マレーシアで行われるONE CHAMPIONSHIP25では渋谷莉孔が初参戦でフライ級王者アドリアーノ・モライシュと対戦。日本人選手が初参戦で王者との対戦やタイトルマッチが組まれることが良くあるワンチャンだが、それでも渋谷の挑戦は大抜擢。渋谷はキャリアの殆どはOUTSIDERでの戦績で、一番の実績はTTFチャレンジで当時のパンクラススーパーフライ級ランキング1位の古賀に勝ったというもののみ。海外での試合も外国人とやるのもこれが初めて。日本だけのキャリアで、メジャー団体だけでなく修斗パンクラスDEEPでの試合経験もなしで海外で王座挑戦のチャンスを掴むというのは今までにない。
インタビューから注目発言を幾つか。
http://mmaplanet.jp/45017
──道を外していた?
「道は外していたかどうか、会社員をやっていた時期もあるし。ただ、回りは“ピィー”とか、詐欺とかチョロチョロっといたぐらいで」
── “ピィー”が周りにいる? ありえないですね(苦笑)。
「懲役中の人とかもいるけど、自分は実刑を受けたことはないので。いや、これからもないでしょうし」
──捕まっていたら、実刑だったということですね(笑)。
「でも、自分らの時代はそういう人間が多かったですからね」
──Heartsのプロ練は錚々たるメンバーが集まります。
「最初は何もできなかったです。でも、最近になって通じるようになってきたと感じています。ただ、金原(正徳)さんとかとやると、どうしようもない感が……」
──水垣選手とは?
「歯が立たなくはないです」
王者モライシュの印象は
戦った選手はデカい印象を持ったようですが、身長は173センチだし全然デカくないですよね
「何が強いんですかね? 打撃のアタック自体は結構遅いですよ。ディフェンスは巧いですが」
とかなり強気。しかしパンクラスランキング1位に勝ったとはいえ、パンクラス王者清水は修斗ではランキング下位で勝ったり負けたり。モライシュはその修斗の王者の漆谷に勝っているのだから、実力的には雲の上と言ってもおかしくない。何も出来ずにやられる可能性も高いが、ここまで何も考えずに怖いものなしで乗り込んでいけば逆になんとかなるような気もする。
ワンチャンと同日にグァムで行われるPXC46には日本人選手が3名登場。矢地はメインでPXCフェザー級王者キム・ジャンヨンに挑戦する。ジャンヨンは発売中のゴン格によると、一度はUFC出場が決まったが、相手の台湾人がキャンセルして試合がなくなってしまったとのこと。そのジャンヨンに勝てば、矢地もUFC参戦が大きく近づく。日本版TUFの開催が結局3月半ばまで何もない状態で、今一番UFCに近いのは矢地かもしれない。
他にも、渡辺健太郎が元UFCファイターでKIDに勝っているダレン・ウエノヤマと、粕谷優介が中村K太郎に勝っているフランク・カマチョと対戦する。渡辺健太郎は前戦はワンチャンでの試合だったが、何があってのPXC出場なのだろう。ワンチャンは渋谷が初参戦でタイトルに挑戦する一方、既存の契約選手の試合が全く組まれず、他のイベントでの試合が続いている。
ワンチャンは13日9時からネットPPV実施。PXCはいつも通りディレイで無料ストリーミング。午後11時開始なので、おそらくワンチャンの中継とかぶってしまう。アジアが誇る2大ダメストリーミングなので、まともに試合が見られるかどうかは運だが。