格闘技徒然草

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★榊原代表「来年の秋までに立ち技と寝技の大会を行う」

2005年10月21日(金)『PRIDE.30』のルールミーティング後に行われた囲み取材で、DSE榊原代表から「来年の秋までに立ち技と寝技、二つの世界最強を決める大会を開催したい」と爆弾発言が飛び出した。

 兼ねてから噂に上がっていた立ち技ルールの大会について、榊原代表は「噂ではなく必ずやります。真の立ち技世界最強が分からなくなっているので、PRIDEの世界観を持った、本当の意味での立ち技世界最強を決めるトーナメントをやりたい」と力強くコメント。ルールについても純粋なキックボクシングルールではなく、投げも認めたルールを考えているとのこと。

 さらに榊原代表は立ち技だけでなく寝技限定の大会の開催も明言。大会自体は、昨年大晦日に提携を発表したFILAが主催するパンクラチオンという大会を、DSEが製作・運営をサポートする形となり、「FILAの大会なので世界中のアマレスラーが参加するでしょう。またヒョードルノゲイラなどのプロ選手も出場する可能性もあります」と語った。

以前も立ち技ルールでの興行の話は出ていたが、今度はそれに加えて組み技の大会も。立ち技にせよ組み技にせよ、「総合」に最高の価値観をおくPRIDEでやるべきものなのか。
仮に、ヒョードルが組み技の大会に出て、そこで組み技オンリーの試合しかしない選手に負けたとしたら、見る側は納得できるだろうか。総合ルールでのリベンジマッチを組んでヒョードルが勝ったとしても、それは真のリベンジとは言えないし、組み技ルールの大会が総合より下という扱いだとしたらトップ選手を出す意味もない(そもそもトップ選手は誰も出たがらないだろう)。アブダビコンバットでも、総合と二足のわらじで組み技をやっている選手はほとんど勝ち抜けず、勝ち抜いたとしてもそれは総合ではあまり実績を残せていない選手だったり、「組み技」と「総合」は全く別の競技という認識が一般化しつつある。総合の片手間にやってる選手では最高レベルのものは見せられないし、出場をPRIDE常連選手に限るというなら、最初から総合でやった方がいいに決まってる。
一番いいのは、グラップリング専門でやっている選手・総合よりグラップリングで実力を発揮できる選手(リスターなど)だけを集めてやることだが、それだとプロ興行として大観衆を集めるのは難しいだろう。アマでやる分にはいいが。
あるいはFILAへの配慮が目的のイベントなのかもしれないが、そこまでするほどのメリットがあるのかどうか。FILAとの提携が発表されて1年。FILAのルートで出たと言えるのは去年の大晦日のガードナーのみ(マックモドは無関係)。ガードナーの再登場も見送られているし、他のレスラーも出てくる話を聞かない。まあ、見えないところで何かと利用価値があるのかもしれないが、客の立場からすれば提携のメリットはゼロだ。ガードナーだって、再登場したとしてもたいして見たいと思わないし。
立ち技ルールの興行についてもほぼ同じ。まあ組み技の大会よりは需要はありそうだが、選手は多くても年間4〜5試合しかできないのだから、こういう余計な試合をするより、本道の総合で戦って欲しい。通常のキックルールではなく投げを認めたり(あるいはオープンフィンガーグローブでの試合にしたり)したら世界基準と言えなくなるのでは?
打撃の専門選手だけでK-1を上回るイベントを開く自信がついたのだろうか。それとも単なるK-1への嫌がらせか。そのイベントの出来を見て判断するしかない(それ以前に本当に開くかどうかで判断しなければいけないが)。
これに加えて「来年こそ海外興行も実現させる」とも言っているが、そろそろ確実に決まるまでは海外のことは口に出さない方がいいのでは。ネタになってきている。