格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★総評

バンタム級アジアトーナメント

やっぱり本戦前で良かったのでは。全11試合で、1R決着の試合もあったにもかかわらず、5時間半興行。前半誰もマイクを持たなかったのは、時間が押すとスカパーの中継枠に入りきらなくなるから、主催者がマイク禁止にしていたからだったのかもしれない。唯一、石渡だけはインパクトを残したので、何も残らないわけではなかったのが救い。

ウェルター級GP

奥野に尽きる。トーナメントの大本命だったニック・トンプソンから逆転KO勝ち。試合中、不敵な笑みを浮かべていたのも良かった。次の榎本戦も噛み合いそう。
一方、試合前には一番の仕事をしていた高木は、フツーに試合をしてフツーに負けただけ。いや、最後の負け方だけは面白かったけど。あれだけビッグマウスを叩いたのだから、せめて普通じゃない試合をしようという意識くらいは見せて欲しい。

金的祭り

ほとんどの試合でローブローでの中断があった。別に金的が入りやすいルールだったわけでもないし、あまり言いたくはないけどタマタマ重なっただけなんだろう。でも4回金的を繰り返した山田は別。
お互い動いている中でローが金的に入ってしまうのはしょうが無いと思うが、組んだ状態からの膝は、金的に入る可能性が非常に高いことが最初から分かっているはず。山田の最後の膝なんかは、それまで2度も警告を受けていたのに、もろに金的に入っている。あの打ち方しかできないなら、組んだ状態での膝は控えようと考えたほうがいい。四つからの膝で金的に入った場合は、口頭注意なしで即減点にすれば、選手も「金的に入らないような膝の打ち方」をもっと意識するようになるのでは。

日沖

そこそこ実力がある相手とはいえ、ネームバリューはない相手だったので、きっちり勝つことが求められていた。それをパーフェクトに実行。勝ってもにこりともせず、当然の仕事をやったまでというような表情だったのも良かった。すぐにサンドロ戦が見たいところだが、残念ながらお互いの次戦がタイトルマッチということにはならない模様。つまづかないでタイトル戦が実現して欲しい。

郷野

正階級というものについて考え込んでしまった。結局郷野の適正階級はどこだったんだろう。郷野の体つきがあまりにも細くなりすぎていたのが気になった。もちろん、階級を落とすわけだから細くなるのは当然ではあるが、同じ階級の他の選手と比べても筋肉が細い。特にナラントンガラグとの差は明確。上の階級から落としてきたはずなのに、体格のアドバンテージがない。リカバリーもそれほどしていないように見えた。本人はうまくいったと言っていたけど、減量の仕方に問題があるのでは。
ベテラン選手が階級を落とすというのもどうなのか。70kg級で活躍していたKIDが階級を落としたら苦戦し始めたのは、70kg級の中では図抜けていたスピードが、下の階級の選手とだとあまり差が無くなってしまったこともあるのでは。階級に適した戦い方というものもあるはずだが、長年戦ってきた選手がすぐに変えられるものではないだろう。日本人で階級を落としたベテラン選手が成功した例が少ないだけに、余計にそう思う。
自分のパフォーマンスを最高に発揮できる階級で、明らかにアンダードッグの相手を用意されたのに、まさかの完敗。郷野も自分自身に期待していただろうけど、すっかり熱気がなくなってしまったSRCライト級の舞台を盛り上げることができる存在だっただけに残念。

サンチアゴvs三崎

結局この試合に尽きる。この日あった色々なことがメインですべて吹き飛ぶくらいのインパクトがあった。まず、リベンジに向けて気合が入った三崎が優勢に試合をすすめる。2Rのギロチンは完全に入っていた。しかし3Rにサンチアゴがダウンを奪う。その後のパウンドで、あのまま試合が終わってもおかしくないくらいの場面だった。ダメージの大きい三崎が4Rにダウンを奪い返し、さらにレッドカードでの減点もあって、この時点で三崎の勝利を確信した。それをさらに引っくり返すサンチアゴ。三崎も諦めずになんとか抜けだそうとする。これだけ展開が動いた5Rマッチはそうそう見られない。
接戦ではあったが、サンチアゴが連勝したので、3度目の再戦はもっと先になるだろう。DREAMと対抗戦をするなら、やるべき相手がいるサンドロではなく、サンチアゴや三崎の方がいいと思う。もちろん9月には組めないが。
ベストバウトは言うまでもなくメイン。