格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★PANCRASE3/26後楽園大会展望

カードはこちら。
http://www.pancrase.co.jp/tour/2008/0326/index.html
注目はセミの竹内vs金原。
金原は、桜庭・田村になりそこねた男だ。実力・実績ともに二人とは遜色ないものを持っていたのに、ほんのわずかのタイミングの違いで、現在の扱いでは天と地ほどの差が付いてしまっている。桜庭・田村はDREAMのGP出場するかと騒がれている一方で、金原はひっそりと後楽園でセミに出場。
金原はPRIDE移籍一戦目で王者のヴァンダレイ・シウバに挑んだが、見せ場もなく敗戦。その後、膝靱帯の手術で1年半欠場し、復帰するも、田村・桜庭と違い相手を選べなかった金原は、強豪との対戦が続いて連戦連敗が続く。これまた田村・桜庭なら避けて通れたであろう、等身大の相手との対戦でも負けが続き、ここ11戦では1勝10敗とどん底まで落ち込んでしまう(というか、金原がそれ以前に戦ってきたルールは、ほとんどがリングス・KOKルールなどで、現行の総合に近いルールではこれが戦績の全てとも言える)。勝てないストレスもあり、昨年3月の川村戦でのKO負けを機に引退を表明した。
ところが、山崎邦生のガキの使い引退ドッキリに触発され、「金ちゃんはやめへんで〜」と引退を撤回。今回の復帰となった。
一方、王者の竹内は、金原以上に格闘家として裏街道を回ってきた。修斗では当時事実上の最重量クラスだったライトヘビー級にいたものの、軽・中量級がメインの修斗においてはどうしても扱いが悪い。後楽園レベルでもほとんどがメイン・セミから外れたカードだった。
金原がPRIDE初戦でいきなりシウバとやっている頃、竹内もまたパンクラスに移籍し、いきなり王者のマーコートと対戦している。会場はドームの金原に対し、竹内は後楽園。KO負けした金原に対し、竹内は王者を押さえ込みで下すという最高のスタートを切ったが、格闘技界で話題となることはなかった。
戦績のみ見たら、金原に比べれば順風満帆の竹内であるが、大きなチャンスの度に負け続けている。マーコートには勝ったが、その後のタイトルマッチでは敗戦。ようやくベルトを巻いた時は、移籍から5年もたっていた。
竹内が修斗の前座に出ていた頃、リングスではエースとしてビッグイベントのメインを張っていた金原。竹内は時間をかけて一歩一歩階段を上り、いつの間にか立場は逆転していた。竹内にとっては、ノーランカーとはいえ、まだビッグネームの金原は美味しい相手だろう。DREAMミドル級GPへの大きなアピールになる(本当は戦極でのvs菊田・超押さえ込みマッチが見たいが)。
金原には厳しいマッチメークだが、やはり勝てばDREAMミドル級GPへの出場を直訴できるかもしれないというチャンスがある。
大きなチャンスを逃してきた者同士の対戦。どちらがチャンスを得るか?ドローでどちらもゲットできずという選択肢もあるが。
しかし試合はおそらく竹内の押さえ込みがかなりの確率で炸裂するであろう。腰の軽い金原ではスタンドの維持は厳しい。メインの志田vsマルロン・サンドロや、伊藤vsハクランなどと並び、押さえ込み率が高い興行になりそうである。終始押さえ込みで終わった試合など、結果を知ってしまったら録画中継で見る気がしない。逆に考えれば、そういう試合こそライブで見る価値があるとも言える・・・かなり思い入れがある人以外には薦められないが。
他の見所は、セミ前の佐藤光留・総合ケジメ試合など。