格闘技徒然草

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★パンクラスism道場長・國奥が退団

30日、都内Ps LAB東京で、國奥麒樹真(28)のパンクラス退団が発表された。國奥は船木誠勝鈴木みのるらとともにパンクラスに旗揚げメンバーとして参加。01年12月にミドル級王者に輝き、02年7月にはウェルター級王座も獲得。パンクラス初の2階級制覇を達成した。

 会見に尾崎社長とともに出席した國奥は、契約更改があった今春から退団を考えていたことを明かすと、「パンクラスの中にいると守られてしまう。パンクラス以外の場所で自分の実力を試してみたいと思った」と退団の理由を語った。

パンクラスの中にいると守られてしまう」という発言通り、判定やマッチメークでもっとも優遇されているように見えた國奥。近年は、試合も手堅すぎてつまらないというのが定評になってしまったが、デビュー当時はかなり将来性が期待できる選手だった。まだ菊田がパンクラスに入団するはるか前、新宿スポセン時代のグラバカ(当時は通称菊田軍団)に出稽古にも行き、掌底時代のパンクラスでは、もっともVTでの技術を持っていた。打撃に偏重し、グラウンドのスキルに欠けていた近藤よりも、グローブになったら活躍すると思われていたのだが。
その近藤との一戦(99年3月)が、國奥のパンクラスベストバウト。すでに4月にシュルトとの王者決定戦が決定していた近藤に対し、國奥はスピードとポジショニング、さらには打撃でも圧倒。文句なしの判定勝ちを奪った。そして9月、ベルトを取った近藤の初防衛戦。下馬評で有利と思われていた國奥は、近藤の真空跳び膝蹴りで秒殺されてしまうのであった・・・。
それ以来、國奥はどうにも運に見放され、試合もつまらなくなり、悪い子(ラッパーとか)とも付き合うようにもなり、選手としての輝きを失ってしまった。
それ以後の國奥の試合で記憶に残っているものといえば、豪快にKOされたマーコート戦、顔面をカットされて敗れた三崎戦など、負けた試合ばかり。パンクラス最終試合となった竹内戦でも、判定負けではあったが試合内容はとても良かった。試合後に、負けた國奥がなぜかマイクを握り「みんな大好きです。ありがとう」と言ってリングを去ったのが、今となっては意味深である。
今後の練習場所・試合については全くの未定とのことだが、パンクラスという枠から解き放たれた國奥の活躍に期待したい。