第１試合 渡邊vs大室
大室のタックルをほぼ完全に切り、重いパンチを入れた渡邊の圧勝。4Rに唯一大室がマウントからパンチ連打→腕十字でクラッチを切るが、逃げられる。グラウンドのレベルでは大室がかなり上のようで、ポイントほどの実力差はなかったかもしれない。しかし渡邊は体格でも勝っているのだし、パンクラスアテナのエースとして一本勝ちを狙いに行ってほしかった。
第２試合 折橋vs山岸
山岸のパンチがヒットし、折橋が豪快にダウン。追い討ちをかける山岸に対し、足関をしかける折橋だが、その体勢でパンチを浴び続けてレフェリーストップ。最初のダウンでとめても良かったと思う。
噂にたがわぬハードパンチャーぶりを見せた山岸。MEGATON級にまた楽しみな選手が現れた。
第３試合 和田vs長岡
1R、上になった和田ががぶりからのモモセなどで優位に立つ。2Rは長岡が投げて上四方を奪うが、決め手なし。2Rを長岡のラウンドにするのは微妙かと思ったが、判定1-0（1が和田）でドロー。
和田はプロ意識を持って戦おうという姿勢が自分には見えるのだが、残念ながら観客に伝わらせられなかった。正直この試合はいらなかった。
第４試合 セハクvs野地
組み付くセハクだが、野地はテイクダウンを許さない。組んだ状態から膝。いやがるセハク。一度テイクダウンするが、逃げられスタンドに。コーナー際で押し込んだ状態から、野地の膝連打をくらい、うずくまってしまう。野地が追い討ちのパンチを入れたところでレフェリーストップ。
野地はこれでいきなりランキング１位か？かなり良くなっていたようにも見えたが、それよりセハクがどういう状態で練習しているのかなというのが気になってしまった。セコンドについたのは竹内だったし（K'zつながりか）。
野地はキックルールで桜木とやっても面白いかも。
第５試合 長谷川vs北岡
北岡がタックルでテイクダウンを奪うも、長谷川はどの体勢からでも常に関節を狙い、攻め込ませない。猪木アリでも下から蹴り上げてパウンドを防ぐ。北岡は常に上にいるのに、攻めている印象がない。長谷川が十字で惜しいシーンも見せるが、決定的なポイントを奪うまでには至らず。
この試合はトーナメントルールのため、マスト判定。全員30-30のドローというのは予想できたが、2-1のスプリットで北岡が勝利。たしかに長谷川はことごとくテイクダウンを奪われてはいたが、どちらを勝者とするか考えたら、極めを狙っていった長谷川だと思う。こんな内容で喜んでいる北岡は駄目すぎ。決勝の井上戦も100％期待できない。興行的にも長谷川を勝者にしたほうが良かったのでは。
第６試合 山宮vsカストロ
タックルで組み付く山宮だが、腰が重いカストロを倒せない。逆にコーナーに詰められ、パンチ・膝をもらう。カストロは1R終盤にテイクダウンで上になると、猪木アリから強烈な踏みつけ連打。クリーンヒットはなかったが、このラウンドは優勢。2Rも山宮がカストロをテイクダウンできない展開が続く。セコンドの指示に従い、体勢を入れ替えたりもするのだが、すぐ戻される。3R。ローをキャッチしてテイクダウンに成功した山宮がパスガードを狙うが、足一本までで、またガードに戻される。上からこつこつパンチを入れるが、全く有効に見えない。逆に下からカストロに殴られる。タイムアップ。
判定３−０でカストロ勝利。3Rは山宮が取ったという見方もあるかと思ったのだが、フルマーク。3Rの山宮が全く有効な攻撃をしていないとみなしたのなら、早めにブレイクを取っても良かったのでは？廣戸レフェリーはいつもブレイク遅めだが・・・。
山宮が変わったところは足一本を超えたところだけ。またゼロからやり直しか。カストロが良かったようにも見えたが、このレベルをのさばらしておいてはいけないと思う。
第７試合 佐々木vsシム
スタンドで単発のロー、ミドルを入れあう展開。組み付くと、佐々木は足をかけてテイクダウン。この日の佐々木は集中力がすごく、好調時に近かった。2Rにはテイクダウンからパスに成功し、サイドから腕十時を狙おうとするが、逃げられる。3R。シムが打撃でラッシュをかけると、防戦一方となった佐々木はだっこちゃん引き込み。ここでそれをやったら駄目。あとはひたすら上になったシムがこつこつパンチを入れてタイムアップ。判定は２−０でシム。ややシムの評価が落ちたかなという感じ。佐々木は最後まで攻める姿勢があれば、スランプ脱出と言えたのだが・・・。
セミ 三崎vsモウラ
２年前の郷野戦に比べ、本来の階級に戻りシェイプアップされたモウラ。郷野戦ではずっと横にステップ踏んでいるだけという印象があったが、この日はアグレッシブに打撃＆タックルを入れていく。モウラが勢いで押しつつも、冷静に裁いていく三崎。2Rに入り、三崎のパンチがヒットしモウラの動きが止まる。その一瞬を見逃さず、三崎がパンチ・膝の猛ラッシュ。投げて上四方を取った三崎は、そこから変形の肩固め。スピンしないスピニングチョークといった感じ。モウラ、心が折れていたのか割と早くタップ。
ここまでずっとしまりのない試合が続いていたのを、三崎が締めた。モウラもベストのウェイトならなかなかいい選手だった。マイクで「対抗戦は負けたけど、精神的にはGRABAKAの勝利と思ってる」と言ったのはどうかと思ったが。
メイン 郷野vs桜木
先日の全日本キック同様、梅木＆和田両レフェリーがジャッジをやる。西田戦同様に自分の距離からパンチを当て、ディフェンスも完璧。1R早々にパンチのコンビネーションでダウンを奪う。客席からは「もっと見たい！」との声も出るが、まさかあんなものが見られるとは・・・。
その後も郷野が圧倒。まったくレベルが違う感じ。これならシム戦も問題ないか・・・と思われた瞬間、桜木のフックが炸裂し、郷野ダウン！明らかに効いている。立ち上がった郷野だが、レフェリーは続けられないと見て止めた。
続けられそうにも見えたが、あのままやっても桜木の追撃でKOされていただろう。
桜木は一発があるというより、異常な勝ち運を持った選手。謙吾戦でも駄目だこりゃというところから逆転KOしているし。技術的には特に見るべきところはないけど、これが何度も続くなら立派な実力と言っていい。
郷野はやっちゃったという感じ。実力的には圧倒的に上だったのだが。この試合を組んだ上にメインにまでしてしまったパンクラスも痛いだろう。郷野は全日本キックのリングでもう一度やらなければいけないか。思わぬ遠回りになってしまった。
その他
横浜大会×３の理由はスポンサーがついたことらしい。どっかの会社とか、横浜中華街のなんとか店とかが休憩時間に挨拶。全試合で勝者にトロフィー授与もした。しっかし横浜は遠すぎなので勘弁してほしい。客入りは半分くらい。後楽園なら超満員なのかもしれないが、かなり寂しい感じがした。
正面にモニターがあり、ひな壇がないため1階ではグラウンドが全く見えないので重宝した。PPVでもないのに各試合の煽りVがあったが、相変わらずセンス悪。唯一、長谷川の煽りの時に天心代表が出てきて自分は笑えたが、会場は無反応。
ベストバウトはセミの三崎か。それにしてもメインはきっついことになった。久江とデートどころじゃないって。近藤戦、ショーグン戦に続いての「大口を叩いての負け」。でもなんか、郷野はこういうのが似合うキャラになってしまっているような・・・。
