格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★スクートポジションについて

スクートポジション(いわゆる猪木アリ状態)について書くと予告していたら、先にid:gryphonさんの所で触れられていた。以下、便利なので引用します。

【質問】いわゆる猪木アリ状態(キーワード参照)で

 ○ ヘイカモン(キックボクサーAさん)
。|。
 人        ヘ−−L○ オマエコソ カモン(柔術家Bさん)

と、ふたりがずーっとやっていた場合
1、Aが逃げていて不利。
2、Bが逃げていて不利。
3、全くの五分。
の、どれが正しいのでしょうか?


多くの総合格闘技団体では、1(Aが消極的)と見なすことはほとんど無いよね。とすると2なのか3なのか、という話になるのだが、だいたい今は2を採用し、こっちに消極性を見い出すことが多いはず。しかし寝技師に言わせれば「俺は堂々と寝技で渡り合おうとしてるんだよ!不公平だ」ってことになるかもしれない。

競技である以上、特に根拠が無くとも、はっきりそういうルールだと主催者側が宣言してしまえばいいだけかと。そういう意味では有利なのが上でも下でもどちらでもかまわないだろう。五分であるとするのだけはないが。五分だと、両者ともあえて不利な領域に手を出そうとしなくなり、膠着が続くことになってしまうから。
上が有利だとするなら、下になった選手はタックルでテイクダウンする等、別の攻撃手段を考えなければいけなくなるし、下が有利と見るなら、上の選手は踏みつけやパスガードなどで攻めるようになるだろう。ルールでそう決まっているものに対して選手が抗議しても、それは野球で「三振したけど、俺は四球目に必ずホームランを打つんだ!」と主張しているのと同じで相手にする必要はない。「こういうルールなら出たくない」という選手はいるかもしれないが。
さてそこで実際に上下どちらを有利とするのが興行的に良いかだが、この問題に対して、引用先のコメント欄でid:frigidstarさんが自分の思っていたことを書いているので手が抜ける先を越された感がありますが、それも引用させていただきます。

# frigidstar 『「消極的」と云う言葉を用いると、話が見えなくなると思う。まず第一に、総合格闘技はスタンド状態から開始されるもの。第二に、グラウンドに持ち込む機会は両者に平等に与えられている。この場合B選手はグラウンドに持ち込みたければ、タックルなり引き込みなりを駆使すればいい。タックル、引き込みに失敗してスクートになってる以上、A選手が試合の主導権を握っていると解釈するのが自然ではないかと。』

ということで、ほぼ同意です。
現状としても、多くの団体は「上の選手を有利」と見ていると思うが、まだこういう膠着が起きて試合後に判定への不満が選手から出ている状況があるので、もっと明確に「スクートを選択する選手は判定で不利になる」と決めてルールミーティングで言ってしまっても良いと思う。それでもスクートになる選手は、「絶対に一本を取る」つもりで行ってくださいと。
今回、今成の試合では最後まで会場は沸いていたし、今成の戦い方自体を「一本取れなかったら無意味」と見るつもりはないが、いきなり足関狙いだけでなく、攻撃のバリエーションを増やすことはいずれにしても必要だろう。相手選手に研究されて足関が決まらなくなってきているし。