格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC241:第2試合・カン・ギョンホ vs. ブランドン・デイヴィス

バンタム級

UFC4勝2敗のギョンホだが、勝った相手のうち3人が清水俊一・田中路教・石原夜叉坊と日本人。兵役での3年4ヶ月のブランク後は2勝1敗。無敗のヒカルド・ハモスにスプリット判定負けしたが、前回は夜叉坊のパンチでダウンを喫したものの、タックルで凌ぐと、最後はテイクダウンからバックに回ってのチョークで一本勝ち。

デイヴィスはUFC2勝3敗。アメフトから20歳の時に格闘技転向し現在29歳。フェザー級で1勝3敗だったが、前回からバンタム級に。初戦はキャリアわずか10ヶ月・全試合1RKO勝利でUFCと契約したランディ・コスタと対戦。2Rに失速したコスタからチョークでタップを奪い完勝した。

打撃戦から組みに行ったデイヴィス。入れ替えてギョンホがテイクダウンを狙うが離れた。ジャブを当てていくギョンホ。デイヴィスはカーフキック。足を払われてバランスを崩すギョンホ。どんどんカーフキックを入れていくデイヴィス。しかしギョンホのジャブをもらう。カーフキックとジャブの打ち合い。ギョンホの右が入りデイヴィスダウン。すかさず上になりバックからチョークを狙うギョンホ。仰向けになりハーフにしたデイヴィス。ホーン。

1Rギョンホ。

2R。ギョンホ低空タックル。デイヴィスはカウンターの腕十字を狙ったが、外してレッグマウントで押さえ込むギョンホ。ガードに戻したデイヴィス。担ぎパスからバックに回るギョンホだが、デイヴィスは反転し逆に上を狙う。ギョンホ立ち上がり離れた。カーフキックを入れるデイヴィス。両者パンチがヒットしている。デイヴィスのマウスピースが飛ぶが、下がらず打ち続ける。パンチにカーフキックも加えるデイヴィス。ホーン。

2Rは打撃の手数でデイヴィス。

3R。パンチ・カーフキックを入れるデイヴィスだが、バランスを崩しスリップダウンしたところをギョンホ逃さず押さえ込みサイド。が、レフェリーブレイク。サイドだったのだが、ブレイクが早すぎる。ギョンホすぐタックル。テイクダウン。押さえ込まれたまま動けないデイヴィス。ギョンホパウンド。パウンドで押さえ込みが緩んだところで立ったデイヴィス。背中に乗ろうとしたギョンホだが、乗れずに離れた。しかしまたタックルで倒す。デイヴィス、全然タックルが切れない。インサイドから体を起こさずパウンドを入れるギョンホ。デイヴィスは立てずに下から打撃を打ち返すのみ。そのままタイムアップ。

29-28デイヴィス、29-28ギョンホ、29-28ギョンホ。スプリットでギョンホ勝利。

デイヴィスに入れたジャッジはダウンを取られた1Rか押さえ込まれ続けた3Rをデイヴィス有利と見たということか?1Rは打撃のヒット数ではデイヴィスだったが。

UFC241:第1試合・サビーナ・マゾ vs. シャナ・ドブソン

女子フライ級。

マゾはデビュー以来6戦全勝で、育成団体LFAの女子フライ級王座を獲得。UFCと契約したが、UFC初戦は3勝3敗のマリーナ・モロズ相手に2Rまで劣勢。3Rにようやく170cmの長身・177cmの長いリーチを活かしたパンチをヒットさせていったものの、及ばずに判定負けでMMA初黒星。コロンビア出身。

ドブソンはキックがバックボーンで、キャリアわずか3戦2勝1敗でTUFの女子フライ級王座決定トーナメントに参戦し、初戦でロクサン・モダフェリに1RKO負け。TUFフィナーレではボクシングアマ王者のアリエル・ベックにKO勝ち。2戦目はUFCデビュー戦のローレン・ミューラーに僅差判定負け。昨年の中国大会は負傷欠場し、1年4ヶ月ぶりの試合となる。

打撃戦でマゾの左ミドルをもらい、露骨に腹を痛がり後退するドブソン。マゾ追いかけてパンチを打ち込むとタックル。テイクダウン。ミドルを効かせた脇腹にもパウンド。ドブソンはガードで耐えるのみ。肘。ドブソンはスイープからバックにつこうとしたが、返させずにまた下に戻すマゾ。パウンド・肘を入れ続ける。脇腹に連打。ようやく立ったドブソンだが、ケージに押し込まれたまま。またタックルで倒すマゾ。残り1分。ハーフで固めてパウンド連打。マウント。ドブソンは残りわずかのため下からホールディングして耐える。引き剥がして肘を入れるマゾ。ホーン。

1Rマゾ。

2R。打撃戦からケージに押し込み首相撲に捕らえるマゾ。押し込みながら打撃を入れる。またタックルに。両足を束ねて倒した。ハーフ。押さえ込んでパウンドを入れるマゾ。残り40秒でようやく立ったドブソン。大振りの打撃を振り回して出るドブソンだがホーン。

2Rマゾ。

3R。打撃で出ていくドブソン。左ミドルをもらっても下がらない。1Rに一発で効かされたのはなんだったのか?右フックがヒット。しかしマゾはまた首相撲に捕らえると膝を連打。対応できていないドブソン。マゾはボディロックからテイクダウン。サイド。レッグドラッグハーフにしてパウンド連打。ドブソン凌ぐのみ。タイムアップ。

30-24、30-25×2の3-0でマゾ勝利。

思ったより大差がついた。

RIZIN.18:予想と展望

キックルールの試合は割愛。

RIZIN.18:第3試合・あい vs. タバサ・ワトキンズ

ワトキンズは「Bellatorファイター」というのがやけにクローズアップされているが、Bellatorの前座に出る選手は専属契約でもないし、別に他のローカル団体に出ている選手とレベル的に違いがあるわけでもない。3勝2敗というキャリアそのままの選手。

あいの戦績はSherdog等では5勝1敗となっているが、TORAOでの試合はトライアウトマッチでアマチュアだし、その後の格闘代理戦争での試合もプロとは言えないのでは。事情を知らないアメリカのサイトがプロに入れるのは仕方ないが。

あいがチョークで一本勝ち。

RIZIN.18:第4試合・征矢貴 vs. 村元友太郎

6月の神戸大会に続き、征矢 vs. DEEPストロー級ファイターの59kg契約マッチ第2弾。なぜストロー級相手にフライ級リミットよりもさらに上の59kgなのか良くわからない。体重を落とせないならバンタム級でやればいいのでは。

前回征矢が完勝している川原相手に1敗1分けの村元だけに、地元とはいえ勝つのは難しいだろう。

征矢KO勝ち。

RIZIN.18:第5試合・祖根寿麻 vs. ジャスティン・スコッギンス

元谷には何もできず完敗した元UFCのスコッギンスだが、いい選手なのでまた呼ばれて良かった。相手も同じく元谷に敗れた祖根と手頃なマッチメイクに。

スコッギンスKO勝ち。

RIZIN.18:第6試合・上迫博仁 vs. イーブス・ランドゥー

一応、ライト級トーナメント査定試合ということになっているが、両者ともRIZIN初参戦で実績がない者同士。ランドゥーは海外での戦績もそこまででもなく、川尻に敗れたアブドゥルカリコフに敗れている。ただ勝つだけではトーナメント参戦は難しいポジション。内容でインパクトを残す必要がある。

上迫KO勝ち。

RIZIN.18:第7試合・越智晴雄 vs. ジャレッド・ブルックス

修斗パンクラスもONEと提携した現在、RIZINストロー級=DEEPストロー級でしかなくなっている。一応、王者以外なら出ることはできるが。アジア以外ではほぼストロー級の試合が行われておらず、ブルックスにしてもストロー級での試合は日本でしか行っていない。本来ストロー級が適正の選手もフライ級以上に上げて試合をしている状態。この試合もただ勝つだけでは今後ストロー級の試合が組まれるかわからず、越智にしても征矢と59kg契約で戦うしか選択肢がなくなる。

幸い、ブルックスストロー級で数少ない銭が取れる選手。激闘になる可能性は高い。

ブルックスパウンドでKO勝ち。

RIZIN.18:第8試合・浅倉カンナ vs. アリーシャ・ザペテラ

ザペテラは身長150cmの小柄な選手だがレスリングバックボーンでテイクダウンが強い。前戦のInvictaでの試合は、元UFCのヴィヴィアン・ペレイラに距離を取られてパンチを打たれ続けてのKO負け。

浅倉は前戦山本美憂からテイクダウンを奪われる展開で判定負け。同じレスラーのザペテラ相手に組ませずに勝てるかどうかが課題となる。

浅倉判定勝ち。

RIZIN.18:第10試合・マネル・ケイプ vs. 水垣偉弥

RIZINバンタム級は王者堀口が圧倒的なトップでその下に石渡・扇久保、元谷・佐々木がいて、その下が朝倉・ケイプという序列。言わばケイプはRIZINの中堅ランク。水垣はここで負けたら次回以降RIZINへの継続参戦の必然性すらなくなる。絶対に負けられない試合だが、このところ勝っても負けても毎試合ダウンを喫している水垣にとって、一発のあるケイプは相性が悪すぎる相手。しかし、前戦のDEEPの試合では、RIZINの中堅どころかDEEPの中堅の昇侍に対し互角に近い内容での判定勝ちだった。試合間隔が開いた影響なのかもしれないが、あの時のままの水垣だとケイプは厳しい。ケイプより強くても元谷や扇久保の方が良かったかもしれない。

ケイプKO勝ち。

RIZIN.18:第11試合・ビクター・ヘンリー vs. トレント・ガーダム

元谷に勝ってDEEPバンタム級タイトルを獲得したヘンリーだけに、序列としてはいきなりトップ5に食い込んでもいいのだが、今回の相手は初参戦同士で、ヘンリーのことを知らない大多数の観客・視聴者にはノリにくい試合なのがもったいない。

ヘンリーKO勝ち。

RIZIN.18:セミファイナル・浜崎朱加 vs. アム・ザ・ロケット

ムエタイ王者で柔術の経験もあるアム。プロフィールの「JJIF柔術の黒帯」というのが良くわからなかったので調べてみたが、国際ブラジリアン柔術連盟とは別の「Ju-Jitsu International Federation」(Jiu-JitsuではなくJu-Jitsu)という組織の模様。「ブラジリアン」がついていないが、寝技(NE-WAZA)ルールは実質ブラジリアン柔術。アムは2017年のアジアインドア・マーシャルアーツゲームズで行われた柔術競技の49kg級で優勝しているが、ブラジリアン柔術のように帯別では行われていない。

JJIFのトーナメントのレベルは不明だが、アムの柔術での実力で言えば、今年のアブダビワールドプロには青帯で出ていて9位なので、紫未満というのが妥当なところか。

JEWELSでの試合では動きは良かったが、ここまでは同じくらいのキャリアの相手しかやっておらず、トップクラスの相手とやるのは厳しいし、まして王者の浜崎相手に勝つ可能性はほぼないか。

浜崎が腕十字一本勝ち。

RIZIN.18:メインイベント・堀口恭司 vs. 朝倉海

「一発当たれば倒せるから結果がどうなるかはわからない」という予想は、それ以外に勝つ可能性が何もないくらいに差がある場合に言われるもので、例えば昨年末のメイウェザー vs. 天心でも同じように言われていた。この試合も同様。朝倉クラスのテイクダウン能力なら堀口も警戒するほどではないし、その分打撃の警戒を怠るということもなくなる。現状は健闘することも難しいほどの差がある。

堀口がパウンドでKO勝ち。

速報します。

ONE98:DREAMS OF GOLD:タン・リー vs. 朴光哲

フェザー級

スタンドで左ミドルから右フックを打ち込んだタン・リー。もらって倒れた朴。タン・リーそのままパウンド。レフェリー即ストップ。

朴、何もできずKO負け。

ONE98:DREAMS OF GOLD:ユサップ・サーデュラエフ vs. キム・デファン

バンタム級

プレスするサーデュラエフ。タックル。テイクダウン。パスするサーデュラエフに足を絡めようとするデファンだがしっかりサイドを取っている。片足絡めてハーフにするが、ほぼ足が抜けた状態となりヒザを顔面に入れるサーデュラエフ。足を抜いてまたサイド。首を取るサーデュラエフだがデファンはガードに戻す。亀から立ったデファンだがサーデュラエフが投げてまた上に。サイドからストレートアームバー。外れたが顔面に膝を入れる。ゴング。

2R。ジャブ、ワンツーを入れるサーデュラエフ。タックルでテイクダウン。バックに回る。デファンは亀の体勢で足のロックを防ぎつつ立ち正対。デファンもパンチで出るがサーデュラエフがパンチを返す。しかし手数で押すデファン。打たれてもそれ以上に手を出す。ゴング。

3R。サーデュラエフタックルからテイクダウン成功。そしてパス。首を抱えて頭部に膝を入れる。ギロチンに抱えるサーデュラエフ。立たれたが顔面にヒザ。首を抱えたまま膝を入れていく。デファン外せず打たれるまま。離れた。デファン疲れたのか手が出ない。パンチで飛び込んだがそこにサーデュラエフがカウンターのタックル。テイクダウン。すぐにパスしていく。ハーフで固める。ガードまで戻すデファンだが。下のまま。サーデュラエフがパウンドを入れていく。タイムアップ。

判定3-0でサーデュラエフ勝利。

ONE98:DREAMS OF GOLD:チャン・ロタナ vs. グスタボ・バラルト

フライ級。

カンボジアのロタナはデビュー2戦目からONEに参戦しここまで5勝2敗。

バラルトはレスリングでロンドンオリンピックに出場している。前回のONE初参戦でフライ級トーナメントに出場し、一回戦和田と対戦して、優勢に試合を進めていたかに見えたが判定負け。身長150cmでMMAファイターとして最小クラス。

パンチを振り回すバラルト。タックルで持ち上げてテイクダウン。立たれたが、またタックルで持ち上げると投げて背中から叩きつける。また立ったロタナにフルスイングのパンチを打ち込むバラルト。ロタナはミドルを入れる。バラルトのパンチを貰うが効いてないとアピールするロタナ。ロタナの前蹴りが顔面にヒットするがバラルトはパンチを返す。ゴング。

2R。ロタナの蹴りをキャッチしてパンチを打ち込みテイクダウンしたバラルト。パスを狙う。ロタナ立つが、バラルトは立ち際にヒザを入れる。ロタナがヒザを入れていく。バラルトのタックルを切ってヒザ。テンカオ。バラルトまたタックルからケージに押し込んでテイクダウン成功。サイドについている。亀になり立ったロタナ。バラルトは離れ際にアッパー。蹴り、ヒザを入れるロタナ。バラルトはパンチを振り回す。蹴り足を掴んでパンチを入れる。ロタナがパンチのコンボから蹴りを入れるが、バラルトにキャッチされテイクダウンを許す。ゴング。

3R。疲れが見えるバラルトだが飛び込んでパンチを出していく。ロタナはミドル・前蹴りをヒットさせる。バラルトのタックルを切ったロタナ。疲れて近づけなくなってきたバラルト。ロタナが遠い間合いからパンチ・蹴りを入れる。シングルレッグに入ったバラルトだが切られる。しかしまたタックル。テイクダウン。ロタナケージで立って正対し引き剥がした。3R残り半分。パンチを入れるロタナだがバラルトがシングルレッグからテイクダウン成功。しかしロタナケージを使って立った。スローダウンしたバラルトにパンチを入れていくロタナ。もはや立っているだけのバラルトだがロタナのパンチ・蹴りを受けても倒れない。最後にタックル。テイクダウン。ゴング。

ダメージ的にはロタナ。最後のテイクダウンはONE的には意味がないが。

判定3-0でロタナ勝利。

ONE98:DREAMS OF GOLD:澤田龍人 vs. アジス・カリム

ストロー級

修斗では3度タイトルに挑んだがいずれも敗れて戴冠できなかった澤田。イヴォルヴのトライアウトに合格し、シンガポールのイヴォルヴジム所属となった。ONEウォーリアーシリーズで2連勝しONE本戦出場を決めた。

インドネシアのカリムはONE戦績1勝1敗。

プレスしていく澤田。組んでオーバーフックから投げ。投げてマウント。パウンドから背中を向けたカリムにチョーク。タップアウト。

力の差を見せつけての完勝。

UFC241:オッズ/予想と展望

ダニエル・コーミエ 1.69
ティーペ・ミオシッチ 2.25
アンソニー・ペティス 1.74
ネイト・ディアス 2.15
ヨエル・ロメロ 1.67
パウロ・コスタ 2.30
ガブリエル・ベニテス 3.30
ソディック・ユサフ 1.37
デレク・ブランソン 2.30
イアン・ハイニッシュ 1.67
カーマ・ワーシー 5.59
デボンテ・スミス 1.13
ハファエル・アスンサオ 2.60
コーリー・サンドヘイゲン 1.54
マニー・バミューデス 1.74
ケイシー・ケニー 2.15
ドラッカー・クロース 1.50
クリストス・ジアゴ2.70
ハンナ・サイファーズ 1.36
ジョディー・エスキベル 3.35
カン・ギョンホ 1.57
ブランドン・デイヴィス 2.55
サビーナ・マゾ 2.00
シャナ・ドブソン 1.83

メインはヘビー級タイトルマッチ。昨年7月、ヘビー級史上最多4度目の防衛戦に臨んだスティーペ・ミオシッチから、ダニエル・コーミエが1RKOでタイトルを奪いライトヘビー級王座との二冠王に。3ヶ月後、突然デリック・ルイス相手にヘビー級タイトルの防衛戦が決まり、11月に2Rチョークで防衛に成功。しかし、年末にライトヘビー級王座は返上した。

コーミエは40歳になる3月に現役引退を表明しており、ブロック・レスナーとの対戦の噂もあったが、結局レスナーMMA復帰は実現せず。コーミエも負傷で試合は行わず。結局、ミオシッチとの再戦が組まれることに。

ミオシッチは昨年の王座陥落以来ずっと欠場しており、コーミエとの連戦となる。前回はコーミエが間合いを詰めて放ったパンチをもらいKO負けしているだけに、今回は徹底してリーチの差を活かし、距離を取る展開になりそう。コーミエはまた距離を詰めてパンチを打ち込む展開に持っていけるか。

ミオシッチKO勝ちと予想。

セミではネイト・ディアスがマクレガーとの連戦以来、3年ぶりの復帰戦を行う。相手は元ライト級王者ペティス。ペティスは前回からウェルター級に上げており、ネイトにとってはマクレガーとの連戦に引き続いてウェルター級での試合となる。

フェザー級にも落としていたペティスだが、ネイト相手ならそこまで体格差はない。ただし、ペティスはライト級ではトップランカー相手に負け越しており、タイトル戦線からは外れてきていた。ウェルター級初戦のスティーブン・トンプソン戦も、スーパーマンパンチでKOしたが、それまではやや押されており、まだウェルター級での実力がテストされたとは言い切れない。

ネイトはマクレガー戦で大金を稼いだことにより試合のモチベーションが落ちブランクが開いたが、さすがに3年のブランクはどうなのか。お互いに不安要素が残る試合。

ネイトがパンチでダメージを与えてからのサブミッションで一本勝ちと予想。

セミ前ではレスリング五輪銀メダリストで42歳になったヨエル・ロメロと、MMA無敗・UFC4戦全勝全KOのパウロ・コスタの対戦がついに実現。当初は昨年11月に組まれていたが、両者怪我での欠場等があり、1年以上のブランクとなっている。

プレリムも、UFCデビュー以来3試合連続一本勝ち中のバミューデス・トライアングルことマニー・バミューデスや、1月に夜叉坊からチョークで一本勝ちしたカン・ギョンホなど、注目の選手が多い。

第1試合開始は18日朝7時15分。速報します。

UFC on ESPN+14:メインイベント・ヴァレンチーナ・シェフチェンコ vs. リズ・カモーシェ

女子フライ級タイトルマッチ5分5R。カモーシェはランキング3位。

王者シェフチェンコ2度目の防衛戦は、9年前ローカル時代にMMA初黒星を喫したカモーシェとの再戦。その後はUFCで現バンタム&フェザー級王者のアマンダ・ヌネスに僅差判定負けしたのみ。

シェフチェンコ同様、挑戦者のカモーシェもバンタム級からの転向組。UFCデビュー戦(UFC初の女子戦)以来となるタイトル挑戦。バンタム級時代は次第にランキングが下がり下位ランカーに。フライ級転向後はジェニファー・マイアと同じくバンタム級下位ランカーだったルーシー・プディロヴァに勝ったのみ。正直、レベルが下がった感は否めない。

両者なかなか間合いに入らない。じわじわ詰めるシェフチェンコだが、カモーシェが距離を取りパンチが当たらない位置に。カモーシェがワンツーを放つが遠すぎてただのシャドーボクシングになってる。じわじわ出たシェフチェンコ。飛び込んで左を出す。シェフチェンコバックキック。極端にヒット数が少なく、当たっているのはローくらい。残り1分からホーンまで、ローが2発ヒットしたのみ。

1R手数でシェフチェンコ

2R。まだ間合いが遠いカモーシェ。踏み込んでパンチを出しても届かない。カモーシェ初めてタックル。しかし距離がありすぎてシェフチェンコは見てから対応しても切られる。じわじわ出るシェフチェンコ。スーパーマンパンチがヒット。展開変わりないまま残り1分。シェフチェンコが時折飛び込んでパンチをヒットさせる。カモーシェもパンチを出すが届かない。シェフチェンコバックブローからワンツーのコンボ。ホーン。

2Rシェフチェンコ。カモーシェのヒット数、1R・2Rともに2発のみ。展開を変えなければ判定での勝ちはなくなる。

3R。初めてミドルを当てたカモーシェ。蹴り合い。このラウンドも間合いが遠いためカモーシェのパンチはまるで届かない。会場はブーイングが飛ぶ。シェフチェンコが前に出てワンツーをヒットさせる。カモーシェスリップ気味にダウン。寝たままのカモーシェだがシェフチェンコ付き合わない。ブレイク。カモーシェが出たところで四つに組んだシェフチェンコ。ダブルアンダーフックから反り投げでテイクダウン。カモーシェは下から両腕をホールでしてかかと蹴り。このままだとラウンドを落とすだけだが…。密着したまま細かい打撃を入れ合う。ホーン。

3Rシェフチェンコ

4R。今さら手数を増やしてきたカモーシェ。ただ、相変わらず間合いが遠くパンチは届かない。シェフチェンコの踏み込んでのパンチやローがヒットする。カモーシェタックル。かわされた。ギロチンで引き込んだが外されガードに。ラバーガードで固定するカモーシェ。放すとまたかかと蹴り。シェフチェンコはパスを狙う。ブレイク。タックルに来たカモーシェにバックブローをヒットさせたシェフチェンコ。がぶりながら殴る。ハーフで押さえ込む。スイープを狙うカモーシェだがホーン。

4Rシェフチェンコ

5R。パンチを出すカモーシェだが、おそらくこの試合一発もヒットしていない。相手の手前の空を殴っているだけ。カモーシェシングルレッグ。がぶって切ったシェフチェンコ。ガードを取るカモーシェ。ハイガードを取ろうとするカモーシェだが、シェフチェンコが密着したままなので何も仕掛けられない。ハーフにしたシェフチェンコ。肩パンチ。カモーシェは下から嫌がらせの打撃を入れるくらいしかできない。残りわずかで立ち上がったシェフチェンコ。スタンドに戻ったところでタイムアップ。

四方に礼をするカモーシェ。さすがに勝ったとは思って内容で無表情。

判定三者ともフルマークでシェフチェンコ勝利。

カモーシェはスタンドではまったくリスクを取ろうとせず。グラウンド勝負という作戦だったとしても、距離を取りすぎていたらタックルも決まらない。怪我でもしていたのかもしれないが、最後まで勝負しようという心が見えないまま終わった。

UFC on ESPN+14:セミファイナル・ヴィセンテ・ルケ vs. マイク・ペリー

ウェルター級。

UFC9勝はすべてフィニッシュ勝利で現在5連勝中のルケ。最後に敗れた現ランキング4位のレオン・エドワーズに負ける前も4連勝しており、直近10試合で9勝1敗だが、なぜか全然チャンスが与えられず、ランキング入りしてからようやくランカーとの試合が組まれたが、相手のニール・マグニーがドラッグテストで陽性となり、初参戦の選手相手に変更。力の差を見せ1RKOしたが、ジェフ・ニールのランクインにともないランク外に押し出されてしまうと、今回もまたノーランカーのペリーとの対戦に。

もっともペリーはノーランカーではあるものの、UFCからはプッシュされ気味の選手。デビューから5戦は4勝(4KO)1敗だったが、ランカークラスと当たるようになると2勝3敗。勝っても以前のようなインパクトのあるKO勝利ではなく判定が増えてきた。前回もルケ同様に不遇のためランキングから外れたアレックス・オリヴェイラと対戦し、2Rにオリヴェイラが足を痛めたこともあり判定勝ち。

右を入れたペリー。ルケガードを固めて出る。ペリーワンツー。左ミドルから左ハイ。ペリーのジャブがルケのガードの合間から顔面を捕らえる。ルケ飛び膝。プレスしてペリーをケージ際まで下がらせる。出てくるペリーにカウンターを合わせるルケ。残り30秒でペリーラッシュ。ガードの上からパンチを打ち込む。ルケ距離を取り逃れる。ホーン。

1R手数はほぼ五分。

2R。ペリーがパンチから組み付くとダブルアンダーフック。押し込みテイクダウンを狙うが倒せず離れる。ルケが距離を詰める。左ハイ。ペリーの左をもらった。左が相打ち。ペリーの右が入った。さらにアッパー。ルケ後退。しかしルケのパンチも入り今度はペリーが後退。両者のパンチが顔面に入っており鼻血を出す。

2Rも僅差。

3R。打撃で手数が多いのはルケ。ペリータックル。ケージに押し込むが倒せない。ケージ膠着。ブーイングが飛ぶ。ルケの飛び膝にタックルを合わせたペリー。ルケギロチン。しかし効いてないとアピール。ルケ全力で絞める。ペリーの顔面のカットで大量の出血。決まってないがなかなか外せないペリー。ようやく外したが残り20秒。ペリーパウンド。タイムアップ。

29-28ペリー、29-28ルケ、29-28ルケ。スプリットでルケ勝利。

ルケ、UFCで初めての判定勝利ながらこれで6連勝。

UFC on ESPN+14:第11試合・エドゥアルド・ガラゴリ vs. ウンベルト・バンデナイ

フェザー級

唐突にUFCデビュー戦ガラゴリの試合がセミ前で組まれているのは、ガラゴリが今大会(というより現UFC契約選手で)唯一のウルグアイ在住ファイターだから。生まれはウルグアイとの国境に隣接したブラジルのサンタナ・ド・リブラメントで、国籍はブラジル。MMAキャリアは12戦全勝で、ほぼウルグアイローカルイベントでの成績のため、相手のレベルは不明。テコンドー・ムエタイからMMAに転向した。

相手のバンデナイも同じラテンアメリカのペルー出身。同じくストライカーで、昨年のUFCデビュー戦はハイキックで26秒KO勝ち。2戦目はパンチを貰いダウンし、ガードからの腕十字をスラムで叩きつけられ39秒失神KO負け。3戦目は1Rは優勢だったものの、初の2Rに突入するとスタミナが切れて判定負け。

地元勢ということで歓声をもらうガラゴリ。バンデナイも大きいくくりでは地元なのだがブーイング。

左ハイを放ったガラゴリ。間合いが詰まったところでバンデナイがタックル。尻餅をついたガラゴリはケージまで移動し立とうとするが、腰にしがみつき立たせないバンデナイ。立った。膝を入れるバンデナイだが、ガラゴリは四つからテイクダウン。ハーフからパウンドを入れたが自ら立つ。スクートでブレイク。右ボディから左フックをヒットさせたガラゴリだが、バンデナイのタックルで倒される。またケージを背に座った体勢。立ったガラゴリ。バンデナイは飛びつき引き込みを狙ったがガラゴリ付き合わず。残り1分。四つから引き剥がしたガラゴリがパンチのラッシュ。組んだバンデナイがまたテイクダウンを狙う。倒せずホーン。

1Rガラゴリ。しかしテイクダウンはけっこう取られている。

2R。ローを入れるガラゴリ。バンデナイのパンチがヒットしぐらついたが、パンチを打ち返し凌ぐ。ガラゴリまたパンチで出るがバンデナイも打ち返す。パンチから組んでケージに押し込むガラゴリ。ガラゴリパンチを打ち込む。両者若干手数が減ってきた。残りわずかでバンデナイがタックル。テイクダウン。ホーン。

2Rも打撃のヒット数でガラゴリ。

3R。パンチを入れていくガラゴリだがバンデナイに組まれると簡単にテイクダウンを許す。スタミナが切れてきている。ガラゴリ肘を入れるが後頭部気味。レフェリースルー。バックに回ろうとしたバンデナイだが、ガラゴリ回らせずに立つ。ケージ膠着でブレイク。バンデナイタックル。ケージに押し込むが入れ替えるガラゴリ。離れた。両者疲れている。打撃戦。バンデナイのタックルを切ってパンチを入れるガラゴリ。残り10秒でタックルに入ったバンデナイ。切られるとパンチの打ち合い。タイムアップ。

内容は普通の前座の試合だが、会場は地元選手の試合に大歓声を送る。

三者フルマークでガラゴリ勝利。しかし今後成長したとしても、次のウルグアイ大会が開かれない限りはメインカードに出てくることはなさそう。