格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★「マット界スキャンダル『機密文書』」にルスカvsゴメスの記事が

白夜ムック「マット界スキャンダル『機密文書』」(白夜書房1000円)が発売されました。本の中身は「迷宮Xファイル」シリーズを大して変わらない内容ですが、前田がアンドレ戦以外のシュート・マッチについて語った巻頭インタビュー「今だから語れる舞台裏」と、新日本プロレス ブラジル遠征で起きた柔術家イワン・ゴメスとウィリアム・ルスカのシュートマッチに関する記事は読み応えがありました。

ルスカとゴメスが新日ブラジル興行で対戦し、それがシュートマッチになったというのは、10年前に発行された「グレイシー柔術の一冊」(日本スポーツ出版社刊)に出ていたが、何か新事実が載っているかと思い読んでみた(立ち読み)。
結果、特に目新しい情報はなかったが、試合について「ルスカの優勢勝ちといった内容だった」と書いてあったのが解せない。記事を書いたのはライターの渋澤恵介だが、当然試合自体は見ていないだろう。何を持ってそう判断したかが不明。さらに、わざわざ注釈をつけて「そのまま試合が続けばダメージが大きいゴメスをルスカが破った可能性が高い」と書いてある。これも根拠が不明だし、そもそも注釈を入れる必然性があるのか。ちなみに、試合が止められた際の状態はこの通り。

(「グレイシー柔術の一冊」より)
スリーパーを仕掛けているのがゴメスだ。ルスカの打撃で負ったとされるゴメスのダメージがどの程度のものだったかは(試合のビデオもない*1)現在に置いては判断することができないはず。仮にダメージが大きかったとしても、この状態から「ルスカが勝った可能性が高い」とは言えないはずだ。上記のゴメスがチョークを仕掛ける写真が「機密文書」に載っていないことも意図的なものを感じる。
ちなみに、試合はこの状態でカウントが数えられ「エプロンカウントアウト」として、なぜかゴメスの負けとなっている。その裁定を行ったミスター高橋が国外追放処分になったというのが、今回の記事の数少ない新事実だろう。

*1:存在するという噂もある