格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★DEEP12th感想

第1試合 石井淳vs鋼侍

プロデビュー戦とは思えないくらい、鋼侍が良かった。石井を圧倒。パンチが非常に冴えていた。というか、パンチしか打っていない。タックルに行ったけどテイクダウンは奪えなかったし。なのでその他の実力はまったくわからない。グラウンドはどれだけ出来るんだろうか。
でも、かなり活きがいい動きを見せていたので、93kgまで絞ってプライド武士道に出たら面白いと思う。

第2試合 桜井隆多vs藤沼弘秀

隆多の圧勝。テイクダウン→パス→マウントときて、一回返されたものの、下からアームロックをがっちり極めレフェリーストップ。藤沼、いい所全くなし。前回の入江戦が実力通りだったようだ。しばらく下積みをし直した方がいいかもしれない。まずはデモリッションatom当たりから。

第3試合 MAX宮沢vs百瀬善規

久々登場の百瀬、打撃がかなり上手くなっていた。が、2R以降、動きが落ちる。スタミナ切れか。腹もちょっとゆるんでいたし、ベストコンディションではなかったと思う。後半、宮沢が打撃・テイクダウンで押す。判定はドローか、マストなら宮沢というところだったが、1-0(宮沢が1)でドロー。まあ妥当な所か。

第4試合 三島☆ド根性ノ助vs加藤鉄史

ひさびさに、緊迫した三島の試合が見られた。試合としては展開が少なく凡戦だったかもしれないが、緊張感を持ってみられたので楽しめた。
やはり加藤は強かった。-70kgなら世界トップ10に入るだろう。そして、三島も強かった。本来一階級上の加藤と五分に渡り合う。ややトリッキーな攻めが多いのが気になった。飛び膝、ソバット、バックブロー、浴びせ蹴り。トリッキーなのは、正攻法で崩せないからのように見えた。そして、変則的な攻めは全く効果がなかった。試合は三島の奇襲→加藤が潰すといった展開。加藤は修斗時代と全く変わらないスタイル。これをやられたら、なかなか崩すのは難しい。ある意味加藤ペースなのだが、ちょっと攻め手が足りなかった。待ちの展開が多すぎた。名を上げるには、ここで三島を食ってやる!っていう欲を見せなければいけないとろこだったのだが。
判定はドローかと思ったが・・・3Rの序盤に三島のミドルと膝が加藤のボディーに入って、ちょっと効いたかな?というくらい。差を付けるほどではないと思ったし、グラウンドで上を取ったのはむしろ加藤だった。やや納得がいかない。三島はとりあえずケガもなく終われたようで、勝ったことよりそっちの方がほっとしたことだろう。

第5試合 ドス・カラスJr.vsブラッドコーラー

ドスJr.が脇を差してテイクダウンすると、コーラーが下から何発か右のパンチを放った後、突然タップ。肩を痛めたとか何とか・・・。最初からやる気なさげ。いくらプラタと勘違いしていたとはいえ、そこまでドスJr.を恐れることはないと思うのだが。がっかりだ。

第6試合 桜井“マッハ”速人vs長南亮

大番狂わせ。マッハが良かったのは序盤だけ。パンチでダウンを奪い、上からパウンド。そのまま決められそうだったのだが、逃がしてしまう。変に余裕を見せている。マッハはいつもそうだが・・・。
1R後半、逆にグラウンドで下になると、長南の猛攻を受ける。そして2Rも終始長南のパウンドで攻められ続ける。3R開始の時、すでにその表情には覇気がなかった。スタミナも切れていた。最後はグラウンドで上になって殴っている時に、下から目を蹴られて眼窩底骨折の疑いでレフェリーストップ。あのまま続いていても勝てなかっただろう。良くてドローだ。
長南が勝ったことより、マッハの凋落ぶりが心に残った。今のマッハにはハングリーさがなさすぎる。ウェイトが-80kg契約だったのも、上の階級に挑むというより、単に減量するのがしんどいだけだったのでは。体格的には、まだ76kgがベストだろう。-83kgで世界の強豪とやっても全く通用しそうにない。
今のマッハは楽な方に楽な方にと逃げてる気がする。77kgで世界の強豪(地味だけど強い)とやるより、-83kgで世界の強豪とやった方がてっとり早く富と名声が得られる、というような。試合の後半は勝負に挑む男の顔ではなかった。心が折れていた。最後のキックはアクシデント的だったかもしれないが、負けるべくして負けたという感じだ。
今日の敗戦は、今までになく大きい。マッハ株は大暴落だ。目の下が大きく腫れていたので、予定されていたプライド武士道に出るのは無理だろう。今後の展開が全部めちゃくちゃになってしまった。
今後、マッハはどうするのだろうか。しれっとしてプライド武士道で世界のトップ選手とやるのか。やったとしても通用しないだろう。負けた相手にリベンジを申し込むのか。これだけ惨敗したら、挑戦するには何か実績が必要だろう。さらに格下の日本人とやって実績をつむ、という手もあるが、マッハがそれに耐えられるか。
今の状態では、このまま消えていってしまうと思う。マッハには初心に戻って、時間をかけてもゆっくりと這い上がってきてもらいたい。

第7試合 上山龍紀vs須田匡昇

上山、3週間の前でリミットを10kg近く下回る73kgだったのが、今日は74kg。優に一階級以上の差がある。序盤は打撃で見せ場も作ったのだが、中盤、足が絡まっているのに無理矢理押さえ込みに行ってしまい、逆に自分の足が極められてしまうという失態をやらかしてしまう。これで右膝を痛めた上山は動きががくっと落ちる。もはや上山は前に出てこられないのに、積極的に攻められない須田。見合う場面が続く。消極的だったせいか、判定はドローになってしまった。
内容としては須田の圧勝だったし、判定に文句を言いたくなる気持ちもわかるのだが、そんなに勝ちたかったらもっと攻めるべきだったろう。あの内容で勝ちを拾おうというのは虫がいい話。「これでドローと取られたら何をしていいか分からない」というコメントを出すなら、これ以上何も出来ないというくらい攻めるべきだった。
上山は体重を増やそうとしても増えなかったらしい。でもそれは自分の責任だし、試合後に体重差を言い訳にしていたのはどうかと思う。ベストは70kg以下だと思うので、そちらに転向した方がいいと思うが、試合後のインタビューなどからすると、どうやらしばらく総合はやらないといった雰囲気がする。試合前から「負けたらもうDEEPに出ない」「勝ったら言いたいことがある」そして試合後には「上山龍紀第1章完結・今までご声援ありがとうございました」の垂れ幕。何か思うところがあったに違いない。U-Styleには出るようなので、そちらに専念するということなのだろうか。

メインの不可解判定で後味が悪くなったこともあり、不満が残る大会だった。ジャッジのいい加減さも問題だし、主力選手が次の大会に出ることが決まっているのもマイナスに作用してしまった。これが最後ではないのだろうが、今後のDEEPにあまり明るい印象は見えない。武士道との差別化を図り、DEEPならではの方向性を見せていってもらいたい。