格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC on ESPN36:メインイベント・ヤン・ブラホヴィッチ vs. アレクサンダル・ラキッチ

ライトヘビー級5分5R。ブラホヴィッチ1位、ラキッチ3位。

前王者ブラホヴィッチは絶対王者ジョン・ジョーンズが返上したライトヘビー級王座をドミニク・レイエスと争い、2RKO勝ちでタイトル獲得。初防衛戦でいきなり階級下の王者でライトヘビー級初戦となるイスラエル・アデサニヤと対戦することになったが、オッズでアンダードッグながら、フィジカルを活かしてテイクダウンで固めての判定勝ち。アデサニヤにMMA初黒星を与えている。が、昨年10月には42歳のグローバーテイシェイラに敗れ、テイシェイラUFC史上最年長王座奪取記録を作らせてしまった。

オーストリア出身のラキッチはこれが初メイン。ボクシング・キックがバックボーン。ヴォルカン・オーズデミアにスプリット判定負けでUFC初黒星を喫したが、アンソニー・スミス、チアゴ・サントスとタイトル挑戦経験者相手に2連勝し、ランキングを3位まで上げた。しかし、接戦で明確にラウンドを取りに行くことをせず、KOできそうな時も倒しに行こうとせず、タイトルに挑戦するには物足りなさが残る。

勝者は来月シンガポールで行われるテイシェイラ vs. プロハースカの勝者への挑戦が非常に濃厚となる試合。

ワンツーを放つラキッチ。体格的に一回り大きく見える。カーフキック。ワンツー。ブラホヴィッチもカーフを返したが、ラキッチのカーフで足が流れた。ブラホヴィッチ左ボディから右。ラキッチまたカーフ。ブラホまた左ボディ→右のコンボからハイキック。パンチで飛び込んだブラホヴィッチにラキッチがタックルに入るが切られた。パンチで飛び込んだブラホヴィッチにラキッチタックル。切って離れ際に右を当てたブラホヴィッチ。ホーン。

1R手数でブラホヴィッチ。

2R。またボディからパンチで出たブラホヴィッチだが、ラキッチタックル。シングルレッグから足を抱えあげてテイクダウン。ブラホヴィッチ三角。外してパスを狙ったラキッチだがガードに戻される。インサイドからパウンドを入れていくラキッチ。ブラホヴィッチ腕十字を狙うが読まれて外される。下の時間が長いブラホヴィッチ。ケージ際まで移動し上半身を起こした。押し込みながら殴っていくラキッチ。ショートアッパー。立ったがその瞬間にホーン。

2Rラキッチ。

3R。ブラホヴィッチ出てきた。左ボディ。打ち合いから突如ラキッチが膝を押さえて倒れ込む。KO。

ラキッチが前後にステップしていた最中に膝靭帯損傷?まだまだこれからというところだったので残念。

UFC on ESPN36:セミファイナル・ライアン・スパン vs. イオン・クテラバ

ライトヘビー級。スパン13位。

昨年9月にアンソニー・スミス戦でUFC初メインを飾ったスパン。UFC5勝2敗。得意技はギロチン。UFCでは4連勝の後、ジョニー・ウォーカーにパンチを効かせたが、タックルに肘・鉄槌の連打を浴びて逆転KO負け。ミーシャ・サークノフは秒殺KOしたものの、スミス戦では格の違いを見せつけられ、1Rチョークで一本負け。長いリーチからのパンチとギロチンが武器。

クテラバはUFC5勝5敗1分けと五分。出身はウクライナの隣国モルドバ。一時ランキングに入っていたが、現在はノーランカー。バックボーンはグレコ・スポーツサンボ・柔道。16勝中、1R勝利が13回あるフィニッシャー。前戦はスミス vs. スパン戦のセミで、スパンと同じく前戦でアンソニー・スミスと対戦したデビン・クラークからダウンを奪って圧倒しての判定勝ち。

ノーランカーのクテラバだがオッズではクテラバがフェイバリット。2月に組まれていた試合だが、スパンの負傷により延期となっていた。

いきなり飛び込んだクテラバだがスパンのジャブをもらう。なおも右で飛び込むクテラバ。スパン右を打ち込むがクテラバ組み止めてテイクダウン。一気にマウント。すぐにハーフにしてガードまで戻したスパン。下から蹴って立つが、立ち上がり際にテイクダウン。また下から蹴り飛ばして立ったスパン。しかしまたクテラバタックルに入りテイクダウン。またも下から蹴って立つ。クテラバまたタックルに入るが必殺ギロチン!深く入っていて、下になって外そうとするクテラバ。しかく深く入っていてクテラバタップ!

スパン、キャリア20勝で9度目のギロチンでの勝利。

UFC on ESPN36:第9試合・デイビー・グラント vs. ルイス・スモルカ

バンタム級

イギリスのグラントは2013年のTUF18で準優勝。UFC戦績は4勝5敗と負け越しているが、2020年からは2試合連続KO勝ちでパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト、その後2連続判定負けとなったが2試合連続ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞しており、現在4試合連続ボーナス獲得。13勝中、一本勝ちが8回あり、ほとんどがチョークでの勝利だが、UFCではKO・判定のみで、5敗のうち3敗は一本負け。36歳。

アル中による連敗でリリースされ、2018年に再契約したスモルカ。ここまで勝ち負けを繰り返し3勝3敗だが、6戦はすべてフィニッシュ決着。アグレッシブな反面、それが裏目に出てフィニッシュされることも多い。

カーフキックを入れるグラント。バックスピンキック。飛び込むスモルカに右ボディから左フックをヒット。組んでいくスモルカだが引き剥がし、また右ボディ→左フック。またカーフキック。また飛び込むが道をもらったスモルカ。グラントサイドキック。打撃勝負しているスモルカだがまたパンチを貰う。グラントバック肘。スモルカひたすらパンチで出る。ジャブを突かれてダウンしたスモルカ。グラントパウンド。スモルカ足関を狙ったが足を抜かれた。離れてスタンド要求するグラント。立ったスモルカは距離を取って凌いだ。ホーン。

1Rグラント。

2R。開始直後にタックルに入るスモルカだが切られた。またグラントがパンチで攻める。ひたすら右ボディから打ち込んでいくグラント。スモルカの左がヒット。グラントちょっと動きが落ちたか。スモルカパンチ4連打。飛び込んでの縦肘。グラントもワンツーを返す。手を出すグラントだが被弾もある。パンチ連打から膝を入れたグラント。残り1分。スモルカが飛び込んで縦肘。グラントのスピンキックを受け止めてテイクダウン。パウンド。背中を向けたグラントの背中に乗る。前に落ちそうになるが腕十字に切り替えた。仰向けにしてスパイダーウェブに。マウントに移行。グラントまた亀になりパウンドを入れるスモルカだが、グラント立って脱出。ホーン。

2Rスモルカ。

3R。グラントカーフキック。効いてる。少し動きが戻っている。スモルカが踏み込んできたところにカーフキック。完全に効いた!タックルに入るが切られたスモルカはインバーテッドガードを取るが、グラントパウンド。顎にヒットしスモルカ失神!KO!

2Rに失速して盛り返されたグラントだが、カーフキックを効かせてKO勝ち。今回もボーナス候補。

UFC on ESPN36:第8試合・ケイトリン・チューケイギアン vs. アマンダ・ヒバス

女子フライ級。チューケイギアン1位、ヒバスはストロー級の11位。

2020年にヴァレンチーナ・シェフチェンコのタイトルに挑戦し、3RKO負けで完敗したチューケイギアン。その後、ストロー級から上げてきたジェシカ・アンドラジにもボディブローからのパンチのラッシュでKO負け。そこからシンシア・カルヴィーヨ、ヴィヴィアニ・アロージョ、ジェニファー・マイアと下位ランカーの挑戦を跳ねのけて3連勝。UFCとの契約が切れてフリーエージェントとなっていたが、試合後に再契約。

ヒバスは先週のUFC274でミッシェレ・ウォーターソン戦が組まれていたが、3月中旬にウォーターソンが負傷し消滅。フライ級でランキング1位のチューケイギアン戦が組まれたために、階級を上げてのチャレンジを選択した。勝てばタイトル挑戦の可能性もあるので断る理由はなかったとのこと。ここまで5勝1敗で、マリーナ・ホドリゲスにはKO負け。しかし、ペイジ・ヴァンザント戦はフライ級戦で勝利している。今回はそれ以来2度目のフライ級での試合。柔道ベースで、首投げ→袈裟固めでの攻めが得意。

チューケイギアンは階級下が相手とはいえ、ランキング1位で4連勝すれば、来月のシェフチェンコ vs. タイラ・サントスの勝者への挑戦が濃厚…と言いたいところだが、シェフチェンコが負けた場合はダイレクトリマッチとなる可能性もあるので予断を許さない。

すぐ詰めていくヒバス。チューケイギアンはサイドキック。パンチから四つに組む。チューケイギアンが脇を差してきたところで首投げ。テイクダウン。袈裟固めからサイドに移行。下から足を絡めようとするチューケイギアンだが足のフックを外してサイドをキープ。しかし下から足を絡めたチューケイギアン。逆ハーフの体勢。返したチューケイギアン。押さえ込まれる間に立つヒバス。ワンツーを入れるチューケイギアン。遠い間合いからパンチを打ち込む。ヒバスも打ち返す。チューケイギアンはワンツーを繰り返す。ホーン。

1R前半は上になっていたヒバスだが押さえ込んでいただけ、その後はチューケイギアンが打撃を当てていたのでチューケイギアンのラウンド。

2R。チューケイギアンのワンツーをもらいぐらついたヒバス。ヒバスも打ち返したがまたもらった。パンチからタックルで組みついたヒバス、思い切って首投げ。テイクダウン。袈裟固めからまた足を絡まれそうになりサイドに移行しようとするが、チューケイギアンガードに。しかしすぐ担ぎパス。またガードに戻すチューケイギアン。ヒバスパウンド。打ちながら担ぎパスするが、チューケイギアン立った。スタンドバックから正対。離れた。チューケイギアンワンツー。ボディ。ヒバス打ち返しているが、やはり距離が合わず届かない。チューケイギアンの右がヒット。パンチからスタンドバックへ。ホーン。

2Rチューケイギアン。

3R。打撃戦でバランスを崩したチューケイギアンのバックを狙ったヒバスだがチューケイギアン離れた。ヒバスバックキックから組もうとしたが引きはがされる。打撃戦が続く。ヒット数ではチューケイギアンが優勢。残り1分でヒバスタックル。テイクダウン。しかし寝かせる前に立たれた。引き剥がして離れるチューケイギアン。パンチで出るヒバス。倒すしかないヒバスが気合を入れながらパントィお打ち込んでいく。チューケイギアンも打ち返しタイムアップ。

29-28ヒバス、29-28チューケイギアン、29-28チューケイギアン。スプリットでチューケイギアン勝利。

1R・2Rはヒバスの押さえ込みを取ったジャッジもいたのか。

UFC on ESPN36:第7試合・フランク・カマチョ vs. マヌエル・トーレス

ライト級。

倒せるパンチを持つグァムのカマチョだが、UFCでは2勝5敗で連敗中。てっきりリリースされたと思ったが、約2年ぶりの復帰戦。ライト級では2勝2敗だが、2試合で体重オーバー。それでも今回またライト級で組まれて、計量はクリアした。前戦は2日前に急遽コロナ感染した選手の代役としてUFCデビューが決まったジャスティン・ジェインズに41秒でKO負け。カマチョが欠場している間、ジェインズはUFCで4試合して4連敗でリリースされている。

トーレスは昨年10月のコンテンダーシリーズで勝利し、これがUFCデビュー戦。12勝2敗の27歳で、12勝のうち1Rフィニッシュが11回、2敗も1R一本負け(いずれも足関)で、2R以降に試合がもつれたのは1度だけ。コンテンダーシリーズでは、相手がアイポークをアピールしたがレフェリーが流し、そのまま追撃してダウンを奪ってのパウンドアウト勝利というやや後味が悪い決着だった(リプレイで見る限りはアイポークはなし)。

トーレスの左が一瞬ヒットしぐらついたカマチョ。どんどんパンチを入れるトーレス。テンカオ。カマチョ打たれながら打ち返していく。タックル。切ったトーレス。またタックルに行くが止められる。カマチョのワンツーがヒットするが、トーレス引かずにパンチで出る。組み止めたカマチョ。離れた。トーレスワンツー。カマチョのパンチもヒットしているが下がらないトーレス。また組んだカマチョ。離れた。トーレスのアッパーがヒット。カマチョ効いた。ケージに下がったところでトーレスが連打を入れるが凌いだカマチョ。また出て行くがトーレスの左をもらうと返しの右フックをもらってダウン!レフェリーのハーブ・ディーン、ストップをかけるかどうか一瞬迷った様子を見せたがストップ。

1Rフィニッシュ男トーレスUFCデビュー戦でも1RKO勝ち。

カマチョはリリースか。

UFC on ESPN36:第6試合・ジェイク・ハドリー vs. アラン・ナシメント

フライ級。

イギリスのハドリーはUFCデビュー戦。UFC出場前は南アフリカのEFCに出場し、TUF24で扇久保と対戦したンカジムロ・ズル(2Rチョークで一本負け)に勝利しフライ級王座を獲得。その後、地元のCage Warriorsでもフライ級王者となり、昨年10月のコンテンダーシリーズでは計量失敗したが、2Rチョークで一本勝ちするとUFCとの契約が決定。3月にフランシスコ・フィゲイレード戦が組まれたがフィゲイレードが欠場しナシメント戦に変更。その後ハドリーが負傷欠場したため、今回に延期となっている。25歳で8戦全勝、

ナシメントはRIZINで元谷戦が組まれていたが元谷の減量による体調不良で試合消滅。60kgキャッチウェイトに変更され組み直された試合では慣れない10分の1Rで消耗し2Rにスタミナ切れしてスプリット判定負け。その後コンテンダーシリーズ・ブラジルに出場したがハウリアン・パイバに判定負けで契約ならず。ローカルでの勝利を経て昨年10月にUFCデビュー。しかし、UFC1勝0敗で当時ランキング15位のウランベコフにテイクダウンを許す展開で、下からも仕掛けたものの評価されずスプリット判定負け。

パンチで詰めていくハドリー。圧されてケージ際まで下がるナシメント。ハドリーのミドルをキャッチしたナシメントが軸足を払ってテイクダウン。ハドリーラバーガードから午後プラッタ。オモプラッタになり上を取った。ナシメントは足関狙い。ストレートフットロック。ハドリー足を抜いてパスを狙うが、なおも足関を狙ったナシメントが上を取り返す。また下からラバーガードを狙うが、ナシメント密着して潰す。残り1分。上をキープしているナシメント。一本超えてハーフに。残り10秒でパウンド・肘を入れるナシメントだが、ハドリーがタックルに入って立つ。ホーン。

1Rは上にいた時間の長さでナシメント。

2R。前蹴りを入れるナシメント。ハドリーまたパンチで詰めていく。ケージを背負ったナシメントだがタックル。テイクダウン。するとまたオモプラッタ狙い。すぐに腕を抜くナシメント。パスを狙っていくナシメント。ハーフ。肘を入れるナシメント。ハドリー下から仕掛けようとするが読まれている。ナシメントが上でパスを狙いガードに戻すという展開が続く。オモプラッタはまた外される。残り40秒でようやく立ったハドリー。スタンドバックから正対。ホーン。

2Rも上にいた時間の長さでナシメント。特にパウンドなどでダメージを与える場面はなかったが、ハドリーも下からの攻めをすべて潰されていた。

3R。ハドリーすぐまた出ていきパンチを入れる。ナシメントタックル。首を抱えてスタンディングギロチン。ナシメント下になり外す。ハーフ。パウンドを入れるハドリー。ナシメント足関を狙うが上半身を固められ外れた。バックマウントを狙うが足のフックを防いだナシメントが下に落とし上を取った。ハーフからダースチョーク。亀になったハドリー。がぶるナシメント。ハドリーシングルレッグ。切ったナシメントだがハドリー立った。残り1分でナシメントタックル。受け止めたハドリーがまたギロチン。下になりディフェンスするナシメント。なおもギロチンを決めようとするが、ナシメントが返して上を取り返す。パウンドを打ち込むナシメント。タイムアップ。

三者フルマークでナシメントがUFC初勝利。今回は安易に下になることはなく、下になっても上を取り返し完勝。

メインカードデビューと期待されたハドリーだが、下になることを厭わないものの、最初のオモプラッタ以外は下からの攻めをすべて潰されてしまった。

UFC on ESPN36:第5試合・ヴィヴィアニ・アロージョ vs. アンドレア・リー

女子フライ級。アロージョ8位、リー9位。

ストロー級クイーン・オブ・パンクラシストアロージョ。パンクラスでは現ONE参戦中の三浦彩佳の顔面をボコボコにしてのTKO勝ち。UFCではデビュー戦でバンタム級、それ以降はフライ級で戦っており、ここまで4勝2敗。今ストロー級まで落とせるのかは分からないが、フライ級ではバンタム級から落としてきた相手に体格差を感じることもある。前戦は現ランキング1位のケイトリン・チューケイギアン相手に前半グラウンドで攻めたものの、後半消耗してチューケイギアンのアウトボクシングに翻弄される展開となり、メディアのジャッジは真っ二つに割れる内容で判定負け。

リーはUFCデビューから3連勝の後3連敗、その後アントニーナ・シェフチェンコに三角、シンシア・カルヴィーヨにボディを効かせて2R終了後カルヴィーヨが棄権し2連勝中。ランキング5位のカルヴィーヨに勝ったものの、むしろ3連敗となったカルヴィーヨの評価が下がる形でランキングはあまり上がらず。極真空手黒帯で、アマチュアボクシングやキックの経験もある。柔術ヒクソンの兄ヘウソン・グレイシー茶帯

パンチを打ち込むヴィヴィアニ。左がヒットし一瞬膝をついたリー。しかしヴィヴィアニの左がヒットしヴィヴィアニダウン!すぐ立つがそこに右ハイがヒット。タックルでしのごうとするヴィヴィアニ。がぶって上になるリーだがヴィヴィアニ起き上がりタックル。リフトしてテイクダウン。ハーフ。リー下からキムラ。バックに回るヴィヴィアニだが立たれた。離れる。打撃戦。ヴィヴィアニの左がヒット。タックルへ。倒せず離れた。またジャブを突いて出るヴィヴィアニ。どんどん打撃で出ていく。タックル。テイクダウン。すぐサイドへ。肩固めをセット。外れた。残り1分。インサイドからパウンド。片足潰してまたパス。残りわずかでパウンドを打ち込む。リーは下から肘。ホーン。

1Rリー。しかしダウン後の攻防ではヴィヴィアニが優勢に進めていた。

2R。また打撃で出ていくヴィヴィアニ。ケージに詰めてジャブを入れる。リー逃げタックル。切ったヴィヴィアニはバックに回りバックマウント。正対してハーフに。肩固めを狙うヴィヴィアニ。しかし外れた。ガードに戻すリーだがかついでパスしてヴィヴィアニ。亀になるリーにバックマウント。両足フックしてパウンドを打ち込んでいく。尻を浮かせて前に落とそうとするリーだが、ヴィヴィアニこらえてバックキープ。体を伸ばしてパウンド。また肩固め。サイドに出て絞める。肘を立ててディフェンスしているリー。ホーン。

2Rヴィヴィアニ10-8。グラウンドの実力差が相当ある。

3R。詰めるヴィヴィアニ。タックル。ケージに詰めてテイクダウン。割りと簡単に倒されたリー。すぐサイド。なんとかサイドにしたリーだが、下でディフェンスが精一杯。このラウンドを取るしかないのだが。ヴィヴィアニがまたパスすると亀になり立ったリー。離れた。動きが落ちているヴィヴィアニ。リーの打撃をディフェンス出来ていない。が、それでも出ていく。リーがかけ蹴りを放ったが、バランスを崩して下になってしまう。ヴィヴィアニごっつぁんテイクダウン。亀になったリーからバックマウント。残り20秒で下に落ちたヴィヴィアニ。50/50ガードから足関。リーはパンチを入れていくがタイムアップ。

29-28、29-27×2の3-0でヴィヴィアニ勝利。

1Rのダウンはそのまま試合が終わるかというほどのダメージがあるように見えたが、そこを凌ぐと一方的に。

リーは打撃の方がチャンスがありそうだったが、自ら取れそうにもないタックルを切られて下になるとか、蹴りでバランスを崩すとかで自滅したのがもったいなかった。

UFC on ESPN36:第4試合・マイケル・ジョンソン vs. アラン・パトリック

ライト級。

かつてライト級でトップランカーだったジョンソンだが、フェザー級に落としたことで歯車が狂い始め、2勝2敗(2勝のうち1試合で計量失敗)と結果を残せず。ライト級に戻したものの、現在3連敗中。フェザー級時代から通算だと4連敗で、さすがに5連敗はリリースが避けられない。フェザー級で細くなりすぎかつてのパワーが無くなると、ライト級に上げても戻ってきてはいない。まだ35歳だが、正直ここからの復活は望み薄。

ブラジルのパトリックはジョンソンより年長の38歳。2013年のUFCデビューから6戦で5勝1敗だったが、その後0勝2敗1NCで4年間勝ち星なし。連勝中はテイクダウンから固めて判定勝ちするスタイルだったが、ここ3戦は逆にテイクダウンを奪われる展開でいいところなし。前回も2Rにアイポークで続行不能となるまでは、タックルを切られてパウンド連打でKO負け寸前だった。年齢的にも後がない。

ジャブを当てたジョンソン。組みついたパトリックだが組ませず引き剥がす。倒されたパトリックだがジョンソン付き合わず立たせる。飛び込むパトリックだがカウンターで右がヒット。一瞬動きが止まったパトリック。ボディを入れたが、今度はパトリックのパンチを貰いぐらついた。その瞬間に組んでいくパトリック。ケージに押し込むが、ジョンソン引き剥がし離れた。またパンチで飛び込むパトリック。ミドルを入れるパトリックだがジョンソンの左がヒット。バックブローを放ったパトリックだがヒットせず、もつれて下に。パトリックのガード。ジョンソンが上からパウンド。パトリック下から腕十字を狙うがジョンソンがパスして上四方へ。その体勢のままホーン。

1Rジョンソン。

2R。組みに行くパトリックだが距離を取り組ませないジョンソン。パトリックのローに左を合わせてヒット。距離を詰めてパンチを入れると組んだパトリック。引き剥がしたジョンソン。バックキックを入れたパトリックだがジョンソンワンツーを返しヒット。パトリックタックル。切ったジョンソン。引き込むパトリックだがジョンソン付き合わない。飛び込んでくるパトリックに左がヒット。また飛び込んだところにパンチ連打を打ち込むジョンソン。左フックが顎にヒットしパトリックダウン!ジョンソンパウンド!意識が飛んでKO!

ジョンソン、3年半ぶりの勝利。KO勝ちとなると2016年のダスティン・ポイエー戦以来。

UFC on ESPN36:第3試合・ヴィルナ・ジャンジローバ vs. アンジェラ・ヒル

女子ストロー級。ジャンジローバ12位、ヒル13位。

UFC日本人女子ストロー級ファイターの魅津希村田夏南子に勝利しているジャンジローバ(魅津希戦はInvictaでの試合)。UFCでは3勝3敗。17勝のうち、一本勝ちが13回ある。村田戦では1Rテイクダウンを奪われたものの下から仕掛け続け、2Rまで優勢だったが、村田が自ら放ったパンチで肘を脱臼し2R終了後に棄権。これが唯一のKO勝ちとなっている。

対するヒルムエタイバックボーンのストライカー。13勝のうち5KOで、一本勝ちはなし。ここ5戦では1勝4敗と負けがこんできているが、4敗のうちスプリット判定負けが3試合ある。20戦目はUFC女子史上最多。クーパー・ユニオンで美術を専攻し、プロMMAファイターになる前にはアニメーターをしていた。

パンチからタックルに入ったジャンジローバ。組んでケージに押し込みダブルアンダーフックからテイクダウン狙い。足をつかんで引き込み足関を狙うジャンジローバ。ヒルはジャンジローバの左腕をつかんでディフェンス。膝十字。外して足を抜いたヒル。その瞬間にバックを狙うジャンジローバ。両足でヒルの足をロックしているが、ヒル立った。放さずテイクダウンを狙うジャンジローバだが、ヒルがボディに膝を入れる。放そうとするヒル。離れた。残り1分。残りわずかでヒルから組みついてテイクダウン。バックを狙うが時間がない。ホーン。

1Rジャンジローバ。

2R。パンチで出てきたヒル。組むジャンジローバだがくませず離れたヒルヒルが四つからボディに膝。ジャンジローバ肘を入れて離れた。ちょっとスピードがなくなっているジャンジローバ。四つに組んだジャンジローバだが、ヒルはボディに膝を入れる。パンチからタックルに入ったジャンジローバ。テイクダウン。ハーフ。枕に取ってパスしてサイド。腕を狙うジャンジローバ。頭をまたいでキムラクラッチから腕十字へ。反転して上になるヒルだがなおも腕十字を狙うジャンジローバ。膝で顔を踏んで耐えるヒル。ホーン。

2Rジャンジローバ。

3R。ジャブを入れるヒル。ジャンジローバパンチからタックルへ。シングルレッグ。ケージに押し込みダブルレッグへ。テイクダウン。パスしたジャンジローバ。また頭をまたぐ。ヒル亀から立ち上がろうとするが、ジャンジローバはバックから背中に乗ろうとする。乗れずに降りたがタックル。テイクダウン。ハーフで押さえるジャンジローバ。固めて細かいパウンドで削っていく。残り40秒で立ちに行ったヒルだがジャンジローバがバックに回る。反転して上になったヒルだが時間がない。ハイガードで凌いだジャンジローバ。タイムアップ。

三者フルマークでジャンジローバ勝利。

2Rの時点でけっこう疲れたように見えたジャンジローバだが、それでもしつこく組みに行って、テイクダウンすると立たせなかった。ヒルは一発KOする打撃がないので、2Rまで取られてしまうと厳しい。

UFC on ESPN36:第2試合・平良達郎 vs. カルロス・カンデラリオ

フライ級。2週間前に組まれていた試合だが、カンデラリオが試合直前に食中毒となり欠場。今大会に延期となった。

平良のUFCデビュー戦。昨年の時点ではUFC参戦を熱望していたものの、国内のみの試合では評価されず、先が見えない状態だった。しかし、1月にアメリカのスポーツエージェントと契約。当初はコンテンダーシリーズなどにいつでも出られる体制を整えるという話だったが、翌月のラスベガスへの出稽古の最中にあっさりとUFCとの契約が決まった。2週間前に試合延期になって以降は師匠松根良太とラスベガスに残って調整してきた。

カンデラリオは異例のコンテンダーシリーズ敗者としてのUFC契約を果たした選手。コンテンダーシリーズでは2戦していて1勝1敗。昨年の試合では1Rから飛ばしすぎたことが原因でスタミナ切れしてしまった。現状ではUFCトップクラスからは離れた位置にいると思われるので、平良としてはフィニッシュして勝ちたいところ。計量では初回0.5ポンドオーバー。再計量でクリアしているが、体調に不安が残る。

じわじわ出るカンデラリオ。ミドル。カンデラリオ組んでケージに押し込むが、すぐに離れた平良。カーフキック。右を入れた平良。ミドル。カンデラリオもパンチで出る。カンデラリオが飛び込むタイミングでタックル。ボディロックから投げ。片膝を着いたカンデラリオだが立ち上がってケージで耐える。こだわらず離れた平良。出てくるカンデラリオ。シングルレッグ。切った平良。両者牽制の打撃。平良の右がヒット。パンチから左ハイ。カンデラリオの打撃は距離を取って外す。ボディを入れた平良。平良シングルレッグ。組んでテイクダウン。しかしカンデラリオ押さえ込ませず立つ。また無理に倒さず離れてパンチを入れた平良。残り1分。パンチで出てきたカンデラリオ。シングルレッグ。尻餅をついた平良。ケージを背負って寝かされないようにしている平良。寝かせようとするカンデラリオだがホーン。

1R平良。

2R。パンチで出てくるカンデラリオ。ボディ。パンチ連打。ケージを背負ってガードを固めた平良にタックル。しかし切って離れた平良。右がヒットしカンデラリオダウン!パウンド連打!立とうとするカンデラリオの背中に乗って四の字バック。チョーク。顎の上。放してパウンドに切り替えた。またチョーク。やや横で決まらず。体を伸ばして殴っていく平良。カンデラリオ反転しかけたが、ついていってバックキープする平良。フェイスロック。しかし外れた。カンデラリオ反転するが、平良の足がおたつロックでフックしていて再びバックに回る。また反転するカンデラリオ。おたつロックのフックが外れてカンデラリオが上に。残り30秒。ハーフにしたカンデラリオ。ボディにパンチ・肘。平良はディープハーフに。ホーン。

2R平良。

3R。平良のインローがローブローになりタイムストップ。再開。倒すしかないカンデラリオが詰めてパンチからタックル。シングルレッグ。逆足の足首をつかんで倒しに行く。尻餅をついて下になった。起き上がりタックルに入る平良。カンデラリオギロチン。引き込んで絞める。下になり外した平良。またタックルに入るがカンデラリオまたギロチン。しかし今度は浅い。外れて上になった平良。ハーフからマウントを狙うタイミングで返したカンデラリオだがそのタイミングで三角!そのままスイープしてマウント三角にするがロックが外れた。亀になったカンデラリオのバックに。四の字ロックでカンデラリオの左腕を巻き込んで固定しチョーク。しかし真後ろではなく外れる。マウントに。パウンド。肘連打。しかしカンデラリオ凌いでタイムアップ。

判定勝ちは間違いないが、最後はもっと早くパウンドアウトに切り替えていたらフィニッシュの可能性も高かった。もちろんラッシュで消耗して逆転されるリスクも出てくるが。

30-26、30-27×2で平良UFCデビュー戦完勝。

「I'm happy thank you!」とシャウトする平良。フィニッシュしたかったが相手の逃げ方が上手かったとコメント。最後は用意してきたカンペを読み上げる。

完勝ではあるが、攻め込まれる場面もあり、楽勝ではなかった。出来ればフィニッシュでボーナスを狙いに行って欲しかったが、序盤からいつもより慎重で、無理にフィニッシュを狙うよりも確実に勝つことを選択していた印象。初のUFC・海外での試合で感触を確かめるような戦いぶりだった。

UFC on ESPN36:第1試合・ニック・マキシモフ vs. アンドレ・ペトロスキー

ミドル級。

ニック・ディアス・アカデミー所属でUFC266でニックのバーターとしてUFC出場を果たしたマキシモフ。同時に出場した同じアカデミー所属のマーティン・サノは完全にお友達枠で、わずか15秒でKOされて以降試合が組まれていないが、マキシモフは一応ここまで無敗。UFCでの2戦はひたすらタックル→テイクダウンでの勝利だが、打撃の対処に不安が残る上に、テイクダウンから固めているだけでその先の攻めがない。

ペトロスキーも同じくUFCデビューから2連勝中。TUF29ではベスト8だったが、3位決定戦でUFCデビューし3RTKO勝ち。前戦は0勝2敗のフー・ヤオゾン相手にひたすら肩固めを狙い続け、3R残り15秒でタップアウト勝利。レスリングベースのグラップラー

ミドルを出していくペトロスキー。パンチがかなり大振り。マキシモフタックル。上を取りに行くペトロスキー。マキシモフがタックルでテイクダウンを狙うが、ペトロスキーががぶってアナコンダチョーク。マキシモフ落ちた!

ペトロスキー、3試合連続でのフィニッシュ勝利。マキシモフ今日は何も出来ないまま、MMA初黒星。