ボビーが予想以上に頑張っていた。セコンドの菊田のアドバイスに対して健気に従っていたのが微笑ましかった。しかし、ちょっと腑に落ちないのが、この試合に判定があったこと。ルールはこの試合のみの特別ルールで、3分3R、ダウンありというものだった。通常、判定においては、ダウンはどの程度の評価にするのか、ダメージ、積極性、ポジショニングなどの優先順位はどうなっているのかなどの基準が明らかになっていなければ公平さは確保できない。もちろん全ての基準を明確にするのは不可能だが、同じジャッジで多くの試合を裁くことによって、ある程度のコンセンサスは得られるようになってくる。
今回の試合に限って言えば、まあ全体的にボビーが押していたのでそれほどの問題はなかったが、例えば同じくスタンドの打撃でダウンを認めた修斗の基準に当てはめると、ダウンを奪われたボビーがマイナス2ポイントで、逆にアビディは決定的なダメージをもらっていないので、ドローかアビディの勝ちという結果もあり得たかもしれない。基準によってころころと勝敗が変わるのが競技であるのだから、基準は揺るぎないものでなければならないだろう。１試合のみの特別ルールにそれを求めるのは酷だろうから、ここはタイムアップならドローにするべきだった。これがバラエティ番組の企画だったらそれで構わないが、形式としてちゃんとした試合として扱っているのでこの点は批判しなければならない。
もちろん、試合を見た視聴者の大半はそんなことは気にしていないだろうが。それでOKというなら、最初からエキジビジョンにすれば良かったのでは。
