格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★ゴン格「MMA越境座談会」が面白い

発売中のゴン格で、GCM久保代表、パンクラス坂本代表、DEEP佐伯代表の座談会が興味深かった。
ちなみに、ゴン格はマガストア(http://www.magastore.jp/)で電子書籍版を購入。電子書籍版は紙版より5日遅れで発売(先月は1週間遅れだった。電子書籍版の正式な発売日は決まってない模様)。価格は毎回700円で、紙版より安い。
“中途半端バブル野郎”問題

久保代表「選手がプロモーターのことを全く理解していない。順位付けをされるマッチメイクは嫌、名前のない適当な外国人とやりたい(ただし韓国人は嫌)という選手の言葉が聞こえてくる」

このあたりは谷川Pも「総合の選手は現実が分かっていない」と批判していた。やはり総合全体での傾向である模様。

久保代表「勝った方が上に行って、負けた方が下がればいいだけの話。格闘技の世界は勝ったら上がるが、負けても下げない。」

この辺を頭に入れた上で、CAGE FORCEパンクラスの近藤vs藤井と弘中vs北岡という、ハイブリッドレスリングならぬハイリスクレスリング2連戦の実現を見ると、状況は変わりつつあるのかもしれない。あくまで一部の勇気ある選手が受けているというだけかもしれないが。
さらに、古い選手がいまだにトップを張り続けていることに対しては、新しい選手が出てきても、古い選手を扱った方が売れるから、古い選手ばかり扱うマスコミも悪いと指摘。
ファイトマネー
上記の話はファイトマネーの話でもあるようで、ファイトマネーは勝ったら上がるが、負けても下がらない模様。どんなに負け越している選手でも、試合数を重ねると結構な金額になるとのこと。唯一パンクラスだけはビッシビシ下げているという。それで出なくなる選手も普通にいると。ゴン格はファイトマネー高騰を防ぐために、共通のファイトマネー規定を作れないかと提案しているが、プロモーション間では、他所に出ていた選手が上がる際には、ファイトマネーの額について情報交換はしているらしい。
ジャッジ・リングドクター
佐伯代表はジャッジ・ドクターを統一管理して派遣してくれる協会が必要と言っているが、理由の一つとして、判定で揉めて違う団体にいくというのがあるとのこと。これはあまり表沙汰にはなっていないことだと思うが、確かに微妙な判定で負けにされた選手が、その後しばらく試合から遠ざかるというケースはあるように思う(その選手が判定で揉めて出なくなっているのか、他の理由なのかは知らないが)。
出場停止なども、協会に加盟しているプロモーションには出場できなくすれば有効になるのではという意見も。
SRCと慧舟會の関係
ドンキは最優良スポンサーだが、ご機嫌を取るために目隠しをして物事を進めようとしている人がいるとのこと。それに対し、久保代表はうるさく言い過ぎるため、「SRCとは窓口が閉ざされている状態」らしい。
ただし、SRCにはK太郎や宮沢などの選手の派遣はあるので、久保代表が向井社長と直接話ができない状態というだけで、別に慧舟會とSRCが絶縁というわけではない様子。
合同イベント
最後に、中小プロモーションの合同イベントについては、前向きに話しつつも、DEEPとパンクラスの間で選手を派遣するのは政治的な問題があるので難しいという話。それぞれDREAMとSRCに関係が深いためと思われるが、一方ではDEEPの選手がSRCに問題なく上がっているのは良くわからない。王者ですら上がっている(まあ、入江だが)。ちなみに、パンクラス→DEEPであれば、選手の派遣は行われている。
マチュアの合同イベントについても、そこで勝ち上がった選手をどこが使うかという問題があるとのことで、すぐに実現するのは難しいようだ。
読んでみて、DREAMとSRCが統一されないかぎり、日本の総合格闘技界の問題は解決されないのではという気がした。雪解け・交流というレベルでは、結局お互いの利益を追求しあってうまくいかないと思う。選手がわがままをいう問題も、「気に入らなければライバルプロモーションに行く」という選択肢があるから可能なのではないだろうか。