格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★UFC on FuelTV8:UFC JAPAN2013予想と展望

第1試合・ウェルター
イム・ヒョンギュ 1.29
マルセロ・ギマラエス 3.60

昨年11月のマカオ大会で組まれていたカードだが、ヒョンギュ欠場で試合が消滅してしまった。仕切りなおしで組まれた一戦。
ギマリャエスは元ジャングルファイトミドル級王者で、当然見所はセコンドにつくイズマイウということになる。UFCデビュー戦ではダン・スティッジンと対戦するが、金網に押し込む→膠着を繰り返していた。スプリット判定勝ちしたものの、特に見るべきところがなかった。柔術黒帯なのでテイクダウンできてからが本領なのかもしれないが、そのテイクダウン力はない模様。前回の試合では、金網に押し込んで雄たけびを上げつつコツコツパンチを入れるという芸も見せた。
対するヒョンギュはHEATやDEEPで来日経験あり。2011年からはグァムのPXCを主戦場とし、4連続1RKO・一本勝ちでウェルター級王座についた。総合戦績は10勝3敗1分け。ローカルでは実力を見せていたが、強豪との対戦経験少ない。ウェルター級ながら208cmの長いリーチからの打撃で10勝中7勝がKO勝ち。
ギマリャエスペースの膠着ファイトが続いて判定でギマリャエスと予想。

第2試合・バンタム級
カン・ギョンホ 2.20
アレックス・カサレス 1.67

この試合もマカオからのスライドカード。ギョンホのUFCデビュー戦として組まれていたが、直前の欠場で手塚が代役として参戦した。ギョンホはDEEPや戦極での試合経験もある選手で、戦極では大澤茂樹に判定負け。3年前・22歳時の大澤戦では、大澤のレスリング技術を前にテイクダウンを奪われ、下から三角やラバーガードなどの攻めを見せていたものの、上から固められた時間が多かったのとパンチをもらったことで判定負け。ただ、3年前のことなので参考にはならないかもしれない。その後、RoadFCのバンタム級王座決定トーナメントで優勝。初代バンタム級王者となっている。
カサレスはバンタム級では3勝1敗。負けた1敗もローブローの減点2がなければ勝っていた内容。ただ、相手はリリースすれすれの選手ばかり。UFCキャリアは3勝3敗で、まもなくベテランと言っていい3年目に突入するが、まだ24歳。
ギョンホの成長しだいではあるが、打撃はカサレスが上と見てカサレスTKO勝ち。

第3試合・ライト級
徳留一樹 2.25
クリスチアーノ・マルセロ 1.69

徳留はパラエストラ所属選手としては初のUFC参戦?自身はケージフォースで1度だけ金網経験あり。
対戦相手はTUFブラジルに参加した元シュートボクセ柔術コーチのクリスチアーノ・マルセロ。武士道での試合経験もある他、シュートボクセのセコンドとして来日経験は豊富。UFCではTUFフィナーレ大会でKO負け、2戦目は微妙な内容の試合でホーム判定気味のスプリット判定勝ち。
寝業師のマルセロ vs. パウンダーの徳留。しかし徳留としてはテイクダウンできてもマルセロ相手だとパウンドは打たせてもらえないかもしれない。スタンドの打撃はマルセロもあまりうまい印象はなく、そこで打ち勝てるなら勝機はある。グラウンドが得意なもの同士が打撃戦をやってしまうパターンになるか。
期待もこめて、徳留判定勝ち。

第4試合・バンタム級
水垣偉弥 1.42
ブライアン・キャラウェイ 2.80

事前オッズでは日本人選手はかなり競ったものになっているが、SherdogのMake Picksなど、ユーザの予想投票サイトではほとんどの選手が7割〜8割の確率で負けと予想されている。
http://fantasy.sherdog.com/
そんな中、唯一優勢なのが水垣。WEC参戦以来、負勝負勝負勝負勝負勝と負け勝ちを交互に繰り返してきた水垣。前回の日本大会では初の連勝をかけたが、クリス・カリアソに微妙な判定負け。その後、マカオ大会ではジェフ・ホウグランドを
タックルを切り上になる→パウンドの繰り返しで完勝。5度目の連勝チャンスにのぞむ。
キャラウェイは前戦でミッチ・ギャグノン相手に下になりパウンドをもらって劣勢だったが、2R以降スタミナが切れたギャグノンからマウントを奪い最後は得意のバックチョークで一本勝ち。寝業師だがパウンドで攻められる場面もある選手で、水垣にとっては相性はいいはず。スタンドでも互角には戦えると思われる。水垣はスタミナ配分に気をつけたい。
水垣判定勝ち。

第5試合・ミドル級
福田力 1.77
ブラッド・タヴァレス 2.00

UFC4勝1敗。総合のキャリアでもアーロン・シンプソンにしか負けていないタヴァレスだが、勝った相手も中堅クラスばかりで、試合内容もあまり良かった記憶が無い。お互いタックルを切って打撃というスタイルだが、どちらかと言えば福田はレスリング、タヴァレスは打撃に寄ってる気がする。
タヴァレスの腰が重いので福田がテイクダウンを奪うのは難しい。打撃で撃ち負けるようだとジリ貧になる。タヴァレス判定勝ち。

第6試合・ウェルター
キム・ドンヒョン 1.31
シアー・バハドゥルザダ 3.50

ここからメインカード。DEEPウェルター級タイトルに挑戦した経験のあるドンヒョン vs. 現修斗ライトヘビー級王者のバハドゥルザダ。
前戦はともにパウロ・チアゴマカオ大会でチアゴからポジション取りで完勝したドンヒョンに対し、昨年4月に対戦したシアーは42秒でKO勝ち。シアーはまだUFCではこの42秒しか試合をしていない。
打撃のシアー vs. グラップリングのドンヒョンか。ドンヒョンが組み付いて削る展開で、次第にダメージが蓄積していってのチョークで一本と予想。

第7試合・フェザー級
廣田瑞人 1.83
ハニ・ヤヒーラ 1.91

水垣に負けてバンタムからフェザーに戻したヤヒーラ。フェザー級では2勝1敗。負けた相手はタイトル挑戦も果たしているチャド・メンデス、勝った相手も上位のグリスピ、マイク・ブラウン。ヤヒーラとは逆に、ライト級から階級を落としてきたのが廣田。Strikeforce初戦ではパット・ヒーリー相手に互角に戦えていた。
寝業師のヤヒーラと、倒されずに殴り勝つ廣田。これは廣田の方が相性がいい。減量苦さえなければ打撃で廣田が削って判定勝ちと予想。ヤヒーラのギロチンには注意したい。

第8試合・ミドル級
岡見勇信 #4 2.80
ヘクター・ロンバード #8 1.42

BellatorではKOの山を築いていたロンバード。しかし、UFCデビュー戦のティム・ボッシュ戦では消極的な試合に終始し判定負け。2戦目の前回はトキーニョ相手に元のスタイルに戻し1RKO勝ち(試合中のトキーニョの足の負傷もあったが)。
岡見がロンバードの打撃の圧力をどれだけ凌げるかがポイント。打撃をしのいで組み付ければ、テイクダウン力は岡見が上。ただ、その後も一本・KOを奪うのは難しいだろうから、勝つには3R続けて抑えきる必要がある。
予想は最初の打撃の攻防でロンバードが1RKO勝ち。そこが凌げれば岡見にもチャンスは来るはず。

第9試合・ライト級
五味隆典 3.50
ディエゴ・サンチェス 1.33

ランカー対決を差し置いて、日本人としては最後に登場する五味。相手のサンチェスは、ウェルター級で4試合し2勝2敗だが、現ランカーのマーティン・カンプマンを破っている。再びライト級に階級を落としての初戦となる。現在、3試合連続ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞しているアグレッシブファイター。2009年のグイダ戦ではファイト・オブ・ザ・イヤーも受賞している。
残念ながらミスマッチとしか思えない。打撃でもグラウンドでも厳しい。今の五味には一発で試合を引っくり返す爆発力もない。今大会でもっとも開いたオッズも、むしろホーム補正で五味に好意的な数字に思える。
打撃で撃ち負けテイクダウンに行った所を潰されチョークで一本負け。

セミファイナル・ヘビー級
ステファン・シュトルーフ #9 1.57
マーク・ハント 2.55

昨年の日本大会以来、1年ぶりの試合となるハント。対するシュトルーフは、ラバー・ジョンソンやスタイプ・ミソシッチなどの中堅どころに完勝し、ランキングにも名を連ねている。
ハントのパンチがシュトルーフに届くかどうか。シュトルーフはネルソン相手にパンチでKOされているので、クリーンヒットが入ればチャンスはある。しかし、距離を詰めるとシュトルーフには引き込みもある。グラウンドでは完全にシュトルーフ。
引き込みからの三角か、スイープ→マウントからのパウンドor腕十字でシュトルーフ勝利。

メインイベント・ライトヘビー級
ヴァンダレイ・シウバ 3.00
ブライアン・スタン 1.42

日本育ちのヴァンダレイ vs. 日本生まれのスタン。
ヴァンダレイの都合でライトヘビー級戦になったが、スタンも元々ライトヘビーでやっていた選手だし、対格差はないだろう。
パンチの技術は向上したヴァンダレイだが、打たれ弱くもなっている。UFC移籍以後、1Rで勝ったのは5年前のキース・ジャーディン戦のみ。一発の重さではスタンが上かもしれない。
打撃でスタンを上回っていても、スタンのダメージが蓄積してKOする前に、パンチを効かされてしまう危険がある。倒しに行くのはリスキーだが、それでも打撃勝負に行くのがヴァンダレイ。予想はスタンのKO勝ちだが、それを覆してほしいところ。
当日は前半5試合がFacebookマッチ、メインカードはWOWOWで中継。Facebook中継はオフィシャルだと朝9時開始となっているが、通例だと1試合あたり30分の放送枠が用意されているので、開始はおそらく朝9時30分。去年は入場時に混雑が発生し、第1試合が見られない人もいたので、早めの会場入りをお勧め。
メインカード開始は12時から。今回はFuelTVでの中継となるので、試合の決着がついた後(判定の場合は3Rが終わった後)レフェリーの勝者コールが行われる前にCMが入る。会場だと妙な間が空くので注意。
会場から速報します。