結局、旧PRIDE勢でUFCに行かず「やれんのか！」にも関わらなかった選手は戦極が総取りか。各階級、核となる選手を戦極が押さえたわけだが、これで戦極がPRIDEの正当継承者的イメージを得られたかというとそうでもない。PRIDEが支持されていたのは世界最高峰の舞台だったからだが、五味はともかく、吉田・藤田は日本人最高レベルではあっても世界レベルでは二線級という認識だったし。
一方大連立も、選手では70kg級の青木と茨城勢が加わるだけで、PRIDEとHERO'Sのフュージョンとは言っても、全体的に見たらほとんどがHERO'Sで構成されているようなもの。PRIDEの後継というのははばかられる。
というか、もう死んだ子の面影を追いかけるような真似は必要ないのかもしれない。戦極は、多くの選手が新しい可能性を感じて（と言って）参戦し、大連立にも今までにない新しいものが生み出されるかもしれない期待に溢れているのに、過去のイベントのことばかり気にするのは後ろ向きの発想だ。
煽りVに関しては、佐藤Dが一番レベルが高い物を作れるのは確かだし、いいものを出すに越したことはないが、選手コール・レニー・ハートやナレーション・立木文彦というのは拘る必要はないのでは。別に二人とも嫌いではないのだが、交換不可能な物でもない。逆に絶対に変えなければいけないとまでは思わないけれども、やれんのかスタッフがそこを変えてきたとしたらむしろ新しいものを作ろうとする意志であると評価したい。
藤田の戦極参戦については、特に藤田という選手に期待はしていないが、ここまで露骨な金魚や総合初心者を出してきていない戦極だけに、ここもそこそこの選手を対戦相手に頼みたいところ。ヘビーは吉田・ジョシュ・ホジャーあたりで回していけるし、それなりに駒はそろったと言えるか。まあこの中じゃ日本人同士・外国人同士の組み合わせ以外は興味がないけど。
