当初は上位ランカーのクリス・カリアソとの対戦が決まっていた堀口だが、カリアソが突如デメトリアス・ジョンソンのフライ級タイトルマッチ挑戦者に抜擢されたため、UFC1戦1敗のレジェスに変更に。ホームの有利な状況で上位ランカーと対戦するチャンスを失ったが、23歳の堀口は別に焦る必要はない。
相手のデロスは1月のシンガポール大会でUFCデビューしたグァム在住ファイター。グラップラーかと思われたが、ダスティン・キムラからパンチでダウンを奪いパウンドで猛攻。しかし、パウンドを打ち込んだ腕を何度も狙われ、腕十字を極められ逆転負けした。アグレッシブだがグラウンドは緻密さにかけるのかもしれない。
堀口はこのランクの相手には全局面で圧倒したい。
第8試合・ウェルター級
ストラッサー起一 vs. リチャード・ウォルシュ
UFC参戦が決まり、今年1月のシンガポール大会で川尻に続くセミ前の位置に抜擢された時には、日本での実績の乏しさから疑問の声も出たストラッサー。今回はUFC2連勝で堂々のメインカード登場。前回はTUFブラジルでファイナリストの黒帯柔術家ダニエル・サラフィアンからチョークで一本を奪い、POTNを獲得している。
今回の相手ウォルシュもインターナショナルTUFの出場選手で、オーストラリア vs. カナダのTUF Nations出身。トーナメントで敗退したが、フィナーレ大会では同じTUFのチームメイトと対戦し勝利している。見た目はハゲ親父だがまだ25歳。UFC参戦前のすべての試合が地元オーストラリアの試合だし、デビュー戦となったフィナーレ大会でもチームオーストラリアのチームメイト・インディッチとの対戦だったので、本当のUFCレベルの試合はまだ経験していない。インディッチ戦では打撃で押していたものの、パンチの重さはなかった。
2連勝している割には相手のレベルが上がってこないが、層が厚いウェルターなので仕方がないか。
これまで日本で強豪外国人と対戦した時には、打撃では距離を取り打ち合いを避け、ワイルド宇佐美のアドバイスで幻惑しつつ組みついて柔道の投げでテイクダウンを奪って上を制して判定勝ちというパターンだった中井。
ただ、相手は世界2位のテイト。同じ戦法が通用する見込みはほぼない。組みつけてもテイクダウンを奪えるチャンスはわずかだろう。打撃勝負になってしまったらあっという間に終わってしまうかもしれない。テイクダウンまで奪えたとしても、他の選手との試合を見ても一発で極めるだけの極めの強さはない。勝つためには組みつけて、テイクダウンできて、3R中2Rを押さえ込み切る必要がある。しかし長引けばテイトの打撃に捕まる可能性が高い。一か八か一本を取りに行って勝負をかけるのが最も勝率が高いかもしれない。せめて爪痕は残してほしいが。
第10試合・ウェルター級
秋山 vs. アミール・サダロー
ちょうど2年前に膝の前十字靭帯を断裂し、チアゴ・アウベス戦を欠場した秋山。アスリートとしては非常に影響の大きい膝の大怪我・2年半のブランク・さらに39歳という年齢。試合をしていないのでわからないが、さすがに全盛期からはだいぶ実力が落ちているはず。
やけに厳しい相手との試合が続いていた秋山だが、今回は秋山同様2年以上のブランクが開いたアミール・サダローとの対戦。サダローはプロMMA経験なしでTUFに参加。TUFでは現ランカーのマット・ブラウンやC.B.ダラウェイを破っている。さすがに参考にするには古すぎるが。ムエタイでタイトル獲得経験のあるストライカー。
秋山の4連敗は通常ならリリースされてしかるべき戦績である。今回、ノーランカー同士の対戦ながらセミ前に組まれたあたりに、まだUFCが秋山を大物扱いしているのが見て取れる。しかし秋山は6試合契約。さすがにここで負けたら契約更新は難しいはずだし、サダロー相手に負けたらキャリアを終える決意をするには十分。本人がどの程度MMAに人生をかけているのかは分からないが、負ければ最後の試合になる状況ならさすがに気合は入るはず。
セミファイナル・ライト級
マイルス・ジュリー vs. 五味隆典
4月に1年ぶりの復帰戦を行った五味だが、コンディションは明らかに悪かった。前座ランクのアイザック・ヴァリフラッグ相手に互角の内容。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞したものの、限界も見えてしまった一戦だった。本人の希望がかなって日本大会でランカーとの試合になったが(五味の希望はベンヘンだったそうだが…)、茨の道。北米以外で初の試合となるジュリーがコンディション失敗でもしないと厳しい。
相手のジュリーはディエゴ・サンチェス相手に乱打戦に持ち込ませず、出てくるサンチェスにカウンターを入れて削り続けて完勝。五味も勝機があるとすればジュリーを打ち合いに引きずり込むことだが、ジュリーの展開にハマってしまいそう。それでも勝つためには出るしかない。
説明不要の殴り合い。お互いハードパンチャーではあるが、一方で、打たれ強さもある。29戦でKO負けは1度のみのネルソンと、キック&MMA合計61戦で4KO負けのハント。お互い一発で倒せる矛を持ちつつ、倒されない盾も持っている。序盤でどちらかがKOするか、意外と両者消耗してグダグダの泥仕合になるかもしれない。それはそれで面白そうだが、メインはやっぱりスッキリ決着して欲しいところ。
トータル予想:
- ◯真騎士(判定)フッカー●
- ◯徳留(KO)ケース●
- ●田中(判定)ギョンホ◯
- ◯ヒョンギュ(KO)佐藤●
- ◯菊野(KO)シシリア●
- ◯カサレス(判定)金原●
- ◯堀口(KO)レジェス●
- ◯ストラッサー(判定)ウォルシュ●
- ◯テイト(KO)中井●
- ●秋山(判定)サダロー◯
- ◯ジュリー(判定)五味●
- ◯ハント(KO)ネルソン●
当日はファイトパスでは日本からの通信はブロックされ視聴不可。録画視聴できるかどうかも未定とのこと。WOWOWでは第1・2試合をWOWOWオンデマンドで中継。第3試合からメインまではWOWOWで生中継。
速報します。