格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC on ESPN46:第5試合・ジョン・カスタネーダ vs. ムイン・ガフロフ

バンタム級

カスタネーダはUFC2勝2敗。UFCデビュー戦で敗れた後、2連続フィニッシュ勝利し、前回はダニエル・サントスに1R3度のダウンを奪い勝利目前としたものの、攻め疲れで2Rに失速し、逆転KO負け。バックボーンはレスリング・柔術。31歳。

タジキスタンのガフロフはUFCデビュー戦。ONEで3勝3敗の成績を残した後、2019年にUFCと契約したが、ONEの契約が残っており試合は消滅。その後、契約切れを待って2021年にコンテンダーシリーズに出場したもののスプリット判定負け。昨年からLFAに出場し、10月にバンタム級王座決定戦で勝利しタイトルを獲得した(なお、バンタム級の歴代王者は全員UFCかBellatorと契約している)。今回はマテウスメンドンサの代役でUFCとの契約が決まった。テイクダウンからのパウンドが武器で、18勝中10KO・7一本勝ち。27歳。

ガフロフタックル。切ったカスタネーダ。離れる。ミドルを入れるガフロフ。さらに右オーバーハンド。踵落とし、バックスピンキック。カスタネーダのミドルをキャッチしたガフロフ。テイクダウンを狙ったが、放してパンチ連打。バックスピンキックをボディに入れたガフロフ。パンチから組み付いたガフロフ。離れるカスタネーダ。しかし左ハイがヒット!ガフロフぐらついた。さらにパンチを打ち込むとダウン!上になるカスタネーダに下からホールディングして凌ごうとするガフロフ。残り1分。スクランブルで上を取り返したガフロフだが、カスタネーダ立ち上がりスタンドに。ガフロフ回復したのかパンチで出る。右を放つカスタネーダ。ホーン。

1Rカスタネーダ。

2R。ガフロフが左右のフックを振り回し出る。右ハイ。ケージに詰めて左右のパンチを振り回す。大振りだが攻勢。カスタネーダのタックルは止めた。カーフキックをもらって一回転したカスタネーダだが、四つに組むとテイクダウン。背中を向けたガフロフからバックマウント。チョークを狙ったが、ガフロフ立ってカスタネーダ離れた。ガフロフ左右のフックラッシュ。しかし頭から突っ込んだところでバッティング。ガフロフ減点1。これは痛い。再開。カスタネーダのハイをキャッチしたガフロフがテイクダウン狙い。こらえたカスタネーダだがガフロフスタンドバックに。カスタネーダ前転して足関を狙うが上から押さえ込むガフロフ。しかしカスタネーダ立った。ガフロフ左右のフック。大振りだがヒット。カスタネーダもパンチをヒットさせる。詰めるとタックルへ。しかしガフロフこらえる。スタンドバックに回るカスタネーダだが正対したガフロフ。ホーン。

2Rはガフロフだが減点があり9-9。

3R。シングルレッグでケージに押し込んだガフロフ。放してパンチを打ち込むとまたタックルへ。カスタネーダスイッチで凌いだ。離れる。今度はカスタネーダがタックルからケージに押し込む。バック肘を入れて離れる。カスタネーダが打撃で出る。ガフロフまた左右のフック連打。そこからタックルへ。切ったカスタネーダがケージに押し込む。カスタネーダダブルレッグから抱え上げてテイクダウン。残り2分。ガフロフ疲れもあるか。ハーフに。ガフロフ亀になり立ち上がるが、クラッチを放さないカスタネーダ。スタンドバックに。テイクダウンをケージつかみでこらえたガフロフだが、カスタネーダテイクダウンに成功。ハーフからマウントへ。亀になったガフロフ。カスタネーダチョークを狙ったがタイムアップ。

三者29-27でカスタネーダ勝利。減点関係なし。

ガフロフ、大振りの左右のフックがけっこうヒットしていたが、3Rはやや失速し、最後はテイクダウンも取られて判定負け。

UFC on ESPN46:第4試合・ジェイミー・ムラーキー vs. ムハンマドジョン・ナイモフ

ライト級。

オーストラリアのムラーキーはUFC4勝3敗。ラグビーで鍛えたフィジカルが武器。柔術も黒帯だが、16勝のうち10KO・一本勝ちは3。前回は地元のオーストラリア大会で、代役のUFCデビューとなった20歳のフランシスコ・プラドを全局面で上回って完勝。28歳。

グラム・クタテラーゼの代役でUFCデビューするのは次の試合に出場するガフロフと同じタジキスタンのナイモフ。2020年にコンテンダーシリーズに出場したが、判定負けで契約ならず。現在ローカルで3連勝中。MMAの試合数は意外と少なく8勝2敗。テコンドーベースのストライカー。28歳。

組んだムラーキー。スタンドバックに回る。クラッチを切って離れたナイモフ。ナイモフの蹴りをキャッチし軸足を蹴って倒したムラーキー。ナイモフ立ったがムラーキーがプレスしていく。ナイモフタックル。受け止めたムラーキーがボディロックからテイクダウン狙い。離れた。パンチで出るムラーキー。ナイモフは圧されてケージ際をサークリングする。ナイモフ前蹴りから飛び込んだがムラーキータックル。こらえたナイモフ。離れた。左を入れるナイモフ。詰めるムラーキー。左右のボディを打ち込みケージに押し込む。ワンツーを入れるムラーキー。ホーン。

1Rムラーキー。

2R。ムラーキーが詰めていくが、ナイモフ下がりながらローを入れる。ワンツー。ムラーキージャブをヒット。ナイモフバックスピンキック。ボディにヒット。ムラーキータックルへ。ボディロックから倒してテイクダウン。ナイモフ背中を向けて立つ。スタンドバックに。バックからパンチを入れるムラーキー。ナイモフ離れた。ナイモフのバックスピンキックは空振り。ムラーキーが詰めたところにナイモフの右フックがカウンターでヒットしダウン!パウンド連打!レフェリーストップ!

緊急UFCデビューのナイモフ、逆転KO勝利。

ムラーキーは優勢に試合を進めていたが、一発に泣いた。

UFC on ESPN46:第3試合・エリース・リード vs. ジン・ユ・フレイ

女子ストロー級

リードはUFCデビュー戦のみ階級上のフライ級で、バンタム級でも戦っているシジェラー・ユーバンクスに1RTKO負けでMMA初黒星。2戦目からは元のストロー級に戻し、ここまで2勝2敗。バックボーンはテコンドー、キック。30歳。

元Invicta王者で、RIZINでは浜崎朱加のスーパーアトム級王座に挑戦もしているフレイ。階級を上げてUFCと契約したが、ここまで2連敗→2連勝→2連敗で2勝4敗。前回はポリアナ・ヴィアナにキャリア初の1Rでのフィニッシュ負け(KO)を喫している。女子ストロー級ではジェシカ・ペネ40歳に次ぐ38歳で、負ければリリースか引退が濃厚だが、格闘技での収入に依存していないため、負けのプレッシャーは感じていないとのこと。

リードが詰めていく。フレイ組み付いた。ケージに押し込む。ボディロックから投げてテイクダウン。ハーフで押さえ込む。ガードに戻したリード。オモプラッタへ。腕を引き抜いて立ったフレイ。リードも立ってスタンドに。右を出したリードだがフレイの左がヒット。パンチで出るリードにフレイタックル。膝を着いたリードだが、立ち上がって膝を打ち込み離れる。バックスピンキックを放つリード。リードのインローに左フックを合わせたフレイ。リードパンチで出た。ケージに押し込みボディに膝。フレイ左を入れて離れる。詰めるリードにフレイ下がりながらパンチをヒットさせる。ホーン。

1Rフレイ。

2R。ローを入れるリード。蹴りで攻める。ワンツー。ハイ、サイドキック。フレイは自分の打撃の間合いに入る前に打たれている。フレイパンチをかいくぐってタックルへ。シングルレッグからテイクダウン。ハーフ。ガードに戻すリードだがフレイは上からパウンドを入れる。リード下からパンチを入れる。ハーフにしたフレイだが押さえ込んでいるだけに。リード下からキムラを狙う。腕十字へ。離れて立ったフレイ。スタンド。リードが打撃で出る。ワンツーを打ち込んで組み付いた。膝を入れると左を入れて離れた。ホーン。

2Rリード。

3R。ミドルを入れたリード。詰めてパンチを入れるとケージに押し込んだ。膝。離れる。フレイタックルからケージに押し込む。引き剥がしたリード。右をヒット。スタンドの打撃ではリードが攻勢。右がまたヒット。詰めていくリード。蹴りからワンツー。フレイのパンチは空振り。右を一発当てたフレイだがリード下がらない。ジャブを当てていくリード。残り15秒でタックルに入るフレイ。ケージに押し込むがリード引き剥がした。タイムアップ。

両手を上げて勝利アピールするフレイだが…。

29-28×3でリード勝利。

2Rからリードが打撃をヒットさせるようになり、フレイは劣勢のまま展開を変えられず。

UFC on ESPN46:第2試合・ダモン・ブラックシア vs. ルアン・ラセルダ

バンタム級

ブラックシアは代役でのUFCデビュー戦は1-0ドロー。今年3月の2戦目はUFCデビュー戦のファリド・バシャラートとの対戦で、カーフキックを効かされて判定負け。12勝中、一本勝ちが8回ある反面、KO勝ちは1試合しかない。28歳。

ラセルダもKO勝ちは1試合もなく、2人合わせて24勝でKOが1つしかない。しかし打撃が全く出来ないわけではなく、バンタム級で185cmもある長いリーチを利したパンチや蹴りを武器にしている。1月のUFCデビュー戦では、いきなりUFC11戦6勝のベテランコーディ・ステーマンと対戦し、2Rまでは打撃で劣勢で、3Rになりテイクダウンを奪い攻勢となったが追い上げが届かず判定負け。30歳。

ブラックシアが腹に前蹴り。ラセルダの右フックがヒットするが、ブラックシア組み付いてケージに押し込む。バックに回りスタンドバック。ラセルダ前転して足関狙い。ブラックシアパウンドで防ぐ。なおも足関を狙うラセルダ。膝十字。やや浅い。尻を蹴って足を抜いて立ったブラックシア。ラセルダも立ってスタンド。ブラックシアパンチを打ち込む。ラセルダも大振りのパンチを返す。ブラックシアがタックル。テイクダウン。ラセルダまた下から足関を狙う。防いで立つブラックシア。打撃戦。パンチを貰っているラセルダ。防御が甘い。残り20秒でタックルに入るラセルダ。ブラックシアはシングルレッグにカウンターのキムラ。そのまま後方に倒れ込んで腕十字に移行したがホーン。

1R打撃でブラックシア。

2R。ガードが下がったままパンチを打ち込んでいくラセルダ。パンチで出るが、ブラックシアのパンチを貰う。ガードが甘く打たれながらだがラセルダ詰める。四つに組んだラセルダがテイクダウンを狙うが、潰され下に。しかしラセルダ足関へ。アンクル。パンチを打ち込むブラックシア。足を四の字で組んでディフェンスするブラックシアだが、ラセルダしつこく足関を狙う。膝十字を狙うが、伸ばそうとしている足がクラッチされていて伸ばせない。ブラックシアパウンド。足関狙いのラセルダ、防御できず打たれる。さらにパウンド連打。打たれ続けるラセルダを見てレフェリー止めた。

最後まで足関を狙っていたラセルダだったが、足が完全にクラッチされていて取れそうにない状態で打たれ続けていたので、ストップもやむ無しか。

UFC on ESPN46:第1試合・フィリペ・リンス vs. マキシム・グリシン

ライトヘビー級。

元PFL対決。ブラジルのリンスは2018年にヘビー級トーナメントを制し100万ドル獲得。翌年はケガで欠場すると、2020年からUFC参戦。が、アルロフスキーとタナー・ボーザーというランク外の選手に2連敗。3戦目からはライトヘビーに落とすと、マルチン・プラフニオ、オヴァンス・サン・プレーに2連勝中。37歳。

ロシアのグリシンはリンスと同じ2018年にPFLに出場しているが、こちらは当初からライトヘビーでの出場。予選で2連勝したが、決勝トーナメント初戦でドロー敗退(ドローの場合、1Rを取った方が勝ち上がるルール)。2019年もPFLに出場し、同じく予選リーグは2連勝したが、またも決勝トーナメント初戦でドロー敗退。2020年からUFCに参戦。代役出場だった初戦はヘビー級で判定負け、その後はライトヘビーで2勝1敗(が、そのうち2試合は自身と相手が計量失敗してキャッチウェイトになっている)。かつてはヒョードルらが所属していたレッドデビル・スポーツクラブでトレーニングしていた。39歳。

リンスの右オーバーハンドがヒット。組んでケージに押し込む。離れた。リンスカーフキック。詰めるグリシンもカーフを入れる。飛び込んでパンチを打ち込むリンスだが、グリシンが組み止めてケージに押し込む。足踏み。離れた。リンスがパンチを放つがまた四つに組んだグリシン。リンスがパンチラッシュ。ケージに詰めて連打を打ち込む。腕でブロッキングするグリシン。リンス組んで押し込み。離れた。グリシンの右ハイはブロック。ケージに詰めたリンスだが、グリシンバック肘。ヒットしたが構わずパンチを連打するリンス。ホーン。

1Rリンス。

2R。リンスがパンチで攻める。グリシンスウェーでかわすが、リンス組んでケージに押し込み。リンスダブルレッグ。担ぎ上げてテイクダウンを狙う。グリシンが手をついたところで背中に乗ろうとしたが乗れず。スタンドバックになるがグリシンキムラを狙う。リンステイクダウンを狙ったが倒せず。グリシンの肘がヒット。リンス下がった。追うグリシン。パンチを放つがリンスも打ち返しヒット。グリシン右ミドル。そこから組み付くが、リンスがボディロックしテイクダウン狙い。倒せないがスタンドバックに。クラッチを切ったグリシンが正対。リンス押し込むが、グリシンが押し返し離れる。残り1分。詰めるグリシン。パンチを入れるがリンスも打ち返す。ホーン。

2R手数は五分、組みでテイクダウンを取りかけたリンスの可能性もあるが微妙。

3R。リンスのパンチ連打にグリシンは肘を返す。グリシン組み付いたが、リンスがケージに押し込む。離れたリンス。パンチを打ち込むとすぐに組むグリシン。リンスケージに押し込む。ダブルレッグへ。グリシンブラウン肘で抵抗。肘を入れたグリシンだが、リンスがパンチのラッシュ。かわすグリシンだがまた組んだリンス。四つでクラッチしてケージに押し込む。ボディに膝。ダブルレッグを狙うがディフェンスするグリシン。入れ替えて離れる。出ていくグリシン。ケージに詰めてミドル。今度はグリシンがタックルに入るが、受け止めてケージに押し込むリンス。残り1分。リンステイクダウン狙い。こらえるグリシンだが時間が過ぎていく。スイッチから逆にテイクダウンを狙ったグリシンだがタイムアップ。

30-27、29-28×2の3-0でリンス勝利。

リンスはライトヘビーに落としてから3連勝。

UFC on ESPN46:オッズ/予想と展望

カイ・カラフランス 1.91
アミル・アルバジ 1.91
アレックス・カサレス 1.56
ダニエル・ピネダ 2.55
ジム・ミラー 2.55
ジャレッド・ゴードン 1.56
ティム・エリオット 1.56
ビクトル・アルタミラノ 2.55
カリーニ・シウバ 1.47
ケトレン・ソウザ 2.85
アブバカル・ヌルマゴメドフ 1.91
エリゼウドス・サントス 1.91
ダニエル・サント1.48
ジョニー・ムニョス 2.80
アンドレイ・アルロフスキー 2.10
ドンテイル・メイエス 1.77
ジョン・カスタネーダ 1.80
ムイン・ガフロフ 2.05
ジェイミー・ムラーキー 1.22
ムハンマドジョン・ナイモフ 4.70
エリース・リード 1.77
ジン・ユウ・フライ 2.10
ダモン・ブラックシア 2.25
ルアン・ラセルダ 1.69
フィリペ・リンス 2.15
マキシム・グリシン 1.74

Road To UFCを挟んで2週間ぶりのUFC

メインはカイ・カラフランス vs. アミール・アルバジのフライ級戦。ノンタイトル戦のフライ級マッチがメインで組まれるのは、2017年のセルジオ・ペティス vs. ブランドン・モレノ戦以来となる。女子の試合よりも少ない。今回も、本来はジャック・ハーマンソン vs. ブレンダン・アレンが組まれていたのが、ハーマンソンの負傷欠場で消滅したことによっての昇格。フライ級の評価はまだ低い。

RIZINファイターのカラフランスは、3連勝で初のタイトル挑戦(暫定王座決定戦)のチャンスを掴んだがKO負け。アデサニヤやヴォルカノフスキーと同じシティキックボクシング所属で、フライ級ながらKO勝ちが多いストライカー。

アルバジはイラクバグダッド出身で、アラブ系初のUFC王者を目指している。UFCデビューから4連勝でランキング7位につけているが、ここまでランカーとの対戦はない。前回ブランドン・ロイヴァルとの対戦が組まれていたが、ロイヴァルの欠場によりUFCデビュー戦の相手との対戦に変更になった。柔術ベースのグラップラー。エクストリーム・クートゥアに出稽古に行った鶴屋怜が「アルバジをスパーでボコボコにした」と言ったことでも日本では有名。

お互いUFCで初のメイン。カラフランスは2試合連続での5Rマッチだが、ローカル時代も含めて3度の5Rマッチはいずれも3R以内に決着している。アルバジはローカル時代を含めても初の5Rマッチ。

カラフランスKO勝ちと予想。

アンダーカードでは大ベテランのジム・ミラーとアンドレイ・アルロフスキーが登場。ミラーはUFC最多の42戦目、アルロフは2位の40戦目。勝ち星はミラーが同じく最多の24勝、アルロフは2位タイの23勝。年齢はミラーがライト級3番目に年長の39歳、アルロフは現UFCファイター最年長の44歳。ミラーは3連勝を、アルロフは4連勝をしていたが、両者とも前回敗れて連勝がストップしている。

第1試合開始は4日朝7時から。速報します。

Road To UFCシーズン2:準決勝組み合わせ/総評

準決勝組み合わせ。

フライ級:
鶴屋怜(日本) vs. マーク・クリマコ(アメリカ)
ジー・ニウシュイエ(中国) vs. チェ・ソングク(韓国)

バンタム級
シャオ・ロン(中国) vs. 上久保周哉(日本)
ダーエミィスウ・ザウパースー(中国) vs. イ・チャンホ(韓国)

フェザー級
イー・ジャー(中国) vs. キム・サンウォン(韓国)
神田コウヤ(日本) vs. リー・カイウェン(中国)

ライト級:
キム・サンウク(韓国) vs. ロン・チュー(中国)
原口伸(日本) vs. バテボラティ・バハテボラ(中国)

Road to UFC・一回戦の国別勝敗数。ワンマッチと中国人対決2試合は除外(括弧内は昨年の成績・不戦勝除く。クリマコはフィリピン勢としてカウント)。

中国:5-2(3-4)
日本:4-3(4-3)
韓国:4-3(5-1)
フィリピン:1-0(0-1)
インドネシア:0-4(1-4)
インド:0-2(0-1)

成績を見ても地元開催となった中国勢の躍進が目立つ。日本勢の4勝のうち2勝は中国人ファイターとの対戦だったが、いずれも判定を聞くまでどちらが勝ったかわからない接戦だった。昨年もだったが、出場者のレベルの差が大きい。特に、来年があるならインドネシア勢は枠を減らしてほしい。

優勝候補の一角の鶴屋と原口は、相手がインドネシア勢ということもあって圧勝するのはわかっていた。実質、次からが本当の勝負。鶴屋はUFCと契約してから下積みがなくてもいいように、全試合圧倒して優勝してほしい。原口はここから先は体格差の不利がある中で戦っていく必要がある。神田の準決勝は今大会の台風の目・リー・カイウェンとの対戦で、一番の山場。上久保は野瀬を破ったシャオ・ロンとの対戦。一回戦のジェライスーよりはテイクダウンディフェンスが強くはないだろうし、まだ戦いやすいか。

昨年のように、決勝まで行けば負けても契約できる可能性がある(準優勝4人中2人が契約)。全員、準決勝が一番の勝負どころとなる。

Road To UFCシーズン2エピソード4:第5試合・キ・ウォンビン vs. バテボラティ・バハテボラ

ライト級トーナメント一回戦。

GLADIATOR王者ウォンビンは2年連続の出場。昨年は優勝候補の一角と目され、一回戦、本来2階級下で緊急出場の鹿志村をパウンドアウトし一回戦で勝利したが、準決勝ではまさかのインドネシアONE PRIDE勢ジェカ・サラギに1RKO負け。今年1月に大阪のGLADIATORで再起戦を飾ると再出場を果たした。32歳。

中国のバハテボラはFight King Gold Belt Contestという良くわからないイベントで80kg級に出場し経験を積んでいたが、昨年LFAと契約し、ウェルター級に落としての初戦は判定負け、8月の2戦目はスプリット判定勝ち。その試合は終始スタンドでの展開で、バハテボラはタックルを仕掛ける場面もあったが切られている。チャイナ・トップチーム所属で、リー・ジンリャンがセコンドにつく。バックボーンはレスリング。25歳で7勝1敗1分け。

勝者は原口と対戦する。

お互い警戒して間合いを詰めない。ジャブで距離を測る。じわじわ詰めるウォンビンにバハテボラがパンチで出た。また詰めるウォンビン。ケージまで下がったバハテボラ。バハテボラがパンチで出るところに左フックをかぶせたウォンビン。またプレスしていく。バハテボラ左をヒット。被弾したウォンビン。後退。バハテボラがパンチで出るが、ウォンビン下がりながらもパンチを当てて凌ぐ。しかしまたバハテボラがパンチで出る。左がヒット。また左を顔面に打ち込んだ。ワンツーを返すウォンビン。また左をもらったが、ウォンビンも右を返した。ワンツー。またバハテボラの左がヒット。左フック。三日月蹴りを入れるバハテボラ。残り30秒。パンチから組んだウォンビン。テイクダウン狙い。振って倒したウォンビン。キムラで後方に倒れ込もうとする。腕十字に移行したが入れず。ホーン。

1Rはパンチを効かせたバハテボラのラウンド。

2R。ウォンビンまた詰めていく。飛び込んだバハテボラに左を合わせる。バハテボラ飛び込んで左。かわした。バハテボラ一転して組んでいく。スタンドバックを狙うが、正対したウォンビン。肘を入れて離れる。インロー。パンチを入れていくウォンビン。バハテボラ手数が出なくなった。ウォンビンの前手がアイポークになりタイムストップ。再開。ウォンビンミドルからパンチでプレスしていく。ケージまで下がったバハテボラ。右が入ってバハテボラダウン!すかさずバックに回ってパウンド連打。が、やや後頭部気味に入っている。レフェリー注意するが、さらに後頭部に入りタイムストップ。

バハテボラダメージが大きいか。続行できず試合終了。

裁定はバハテボラの反則勝ちに。ウォンビン、勝利目前での失着。明らかに後頭部しか見えてないところにパウンドを入れてしまった。

Road To UFCシーズン2エピソード4:第4試合・イ・チャンホ vs. ラナルドラ・プラタプ・シン

バンタム級トーナメント一回戦。

29歳のチャンホは韓国のTOP FCなどでキャリアを積み7勝1敗。唯一の敗戦はBRAVE CF韓国大会で、フライ級に落としたが判定負け。

インドのプラタプは11勝1敗の26歳。こちらも唯一の敗戦をBRAVE CFで喫している。11勝すべてフィニッシュしており、一本勝ちが9回ある。2年以上のブランク明け。

勝者は準決勝では第2試合で勝ったザウパースーと対戦する。

いきなり詰めたチャンホ。飛び膝から組んでケージに押し込んだ。ダブルアンダーフック。後方に倒してテイクダウン。足をさばきながらパウンドを落とす。足をサバいてサイドについて押さえ込んだ。マウントを狙ったが、防いだプラタプ。下から足関を狙ったが、回転して外したチャンホがマウント。顔面に肘!プラタプ下からクラッチすることしかできない。ケージを蹴ろうとしたが、蹴らせないチャンホ。シザースを狙おうとしたプラタプだが防ぐチャンホ。また肘・パウンド。チャンホアームロックに。しかし放してまた非違j。一方的。背中を向けたプラタプにパウンド連打。打たれるプラタプを見てレフェリー止めた。

圧勝。実力差がありすぎた。

Road To UFCシーズン2エピソード4:第3試合・ウィンドリ・パティリマ vs. 原口伸

ライト級トーナメント一回戦。

インドネシアのパティリマは当然ONE PRIDE出身。階級上のウェルター級王者だが、計量では常にリミットより1kg以上軽く、おそらくほぼナチュラルウェイトで試合をしていると思われる。身長も168cmしかない。本来はライトよりもさらに下のフェザーが適正かもしれない。29歳で8戦全勝、3KO・4一本勝ちだが、当然戦績は当てにならない。

2019年レスリン全日本選手権フリー70kg優勝、GRACHANライト級王者の原口。プロデビューは2021年でキャリア2年。2月の前戦は古豪小谷直之相手のタイトル防衛戦で、小谷を1RでKOしている。5勝0敗1NCの24歳。しかし通常体重は73kg程度しかなく、本人はフェザー級での出場を要望していたが、UFCサイドに認められずライト級でのエントリーとなった。24歳。

パンチで出てきたパティリマに原口タックル。両足を束ねて倒すと寝かせた。サイド。押さえ込みながら肘。ハーフにしたパティリマだが、原口がぶる。足をキャッチして再びハーフにするとパウンド。肘。パティリマ体勢を変えられず。落ち着いてパウンド・肘で削っていく原口。ガードに戻したパティリマだが肘を入れる原口。強烈な肘。打ち込みながらバックに回る。バックからパウンド。パティリマ立つが、なおもバックから殴るとまたタックルで倒した。残り15秒でインサイドから左右のパウンドラッシュ。ホーン。

1R原口。落ち着き払っている。

2R。すぐにタックル。両足を束ねてケージ際でテイクダウン。レッグマウントにしてパウンド。パンチをまとめていく原口。連打。パティリマ動けず打たれ続けるのみ。仕留めに来た。パウンドラッシュ。パティリマ打たれ続けてレフェリーストップ。

原口、日本勢の中でもっとも落ち着いた戦いぶりで完勝。相手がワンランク落ちるインドネシア勢とはいえ、幸先の良いスタートを切った。

「いつもパウンドで勝っているので、一本で勝ちたかったが、パウンドに頼ってしまった。スタンドの打撃と、グラウンドで一本を取りに行けるようにしたい」圧勝しても反省の弁を述べる原口。

Road To UFCシーズン2エピソード4:第2試合・エペライム・ギンティン vs. ダーエミィスウ・ザウパースー

バンタム級トーナメント一回戦。

インドネシアのギンティンは当然ONE PRIDEの選手。階級上のフェザー級王者だが、フェザー級の試合でも計量ではリミットよりだいぶ軽く、バンタムがベストの階級の模様。6戦全勝前フィニッシュ(3KO・3一本勝ち)だが、戦績が当てにならないのは言うまでもない。昨年はONE PRIDEバンタム級王者のググン・グスマンがRTUに出場したが、一回戦で中村倫也に1R一本負けしている。27歳。

中国のザウパースーは6戦全勝、2Rにもつれ込んだのも前戦の1試合のみ。6勝のうち、5勝は一本勝ち。しかし相手も全員が中国勢で、こちらも戦績は当てにならない。バックボーンはレスリング。23歳。

いきなり飛び込んで組み付いたザウハースーだが、受け止めたギンティンが逆に投げてテイクダウン。バックに回る。チョーク。しかしザウハースー反転して上に。ハーフから一気にマウント。肘。亀になったギンティンにチョーク。体を伸ばして絞める。タップアウト。

ザウハースー、最初いきなり投げられピンチに陥ったが、反転して上を取り返すとあっさりフィニッシュ。

ギンティンらインドネシア勢は、グラウンドの対処が出場者の中で大幅に落ちるので、なかなか厳しい。