格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★総合イベント「HERO’S」で中量級トーナメント開催へ

人類最激戦区の中量級で世界最強を決めるトーナメントが開催される。元新日本プロレス上井文彦氏が代表、前田日明リングス代表がスーパーバイザーを務める「ビッグマウス」が3日、都内のホテルで総合格闘技イベント「HERO’S」(3月26日、さいたまスーパーアリーナ)の会見を行った。上井氏は、同大会のコンセプトとして「中量級のヒーローを生み出す」、「前田日明がヒーロー予備軍を発掘」、「Road to Dynamite!!」の3本柱を打ち出し、近い将来に70キロ級、85キロ級の世界一を決めるべく「HERO’S MEGA BATTLE TOURNAMENT」(仮称)を開催する方針を示した。また会見には、旗揚げ大会の出場候補選手として山本“KID”徳郁須藤元気、秋山勲成、宇野薫宮田和幸が出席し、意気込みを語った。

見切り発車的なスタートだったHERO'Sだが、ちゃんとしたコンセプトができてきた。「K-1が総合をやるんだったら中量級がいい」というのはまあ誰でも考えつくことだが。ヘビー、ミドル(93kg以下)重視のPRIDEがまだ確立していないその下の階級に力を入れるというのも戦略的に正しい。軽い階級ほど日本人の活躍できる余地があるし。
85kg級は秋山をエースに、ホドリゴ、ホイス、BJ、岡見らが争う階級になりそう。これはちょっと地味になりそうな気がする。それより70kg級が本命だろう。欲を言えば、宇野、元気、(小谷)らの70kg級と、KID、宮田、(トイカツ、前田吉朗)らの65kg級にわけて欲しかったが、さすがにこんなに細かい階級分けは難しいか。
DSEは武士道でヘビー級の試合を組んだりもたもたしているうちに全部持って行かれたという感じ。特に70kg級は、五味がエースと言ってもライバル不在でこれ以上のブレイクは難しい。三島がライバルじゃ盛り上がらないし、川尻が来たら逆に五味が潰されて70kg級終了になりかねない。83kg級にしても、マニア層に受ける選手は多いが脇役ばかりで、単体でゴールデンタイムのスターがいない。全盛期の輝きを持ったマッハがいたら状況は全く変わってくるのだが。ここに瀧本を入れるのも難しいだろう。
中量級メインにし、先の展開を見据えた発表をしたことで俄然存在意義が増してきたHERO'S。しかしこうなるとますますヘビー級はいらない。サップ、藤田、中尾、GG、ヒーリング、フライと駒だけは揃っているのだが。さらに、こうなるとWRESTLE-1とかかえって邪魔なだけだという気がする。引退したK-1選手の再就職先にでもするつもりかもしれないが・・・。
しかし、今一番戦々恐々としているのは修斗関係者ではないか。DSEも巻き返しを考えているだろうし、シューターの引き抜き合戦が加熱しそうだ。今月防衛戦を控えたペケーニョもターゲットにされるのは間違いない。K-1にすり寄る新日本キック(伊原ジム)みたいなこともできないだろうし、嵐が過ぎ去るまで堪え忍ぶしかないか?
もっとも、この未来予想図もHERO'Sがちゃんと軌道に乗って継続的な興行が打てるようになったらという話だが。いろんなしがらみを越えて選手を集める手腕は上井氏に期待して良いと思うが、それを前田が全部破壊するんじゃないかという心配(期待?)の方が大きい。そうなったらなったで、色んな人が喜ぶと思うし。