格闘技徒然草

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★RIZIN無差別級GP開幕戦:総評

全体的な満足度としては、中盤はややダレたものの、終盤にスッキリした完全決着試合が続いたので良かった。
無差別級GPは世間的に知名度がない選手の試合の方がレベルは高かったが、アグレッシブさに欠けた上、それほど差がない判定決着で今一つ盛り上がらず。
ベストバウトはアーセン vs. 紀左衛門。紀左衛門は1Rに投げられた時に脱臼していたそうだが、その状態で良く戦った。判定については基準が良くわからないのでなんとも言えないが、イエローカードの影響がどれくらいあるのか、ジャッジで統一は測れているのだろうか。
10ポイント制では1点減点と言われれば、ジャッジの主観にかかわらないし、選手もどれくらいで減点分の差を埋められるか判断できる(ラウンドマストなら3R中2R取るだけならドロー、3Rすべて取れば勝ち等)が、漠然と「判定に影響する」とだけ説明されても、それぞれの主観で変わりすぎる。なにより観客にとってわかりにくい。
新ルールもアナウンス不足。今回から1R10分・2R5分の2R制に変更になったが、メインだけ特別ルール(おそらくヒクソンのゴリ押し)で3R制だったためわかりにくかった。
ドントムーブ廃止ははっきりと改悪。紀左衛門はロープの外に出たのは故意じゃないと言っていたが、あれは故意とみなされても仕方がない。そもそも故意かどうかを判断する必要もなく、外に出たら減点でいいだろう。その場合は故意に押し出そうとする方も厳しく取り締まる必要があるが。
紀左衛門は3回外に出ていたが、最初は口頭注意のみ。以前のロープつかみの時からそうだったが、JMMA特有の最初の1回は口頭注意だけで実質反則1回OKというのは不要だと思う。ロープつかみや場外逃避については事前に反則だとわかっているのに、現状だと「1回だったらノーリスクでできる」というのと同じ。最初から反則をしっかりと取り、過去に同じ反則を犯している選手については、サッカーのように累積で処分を下すようにしてほしい。ロープつかみや場外逃避はだいたい特定の選手のみが繰り返しやっているので。
山本美憂は42歳のデビュー戦で打撃を怖がっていないのは良かったものの、タックルでテイクダウンしてもその先がない。今からフィニッシュできる武器を身につけるのは難しいのでは。テイクダウン→密着してコツコツ殴りブレイクを3R続けて判定勝ちするくらいしか勝ちパターンが見えない。
トーナメントはミルコの相手が弱すぎて仕上がり具合が不明。ミルコとシウバがやるより、若い選手がレジェンド級の選手に挑む組み合わせが見たかった。
アリアックバリは底が見えない勝ち方。打撃についてはすぐ組みの攻防になってしまったので未知数。次は誰と当っても楽しみ。
バルトは押し込みからの膝という安田忠夫戦法しかなかったが、ちゃんと打撃ができる相手にフルラウンド同じことができるかどうか。
村田は中井りんとの対戦をアピール。会場に協力団体としてパンクラスのフラッグがかかっていたし、村田がマイクで「中井選手と中継はつながっていますか?」と言っていたので、事前に話は通しているのだと思う。大晦日の時点でもデビューから8か月しかたっていないのでやや時期尚早の感があるが、勝つ可能性も十分ある。実現して中井が勝つようだと、使い捨ての選手ばかりで回していたRIZIN女子も本格的に動き始めるので期待したい(選手のベスト階級が微妙に違うという問題はあるが)。