格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC on ESPN20:第6試合・ス・ムダルジ vs. ザルーク・アダーシェフ

フライ級。

UFC初のチベット人ファイター・スムダルジは、UFC初戦はルイス・スモルカに一方的に攻められ完敗したが、そこから2連勝中。前回はUFC0勝1敗のマルコム・ゴードンに序盤でパンチを効かせてラッシュしての秒殺KO勝ち。

前回、MMA戦績3勝1敗で突然の代役UFCデビューが決まり、バンタム級で試合をしたアダーシェフだが、腹回りがまったく絞れておらず計量失敗。試合は序盤にタイソン・ナムのパンチを貰ってKO負けで、まだ何も見せられていない。ロシアのハンド・トゥ・ハンド・コンバット王者でキックのタイトルも獲得している。

細身で長身のスムダルジが半身でパンチを打ち込んでいく。アダーシェフがパンチで飛び込むが距離がありかわされる。じわじわ出るスムダルジだが、アダーシェフが出ると下がって距離を取る。スムダルジが飛び込むフェイントで牽制するとローからワンツー。ミドル。スムダルジが自分の距離をキープし打撃を入れていく。アダーシェフの左がヒット。残り1分。スムダルジ飛び膝。さらにパンチをヒットさせる。アダーシェフはロー。ホーン。

1R、打撃のヒット自体はほぼ五分だが、スムダルジペースか。

2R。また距離を取りパンチを入れていくスムダルジだが、アダーシェフが飛び込んでパンチを一発ヒットさせ首がのけぞる。アダーシェフパンチから組み付いたが投げて凌いだスムダルジ。離れる。バックキックを放ったスムダルジだが背中を向けたところで組まれてバックからパンチ連打を浴びる。離れた。また間合いを詰めて打撃を入れていくスムダルジ。飛び膝にカウンターのパンチを貰った。プレスしていきながら、相手が出てきたところにカウンターを合わせていくスムダルジだが、やや手数が少ない。アダーシェフが飛び込んで右ボディを入れるがそこにスムダルジの右がヒット!手をついたアダーシェフだがすぐ立った。しかしまたパンチを貰う。飛び込んでのジャブを入れていくスムダルジ。アダーシェフ間合いに入れない。飛び込むフェイントを見せて、アダーシェフがカウンターで出るところに後の先でさらにカウンターを入れるスムダルジ。ホーン。

2Rスムダルジ。

3R。ミドルを入れていくスムダルジ。左ハイ。アダーシェフが間合いを詰めようとすると距離を取る。ジャブ。アダーシェフのパンチは距離を取ってかわし、スムダルジが打撃をヒットさせていく。右ハイ。バックスピンキックは空振り。出てくるアダーシェフにチェックフックを合わせていくスムダルジ。アダーシェフのオーバーハンドの右がヒットしたが、スムダルジは効いてないとアピール。残り1分で手数を増やしてきたスムダルジ。出てくるアダーシェフにジャブの連打。タイムアップ。

29-28×2、30-27の3-0でスムダルジ勝利。

ゲームプランを完全にやりきったが、それでも1R落としているし、もっと明確な差をつけるために、カウンター狙いだけでなく自分からの攻めも増やしたいところ。

UFC on ESPN20:第5試合・ダルチャ・ランギアムブーラ vs. マルクス・ペレス

ミドル級。

コンゴの柔道ナショナルチームにいたこともあるランギアムブーラ。UFC初戦はKO勝ちしたが、2戦目はマゴメド・アンカラエフにKO負け。前回までのライトヘビー級から落としている。

ペレスは負傷欠場した選手の代役として今年に入ってから急遽出場が決定。UFC2勝4敗で2連敗中と、リストラを加速しているUFCではリリースの瀬戸際にいる。

筋骨隆々のランギアムブーラ。飛び込んで四つに組む。タックル。ペレス倒されたがギロチン。ハーフで絞めるが抜かれた。ガードに戻すペレス。ハイガード。パウンド。ペレスラバーガード。上で攻めあぐねるランギアムブーラ。ペレスが体を起こすとケージまで移動。ランギアムブーラのクビをギロチンに抱えるとそのまま立つ。首を抜いたランギアムブーラだが、ペレスがケージに押し込む。離れ際に打撃を入れ合う両者。ホーン。

1Rは上になった時間の長さでランギアムブーラ。それほど攻めが合ったわけではないが。

2R。ペレスが軽快に打撃を入れていく。ランギアムブーラがパンチでなぎ倒して上に。ペレス下から三角。サバいてパスしたランギアムブーラだが、ペレスはバックを取らせて立つと、ランギアムブーラの右腕をキムラに捕らえてそのまま後方に倒れ込み極めに行く。しっかりディフェンスしているランギアムブーラ。パス。しかしまたガードに戻したペレス。ディープハーフで潜ろうとするペレスに鉄槌を落とすランギアムブーラ。ペレス殴られマウスピースが飛び出す。潜ろうとするペレスを潰して肘連打。額をカットしているペレス。ホーン。

2Rランギアムブーラ。しかしグラウンドで上になっても攻めあぐねている。

3R。ペレスが組むとケージに押し込み、首相撲から膝を入れる。バック肘を入れて離れた。また打撃で出ていくペレス。ランギアムブーラは疲れたのか手が出ない。ケージに押し込んだペレス。離れてパンチを打ち込みタックルで飛び込む。こらえるランギアムブーラ。押し込んでいるが膠着してしまうペレス。ブレイクがかかる。残り45秒。また組んで押し込む。細かい膝の打ち合い。またブレイク。ランギアムブーラは距離を取って逃げ切り。ペレスのバックキックが顔面にヒットしたが、組んで投げたランギアムブーラ。タイムアップ。

三者29-28でランギアムブーラ勝利。しかし後半はギリギリの逃げ切り。

UFC on ESPN20:第4試合・フランシスコ・フィゲイレード vs. ジェローム・リベラ

フライ級。

王者デーブソンの2歳年下の弟フランシスコのUFCデビュー戦。マネージャーであるヴァリッジ・イズマイウが運営するジャングルファイトでキャリアを積み、ローカルの戦績は11勝3敗1分け1ノーコンテスト。敗れた相手は元UFCのジョン・リネカー、元Bellatorのルイス・ノゲイラと、もう1人のエドゥアウド・ソウザには、前戦のジャングルファイトバンタム級タイトルマッチで再戦してドローとなっている。果たして兄の威光による契約なのか、実力か。

リベラは9月に欠場選手の代役としてUFCデビューしたが、タイソン・ナムに2Rダウンを奪われてからのパウンドでKO負け。前回は直前だったため階級上のバンタムだったが、今回は本来のフライ級での試合。

蹴りから組み付いたリベラだが、フィゲイレードが組み止めるとケージに押し込む。離れた。パンチ、ローで出ていくフィゲイレード。また組んだ。四つから足をかけてテイクダウンしたフィゲイレード。サイドからガードに戻したリベラ。インサイドからパウンド。立ち上がり強い鉄槌を落とすが、リベラが足で阻むとデラヒーバ。離れたフィゲイレード。リベラ立つ。スタンドで再び四つに組んだフィゲイレード。リベラが大内刈りでテイクダウンを狙うがこらえるフィゲイレード。離れる。組みに来たリベラをテイクダウンしたフィゲイレードだが、リベラはそのままタックルに入り立つ。ケージでこらえるフィゲイレード。ホーン。

1Rはテイクダウンして上になった分、フィゲイレードのラウンド。

2R。蹴りを入れていくリベラだが、フィゲイレードがタックルからテイクダウン。ガードを取るリベラ。下から肘。フィゲイレードは密着したまま細かい打撃を入れるが、やや動きが少ない。体を起こして強いパウンドを一発落としたフィゲイレード。そのままハーフにするとボディに膝。ガードに戻して下から四の字ロックするリベラ。攻めあぐねたフィゲイレードが立ってスタンドに。また四つに組んだフィゲイレード。クラッチしてテイクダウンを狙うが、リベラがケージに押し込むと膝を打ち込む。離れた。フィゲイレード右ボディ。残り1分。リベラのハイを距離を取ってかわす。出てきたところにカウンターの左。フィゲイレード、打撃はヒットしているが単発。リベラが出てくるとまた四つに組んでテイクダウン狙い。ホーン。

2Rもややフィゲイレード。

3R。四つに組んだフィゲイレードが足をかけてテイクダウン成功。ハーフ。リベラがケージを使って立つと、立ち際に肘を打ち込む。リベラが打撃で出ていくとまた組み止めたフィゲイレード。ケージに押し込む。入れ替えたリベラがタックルへ。こらえるフィゲイレードだがスタンドでバックに回ったリベラ。バックから顔面に膝。フィゲイレード正対。離れた。ワンツーを入れるフィゲイレードだが、リベラが打撃を打ち込んでいく。やや劣勢になったフィゲイレード。クリンチして凌ぐ。リベラはどんどんアグレッシブに打撃で出ていく。押し気味。組んで強引に首投げを狙ったが投げられず。しかしパンチを打ち込んでいくリベラ。フィゲイレードが四つからテイクダウンしたところでタイムアップ。

判定三者29-28でフィゲイレード。

3Rは落としたフィゲイレードだが、1,2Rを取って逃げ切り。勝ってUFCレベルであることは証明したが、0勝1敗のリベラ相手に互角の内容では、トップクラスの実力がないことも明らかになってしまった。

UFC on ESPN20:第3試合・マイク・デイヴィス vs. メイソン・ジョーンズ

ライト級。

デイヴィスは昨年4月。直前の代役でUFCデビューしたが、初戦がギルバート・バーンズで、重そうな打撃を打ち込んだものの、テイクダウンされると寝技の実力差は明らかでチョークでの一本負け。半年後に組まれた2戦目もやはり直前の欠場選手の代役で、UFC0勝1敗のトーマス・ギフォードを常に打撃でリードし、残り15秒でKO勝ちした。が、今年に入り2度ギガ・チカゼの試合が組まれたものの、いずれも欠場し、1年3ヶ月のブランク。

ウェールズのジョーンズはこれがUFCデビュー戦。アブダビ大会名物、Cage Warriors王者で、昨年3月にライト級王座決定戦で1RKO勝利すると、9月には1階級上のウェルター級王座決定戦にも出場し、またも1RKO勝ちで同時2冠王となっている。25歳でMMA10戦全勝。バックボーンは柔術・柔道・キック。

カーフキックを蹴るデイヴィス。ハイ。積極的に攻めるデイヴィス。ジョーンズも打撃で出るが、デイヴィスがカウンターのタックルでテイクダウン。パウンドを打ち込むと立ったジョーンズ。カーフキックを蹴っていくジョーンズ。カーフキックに合わせてタックルに入りテイクダウンしたデイヴィスだが、ジョーンズはシッティングガードから立った。互角の打撃戦が続くが、ジョーンズまたカーフキック。そこからパンチにつなげたが、デイヴィスがタックルでテイクダウン。足で距離を作って立ったジョーンズ。デイヴィスの飛び膝がヒット!ホーン。

1Rヒット数は互角だが、テイクダウンを3回奪ったデイヴィスのラウンドか。

2R。今度はデイヴィスがカーフキック。バランスを崩して下になったジョーンズだが立ってスタンドに。右ボディを入れたジョーンズ。ジャブがヒット。ケージを背負うデイヴィスにパンチを打ち込むが、デイヴィスのバックスピンキックがボディにヒット。ジョーンズ下がらずパンチで攻める。やや押され気味のデイヴィス。ジョーンズが前に出てパンチを打ち込み、ケージを背負い気味になるデイヴィス。しかしデイヴィスのパンチもヒットしている。下がらないジョーンズ。手数が多い。デイヴィスはちょっと勢いが止まった。ジョーンズのアッパーがヒット。デイヴィスの右がヒットしジョーンズ下がった。追いかけた更にパンチを打ち込むデイヴィス。しかし蹴りをキャッチしてテイクダウンしたジョーンズ。パウンド。デイヴィスは下から腕十字。ホーン。

2Rはジョーンズ。

3R。出ていくジョーンズに対し、デイヴィスは距離を取りつつパンチを返していく。下がっているが、ジョーンズのパンチをしっかりかわしてパンチを入れていくデイヴィス。ジョーンズバックスピンキック。デイヴィスのワンツーがヒット。ジョーンズパンチからタックルへ。切ったデイヴィス。デイヴィスの膝がヒット。ジョーンズのバックスピンキックは足を払ってスリップダウンさせる。ジョーンズすぐに立ってパンチで出ていく。さすがに疲れが見えるジョーンズだが前進を止めない。ケージに詰めてパンチを入れる。デイヴィスタックル。切られた。ジョーンズがケージに押し込みながら打撃を入れていく。膝の打ち合い。タイムアップ。

両者ともフルタイム打撃を出し続けた。

判定三者29-28でデイヴィス。どちらに入ってもおかしくなかったが。

UFC on ESPN20:第2試合・ウマー・ヌルマゴメドフ vs. セルゲイ・モロゾフ

バンタム級

ハビブのいとこ・ヌルマゴメドフ3号は、24歳でMMA12戦全勝。Fight Nights GlobalやPFLに出場経験がある。4月にUFCデビュー予定だったがイベントが新型コロナでキャンセルになり、7月の試合はコーチであるハビブの父が亡くなったために欠場、10月に組まれていた試合は体調不良で欠場したため、1年以上のブランクに。ファイトスタイルはいとこと同じレスリングベースだが、スタンドでの打撃も強い。

カザフスタンモロゾフはMMA16勝3敗の31歳。M-1チャレンジでバンタム級王者となっている。最後に敗れた相手は、現在UFCデビューし3連勝中のモフサル・エフロエフ。こちらもレスリングベース。

ハビブ同様、パパーハをかぶって入場するウマー。

アップライトでムエタイの構えのウマー。ステップもストライカーのよう。蹴りを放っていく。突如タックルに入ったウマー。ドライブしてバックに回るとスタンドでモロゾフの背中に乗る。モロゾフがケージ際まで移動すると降りたウマーだが、投げて寝かせようとする。足のフックは許さずスクランブルで逃れたモロゾフ。立った。スタンド。モロゾフが打撃で出ていく。ジャブ。ウマーワンツー。蹴りを放ったウマーだがモロゾフ組み付いた。しかし引き剥がすウマー。また蹴りを入れていく。ハイ。ワンツーから右ハイ。ウマーまたタックル。テイクダウン。バックに回り今度は両足をフックしてバックマウントを取ったウマーだが、残り10秒の拍子木。ホーン。

1Rウマー。鋭いタックルが決まっているが、モロゾフもその先は攻めさせない。

2R。ウマーの左ハイがヒット。モロゾフふらついている。すかさず距離を詰めたウマーがバックからパンチの連打を打ち込む。正対して離れたモロゾフ。ハイ、ミドルを打ち込むウマー。またタックル。切れずに倒されたモロゾフだが、押さえ込まれる前に立つ。背中を向けたモロゾフを追いかけて背中に乗ったウマーだが、股下から抜けたモロゾフ。ウマーすかさずまたタックルからバックに回る。スクランブルで脱出しようとしたモロゾフだがウマーが両足をフックしバックマウント。四の字バックから仰向けにしてチョーク!抵抗していたモロゾフだが落ちた!

打撃のレベルはハビブより上で、もちろんレスリングも強いウマー。すぐにランカーと見たい。

UFC on ESPN20:第1試合・ビクトリア・レオナルド vs. マノン・フィオロ

女子フライ級。両者ともにUFCデビュー戦。

レオナルドはMMA8勝2敗。Invictaなどに参戦している。昨年11月のコンテンダーシリーズで2RTKO勝ちしてUFC参戦を決めた。Invicta時代は計量時にドラゴンボールのコスプレをして登場していた。

フィオロはフランス在住のフランス人ファイターだが、地元のUAE Warriorsでキャリアを積んでいるという意味ではご当地ファイター。MMA5勝1敗で、空手やムエタイがバックボーンのストライカー。

女子フライ級では長身のフィオロ。距離を取り打撃を入れていく。レオナルドが組み付いてくると首相撲に捕らえて膝。離れ際に両者のパンチが交錯。離れたところから飛び込んだフィオロの右がクリーンヒットし動きが止まったレオナルド。フィオロさらに打撃を入れるとケージに押し込み膝。離れ際に右を打ち込む。ホーン。

1Rフィオロ。

2R。フィオロが間合いを活かし打撃を入れていく展開。レオナルドのタックルをがぶって膝を入れ離れる。パンチを入れるフィオロ。飛び込んで組むとボディロック。ケージに押し込む。尻クラッチからテイクダウン。ハーフ。ガードに戻すレオナルドだがフィオロパウンド。立って離れるフィオロ。ブレイク。スタンドでレオナルドの右がヒット。しかしフィオロがスーパーマンパンチからの右ハイ!入ってぐらついたレオナルド。フィオロパンチのラッシュ!ケージを背に打たれ続けるレオナルドを見てレフェリー止めた。

フィオロがUFCデビュー戦で快勝。打撃がかなり強い。対するレオナルドはいい場面を全く見せることができず。

UFC on ESPN20:オッズ/予想と展望

マイケル・キエサ 2.15
ニール・マグニー 1.74
ワーレイ・アウベス 2.85
ムニール・ラズィーズ 1.44
アイク・ヴィラヌエバ 1.71
ヴィニシウス・モレイラ 2.20
ロクサン・モダフェリ 3.85
ヴィヴィアニ・アロージョ 1.29
マット・シュネル 2.15
タイソン・ナム 1.74
リローン・マーフィー 1.35
ダグラス・シウバ・デ・アンドラ3.45
オマリー・アクメドフ 2.35
トム・ブリーズ 1.65
ス・ムダルジ 1.26
ザルーク・アダーシェフ 4.15
ダルチャ・ランギアムブーラ 1.77
マルクス・ペレス 2.10
フランシスコ・フィゲイレード 1.69
ジェローム・リベラ 2.25
マイク・デイヴィス 1.54
メイソン・ジョーンズ 2.60
ビクトリア・レオナルド 2.50
マノン・フィオロト 1.59
ウマー・ヌルマゴメドフ 1.20
セルゲイ・モロゾフ 5.00
リッキー・シモン 1.31
ガエターノ・ピレッロ 3.65

久々の平日開催UFC。本来、メインは昨年の最初のアブダビシリーズで一気にブレイクしたハムザト・チマエフとトップランカーのレオン・エドワーズとの対戦が組まれていたが、チマエフが新型コロナウイルスにかかり、回復に時間がかかるため3月に延期となった。

セミからの昇格となったメインはウェルター級戦・8位キエサと9位マグニーの対戦。キエサは無理な減量をしていたライト級からウェルター級に転向し、現在3連勝中。前回は元ライト級王者のハファエル・ドス・アンジョスと対戦し、カーフキックに苦しめられたものの、組みの展開で上回って判定勝ち。

マグニーは2014年に1年間で5勝というUFC記録を打ち立て、2015年も4勝1敗で5試合と、2年で10試合というハイペースで試合をしていたが、2019年は試合なし。2020年は3月にリー・ジンリャンに勝利すると、6月はアンソニー・ロコ・マーティン、8月には元王者のロビー・ローラーに勝利し3連勝。ウェルター級での23試合は歴代4位(1位はマット・ブラウンとチアゴ・アウベスの26試合)、17勝はGSPに次ぐ2位となっている。

キエサはRDAに勝っているが、マグニーのRDA戦は序盤にテイクダウンを奪われると脱出できないままマウント→肩固めで一方的にやられている。これが実力差とは言えないかもしれないが。ともに現在3連勝中だが、オッズではマグニー優勢。キエサは前回のRDA戦が唯一のランカーとの対戦だが、RDAがもともとライト級の選手で体格的優位があった。今回が本当にライト級で戦っていけるかの真価を問われる試合。

キエサ一本勝ちと予想。

メインカードでは、スマックガールで育った日本製ファイター・ロクサン・モダフェリと、ストロー級クイーン・オブ・パンクラシストのヴィヴィアニ・アロージョの対戦という、日本でも注目の試合が組まれている。

また、プレリムにはフライ級王者デイブソン・フィゲイレードの2歳年下の弟・フランシスコ・フィゲイレードがUFCデビューする。31歳でここまで11勝3敗1分け1ノーコンテスト

試合開始は日本時間20日の23時で、メインカードは午前2時開始、終了は朝5時頃の予定。現地時間では18時開始と一番見やすい時間帯。アメリカでは水曜午前中の試合となるが、当日は大統領就任式が行われるため祝日となっている。

速報します。

UFC on ABC1:メインイベント・マックス・ホロウェイ vs. カルヴィン・ケイター

ホロウェイ1位、ケイター6位。

接戦ながらアレクサンダー・ヴォルカノフスキーとのタイトル防衛戦・リターンマッチで連敗しているホロウェイ。ヴォルカノフスキー戦の前にフェザー級で負けたのは、7年半前のコナー・マクレガー戦。フェザー級での試合数はこれが22戦目で、16勝の記録と合わせてUFC史上最多。

対するケイターはUFC3年目でこれが8戦目だが、年齢はホロウェイ(29歳)より上の32歳。前回に引き続き2度目のメイン。高校時代まではレスリングをしていたが、試合ではタックルを出さず、打撃で勝負するスタイルで、UFC6勝のうち4KO。前回のダン・イゲ戦でも判定となったが打撃で上回っての勝利。

ジャブを入れるホロウェイにケイターはカーフキック。ホロウェイもカーフキックを返す。ホロウェイワンツー。飛び込んだホロウェイの3連打がヒット。ケージを背負ったケイター。ワンツーを入れるホロウェイ。ジャブがヒット。ケイターのカーフキックで足が流れるが、パンチの手数を増やしていく。右を打ち込むホロウェイ。バックキック。ホーン。

1Rホロウェイ。打撃戦は完全にホロウェイペース。

2R。ホロウェイのパンチがケイターの顔面を次々と捕らえていく。左ボディ、テンカオ。ケイターも打ち返しているが、手数が倍以上。ケイター押され気味だが左がヒット。さらに右もヒット。が、ホロウェイは下がらず打ち合う。連打。パンチからテンカオ。会場はホロウェイコール。右肘がヒットし効いた!ケージを背負ったケイターにラッシュするが、冷静にボディ・顔面を打ち分ける。また右肘がヒット。ケイタータックルで凌ぐが引き剥がしたホロウェイ。右がヒット。左ハイがテンプルにヒットしまた効いた!とどめを刺しに距離を詰めたホロウェイだがホーン。

2Rホロウェイ。かなりノッている。3R早々にもフィニッシュを狙うか。

3R。回転肘を見せたホロウェイ。ケイターも打ち返している。しかしまたワンツーをもらい下がる。ケージまで下がり連打をもらうとケイターは四つに組み止めて凌ぐ。離れ際に肘を入れたケイター。また右肘を打ち込んだホロウェイだが、アッパーをもらいちょっと効いた。距離を取る。が、すぐにまた出ていくホロウェイ。ワンツーがヒット。右ミドル。左アッパー。ケイターも前に出てワンツーを打ち込む。ケイタータックル。ホロウェイがギロチンを狙うと離れた。さらにギアを上げるホロウェイ。ワンツー。右ボディ。ジャブ。ケイターもよく凌いでいる。左もまだ当たれば倒せそうな威力があるが、空振っている。ホーン。

3Rホロウェイ。

4R。ワンツーからボディストレートを入れたホロウェイ。左ボディ。常に3連打のコンボを入れていくホロウェイ。ケイターは単発。ボディが効いて来てる。ケージを背負ったケイターにラッシュ。ケイターも肘を打ち返して凌ぐがふらついている。ラッシュ。ボディ・顔面。左右の大振りのパンチで抵抗するケイターだが空振り。また右の肘から連打を入れるホロウェイ。かなり打たれているがケイタータフ。ホロウェイタックルに入るが倒せず離れた。一旦下がったホロウェイ。逆にケイターが出てパンチを出していく。ホロウェイセンチャイキック。ホーン。

4Rホロウェイ。10-8あってもおかしくない圧倒。しかし、ここまで打たれてもまだ出ていくケイターの頑丈さの方がすごいと思えてきた。

5R。まだ強いパンチを放っているケイター。大振りの右は空振り。執拗にボディを打つホロウェイ。ボディに見せかけて顔面。全部もらっているケイター。ジャブからバックキックを入れたホロウェイ。右ハイ。右ボディ。打ってこいと挑発するホロウェイ。ケイターのパンチをかわしてカウンター。ケイター最後まで出ていくがタイムアップ。

50-43×2、50-42の3-0でホロウェイ勝利。

終始アグレッシブに攻め続けて圧倒。が、完全に効かされた状態から凌ぎきったケイターも凄かった。

UFC on ABC1:セミファイナル・カーロス・コンディット vs. マット・ブラウン

ウェルター級。両者ともに現在はランク外。

暫定王者のコンディット。2016年のロビー・ローラーとのタイトルマッチでスプリット判定負けしてから泥沼の5連敗を喫した。内容も悪く、5敗中一本負けが3試合。リリースか引退勧告がされてもおかしくなかったが、約2年ぶりの復帰戦となった10月のコート・マッギー戦ではアウトボクシングで危なげない勝利。これが契約最終試合となるが、負ければ再契約される可能性はほとんどない。コンディット自身はリリースされても他団体で続けることを宣言している。

対するブラウンは2014年のロビー・ローラーとの次期挑戦者決定戦から6戦で1勝5敗。特に3連続フィニッシュ負けの後、一度引退を示唆した。しかしその後も現役を続行し、ディエゴ・サンチェスとベン・サンダースに連勝。が、今年5月のミゲル・バエザ戦では2RKO負け。やはりダメージの蓄積を感じさせる試合内容だった。

蹴りを入れていくコンディット。飛び込んだがブラウンが組み付いてボディロックからテイクダウン。ハーフ。パウンドを入れていくブラウン。コンディットはガードを取る。どのタイミングでカットしたのかわからないが、出血しているブラウン。インサイドで密着したまま細かいパウンドを入れる。コンディットも下から殴る。またハーフに。またガードに戻したコンディット。ハイガード。腕を引いて十字・三角のディフェンスをしていているブラウン。パウンド。今度は足関を狙うコンディットだがブラウン読んでいる。ケージで立ったコンディットがスイッチで上を取り替えいたが残り20秒。今度はブラウンが足関狙い。コンディットはパウンドを打ち込み凌ぐ。ホーン。

1Rは上になっていた時間の長さでブラウン。

2R。左右のパンチ連打で出たコンディット。ブラウンは飛び込んで肘を打ち込む。コンディットのパンチ連打がヒットするが、ブラウンは組み付くとケージに押し込む。そのままボディロックしテイクダウンを狙うが、こらえたコンディット。肘を入れて離れるブラウン。コンディットがまたパンチを打ち込むと飛び込んでテイクダウン。ブラウンのガード。コンディットはインサイドから肘・パウンド。ハーフにする。ガードに戻したブラウンに肘を入れる。ホーン。

2Rコンディット。

3R開始と同時に放ったコンディットの蹴りがローブローに。再開。タックルに入ったブラウンだが受け止めたコンディット。離れる。今度はコンディットが組んで四つに。ブラウンの足払い。離れた。シングルレッグに入ったブラウンだが、コンディットは回転して足を抜くとバックに。両足をフックしバックマウント。フックが外れてハーフバックになるが、再びバックに回りバックマウント。チョークを狙う。前に落とそうとするブラウン。正対。引き込み気味に下になったコンディット。ハイガード。コンディットは立つと逆にダブルレッグでテイクダウンしかし倒したところで入れ替えて上になるブラウン。ガードからスイッチで返そうとするコンディットだがタイムアップ。

三者30-27でコンディット勝利。1Rもコンディットか。

良くも悪くもベテランらしい、テクニカルだがどこかもっさりした試合内容。コンディットは勝って契約続行か?

UFC on ABC1:第8試合・サンチアゴ・ポンジニッビオ vs. リー・ジンリャン

ウェルター級。

アルゼンチンのポンジニッビオは2年以上のブランク。7連勝中だが、ブランクの間にランク外に。堀口と同じATT所属で、直近の試合は地元アルゼンチンで当時ランキング8位のニール・マグニーにカーフキックを効かせて、最後はオーバーハンドの右を打ち込んでKO勝ち。柔術黒帯だが、UFC9勝中5KOのストライカー。

中国のジンリャンは重いパンチが武器。一昨年の上海大会でエリゼウ・ザレスキにKO勝ちし、中国人男子ファイターとして初のランキング入りを果たしたが、昨年3月のニール・マグニー戦では全局面で上を行かれて判定で完敗した。

両者間合いの外で牽制。牽制のジャブも届かない位置。久々に会場からブーイングが出るが、人数が少ないのでそれほどの音量ではない。ローで牽制する両者。2分半経過。右を打ち込んだジンリャン。ポンジニッビオはまだ様子見。間合いに入らない。ジンリャンがカーフキック。ポンジニッビオもカーフを打ち返す。両者の右が交錯した後に、ジンリャンの返しの左がヒットしポンジニッビオ仰向けにダウン!KO!

ジンリャン、7連勝のポンジニッビオを止めるKO勝利。

UFC on ABC1:第7試合・ホアキン・バックリー vs. アレッシオ・デ・キリコ

ミドル級。

半年前まではLFAに出ていたバックリーだが、LFAの試合の9日後に急遽UFCデビュー。デビュー戦は判定負けしたが、2ヶ月後に組まれた2戦目で、片足をキャッチされた体勢からのジャンピングバックスピンキックを顔面にぶちこんでKO。その瞬間の映像をつけたツイートは、UFC公式ツイッターで史上最多の閲覧数を記録し、一夜にしてスター選手に。翌月早くも組まれた2戦目でもアグレッシブに攻めた上に2RKO勝ち。

イタリアのデ・キリコはUFC3勝5敗で3連敗中。リストラ続行中のUFCでは、次に敗れたらかなりの確率でリリースされる。2011年にアメフトからMMAに転向し、その年から試合をしている記録があるが、2014年にアマチュアMMAのIMMAFに出場しライトヘビー級で優勝しているので、そこまでの戦績はすべてアマチュアだった可能性がある。IMMAF優勝後、プロで3連勝してUFCと契約した。

パンチで出ていくバックリー。デ・キリコは下がって距離を取りながら、入ってくるところにパンチを打ち込む。飛び込むフェイントを見せるバックリー。出てきたところにデ・キリコの右ハイが頭部をかすめるようにヒットし、崩れ落ちるバックリー!すかさずパウンド連打を打ち込むデ・キリコ!KO!

衝撃KOでブレイクしたバックリーを、リリース寸前の選手が地上波生中継で逆にKO。