格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★インターネット格闘技観戦事情

97,8年ころ、UFCがネットで生中継されていた時期があった。当時はまだ56kモデムが主流で、映像も選手の顔が判別できない程度。動きに至っては、秒間2〜3コマと、「動画」というのもはばかれるレベルのものだった。料金は$20前後だったと記憶している。アメリカでのPPV料金と同額だ。しかし、それでもマニアにとっては嬉しかった。その頃、UFCは日本でのビデオ発売も止まり、映像を見るには私的なルートで海外からテープを入手するしかなかったからだ(それは当然、早くても試合の数日後であり、結果はわかってしまっている)。まだ総合のイベント自体が少なく、試合に飢えていたこともある。日本でUFCが生中継されるなど考えもしなかった時代だ。他にはパンクラスやK-1でもネット中継が行われたことがある。
現在、ブロードバンドが急速に普及し、ネットの動画配信は大きなビジネスになろうとしている。格闘技も例外ではない。試合の動画が見られる主なサイトは次の通り。
CASTYhttp://casty.jp/highrate/
UFCの5試合が無料で見られる(要会員登録)。高画質・高品質が売り。
Show Timehttp://www.showtime.jp/sports/index.htmlDEMOLITIONの試合や選手インタビューを無料配信(要会員登録)。また、パンクラスの試合動画の有料サービスを開始した。
あっ!とおどろく放送局http://tandm.tv/top.html
名前はダサいが、オランダの2H2Hの動画が見られる(有料)。また、キック・総合のイベントであるIKUSAの試合も無料配信。
パンクラス・オン・デマンドhttp://plus.sponichi.co.jp/panx/
パンクラスの全興行の動画を配信。とはいえ、月額800円なので、スカイAで見られる人は、そちらの方が早いし、値段も安いので、見る必要はなし。
この他、プライドオフィシャルサイト(http://www.so-net.ne.jp/pride/)でも、桜庭vsゴエスのダイジェストなどいくつかの動画が見られるようだ。
ブロードバンド時代になり、画質は大幅に向上した。動きはなめらかで、ほとんどテレビと変わらないほどだ。しかし、そのわりには、動画配信は今ひとつ定着していない。
理由の一つとしては、まずPCで動画を見ることの不便さが挙げられる。動画配信はストリーミングが多い。これは違法コピーを防ぐには仕方がないことなのかもしれないが、ビデオのように気軽に巻き戻し・早送りができない欠点がある。見たい時にすぐ再生、というわけにはいかない。画質にしても、向上したとはいえ、良い所でもまだVHSレベル。大画面での鑑賞には耐えない。
料金も安いとは言えない。有料配信している所は、だいたい一大会あたり数百円。同じ値段でビデオやDVDをレンタルできることを考えたらまだ割高である。
結局、動画配信は無料のサービスとしてしか成立していない。この先、光ケーブル通信が完全に普及して、DVDと同程度の画質がまったくストレスなく見られるようになるまで待つしかないのだろうか。可能性の一つとして、ネットならではの付加価値をつけることが上げられる。生中継とまではいかなくても、テレビ中継より前ならば、多少画質が悪くても見たいと思うだろう。テレビではカットされた試合をノーカットで流すのもいい。それ以外でも、道場マッチのように観客が見られない試合をこそ、ネット配信して欲しい。