格闘技徒然草

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★UFC144:予想と展望(メインカード編①)

<ライト級/5分3R>
アンソニー・ペティス(米国) 1.40
ジョー・ローゾン(米国) 2.95

メインカードの1試合目であり、日本人が絡まない、最初の本場UFC直輸入カード。
WEC最後の王者で、メインに登場するベンヘンから三角飛び蹴りでダウンを奪い勝利しているペティス。しかしながら、UFCに参戦してからは、クレイ・グイダに完敗。2戦目では中堅のジェレミー・スティーブンスにスプリット判定勝ち。UFCトップ選手としては珍しくスタンドレスリングに穴がある。
対するローゾンはUFCキャリア11戦の常連選手。27戦中、判定が1試合だけというアグレッシブファイター。特に、21勝中17の一本勝ちがあり、抑えこむより積極的に極めに行く。その分、極めを仕掛けて逃げられ体勢が不利になる場合も多い。これまでは中堅中の中堅だったが、前回は5連勝中のメルヴィン・ギラードからダウンを奪っての一本勝ち。トップヘの足がかりを作った。
テイクダウンディフェンスに難有りのペティスだが、ローゾンのタックルもそれほど強くない。ある意味噛み合いそう。スタミナの差でペティス判定勝ち。

フェザー級/5分3R>
日沖発(日本) 1.51
バート・パラジェンスキー(米国) 2.55

昨年の大晦日にサンドロを破り、Sherdogのランキングでフェザー級2位にランクした日沖。その後も負けていないので、現在も王者ジョゼ・アルドに次ぐ2位をキープしている。当時4位だった小見川はすでにランク外。
しかし、UFCデビュー戦となったジョージ・ループ戦では、今まで対戦したことがない長身のループに手こずり、金網際でテイクダウンを奪えないなど、金網対策が不十分に見えた。その後、どれくらい成長しているか。
相手のパラジェンスキーは、ジョージ・ループより評価が高く、Sherdogランキングでは9位。WEC時代はライト級で、アンソニー・ペティスを破っている。前回のタイソン・グリフィン戦からフェザー級に転向(ただし、タイグリの減量失敗で148ポンド契約)。タイグリを1RKOで下し、1戦でランキング入りしている。
パラジェンスキーは主戦場がWECだったせいもあり、その1試合以外は見たことがない。どちらかと言えば打撃が得意で、一階級上から落としてきているだけあってパワフル。実績はループより上だが、日沖にとってはループ戦よりはやりやすい相手だろう。ただし、日沖のテイクダウンが進化していなければ、金網際でテイクダウンを堪えられスタミナを消耗し、打撃戦で打ち負けて判定で敗れる展開も十分考えられる。オッズよりも差はない。
日沖が腕十字で一本。

<ミドル級/5分3R>
岡見勇信(日本) 1.22
ティム・ブティッシュ(米国) 4.00

オッズはKIDの試合と並んで今大会一番差がついているが、ブティッシュもミドル級に転向してからは2連勝と負けなし。先月のProEliteで美濃輪を破ったケンドール・グローブにも勝っている。柔道・レスリングがバックボーンで、タックルや柔道の投げを使ったテイクダウンをよく見せる。
上の階級から落としてきただけにパワーはありそうだが、テイクダウンでは岡見が上。打撃でも岡見が上回っている。ブティッシュのテイクダウンを防ぎつつ、打撃で勝負する展開か。
地元開催だからといって、下手にKO・一本決着を狙う色気さえ見せなければ、岡見が危なげなく判定勝ちと予想。

ウェルター級/5分3R>
秋山成勲(日本) 3.30
ジェイク・シールズ(米国) 1.33

今回、ミドルからウェルター級に落とした秋山だが、シールズはミドル級でも大活躍していた選手だし、秋山はもともとウェルターが適正なので、体格的なアドバンテージはあまり期待できない。
秋山にとって、キャリアで最も寝技が強い相手との対戦。思えば、これまで秋山はグラウンドが強い相手との試合は避けてきた気がする。そのため、寝技の実力は未だにベールに包まれている。もっとも、スタミナ切れしたとはいえクリス・リーベンの三角絞めに捕まっているし、ストライカー相手でも打撃勝負を挑んできたということは、やはりグラウンドにはあまり自信がないのだろう。
となると、どれだけシールズのタックルを凌げるかだが、シールズのテイクダウンのしつこさを考えるとこれも厳しい。テイクダウンから固められ、スタミナと心を削られた上で一本負けと予想。秋山が勝つとしたら、前回シールズを破ったエレンバーガーのように、出会い頭で一発入れて一気に畳み掛ける展開か。負けるとしたら何もできないでの負けになりそうだが、今回、秋山は勝っても負けても最後にすると言うくらい気合が入っているようなので、せめて一瞬だけでも勝機を感じさせる場面を演出して欲しいところ。