で盛り上がっていたし、やはり中村は後楽園に向いている選手だと思う。いきなりトップの桜井に勝ってしまったが、ナンバーシリーズでは1年以上ミドル級の試合が組まれていなかったDEEPでは相手探しが難しい。川村や大山など、他団体の選手との対戦も見たい。
三崎引退
http://gbring.com/sokuho/news/2012_10/1019_deep.htm

バックステージでは昨年の秋頃から引退を考え、今年3月の試合を最後に引退するつもりだったことを告白。直接的な引退の理由については「具体的な限界を感じた。膝、足首、肘を何回も手術して、そういった部分でも限界が来てしまったのかなと思う」と長年のダメージの蓄積と怪我だと説明する。

ポール・デイリーに勝った時はこれから先が楽しみだったが、本人としては最後の試合のつもりだったのか。全く想定していないタイミングでの引退だが、あれだけの激闘をしている選手なので、選手を続けられないほどのダメージが蓄積してしまったといわれると納得せざるを得ない。個人的なベストバウトは2度目のサンチアゴ戦。
SAMURAIの中継は第1試合から始まったので、全試合放送するのかと思っていたら、第4試合から急にカット。メイン終了後に昇侍の試合のみ流れたが、結局DJや大塚の試合は放送されず。SAMURAIの中継開始時間が11時から10時に早まったことで、全体のスケジュールを調整することがより難しくなった(10時の時点でまだ試合は続いていたし)のは間違いないが、入場やタイトルマッチのセレモニーなどを削ってできるだけ多くの試合を入れて欲しかった。これでは時間変更は改悪になってしまう。