格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★UFC149感想

マット・リドル vs. クリス・クレメンツ
レスリングと笑顔が武器のリドル。レスリングはモンスター揃いのウェルター級ではトップクラスとは言えないが、笑顔の爽やかさではUFC屈指。本日のジモティでは一番最後に試合をするクレメンツは、ボクシングがバックボーンで打撃が武器。一方でグラウンドには穴がある。
1Rは打撃でもリドルが互角に撃ちあい、左ミドルを効かせる。
2Rはテイクダウンからバックに回ったリドルだが、攻め切れないとタックルを切られ、クレメンツのパウンドを許す。
3R。クレメンツのパンチをもらうリドル。徐々に打撃の実力差が出てきた。クレメンツの足をキャッチしてテイクダウンを奪うが、攻める前に立たれてしまう。スタンドで組み付いたリドル。スタンドでの肩固め!そのままテイクダウンしてタップを奪った。
ジェイムス・ヘッド vs. ブライアン・エバーソール
ウェルター級。1ヶ月のインターバルでの出場となるエバソ。ヘッドがスタンドで重い打撃を打ち込んでいく。タックルのフェイントを見せつつ変則的な打撃で打ち合うエバソだが、打撃では劣勢。タックルも切られる。が、ヘッドがギロチンに入ると首を抜いて上を取る。強烈なパウンドを落とすが、下から蹴り離されスタンドへ。エバソ、逆立ちしてのカポエイラキック放つが、潰され下に。ホーン。
1Rはスタンドの有効打でヘッド。
安易なタックルを潰されるエバソ。ヘッドはがぶりから攻めこまずに離れる。ヘッドのテンカオに対し、エバソもパンチを返す。スタンドでヘッドがパンチを出すと頭を下げてしまうエバソだが、致命傷は避けている。またタックルを潰されたが離れた。飛び込みアッパーヒット。ヒジの打ち合い。ボディへの膝が効いたか、後退したエバソだが、ヘッドが出てくるとテイクダウン。ヘッドがきれいにスイープ。
このラウンドもヘッド。
3R。エバソのタックルは真っ正直すぎて全く通用しない。スタンドでバックを取ったヘッド。グラウンドに持ち込むが、スイッチでエバソがバックを取り返そうとすると離れて脱出。左ミドルを入れていくエバソだがタックルはまた切られる。膝をついたまま殴りに行くエバソ。エバソのタックルが切られる→離れてスタンドという展開が続く。残り30秒で上になりサイドを取ったエバソだがタイムアップ。3Rはエバソ。
判定スプリットでヘッド博士勝利。エバソに入れたジャッジは1Rも取ったと見たんだろうけど、そんなに微妙な内容ではなかった。エバソはUFC4連勝でストップ。いかにもフィジカルが強そうに見えない体型のエバソでは、ミドルから落としてきたヘッド相手には相性が悪かったか。もっともウェルター級トップ戦線だとそれくらいのフィジカルは通常仕様なので、あのタックルではレスラーからテイクダウンも難しいし、今のままでは中堅以上に上がるのは難しいかもしれない。やはりライト級転向を考えたほうがよさそう。
ショウン・ジョーダン vs. シーク・コンゴ
日本大会でマーク・ハントに敗れて以来のコンゴノゲイラと対戦予定だったが、ノゲイラ欠場により新鋭ジョーダンとの対戦に。
打撃戦ではコンゴが優勢。金網に押し込んだジョーダンだが、コンゴはバックに回りこむ。しかしジョーダンが苦し紛れに振り回したヒジがローブローになり中断。スタンド再開。太い体に似合わず軽快にサイドキックを放つジョーダン。今度はコンゴが押しこむが、ジョーダンが体勢を入れ替えてテイクダウンを狙う。倒せずホーン。1Rはコンゴ
2R。パンチからテンカオをヒットさせ、また金網に押しこむコンゴ。両者体を入れ替えてテイクダウンを狙うが倒せず。コンゴの膝がボディに突き刺さる。離れてコンゴのパンチがヒットする。またバックに回る。離れてまたパンチで飛び込むコンゴ。ダブルレッグで倒そうとするジョーダンだが倒せず。またバックに回られる。キープしてパンチを入れる。コンゴが亀になりグラウンドへ。しかし落とされてジョーダンが上を取る。コンゴパウンド。ホーン。2Rもコンゴだが、かなり疲れている様子。すぐにコーナーに戻れない。
3R。スタンドで膝を入れるコンゴだが、すぐに組んでの膠着に。金網際で押し付けてコンゴが膝を入れる展開が続く。ジョーダンいいところなし。タイムアップ。大ブーイング。
判定30-28、30-37×2でコンゴ勝利。
ヘクター・ロンバード vs. ティム・ボーシュ
ミドル級。大物ロンバート登場。34歳で決して若くはない。ライトヘビーから落としてきたボーシュが頭半分くらい大きい。体の幅も違う。
じっくり出ていくロンバート。ボーシュの打撃をさばいてパンチを返す。タックルを切るとバックに回ってパウンド。起き上がったボーシュだが、ロンバートがテイクダウン。金網を使って立ち上がるボーシュだが、ロンバートは離れ際にパンチを入れる。フットワークを使うボーシュと対照的に、どっしりと構えてプレッシャーを掛けるロンバート。一発一発のパンチが重そう。しかし単発で手数が少ない。ボーシュのタックルは完璧に切る。ホーン。
2Rもじわじわ出ていくロンバート。ボーシュはパンチの距離にならないようにしている。離れてロー。距離が詰まるとロンバートのパンチが飛ぶが、ガードの上。ロンバートちょっと見過ぎ。もっともボーシュも中に入れない。前蹴りがみぞおちにヒットし、効いたボーシュが後退。すかさず距離を詰めたロンバート。ボーシュはタックルでしのごうとするが潰したロンバートがパウンド。起き上がるボーシュ。ロンバートがテイクダウンを狙うが、ボーシュが切り返して倒し上に。しかしすぐに立つロンバート。2R終了。このラウンドは効いた打撃もあり、確実にロンバート
3R。リング中央で待ち構えるロンバート。このラウンドも変わらず。KOするしかないボーシュだが、間合いに入っていけない。パンチからタックルに入るボーシュだがロンバートは切る。タックル警戒は相当しているようだが、その分見合いが続いて手数が乏しい。会場からはブーイングが鳴り止まない。組み付いてテイクダウンを奪ったロンバート。しかしボーシュはすぐに立つ。タイムアップ。手を挙げるボーシュ。
判定29-28、28-29、29-28のスプリットでボーシュ勝利!ロンバートUFC初戦で敗れる。手数の差を取られたか。KOされるような危ない場面は殆ど無かったが、あまりにも見過ぎた。明確にダメージを与えたのは2Rの前蹴りのみ。ロンバートの勝ちでも全くおかしくない内容ではあったが、1,3Rは逆の目が全くないというほどは攻め込んではいなかった。それをやる余裕がなかったというなら仕方がないが、できるのにやらなかったように見えるので不満が残る。
ユライア・フェイバー vs. ヘナン・バラォン
バンタム級暫定王座決定戦。
ムエタイの構えのバラォン。カードを下げて左右にステップを踏むフェイバー。お互いヒット&アウェイで打撃を入れていく。フェイバー、よそ見フェイントからのパンチ。バラォンがハイキックで吹き飛ばし、さらに飛び膝。離れ際にさらにパンチ。ガードの上だったが強烈。リーチも若干長いバラォンのジャブがヒットする。1Rはバラォンか。
タックルは全く見せていないフェイバー。しかし打撃だとここまではバラォンが優勢に見える。クリーンヒットの差ではバラォン22に対しフェイバー11。
飛び膝から左フックをヒットさせるバラォン。フェイバーは組み付いて追撃を防ぐ。離れた。バラォンの左ハイがフェイバーの頭部をかすめる。バラォンがパンチを集めて攻め込んできた。フェイバーも返すが、全体的にバラォン優勢。ホーン。2Rもバラォン。
ガードの合間を縫ってバラォンのワンツーがヒット。金網まで後退したフェイバー。
3R以降、フェイバーは打撃にタックルを混ぜ始める。打撃では勝てないと見たか。いろいろな手段で突破口を開こうとしているが、全て潰されてどんどん手詰まりになってきている。特にテイクダウンに対しては完全な反応で、蹴り足をキャッチされても倒されない。
49-46、50-45、49-46でバラォン勝利。スタンドでの圧が半端ない。ただ若干受け身で(その分テイクダウンはパーフェクトに凌ぎ切ったけど)、強烈な打撃を当ててはいても、明確に倒そうという意志が感じられなかったのが観客からのブーイングにつながっているのかもしれない。膝前十字靭帯断裂で欠場中の現王者クルーズは、約1年のブランク明けでいきなりバラォンというのは相当に高いハードルになるのでは。

  • ファイト・オブ・ザ・ナイト:ギャノン vs. キャラウェイ
  • KO・オブ・ザ・ナイト:ライアン・ジーモ
  • サブミッション・オブ・ザ・ナイト:マット・リドル

ボーナスは6万5千ドル。
前座は非常に面白かったのに、メインカードはどんどんしょっぱくなってしまい残念。メインのバラォンは強かったが、前の試合までの微妙な空気を吹き飛ばすほどではなかった。