格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★DEEP53感想

SAMURAIニアライブで視聴。
実際の試合と同じ第1試合から。解説は青木と菊野。相変わらず青木の解説は面白い。
釜谷真vs粕谷栄
いきなり粕谷のパンチが入りぐらつく釜谷。思わぬボーナスをもらった粕谷は立て続けにテイクダウンを奪って攻勢。
が、2Rに粕谷がテイクダウン失敗で下に。パウンドをもらうとバックを奪われ、チョークを取られて失神。逆転負け。
試合中、青木が「北米ではすぐにブレイクがかからないのだからブレイク待ちをしてはいけない」と言っていた。青木の志からしたらそうかもしれないが、この二人が北米やメジャーイベントに出ることがあるかと考えると、ちょっと厳しい要求かもしれない。そこまで行けるかどうかは別にして、常に頂点を目指し続けなければ行けないと言う要求なのかもしれないが。
LUIZvs植田豊
無敗の植田に対し、簡単にテイクダウンされたLUIZだが、きれいにスイープしてマウント。そしてパウンドラッシュ。全く返せない植田。これは止められてもおかしくなかった。なんとか逃れる。
2R。あっさり引き込んでしまうLUIZ。これは良くないと思ったが、下からの十字がきれいに極まって一本勝ち。
青木「新しいLUIZが産まれました。立ち会い出産ですよ」
第3試合 長谷川秀彦vs北崎鎮
大分落ちぶれた元王者長谷川。シングルレッグを仕掛けるが、潜り込んで足関へ。しかしパウンドを落とされて離してしまう。その後もしつこく足関を狙う長谷川と、パウンドを落とす北崎。青木は北崎に「かけさせすぎ」と苦言。足関の形に入られすぎている。しかし長谷川も極められず。
2Rはテイクダウンを取れなくなった長谷川。パウンドを落とされる。北崎も下からの十字を取られそうになる。策がない、戦略が一昔前だと青木。試合後半、長谷川は顔面に被弾しながらもパンチで前に出続けて組み付きバックを奪う。しかし極めには行けず。ジャーマンで投げるが下になってしまう。北崎のパウンドでタイムアップ。
判定3-0で北崎。長谷川、王者だった頃より明らかに弱くなってる。もっとバランス良く出来ていた選手だったと思うんだが。
古木克明vs海老名義隆
古木の適正階級はどれくらいなんだろう。全体的にまだ筋量が足りないように見える。
背筋がきっちり伸びた構えから、まっすぐ拳を突き出していく古木。打撃では古木か?打ち負けた海老名は組み付いていく。組み付かれるとちょっと攻めあぐねる古木。膠着。海老名が残り時間わずかでバックに回りチョークを狙うが抜ける。
2R。ひたすらパンチを打ち続ける古木に対し、とにかく距離を詰めていく海老名。離れた距離では古木のパンチがヒットするが、近距離になると打つパンチがなくなってしまう。しかしタックルはしっかりと切る。クリンチ膠着ブレイクが続く。海老名は明らかにガス欠。前に出てくる海老名にカウンターをあわせて尻餅をつかせるが、すぐに立ち上がり前に出ていく古木。タイムアップ。終盤もうちょっと手数が欲しかった。
判定2-0で古木。今日の所は離れた距離での突きのみで勝った。フィジカルや身体能力もまだ活かせるレベルじゃない。相手がいろいろできる選手じゃなかったので救われたか。しばらくはこれぐらいのキャリアの相手とやって経験を積んでいくことが必要だろう。
中村護vs誠悟
ジャブの連打をヒットさせてから、首投げでテイクダウンを奪った誠悟。上になるとパウンド。バックマウントからのパウンドでレフェリーストップ。一方的。
原田ヨシキvs和田竜光
セコンドはそれぞれマッハと小見川という土浦日大高の同級生対決。前の試合のメガトンから、最軽量級のバンタムになったことでスピード感が凄い。
和田はテイクダウンから上を取るのが早い。テイクダウン後、足関を狙いに行ってすっぽ抜けてからも、すぐに体勢を戻して上を取る。2Rもパンチをもらったがサバ折りテイクダウンから上を取る。テイクダウンしてもレイ&プレイでブレイクがかかるが、再開後すぐにテイクダウン。上をキープし続けて判定勝ち。
DREAMのバンタム級ジャパンGPに一人くらいこういう上り調子の選手がいても良かった。
光岡映二vsイ・ジュンギョン
ひょろっとした体型のジュンギョン。光岡がシングルレッグに行くが、バックに回りそこから腕十字に。光岡がバスターでたたき付けるが、今度は三角。ディフェンスしている光岡だが、防戦一方。かなり時間がかかったが脱出する光岡。その後は簡単にパスからマウント。バックマウント→マウントでパウンドを打ち続け、レフェリーストップ。
ジュンギョン、いきなり光岡とでなければもっと良い所が見せられたかもしれない。今後に期待。光岡は久々の試合で最初はちょっと堅かったか。三角を抜いてからは実力差を見せつけた。
北岡悟vs中尾受太郎
ニアライブはまだ半分まだ残り半分あるけど、もうセミ。LUIZの入場を流しても良かったかも。
中尾のセコンドは朝日。北岡入場。解説席の青木が手を合わせて祈っているのが映される。
北岡シングル。中尾の足がリング外に出てブレイク。再開後、ダブルレッグでテイクダウン。中尾はクロスガード。北岡足関。アキレス。中尾は腕をたぐってディフェンス。外して上になる北岡。押さえ込むが、ブレイクがかかる。
「この試合に関しては勝ち負けという次元で見ていない」という青木。二人にしかわからないものがあると。
前に出てきた中尾にタックルのフェイントから組み付く。コーナーに持っていくがブレイク。タックルを警戒している中尾に対し、オーバーハンドの右フックから組み付く北岡。コーナー膠着でまたブレイク。タックルに膝を合わせようとする中尾。またシングルに入り、持ち上げてテイクダウンを奪うがゴング。
やっぱり堅い中尾。北岡優勢ではあるが、常にカウンターのプレッシャーをかけ続けている。
2R。シングルから軸足を払ってテイクダウン。中尾はクロスガード。何回かバスターから内回しヒールに行く北岡だが極まらず。また上に。そしてまた足関。アキレス。青木は「ちゃんと丁寧にパスに行って欲しい」とコメント。放送席を離れて北岡に「ちゃんとパスしろ」とアドバイスする。ハーフだった北岡だがブレイク。見合い。北岡のハイキック。ゴング。
3R。北岡タックル。中尾は膝を出すが、構わずテイクダウン。また中尾のガード。今度はパスしていく北岡。しかしハーフからアンクルへ。外して上を取る。中尾が蹴り離すと北岡は踏みつけ。ブレイク。ノーガードで挑発する中尾。北岡はテイクダウンするが、中尾が下からキムラ狙い。北岡が蹴って外す。タイムアップ。
判定3-0で北岡勝利。トロフィーをもらうとすぐにリングを去る北岡。
やっぱりこういう試合になったかという感想。中尾もショートノーティスということもあり、勝つことより一本負けをしないことを念頭に置いたディフェンシブすぎるスタイルに。この中尾を極めるのは難しい。きっちりパスして攻めようにも、ブレイクの早いDEEPでは、中尾のディフェンスを崩す時間がなかったかもしれない。序盤のアキレス以外は取れそうな場面もなかった。中尾はリスタート1戦目の相手としてはきつかったか。直前のカード変更なので仕方がないし(無名の韓国人ファイターとやるよりは良かった)、中尾も準備期間がない中でこういうスタイルになってしまうのも仕方がないし、北岡の運がなかったとしか言えない。
青木は「結果はともかく動いている北岡が見られて良かった」とのこと。
小路晃vs三崎和雄
引退試合でも青コーナーなのは三崎の顔を立てたのか。リングサイドには高田。「やれんのか」以後、格闘技の会場に来たのは初めてか。
小路も弟子の古木のような構え。岩崎達也の影響なのか。三崎は近づかずにロー・ミドル。ローからパンチ。小路はひたすら待ちの姿勢。1Rは三崎も様子見か。
2Rも蹴っていく三崎。リーチのない小路はカウンターのパンチを入れたくても届かない。コーナーに詰めた三崎がパンチ連打から膝。仰向けに倒れた小路。三崎がパウンドラッシュすると、防戦一方になったのを見てレフェリーが止めた。
小路はストップが早いと抗議。しかし特に早すぎるストップでもなかった。まあ引退試合だし、遅いストップにならないのは仕方がないのでは。
小路は華々しく攻めきると思っていたが、現役時代とは全く違うファイトスタイルで戦った。最後なんだし、今までの自分のスタイルで戦えばいいんじゃないかと思ったが、競技者としては引退でも、武道家としては戦い続けていくという志の現れなのかもしれない。
小路のデビュー戦は、後楽園ホールで行われた骨法vs慧舟會の対抗戦。厳密に言うとプロの試合ではないからプロデビュー戦とは言えないかもしれないが、そこで当時まだ幻想があった骨法のトップ選手・大原学相手を圧倒(判定なしでドロー)。
その後、PRIDEの旗揚げ戦では、全く無名でありながら、ヘンゾ・グレイシー相手にドロー(判定無し)に持ち込む健闘を見せて、一気に名を挙げた。PRIDEでは試合後のマイクキャラとしても