格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★DREAM.17:川尻がフェザー級に転向。ハンセン戦決定。

■DREAMフェザー級(−65キロ)ワンマッチ(5分3R)
川尻達也(日本/T-BLOOD)vsヨアキム・ハンセンノルウェー/ヘルボーイ・ハンセンMMA

http://gbring.com/sokuho/news/2011_08/0804_dream.htm

「急に決めたことではなくて、何年も前からフェザー級が自分にとって適正階級だと思っていました。それで今年4月にギルバート・メレンデスに負けて、1mmでも自分が強くなる可能性を求めて階級を下げることにしました。簡単な決断ではなかったです。でも階級を下げるのは相対的な強さではなく、70kgで試合をするために、通常体重を80kgにキープして練習するよりも、普段から節制して75kgくらいで練習していた方が体調もコンディションもよく、質の高い練習が出来るから。色々な想いがありましたけど、そういう理由もあったからです。

意外にもフェザー級が自分の適正階級だと感じたのは「自分は身長も低いし、格闘技を始めた頃は60kgしかなくて、骨格的にも65kgかなと思っていました。最初にそう思ったのは10年位前ですね」という川尻。

フェザー級転向で実現する夢のカードはvs高谷(同門だがベルトを取るためには対戦するとのこと)、vs宮田くらい。宇野戦やハンセン戦には今さら感が漂う。一方、ライト級で消滅する夢のカードはvs北岡、vs菊野。明らかに後者のほうが需要が大きい。川尻vs高谷や川尻vs宮田は、見たいかどうか以前に、今まで全く考えたことすらなかった。
川尻としても、宇野と対戦したいという気持ちは今さらないだろうし、DREAMフェザー級でやりたい相手は特にいないだろう。そもそも、ライト級の世界10位*1の川尻にとって、王者の高谷すら、世界のもうすぐトップ10にも入っていない格下と考えてもおかしくない。
DREAMライト級では、北岡を破れば王者青木との再戦に名乗りを上げても許されるはず。そして、川尻自身は青木に絶対勝てないとは思っていないだろう。
それでもライト級を諦めてフェザーに落とすのは、単にDREAM内最強であればいいというわけではなく、UFCも含めた世界最強を目指しているからだろう。DREAMフェザー級では特に見たい試合はないが、UFCフェザー級に挑戦する川尻なら見てみたい。それは無理な注文かもしれないが、Bellatorとの協力でvsマルロン・サンドロ戦が実現するなら、vs北岡・vs菊野に劣らない夢のカードになる。
ただ、デビュー以来一度もフェザー級で戦っていない川尻が、この階級にどれだけ適性があるかは未知数。大きな武器のひとつのフィジカルも、65kgだと筋肉を落とす必要がある。UFCでもライトからフェザーに落とした選手は苦戦しているし、ライト級時代と同じように活躍できるとは限らない。まずはハンセン戦でどれだけ動けるか。
一方、川尻のフェザー級転向で一番割を食ったのは北岡。DREAMでは唯一同格だった川尻が抜けてしまい、あとは今度のDEEPで対戦する菊野vs廣田の勝者くらいとしかやる相手がいない。そこで勝ってしまったら、DREAMでやるべきカードはなくなってしまう。もちろん、外国人も含めた新たな戦力の投入はこれからもあるだろうが……。

*1:Sherdogランキングより