http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/headlines/20071005-00000000-spnavi-fight.html
韓国ソウル・オリンピック第1体育館で29日開催された「K−1 WORLD GP 2007 IN SEOUL FINAL16」の第9試合で行われたチェ・ホンマンvs.マイティ・モー戦の裁定についてK−1競技委員会にてVTRによる再検証が行われ、モーに宣せられた2ラウンドのダウンを取り消しとすることが発表された。
ダウンは無効となったが判定は変わらず。K-1ルールではダウンしてもダメージがないと判断した場合は10-8でなく10-9をつける場合があるとしているが、10-9をつけたジャッジはダウンがなくともホンマン優勢で10-9のままだということらしい。
競技委員会では今後同様の事態が起きた際、レフェリーらが試合を中断しVTRによる検証を行うなど、慎重に対応を進めるとしている。
こんなこと言っているのは今さらすぎる。秋山ヌルヌルなんかは、審判団の盲点を突くクリームによるヌルヌルだったため、リング上で発見できなかったのは仕方がない面もあるが、VTR再生での検証は出来る環境にあったのにやらなかっただけ。それどころかフジの放送ではホンマン戦2Rのリプレイ時、唯一のダウンだった腸蹴りの場面を放送しなかった(まあ審判団とはなんの関係もない話ではあるが、素人が見てもおかしくて流せないものだったということだろう)。
K-1関連では判定が後日覆った例が多く感じる。今思いつくだけでも、
- 桜庭vs秋山で秋山のTKO勝ちからヌルヌル無効試合に
- 中尾vsヒーリングのキス殴打事件が反則から無効試合に
- バンナvsボンヤスキーでボンヤスキーの勝利がバンナの勝利に
- 魔裟斗vsブアカーオIで延長戦のドロー裁定がミスジャッジと認められる(公式結果は変わらず)
- 秋山vs金で秋山の腕十字が決まっていなかったとして一本勝ちからそこまでの判定決着に変更
など。「君子豹変す」という言葉もあるし、おかしなものを改めるのはいいことなのだが、それでクリーンなイメージが出るかといったらそうでもない。むしろ審判が間違っていたことを認めることにより、さらに信頼の低下を招いてしまう。
おかしなジャッジはどこでもあるものだし、よほど酷いものでもなければ「これは正しいんだ!」と言い張っていれば、結果だけが記憶に残りジャッジのことなど忘れてしまうもの。わざわざジャッジを変えることにより、逆に印象に残ってしまう場合もある。バンナvsボンヤスキーだって、そんなに重要な試合ではなかったこともあり、ジャッジが後日変更にならなければ忘れていただろう。それだけのデメリットを被ってまで競技としての正しさを進もうとしていると評価すべきか、それだけデメリットがあるのに結果を変えなければいけないほど酷い判定がいっぱいあると見るべきか微妙なところ。