格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★UFC126観戦記 その3(完結)

その1→http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20110209#1297262887
その2→http://d.hatena.ne.jp/lutalivre/20110211#1297431689
いよいよメインカード開始。

ミゲール・トーレスvsアントニオ・バヌエロス


WEC勢初のメインカード進出だったが、客席の声援も上々で、期待感はあったのだが。カード的にはトーレスが快勝することを予想していたが、UFCの観客が一番嫌うアウトボクシングを延々と。当然のことながら、ブーイングの嵐。これはトーレスやっちまった感じ。自分も前日渡米したばかりで、この日は日本時間で朝の2時頃に起きたため、寝落ちしかけた。不良外人たちも「ジョー・ローガン!」や「ハーブ・ディーン!」など、選手と関係ないコールをして不満を表明。
3Rまで全てアウトボクシング。判定でも大ブーイング。これはしかたがない。

ジェイク・エレンバーガーvsカルロス・エドゥアルド・ホシャ

メインカード唯一の国際戦(USAvsUSA以外)。思ったほどUSAコールは出てなかった。一部の客が言ってるだけという感じで。
テイクダウンしてサイドについたホシャが横三角を狙って足でエレンバーガーの頭をまたぐとソクジュ子やその仲間は熱狂。まだ技の態勢に入ったわけでもないのだが。しかしUFCの客はグラウンドが嫌いと言うわけでもないみたいだ。小見川のガードからのアームバーも歓声が飛んでいたし。
判定へ。ジャッジの一人がホシャにフルマークを入れる良く分からないスプリットでエレンバーガー勝利。

ジョン・ジョーンズvsライアン・ベイダー

通常、UFCではセミとメインで特別に力の入った煽りVを流し、それ以外の試合は両選手の紹介とコメント程度の簡単なVなのだが、今回はセミ前のこの試合もメイン仕様の煽りVだった。そして客のテンションも急上昇。メインを除けばこのカードが一番注目されていた模様。ソクジュ子が興奮しながらどっちが勝つと思うか聞いてきたのでジョーンズと答えておいた。
会場人気はベイダーが上で、ベイダーコールが起きていた。
ジョーンズがテイクダウンを奪ってノースサウスチョークを仕掛ける。これは何とか逃れたベイダー。2Rに入り、引き込むとジョーンズはフロントチョークへ。これは客席から見えにくい位置で、ビジョンでも入っているかどうか分からなかった。なのでベイダーがいきなりタップしたように見えた。一瞬遅れて大歓声。
試合後のインタビューでラシャド・エヴァンスがケガでジョーンズが来月ショーグンのベルトに挑戦することが発表されるサプライズに思わず前で見ているデブも立ち上がり熱狂。まだナンバーシリーズではセミ・メインに出たことがないジョーンズだったが、ラスベガスの観客は試合前から完全にトップ選手扱いだった。
UFCは明確な休憩時間がない(その時々のタイミングでインターバルが取られる)ので、次の試合の煽りVが始まったところでトイレへ。しかし、トイレには行列が出来ていた。これから試合が始まるというタイミングなのに。諦めて席に戻る。

フォレスト・グリフィンvsリッチ・フランクリン

これも人気者同士の試合だったが、試合内容はグリフィンがグラウンドで上になってコツコツポイントを稼ぐ展開で、爆発的な盛り上がりはなし。
スタンドでお見合いになると20秒でブーイングを送る観客が、ポイント稼ぎのコツコツパウンドはおとなしく見ているというのは意外だった。UFCの観客はすぐブーイングを送るというイメージがあるが、送るのは「お互い攻めない状態」に対してであって、地味でも勝利につながる動きに対してはブーイングは送らないらしい。UFCの試合が日本のプロモーションよりポイントゲームが多いのも、観客の理解があるからなのかもしれない。でも、グラウンド膠着でブレイクがかかった時、日本の反応と一緒で拍手が起こっていたのは面白かった。
判定3-0でグリフィン勝利。
メイン前にはジョー・ローガンとマイク・ゴールドバーグの試合展望や、長めの煽りVがあるので、このタイミングで再度トイレにトライ。行列は長かったが無事メイン開始に間に合った。

アンデウソン・シウバvsヴィトー・ベウフォート

席に戻るとヴィトーが入場するところだった。会場のテンションはジョーンズvsベイダーよりもさらにワンランク上がる。ソクジュ子がまた興奮してヴィトーorシウバと聞いてきたので、シウバと答える。
正直、ヴィトーはUFC復帰後はフランクリンにしか勝っていないし、それもだいぶ前だし、そんなに盛り上がるカードとは思ってなかった。このカードでそこまで盛り上がれると言うのがすごい。さらに、アンデウソンの入場の時には観客全員がスタンディングでお出迎え。まあ、前の席の人間が立つので、後ろも立たないと見られないのだが。自分もデブが邪魔なので立ち上がって見る。
ブルース・バッファーの「It's time!」は会場全体で大合唱。そして両者のコール。ヴィトーもすごいが、アンデウソンのコール時の歓声がすごい。ブルース・バッファーのコールが聞こえないほど。

↑画面下にデブの頭が見切れています。
ヴィトーと違ってブーイングも混じっていたが、動画では近くでブーイングを送っていた客がいたから大きく聞こえるだけで、実際は歓声も同じくらい上がっていた。アンデウソンは不人気王者だと思っていたが、この盛り上がりを見ると十分スーパースターに見える。
そして試合開始。両者見合ってサークリング。ヴィトーコールが起こるが、それにかぶせるようにシウバコールが起こる。会場人気はヴィトーが上か。
この試合は観客も緊張感を楽しむと思われていたが、さすがに1分もコンタクトがないとブーイングが起こる。2分過ぎ、アンデウソンがステップを激しく踏み出す。アンデウソンのハイキックをかわし、ヴィトーがテイクダウン!そしてパウンド!間一髪立ち上がってかわすアンデウソン。
再びスタンドで向き合い、アンデウソンが前蹴り!ちょうどヴィトーの背中側から見ていて、ヒットした瞬間は見えなかったが、一発で決着がついたとわかるヴィトーの倒れ方。レフェリーが止めないのを見て、アンデウソンが追い討ちのパウンドを落としレフェリーストップ。アンデウソンがまた伝説を作る衝撃的KO勝利。
日本人二人の敗戦でがっくり来て、メインカードもちょっと微妙な試合が続いたが、メインの衝撃でおつりが来た。
観戦するならやっぱり前の方の席で見ることをお奨めする。多分、チケットが高い席なら周りの客のマナーも良いし。まあ、庶民的な雰囲気も悪くはないけど。ただ、人気を集めるイベントだと、プレミアがついて高くなる場合があるので、代行業者を使わずチケットマスターなどのサイトから勝った方がいいかもしれない。人気がない、チケットが余っているUFCを見に行くのはお奨めしない。会場の盛り上がりも含めてUFCだと思うので。

★ジョルジ・サンチアゴ、UFC参戦へ

MMA PLANETより。
http://mmaplanet.jp/archives/1437239.html

僕からリリースを願い出たんだ。1カ月間ほど話しあって、彼らも了承してくれた。

半年ごとに試合をするのと比較すると、米国にはもっと多くの機会がある。もう決して若くないし、同じ相手ばかりと戦いたくない。ミサキと戦うのは疲れたよ。

次の挑戦者もまた三崎になりそうな(それ以外だとこれも対戦済みのハリドヴしかいない)ので、戦いのモチベーションが下がるのは致し方ない。確かに三崎戦は相当疲れそうだし。
内容を聞く限り、リリースとSRCのスポンサートラブルとは無関係?
サンチアゴUFCに復帰する模様。
http://www.bloodyelbow.com/2011/2/11/1989217/jorge-santiago-returns-to-the-ufc-or-does-he
サンチアゴは2006年にUFNで3戦し、1勝2敗でリリースされている(負けた相手はクリス・レーベン、アラン・ベルチャー)。

★「Strikeforce and M-1 Global Present: Fedor vs Silva」予想と展望

PPVは全5試合で、すべてヘビー級戦。トーナメント1回戦が2試合、3試合がリザーブマッチ。PPVにするなら前座の試合も日本で視聴できるようにしてほしい。

ヴァレンタイン・オーフレイム vs レイ・セフォー

オープニングマッチがこの異次元対決。すでにK-1では全盛期を遥かに過ぎてしまったセフォーと、最強に最も近い弟を持つ男・兄フレイム。
兄者は試合を見ているととても弱くは見えないのだが、なぜかコロッと負けてしまう。負け癖がつきすぎている。
セフォーは総合3戦目。戦法はタックルを切っての打撃勝負という、打撃系総合格闘家のセオリーどおりなのだが、1年半前の試合では簡単にテイクダウンを取られていた。年齢的に、それほど成長も見込めないので厳しい。
兄者が順当に勝利と予想。

チャド・グリッグス vs ジャンピエロ・ビランテ

シェーン・デルロサリオ vs レイバー・ジョンソン

グリッグスはボビー・ラシュリーを下したファイター。というくらいしか知らない。全員、ローカルでのキャリアはつんでいるようだけど、さすがにこの辺が本戦に出ることになったら厳しすぎる。

アンドレイ“ピットブル”アルロフスキー vs セルゲイ・ハリトーノフ

アルロフは3連敗中だが、1敗目はヒョードル相手にKOされる寸前までは優勢で、2敗目のロジャース戦は出会い頭。3敗目のペザォン戦は、負けはしたが内容は悪くなかった。両者の状態を比較するとアルロフが有利に思える。
アルロフがどうこうよりも、ハリトーノフがどれだけ復調できているかが問題。
ハリトーノフハリトーノフらしい試合は、PRIDE崩壊以降には見られていない。もっと言うと、プライド末期の時点でも、期待はずれの試合が多かった。一昨年末からK-1に挑戦し1勝2敗。K-1挑戦の成果がMMAで発揮されるにはまだ早すぎるか。Dynamite!!での水野戦で快勝できたのが唯一の好材料。これも相手が階級下の水野だからあまり当てにならない。
アルロフのKO勝ちと予想。

エメリヤーエンコ・ヒョードル vs アントニオ“ペザォン”シウバ

計量の結果。
http://mmaplanet.jp/archives/1437167.html
ヒョードルはジーパンを履いたままで104.3kg。対するペザォンは、減量して119.7kg。当日はさらにリカバリーしてくるので、20kg近い体重差になる。体格差は歴然。
ヒョードルが最強幻想を復活させるには圧勝が必要。ペザォンはランクから言えば勝って当然と見られている相手で、苦戦するだけで評価を下げてしまう。ヴェウドゥム戦に続いてのハイリスク・ローリターンな試合だ。
ヒョードルvs巨漢と言えば、vsズール、vsチェ・ホンマン、vsティム・シルビアがあるが、いずれも2分以内で勝利している。ズールとチェ・ホンマンが技術的に問題外なので、シルビア戦が参考になりそうだが、それだけにペザォンもこの試合の研究はしているだろう。序盤に懐に入らせないように警戒してくるはず。リーチ差があるのだから、距離を取って戦えばヒョードルと言えど一発KOは難しい。テイクダウンも簡単には取れないはず。ヒョードルの金網でのテイクダウン技術も未知数。ヒョードルが負けるとすれば、組んでもテイクダウンを奪えず、スタンドでは打撃で徐々に削られていっての判定負け。
勝つとすればパンチでダウンを奪ってからのパウンドorチョーク。ビッグヒットが入るかどうか、そして今のヒョードルに畳み掛ける爆発力があるかどうかが勝敗のポイントになる。
最終的な予想はやっぱりヒョードルヒョードルが敗れるとしても、もうちょっとだけ先にして欲しい。ここでヒョードルが負けたらトーナメントの盛り上がりが違いすぎる。
明日正午より速報します。