格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★UFC144:総評(試合以外編)

意外と見にくい金網
今回、WOWOWの先行予約でRS席を買ったのだが、10日前にぴあで売っている席を確認したらもっとオクタゴンに近い位置だった。先行予約は確実に買えるというだけで、別にいい席ではなかったのか。
そしてRSの割には見にくい。近い分高さがないので、金網の上の部分が邪魔になる。あと、自分の席からはカメラマンが2人も立っていてこれも邪魔だった。
UFCは細かい打撃のヒットでジャッジが変わってくるので、それを見逃さないようにしようと思ったらビジョンを見るしかない。UFCに限らず「大会場での格闘技観戦あるある」だけど、いい席を買ってビジョンを見ている悲しさ……。ビジョンは最高に見やすかったけど。
それでも、場所によってはRS席を買うだけの価値はある。今回の経験でそれが分かったので紹介したい。
下の画像は、たまアリのサイトの座席表をキャプチャして抜粋したもの。

センターステージのあたりにオクタゴンがあって、まわりの座席がほぼRS席。この中でのベストの位置はずばりここ。

上の画像の赤い部分。なぜかというと、赤い部分に面した通路は選手の退場ルートだから。
左側の通路は入場ルート(セミとメインのみ、赤コーナーの選手が右側から入場した)だが、入場よりは断然退場ルートをお奨め。なぜなら、退場する選手が通路脇のファンに、サインや握手などをしてくれることがあるからだ。
選手だけでなく、セコンドのメレンデスやゲストのコンディット、通りがかったオクタゴンガールやハーブ・ディーンもサインに応じていた。
本当のベストは画像の青い線の部分なのだが、選手の身内っぽい声援が飛んでいたので、もしかしたら関係者席なのかもしれない。そして、通路の左側の席はあまりお奨めしない。なぜなら、ほとんどの選手は通路右側のファンにコンタクトするのみで、左側の観客に声をかけてくれたのは2割か3割程度だったからだ。なぜなのかはわからない。実際に通路を歩いて選手の気持ちになったらわかるのかもしれない。実はまさにその左側で見ていたので、選手に何度もスルーされて悲しかった。まあ、サインや握手はしてもらえなくても、通りがかる選手が見れて声をかけられるだけでも楽しい。
もっとも、次回も日本大会があって、同じたまアリで、同じ舞台設営であることが前提となるが。
演出
映像に日本語字幕がついていることや、試合後インタビューに通訳がついたこと以外、ほぼそのままのUFCを持ち込んでいて好評だった。
しかし一点改善をお願いしたいのが、やはりあのヌルッとしたラウンド開始。始まりのきっかけがわからないので盛り上がり損ねる。ボクシングでもラウンド開始の時にはゴングが鳴るのに。何もないのはUFCだけ(ちなみに、Strikeforceはラウンド開始時にゴング、終了時にホーンが鳴る)。アメリカの観客は気にならないのだろうか。
テレビで見ている時は気にならないのは、レフェリーの「ファイト!」という掛け声が入っているから。でも会場だと全く聞こえない。解決するには、レフェリーにマイクを付けてもらって、開始の声を拾うだけでいい。本場のUFCをそのまま持ってくることにこだわりがあるのだとしても、これをやらないことによるメリットが何なのかわからない。ここだけはカスタマイズしてほしい。
試合開始時間
9時半はやっぱり早い。特に、冬寒い時に早起きするのはつらい。もっとも、夏場だと向こうの夏時間に合わせるので、さらに1時間早まるが。
メインカードは5試合でもいいと思った。自分は5、6時間で15〜20試合くらいやるイベントをいつも見ているので気にはならなかったが、周りで眠そうにしている人が結構いた。10時開始で前座4試合・メインカード5試合でもいいのでは。
会場の盛り上がり
米国大使館が協力しているだけあって(なのかは知らないが)外国人率高し。外国人が率先して盛り上げてくれたからなのか、わりとアメリカナイズされた雰囲気だった。観客の側から積極的にUFC的盛り上がりをしていこうという人が多かったように思う。
それでも盛り上がったのは地上波で有名なKID・五味・ハントであり、一番の盛り上がりはランペイジのPRIDEのテーマでの入場だった。やはりPRIDEチルドレンが一番多かったのだろう。それも当然か。2012年に日本で会場まで格闘技を見に来ていて、PRIDEを知らないということはありえない。
予想以上の盛り上がり・客の入りではあったが、「初のUFC」という物珍しさに助けられた部分はある。次回もあるかどうかはわからないが、年1回くらいが新鮮さ・ありがたみを保つためにはベストかもしれない。
今回の日本大会で、日本の格闘技界が100%いい方向に向かうかはわからないが、その可能性が確実に感じられたイベントだった。