格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC263:第3試合・チェイス・フーパー vs. スティーブン・ピーターソン

フェザー級だったがピーターソンが2.5ポンドオーバー。

UFC最年少21歳のフーパーはUFC2勝1敗。若さあふれるアグレッシブなファイトが信条だが、打撃とテイクダウンに難があり、スタンドで劣勢なところから引き込みや今成ロールなどで極めを狙いに行くも読まれて厳しい試合になりがち。前回は2Rまで劣勢なところから、3Rに外ヒールを極めて逆転勝ちしたが、それでなおさら一発狙いの足関は警戒されるだろう。

ピーターソンはUFC2勝3敗。前戦は19年9月に試合をした後、昨年2月と今年2月に組まれた試合をいずれも欠場しており、1年9ヶ月ぶりの試合となる。グラップラーだが、前回は打撃で攻められ続けた後、バック肘をかわしてのバックブローでKO勝ち。

どちらもアメリカ人ファイターだが、会場人気は断然フーパー。

タックルから四つに組んだフーパーだが、ハナから倒さず引き込み。ピーターソンパウンドを入れるが立った。また出てきたピーターソンに組み付くと引き込み。下から脇を差したフーパー、また引き込むとそこからバックを狙う。離れようとしたピーターソンにスタンドでバックを奪う。しかしピーターソンが正対するとまた引き込み。ピーターソンはパウンドを入れて立って離れる。フーパーパンチからタックル。初めて尻もちをつかせた。インサイドからストレートフットロック。しかし足が抜けた。外ヒールに切り替え。これも浅い。回転して逃れるピーターソンにカーフスライサーを仕掛けるが、ピーターソン上からパウンド。抜けたがすぐ上になるフーパー。また足関を狙うが起き上がり上に。また足関。内ヒール。浅い。ホーン。

1Rピーターソン。ジャッジで負けてる3R終盤にやるような攻めを1Rからやっているフーパー。

2R。ピーターソンのパンチにフーパーも打ち返すがスピードがない。四つに組んだが倒せず。ピーターソンが逆にギロチンを仕掛けたが首を抜いたフーパー。ピーターソンすぐ立つ。フーパー四つから引き込み。押さえ込むピーターソン。フーパー下から仕掛けるも密着され潰される。腕十字をかわされ亀になったところでパウンドをもらった。ホーン。

2Rピーターソン。

3R。パンチを打ち込んでいくフーパー。だがそこからタックルに行くのは読まれている。切られたが四つに組んだ。ケージに押し込むピーターソン。フーパー疲れているか。ボディロックからピーターソンがテイクダウン。フーパーが疲れていてもうグラウンドでも怖くないと見たか。ハーフで押さえ込みつつ肩固め。サイドに出てフィニッシュを狙ったがフーパー脱出。スタンドで四つに。フーパー投げてバックに。残り1分。四の字バック。反転しようとするピーターソン。フィニッシュが必要なフーパーだが仕掛けるだけの体力が残ってないか。タイムアップ。

判定30-27、29-28の3-0でピーターソン勝利。

フーパー、若いのに特異なファイトスタイル…というか、若くて全体的に完成度が低いので、得意分野に特化した攻めをするためにトリッキーにならざるを得ないのか。フィジカル・打撃・テイクダウンを強化しないとUFCでは前座レベルでも厳しい。

UFC263:第2試合・ファレス・ジアム vs. ルイージ・ベンドラミニ

ライト級。

フランスのジアムはキックがバックボーンでISKAのタイトルを取っている。UFC初戦はケージに押し込まれる展開で判定負け、2戦目はグラウンドで下になる展開が多かったものの、ジャッジはパウンドでの与えたダメージを評価し判定勝ちでUFC初勝利。

ブラジルのベンドラミニは代役で組まれたUFC初戦は階級上の試合でKO負け。昨年10月、2年のブランク開けで組まれた2戦目はスタンドの打撃でダウンを奪い鉄槌ラッシュで1RKO勝ち。

長身のジアムが間合いを詰めてジャブを入れていく。ベンドラミニは下がって距離を取りつつ飛び込む機会を伺うが、両者出ていかず会場から奇声が飛ぶ。じわじわプレスしてきたジアム。ケージ際付近をサークリングするベンドラミニ。残り1分。ラウンドを取るため出ていくベンドラミニだがジアムのジャブに阻まれる。右ハイを放ったが空振り。ホーン。

1Rジアム。

2R。1Rを落としたベンドラミニが出ていく。タックル。しかし切られた。ジアムのローをキャッチし組み付くがまた切られる。出ていくベンドラミニだがジアムが距離を取りジャブを入れていく展開に。ベンドラミニタックルでケージまで押し込むとダブルレッグへ。こらえて離れるジアム。残り1分。出ていけないベンドラミニ。リードしているジアムも出る必要はなく、見合いが続いて会場ブーイング。ホーン。

2Rジアム。

3R。ベンドラミニが左右のフックを振り回して出るとヒットしたのかジアム後退。追いかけてパンチを振り回すベンドラミニ。ケージ際でタックルへ。切られたがまたプッシングで倒した。ガードをパスしてサイドへ。マウント!ジアムが返そうとすると自らハーフにするベンドラミニ。上からギロチンを狙うが放した。肩固めのセットはジアムが外す。ガードに戻したジアム。ベンドラミニは上から肘。残り2分。最低でも2ポイント欲しいベンドラミニだが、ジアムがケージ際で足で距離を作って立った。ジアム距離を取り逃げ切り体勢。追いかけるベンドラミニに高速サークリングしつつジャブ。しかしケージに詰まったところでパンチを入れるベンドラミニ。時間が過ぎていく。またパンチを入れると組み付いたベンドラミニだが残り10秒。タイムアップ。

3Rは10-8がつくかは微妙。

29-28×2、28-28の2-0でジアムが際どい判定勝ち。

3R10-8つけたのは1人のみ。会場はブーイングを送るが妥当な判定。ベンドラミニ、3Rのラッシュは良かったが、少なくとも最後まで立たせず攻めなければ10-8は取れない。立たれた時点で逃げに入ったジアムを捕まえられなかった。

UFC263:第1試合・カーロス・フェリペ vs. ジェイク・コリアー

ヘビー級。

ボクシングバックボーンのフェリペはUFCでは前座戦線で2勝1敗。3戦全て判定決着。

コリアーは元々ミドル級で絞られた体だったが、その後ライトヘビー級に上げ、さらに昨年からヘビー級のリミットいっぱいまで増量し、まるで別人に。初戦は秒殺KO負け。前回は同様にライトヘビー級から上げてきたジャン・ヴィランテに打撃の手数で上回り判定勝ち。

距離を詰めるフェリペ。下がりながらパンチをヒットさせるのはコリアー。パンチを貰うと効いてないアピールなのか挑発するフェリペだが、距離を取ってジャブを当てていくコリアー。お腹タプタプながら、元ミドル級らしくスピンキックなども放つ。フェリペオーバーハンドの右。先に手を出すのはフェリペだが、打たれた後それ以上の手数で打ち返すコリアー。

3R。変わらず出ていくフェリペだが、コリアーが下がりながらジャブを当てていく。相変わらず挑発行為の多いフェリペ。コリアーダブルレッグで飛び込んだがフェリペ切った。スタミナが苦しいのかマウスピースを吐き出すコリアー。フェリペは先手を取るがやはり手数が足りない。空振りも多い。残り1分。疲れが見えるコリアーだが、それでも手数は出していく。客を煽るフェリペだが時間がない。コリアーワンツーからミドル。タイムアップ。

試合後、判定を待つ間も客煽りをするフェリペ。

29-28コリアー、29-28フェリペ、29-28フェリペ。スプリットでフェリペの勝利。

スタッツでは1Rはコリアー、2R・3Rは五分だがややコリアーが上だったが、手数よりダメージを取ったか。コリアーはダメージよりも疲れの方が大きかった気がするが。

RIZIN.28:予想

MMAの試合のみ。

第1試合 弥益ドミネーター聡志 vs. “ブラックパンサー”ベイノア

極真出身でRISE王者のキックボクサーベノイアのMMAデビュー戦。

デビュー戦でいきなりDEEPの元王者とだが、その分体重ハンデがあり、本来フェザー級(65.7kg)のドミネーターに対して73kg契約での試合に。ベノイアも67.5kg級の王者なので、もうちょっと体重を合わせることもできたはずだが、オファーが直前だったのだろうか。

フィジカル差が厄介ではあるが、キャリアの差を見せてドミネーターがパウンドでKO勝ち。

第2試合 シビサイ頌真 vs. スダリオ剛

ここまで3勝のスダリオだが、同階級のちゃんとしたMMAファイターとの対戦はなし。打撃は重いものの、ディフェンス面が試される試合にはなっておらず、実質今回が初めて実力を問われる試合に。今までは攻撃全振りで問題なかったが、打撃のディフェンスやテイクダウンディフェンスなど、対応することが増えてその分攻撃力も落ちると予想。

シビサイ一本勝ち。

第3試合 斎藤裕 vs. ヴガール・ケラモフ

直近の2敗は外国人相手の斎藤。外国人相手に勝った試合もあるが、いずれも格下。パワーがあって圧をかけてくるタイプには苦戦を強いられているだけに、ケラモフはRIZINでは最も相性が悪い相手では。

ケラモフは、試合直前に2週間の隔離期間がある中、どれだけのコンディションで試合できるかが気がかりではある。

ケラモフ判定勝ち。

第4試合 元谷友貴 vs. 岡田遼

朝倉海井上直樹を除くと、元谷の実力が頭半分抜けていると思う。ただしポカというか、つけいる隙はある。岡田はそうした部分を突くのは上手いと思うが、ずっと押される展開のまま、攻めに回れないまま終わりそう。

元谷判定勝ち。

第5試合 扇久保博正 vs. 春日井“寒天”たけし

7年前の再戦。両者とも戦績は良いが、戦ってきた相手のレベルには差がある。日本拳法を学び打撃を強化してきている寒天だが、ヤマニハには打撃戦でダウンを喫している。やはり武器は寝技だが、その前の打撃でどれだけ警戒させられるか。

接戦になると思うが扇久保判定勝ち。

第6試合 石渡伸太郎 vs. 井上直樹

トーナメントの本命が朝倉海で近い位置にいる対抗が井上と見る。元谷戦での一本勝ちは展開でたまたま取れたという面もあるが、短い攻防の中でも成長が見られた。対する石渡は36歳で怪我から1年半ぶりの復帰戦。まず追い込んだ練習ができるだけのコンディションが作れているのかが心配。

井上判定勝ち。

第7試合 朝倉海 vs. 渡部修斗

一番実力差がある試合。

朝倉海KO勝ち。

第8試合 トフィック・ムサエフ vs. ホベルト・サトシ・ソウザ

柔術特化スタイルは、打撃でも十分勝負できるという裏付けがあってこそ機能する。サトシはジョニー・ケース戦を見る限り、ムサエフ相手に打ち合える打撃は持っていないと思われる。引き込みからの攻めだけでは、クロンがUFCで通用しなかったのを見ても、世界レベルでは厳しい。打撃でムサエフ相手に打ち合えるならわからないが…。

ムサエフ判定勝ち。

メインイベント 朝倉未来 vs. クレベル・コイケ

クレベル相手に一度もグラウンドに持ち込ませずに勝つというのは難しい。朝倉未来が寝技対策で、グラウンドに持ち込まれても十分しのげるというところまで自信を持てているかどうか。実際のところは両者ともやってみなければわからない部分ではあるが、試合中に自力でグラウンドから脱出できればそれが自信になり、時間が立つほど有利になる。足を取られる怖さはあるが、サッカーボールキックやグラウンド膝もクレベル相手には有効。一本を取られなくても、グラウンドのまま1R終了のゴングを聞くようだと、2R以降守りに意識が向いて、逆に打撃をもらう危険も出てくる。

朝倉未来判定勝ち。

Bellator260:メインイベント・ドゥグラス・リマ vs. ユーソラフ・アモソフ

ウェルター級タイトルマッチ5分5R。

リマはローリー・マクドナルド相手の防衛戦ではカーフキックを効かせたが判定負けし王座陥落。19年から始まったウェルター級トーナメントでは準決勝でマイケル・ペイジをKO、決勝ではロリマクにリベンジし、王座奪還に成功した。前戦はミドル級に上げて2階級同時制覇を狙ったが、前半からムサシの打撃に押される展開で判定負け。ATT所属。

ウクライナのアモソフは驚異のMMAデビュー以来25連勝中。Bellatorでも6連勝。しかし前戦はローガン・ストーリー相手にスプリット判定勝ちでギリギリの勝利。

距離を取っての打撃戦。蹴りを入れていくリマ。アモソフタックル。倒した。リマがケージを使って立つが、アモソフはボディロックを放さず即またテイクダウン。ケージ中央で倒す。ガードを取るリマ。インサイドから体を起こさずパウンドを入れていくアモソフ。リマはクローズドガードのまま。そのままゴング。

1Rアモソフ。

2R。リマがプレスしていく。アモソフ距離を取る。タックルで飛び込む。組み付いた。テイクダウン。押さえ込んで殴るアモソフ。リマはケージを背に上半身を起こすと立とうとするが、その瞬間に足を束ねたアモソフがレッグマウントに。残り1分。リマ立ったが、スタンドでもバックをキープするアモソフ。その体勢のままゴング。

2Rアモソフ。

3R。カーフキックを一発入れたリマ。前に出てパンチを入れると組み付くアモソフ。シングルレッグ。ケージでこらえるリマ。が、ボディロックから櫓投げでテイクダウン。インサイドからパウンドを入れるアモソフだが、リマが顔を背けたところに一発後頭部にヒット。レフェリーブレイクしアモソフに注意するとスタンドで再開。パンチで出るリマだがアモソフも打撃を打ち返す。ゴング。

3Rもアモソフ。

4R。王座防衛にはフィニッシュか10-8のラウンドが必要なリマ。アモソフに組まれないよう距離を取るが、アモソフ飛び込んでボディロック。リマケージでこらえるが、アモソフまたボディロックから櫓投げ。一度はこらえたリマだが、もう一度投げてテイクダウン。またクローズドガードを取るリマ。会場ブーイング。ガードから仕掛けるでもなく、リカバリーするわけでもないリマ。アモソフが細かいパウンドを入れていく展開が続く。ゴング。

4Rアモソフ。

5R。出なければいけないリマだが出られない。アモソフ飛び込みシングルレッグ。あっさり倒されたリマ。三角を狙おうとするが密着されまたクローズドガードに。アモソフ、密着状態からパウンドを打ち込んでいく。残り1分。リマケージを蹴って腕十字に。アモソフクラッチしてディフェンス。残り20秒で諦めて解除したリマ。ガードのままタイムアップ。

判定50-45、49-46×2の3-0でアモソフ新王者に。

どのラウンドを落としたのか不明だが、アモソフ完勝。

リマはテイクダウンされると1度もリカバリーできず。

Bellator260:セミファイナル・ポール・デイリー vs. ジェイソン・ジャクソン

175ポンド契約。デイリーはウェルター級6位、ジャクソン3位。上位ランカーが必ずしも赤コーナーではないBellator。

一昨年のウェルター級トーナメントでは、1回戦でマイケル・ペイジと対戦し、テイクダウンでくうる締めて僅差判定負けしたデイリー。そこからエリック・シウバ、サワッド・アワッド、サボウ・ホマシに3連勝中。38歳。

ジャクソンはBellatorデビュー戦でエド・ルースにスプリット判定負けすると、そこからストラッサー、ジョーダン・メイン、ベンヘンと元UFCファイターに3連勝。前戦はネイマン・グレイシーと対戦し、1Rはバックを取られピンチに陥ったが、2R以降は完全なテイクダウンは許さずに判定勝ちで4連勝とした。こちらは30歳。

5ポンド重い契約体重でデイリーやや太め残り。スタンドでの打撃での牽制が続き。1R中盤にジャクソンダブルレッグ。テイクダウン。デイリーはハーフからキムラを狙うが、ジャクソンパウンド。押さえ込んだ。会場はブーイング。ガードに戻すデイリー。ボディを殴るジャクソン。ゴング。

1Rジャクソン。

2R。ジャクソンまたタックル。ケージ際で尻餅をつくデイリー。会場ブーイング。ケージを使って立ったデイリーだが、ジャクソンなおもテイクダウン狙い。倒した。デイリーガードを取るとキムラを狙ったがパスされる。あえて自分からハーフに戻すジャクソン。デイリーなおもキムラを狙うが、自分の足を股の下に入れて防ぐジャクソン。デイシースクランブルで脱出し初めて上に。ハーフ。しかしジャクソンがシングルレッグで立ち上がるとボディロックしてテイクダウン。ゴング。

2Rジャクソン。

3R。KOするしかないデイリーがパンチで出ていくが、ジャクソンのタックルで倒される。ケージ際でほぼマウントの状態。ハーフにしたデイリーだが押さえ込まれるのみ。ジャクソンも仕留めには行かず塩漬け。ガードに戻しても同じ状態が続き、残り1分でレフェリーブレイク。逆転を狙ってパンチで出たデイリーだがジャクソンのタックルを切れずに下に。会場大ブーイング。タイムアップ。

三者フルマークでジャクソン勝利。デイリーは素直にジャクソンの勝利を称えるが、会場は最後までブーイング。

1位アモソフはこの後リマのタイトルに挑戦。2位はShowtimeの解説席にいるマイケル・ペイジ。このまま次期挑戦者となるか、2位のペイジとの対戦になるか。ペイジは2位だが、ランキングトップ5ファイターとの対戦はない。

Bellator260:メインカード第2試合・アーロン・ピコ vs. エイデン・リー

フェザー級

格下相手にスカ勝ちする能力は高いエリートレスラーのピコだが、上位相手には勝てない。現在格下相手に3連続フィニッシュ勝利中で、これが4戦目。ランキング6位。

イギリスのリーはヨーロッパ開催のBellatorで2勝1敗。アメリカでの試合は初めて。

タックルからテイクダウンしたピコ。パスするが、押さえ込みが緩んだところで立たれる。またタックルに入るピコ。リーギロチンで引き込んだ。パスして外したピコ。リーまた立った。ピコまたタックル。テイクダウン。ハーフ。リーはケージまで移動し立つ。パンチで出たリーにカウンターのタックルで倒したリー。アナコンダチョーク。タイトだが耐えたリー。ピコがバックに回ると前転スクランブルで脱出し立った。飛び膝を放つリーだがピコキャッチしテイクダウン。リーまたスクランブルでガードを取ると、ピコはスクートから飛び込んでパウンドを入れパス。うつ伏せになったリーにまたアナコンダ。外してガードを取るリー。残り30秒。ガードを割ってパスしたピコが一気に腕十字。しかしスッポ抜ける。すぐに足を掴んでヒールを狙うがゴング。

1Rピコ。

2R。パンチで飛び込むリーにカウンターのタックルでテイクダウンしたピコ。7度目のテイクダウン。さすがに倒されすぎ。ガードから亀になり立ったリー。またパンチで出たところをかいくぐったピコがタックル。テイクダウン。亀のリーにまたアナコンダ。また決まらず。ガードを取るリーをパス。亀になるリーにバックからパウンド。またガードを取りスクートに。パウンドで飛び込みサイドを取ったピコはマウントへ。が、ハーフに戻すリー。ゴング。

2Rピコ。ピコは自身初の3R目に突入。

3R。タックルで倒したピコがパウンドを打ち込むが、リーがガードを取ると立ってスタンドを要求。ブレイク。今度はリーがタックルに入るが余裕で切られる。上になったピコ。リー亀に。脇腹に膝を入れると何度目かのアナコンダ。今度は決まってタップアウト。

終始攻め続けての圧勝だが、攻め続けられる格下相手の試合ではなく、それを凌がれた時に勝てるかどうかが問われる相手とのそろそろ必要。今年からランキングを制定したBellatorだが、ランカー vs. ランカーに挑戦できないレベルの下位の選手の試合が多すぎる。別に今年から増えたわけではなく、もともとBellatorはそういう試合が多く、ランキングが制定されたことで可視化されただけだが。

Bellator260:メインカード第1試合・ダマルケス・ジャクソン vs. マーク・レミンガー

ウェルター級。

4月に3年ぶり2度目のBellator参戦を果たしたジャクソンだが前回は判定負け。レミンガーはBellator1勝2敗で、メインでタイトルに挑戦するアモソフに敗れている。

ジャクソンタックル。ケージに押し込み足を束ねてテイクダウン。ケージ背に立つレミンガーからバックを取るが、動きがなくブレイク。再介護、レミンガーがタックル。ブラウン肘で抵抗するジャクソンだが、足をすくったレミンガーがパウンドを打ち込むとギロチンへ。外して背中を向けたジャクソン。ハーフバックからパウンドを入れるレミンガー。残り時間がないため耐えるジャクソン。レミンガーがパウンドを入れまくるがゴング。

1Rレミンガー。

2R。レミンガータックル。ジャクソンギロチンに抱えるとそのまま後方に投げて上を取る。ケージを使って立とうとするレミンガーだが、ジャクソン立たせずハーフバックからフルバックを狙う。が、もう一方の足を絡むことが出来ず下に落とされハーフガードに。レミンガー押さえ込みながらパウンド。背中を向けたジャクソンからバックマウント。体を伸ばしてパウンドを打ち込む。バックから殴られ続けるジャクソンを見てレフェリー止めた。

レミンガーKO勝ち。

UFC263:オッズ/予想と展望

イスラエル・アデサニヤ 1.38
マーヴィン・ヴェットーリ 3.15
デイブソン・フィゲイレード 1.47
ブランドン・モレノ 2.80
レオン・エドワーズ 1.16
ネイト・ディアス 5.50
デミアン・マイア 2.93
ベラル・ムハマド 1.43
ポール・クレイグ 3.51
ジャマール・ヒル 1.32
ドリュー・ドーバー 1.69
ブラッド・リデル 2.25
エリク・アンダース 1.71
ダレン・スチュワート 2.22
ローレン・マーフィー 1.71
ジョアン・カルダーウッド 2.22
モフサル・エフロエフ 2.90
ハキーム・ダオドゥ 1.44
パニー・キアンザド 2.70
アレクシス・デイヴィス 1.50
マット・フレヴォ1.42
テランス・マッキニー 3.00
チェイスフーパ2.05
ティーブン・ピーターソン 1.83
ファレス・ジアム 1.81
ルイージ・ベンドラミニ 2.10
カーロス・フェリペ 1.57
ジャイク・コリアー 2.51

メインはミドル級タイトルマッチ。王者アデサニヤは前回階級を上げてライトヘビー級王者ブラホヴィッチのタイトルに挑戦したが、テイクダウンから固められ判定負けで完敗。本来のミドル級に戻しての試合となる。

挑戦者のヴェットーリは昨年のコロナ禍以降、上位陣を破って一気にランキングを上げてきた。

両者は3年前に対戦し、アデサニヤが勝ったものの、初めてKOできず苦戦した試合。1,2Rはアデサニヤがタックルを切って打撃を入れる展開だったが、3Rにヴェットーリがテイクダウンを奪い押さえ込んだ。なぜか判定はスプリットだったが、アデサニヤにとっては十分計算の上の逃げ切り勝ち。が、3Rにはスタミナが切れ、押さえ込まれた状態から逃れることができず、課題が残った内容だった。

アデサニヤのその後を考えても、当時の試合内容はあまり参考にならない。その後のミドル級の6試合でテイクダウンを奪われたのはわずかに2度。ライトヘビー級ではフィジカル差に苦しめられたが、ヴェットーリとは1度対戦しており怖さはないはず。

テイクダウンも強いヴェットーリではあるが、前回ホランド相手に11度のテイクダウンを取ったのはホランドのTDDが弱すぎただけで、UFCミドル級で突出したテイクダウン能力があるわけではない。勝つとしたら、5R中3Rはテイクダウンで押さえ込む必要があるが、特に後半はテイクダウンは難しくなりそう。

アデサニヤKO勝ち。

セミはフライ級タイトルマッチ。昨年12月に対戦しドローとなった試合の再戦。UFCでリマッチ(特にダイレクトリマッチ)が組まれる理由として最も多いのがドローからの決着戦だが、ドローとなったのは王者フィゲイレードのローブローによる減点があったため。内容自体はフィゲイレードが上回っていたし、前回フィゲイレードが倒しきれなかったのは体調不良で直前に入院があり、後半のスタミナ切れにつながったという事情があった(メインのタイトルマッチが消滅し、前月に防衛を果たしたばかりのフィゲイレードが連続で試合を行うことになったため、減量がきつかったことが影響したと思われる)。

本来の体調で臨めればフィゲイレードが危なげなく勝つだろう。が、もともとフライ級では体重オーバーも経験しており、年齢的にもフライ級では若くない33歳。準備期間があったとしても、減量がスムーズに行くとは限らないが、どうなるか。

フィゲイレードKO勝ち。

セミ前には、UFCで初めてタイトル戦 or メイン以外で5Rマッチとして組まれる試合。5Rマッチとして組まれた理由をダナ・ホワイトは「両者が望んだから」と説明しているが、どちらかと言えば「ネイトが望んだから」であるように思える。

エドワーズは昨年3月のロンドン大会でタイロン・ウッドリーと対戦予定だったが、イベントがコロナ禍による最初のキャンセル事例となり消滅。試合期間が空いたエドワーズは、昨年UFCデビューし一気に名を挙げてきたハムザト・チマエフ戦が組まれたが、チマエフの新型コロナウイルス罹患により延期を繰り返した上に消滅。約1年半のブランクが空いた3月にベラル・ムハマド戦が組まれたが、2Rエドワーズのアイポークによりノーコンテストとなっている。

ネイトは3年ぶりの復帰戦となった19年のアンソニー・ペティス戦ではフィジカルでケージに押し込んで殴って削る展開で勝利したが、ホルヘ・マスヴィダルとのBMFタイトル戦では、打撃のヒット数で3倍近い差をつけられる劣勢な展開ながら、効いた素振りを見せず真っ向から打ち合いに臨んだものの、カットによるドクターストップで敗れている。

ライト級としても小柄なペティス相手にはフィジカルで上回ったが、マスヴィダル相手にはペティス戦と同じ戦法は取れず。今回のエドワーズはライト級に落としたことがなく、体格ではマスヴィダルを上回る。

今回もマスヴィダル戦と同じような展開になると予想。ただ、今回オッズではネイトが全試合で一番のアンダードッグになっているが、3Rまでにエドワーズが仕留められず、攻め疲れで消耗するようなことがあれば、ネイトにもチャンスはあるのでは。

第1試合開始は13日の朝7時。5Rマッチが3試合あるので、全試合終了は最長で14時半くらいになる可能性はあるが、15時半開始のRIZINとは十分(テレビ視聴での)ハシゴは可能。

速報します。

 

Bellator261:6月25日にリズ・カモーシェ vs. 渡辺華奈の対戦が決定。

www.bellator.com

6月25日のBellator261で女子フライ級2位リズ・カモーシェと3位渡辺華奈の対戦が決定。

7月16日のBellator262では、女子フライ級王者ジュリアナ・ヴェラスケスとランキング4位デニス・キーホルツの対戦が決まっており、カモーシェ vs. 渡辺が事実上の次期挑戦者決定戦になる。

カモーシェはUFC初の女子戦でロンダ・ラウジーと女子バンタム級タイトルマッチで対戦。背中に乗ってのチョークでロンダの顎を外すチャンスを作ったが、腕十字で一本負け。女子フライ級が制定されると階級を落とし、ヴァレンチーナ・シェフチェンコのタイトルに挑戦したがフルマークの判定負け。その試合を最後にUFCをリリースされると、昨年からBellatorに参戦し、現在2連勝中。

渡辺華奈は19年12月のBellator JAPANでBellatorデビュー。イララ・ジョアニにパウンドでKO勝ち。今年4月のBellator255は自身初の海外での試合となったが、アレハンドラ・ララにスプリット判定勝ちして連勝とした。