格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC on ESPN+14:メインイベント・ヴァレンチーナ・シェフチェンコ vs. リズ・カモーシェ

女子フライ級タイトルマッチ5分5R。カモーシェはランキング3位。

王者シェフチェンコ2度目の防衛戦は、9年前ローカル時代にMMA初黒星を喫したカモーシェとの再戦。その後はUFCで現バンタム&フェザー級王者のアマンダ・ヌネスに僅差判定負けしたのみ。

シェフチェンコ同様、挑戦者のカモーシェもバンタム級からの転向組。UFCデビュー戦(UFC初の女子戦)以来となるタイトル挑戦。バンタム級時代は次第にランキングが下がり下位ランカーに。フライ級転向後はジェニファー・マイアと同じくバンタム級下位ランカーだったルーシー・プディロヴァに勝ったのみ。正直、レベルが下がった感は否めない。

両者なかなか間合いに入らない。じわじわ詰めるシェフチェンコだが、カモーシェが距離を取りパンチが当たらない位置に。カモーシェがワンツーを放つが遠すぎてただのシャドーボクシングになってる。じわじわ出たシェフチェンコ。飛び込んで左を出す。シェフチェンコバックキック。極端にヒット数が少なく、当たっているのはローくらい。残り1分からホーンまで、ローが2発ヒットしたのみ。

1R手数でシェフチェンコ

2R。まだ間合いが遠いカモーシェ。踏み込んでパンチを出しても届かない。カモーシェ初めてタックル。しかし距離がありすぎてシェフチェンコは見てから対応しても切られる。じわじわ出るシェフチェンコ。スーパーマンパンチがヒット。展開変わりないまま残り1分。シェフチェンコが時折飛び込んでパンチをヒットさせる。カモーシェもパンチを出すが届かない。シェフチェンコバックブローからワンツーのコンボ。ホーン。

2Rシェフチェンコ。カモーシェのヒット数、1R・2Rともに2発のみ。展開を変えなければ判定での勝ちはなくなる。

3R。初めてミドルを当てたカモーシェ。蹴り合い。このラウンドも間合いが遠いためカモーシェのパンチはまるで届かない。会場はブーイングが飛ぶ。シェフチェンコが前に出てワンツーをヒットさせる。カモーシェスリップ気味にダウン。寝たままのカモーシェだがシェフチェンコ付き合わない。ブレイク。カモーシェが出たところで四つに組んだシェフチェンコ。ダブルアンダーフックから反り投げでテイクダウン。カモーシェは下から両腕をホールでしてかかと蹴り。このままだとラウンドを落とすだけだが…。密着したまま細かい打撃を入れ合う。ホーン。

3Rシェフチェンコ

4R。今さら手数を増やしてきたカモーシェ。ただ、相変わらず間合いが遠くパンチは届かない。シェフチェンコの踏み込んでのパンチやローがヒットする。カモーシェタックル。かわされた。ギロチンで引き込んだが外されガードに。ラバーガードで固定するカモーシェ。放すとまたかかと蹴り。シェフチェンコはパスを狙う。ブレイク。タックルに来たカモーシェにバックブローをヒットさせたシェフチェンコ。がぶりながら殴る。ハーフで押さえ込む。スイープを狙うカモーシェだがホーン。

4Rシェフチェンコ

5R。パンチを出すカモーシェだが、おそらくこの試合一発もヒットしていない。相手の手前の空を殴っているだけ。カモーシェシングルレッグ。がぶって切ったシェフチェンコ。ガードを取るカモーシェ。ハイガードを取ろうとするカモーシェだが、シェフチェンコが密着したままなので何も仕掛けられない。ハーフにしたシェフチェンコ。肩パンチ。カモーシェは下から嫌がらせの打撃を入れるくらいしかできない。残りわずかで立ち上がったシェフチェンコ。スタンドに戻ったところでタイムアップ。

四方に礼をするカモーシェ。さすがに勝ったとは思って内容で無表情。

判定三者ともフルマークでシェフチェンコ勝利。

カモーシェはスタンドではまったくリスクを取ろうとせず。グラウンド勝負という作戦だったとしても、距離を取りすぎていたらタックルも決まらない。怪我でもしていたのかもしれないが、最後まで勝負しようという心が見えないまま終わった。

UFC on ESPN+14:セミファイナル・ヴィセンテ・ルケ vs. マイク・ペリー

ウェルター級。

UFC9勝はすべてフィニッシュ勝利で現在5連勝中のルケ。最後に敗れた現ランキング4位のレオン・エドワーズに負ける前も4連勝しており、直近10試合で9勝1敗だが、なぜか全然チャンスが与えられず、ランキング入りしてからようやくランカーとの試合が組まれたが、相手のニール・マグニーがドラッグテストで陽性となり、初参戦の選手相手に変更。力の差を見せ1RKOしたが、ジェフ・ニールのランクインにともないランク外に押し出されてしまうと、今回もまたノーランカーのペリーとの対戦に。

もっともペリーはノーランカーではあるものの、UFCからはプッシュされ気味の選手。デビューから5戦は4勝(4KO)1敗だったが、ランカークラスと当たるようになると2勝3敗。勝っても以前のようなインパクトのあるKO勝利ではなく判定が増えてきた。前回もルケ同様に不遇のためランキングから外れたアレックス・オリヴェイラと対戦し、2Rにオリヴェイラが足を痛めたこともあり判定勝ち。

右を入れたペリー。ルケガードを固めて出る。ペリーワンツー。左ミドルから左ハイ。ペリーのジャブがルケのガードの合間から顔面を捕らえる。ルケ飛び膝。プレスしてペリーをケージ際まで下がらせる。出てくるペリーにカウンターを合わせるルケ。残り30秒でペリーラッシュ。ガードの上からパンチを打ち込む。ルケ距離を取り逃れる。ホーン。

1R手数はほぼ五分。

2R。ペリーがパンチから組み付くとダブルアンダーフック。押し込みテイクダウンを狙うが倒せず離れる。ルケが距離を詰める。左ハイ。ペリーの左をもらった。左が相打ち。ペリーの右が入った。さらにアッパー。ルケ後退。しかしルケのパンチも入り今度はペリーが後退。両者のパンチが顔面に入っており鼻血を出す。

2Rも僅差。

3R。打撃で手数が多いのはルケ。ペリータックル。ケージに押し込むが倒せない。ケージ膠着。ブーイングが飛ぶ。ルケの飛び膝にタックルを合わせたペリー。ルケギロチン。しかし効いてないとアピール。ルケ全力で絞める。ペリーの顔面のカットで大量の出血。決まってないがなかなか外せないペリー。ようやく外したが残り20秒。ペリーパウンド。タイムアップ。

29-28ペリー、29-28ルケ、29-28ルケ。スプリットでルケ勝利。

ルケ、UFCで初めての判定勝利ながらこれで6連勝。

UFC on ESPN+14:第11試合・エドゥアルド・ガラゴリ vs. ウンベルト・バンデナイ

フェザー級

唐突にUFCデビュー戦ガラゴリの試合がセミ前で組まれているのは、ガラゴリが今大会(というより現UFC契約選手で)唯一のウルグアイ在住ファイターだから。生まれはウルグアイとの国境に隣接したブラジルのサンタナ・ド・リブラメントで、国籍はブラジル。MMAキャリアは12戦全勝で、ほぼウルグアイローカルイベントでの成績のため、相手のレベルは不明。テコンドー・ムエタイからMMAに転向した。

相手のバンデナイも同じラテンアメリカのペルー出身。同じくストライカーで、昨年のUFCデビュー戦はハイキックで26秒KO勝ち。2戦目はパンチを貰いダウンし、ガードからの腕十字をスラムで叩きつけられ39秒失神KO負け。3戦目は1Rは優勢だったものの、初の2Rに突入するとスタミナが切れて判定負け。

地元勢ということで歓声をもらうガラゴリ。バンデナイも大きいくくりでは地元なのだがブーイング。

左ハイを放ったガラゴリ。間合いが詰まったところでバンデナイがタックル。尻餅をついたガラゴリはケージまで移動し立とうとするが、腰にしがみつき立たせないバンデナイ。立った。膝を入れるバンデナイだが、ガラゴリは四つからテイクダウン。ハーフからパウンドを入れたが自ら立つ。スクートでブレイク。右ボディから左フックをヒットさせたガラゴリだが、バンデナイのタックルで倒される。またケージを背に座った体勢。立ったガラゴリ。バンデナイは飛びつき引き込みを狙ったがガラゴリ付き合わず。残り1分。四つから引き剥がしたガラゴリがパンチのラッシュ。組んだバンデナイがまたテイクダウンを狙う。倒せずホーン。

1Rガラゴリ。しかしテイクダウンはけっこう取られている。

2R。ローを入れるガラゴリ。バンデナイのパンチがヒットしぐらついたが、パンチを打ち返し凌ぐ。ガラゴリまたパンチで出るがバンデナイも打ち返す。パンチから組んでケージに押し込むガラゴリ。ガラゴリパンチを打ち込む。両者若干手数が減ってきた。残りわずかでバンデナイがタックル。テイクダウン。ホーン。

2Rも打撃のヒット数でガラゴリ。

3R。パンチを入れていくガラゴリだがバンデナイに組まれると簡単にテイクダウンを許す。スタミナが切れてきている。ガラゴリ肘を入れるが後頭部気味。レフェリースルー。バックに回ろうとしたバンデナイだが、ガラゴリ回らせずに立つ。ケージ膠着でブレイク。バンデナイタックル。ケージに押し込むが入れ替えるガラゴリ。離れた。両者疲れている。打撃戦。バンデナイのタックルを切ってパンチを入れるガラゴリ。残り10秒でタックルに入ったバンデナイ。切られるとパンチの打ち合い。タイムアップ。

内容は普通の前座の試合だが、会場は地元選手の試合に大歓声を送る。

三者フルマークでガラゴリ勝利。しかし今後成長したとしても、次のウルグアイ大会が開かれない限りはメインカードに出てくることはなさそう。

UFC on ESPN+14:第10試合・ヴォルカン・オズデミア vs. イリル・ラティフィ

ライトヘビー級。オズデミア7位、ラティフィ9位。

UFC3連勝(うち2試合は1分以内のKO勝利)で一気にタイトル挑戦までしたオズデミアだが、コーミエとのタイトル戦では完敗。さらに、後にJJのタイトルに挑戦したアンソニー・スミス、無敗のプロスペクト・ドミニク・レイエスにも敗れて3連敗中。こうなると最初の3連勝(特に2試合連続の秒殺KO勝利)がフロックに見えてくる。

OSPをギロチンチョークで絞め落とし、まさかの上位ランキング入りしたラティフィ。同門で当時ランキング1位のグスタフソンを差し置いてタイトル挑戦をアピールしたのはどうかと思ったものの、現実的に挑戦するチャンスもありそうだったが、前戦は下位ランカーのコーリー・アンダーソンと当てられ、後半スタミナ切れして判定負け。ランキングも下降した。

両者は6月に対戦予定だったが、計量前日にラティフィが背中を痛めて欠場となり中止。先週のニュージャージー大会に延期となったが、今度はオズデミアがアメリカ入国のビザを取得できず、今大会にスライドとなった。

オズデミアがプレスしてパンチを打ち込みさらに膝を入れる。カーフキック。キャッチしたラティフィが持ち上げて豪快にテイクダウン。ケージを使って立つオズデミア。離れるとすぐに間合いを詰めパンチを出していくオズデミア。オズデミア飛び膝。受け止めたラティフィはまたテイクダウン狙い。倒せずパンチを入れて離れた。オズデミアまた飛び膝。また受け止めてテイクダウンを狙うラティフィ。離れる。オズデミアカーフキック。何度も飛び膝を出していくオズデミア。詰めてくるオズデミアにパンチを出すラティフィだがタックルは切られる。ホーン。

1Rオズデミア。

2R。オズデミアがプレスしてパンチ・膝を入れる。ラティフィもパンチを出してはいるが、間合いが遠くクリーンヒットがない。オズデミアのテンカオをもらいラティフィダウン!オズデミアパウンド。バックを取りかけたがラティフィ振りほどいて立つ。しかしオズデミアは首相撲から膝・肘。グロッキーになってきたラティフィ。ボディへの膝が効いて前かがみになるラティフィ。残り1分。カーフキックも効いた。パンチで下がるラティフィに左がヒットしダウン。オズデミアパウンド。KO!

腹・足を効かせて最後は顎を打ち抜きKO。オズデミアが完勝で連敗をストップさせた。

ラティフィは完敗。ライトヘビー級ではもうタイトル挑戦のチャンスはないだろう。本人はヘビー級への転向も考えているとは言っていたが。

UFC on ESPN+14:第9試合・ホドウフォ・ヴィエイラ vs. オスカー・ピエホタ

ミドル級。

UFCデビュー戦のヴィエイラが赤コーナー。2011年から4年連続で柔術世界選手権を制し、当時はまぎれもないトップ柔術家だった。2017年にMMAデビュー。3戦目からはACBに参戦し、ここまで5戦全てがフィニッシュ勝利で、うち4試合は1Rでの勝利。ここまでは世界レベルの相手とは戦っていないが、初戦のピエホタはグラップラーで、ヴィエイラにとってはやりやすい相手。それだけに勝たなければいけないが。

グラップラーのピエホタはローカル時代は一本勝ちが多かったが、UFCでの3戦は判定勝ち・KO勝ち・一本負け。判定になった試合でもパンチでダウンを奪っており、打撃もそこそこはできる模様。

プレスしてきたヴィエイラ。ただ間合いのギリギリ外で様子見。ピエホタも飛び込むフェイントは見せるが出ない。ジャブを一発当てたヴィエイラヴィエイラシングルレッグ。ピエホタ切る。離れた。ヴィエイラのパンチにピエホタもパンチを返す。左ボディから左フック。ヴィエイラがジャブからタックルに。テイクダウン。ケージ際で背中を付けたピエホタにパスを狙いつつパンチを落とす。ケージを使って立とうとするピエホタの足を掴み立たせない。ピエホタ三角を狙うが外されパウンドを落とされる。レッグマウントに。強いパウンドを入れるヴィエイラ。残り40秒。ガードに戻したピエホタだがヴィエイラ立ち上がりパウンドを入れる。ピエホタ蹴り上げから立った。残りわずかでタックルに来たヴィエイラにブラウン肘。ホーン。

1Rヴィエイラ

2R。タックルを切られたヴィエイラだがもう一度仕掛けてテイクダウン成功。ハーフからパスを狙ったヴィエイラだが、ピエホタスイープを仕掛けて立つ。ヴィエイラまたタックル。ケージに押し込む。シングルレッグでテイクダウン。レッグマウントからパウンドを入れるが、ヴィエイラ疲れからか、パウンドの威力が1Rほどではない。パウンドを落としつつハーフに。クォーターマウントからフルマウントになり肩固め。ピエホタタップ。

2Rは疲れて見えたヴィエイラ。終わった後も呼吸が荒い。テイクダウンをしっかり切れるストライカー相手にどこまでできるかは現時点では疑問。

UFC on ESPN+14:第8試合・エンリケ・バルゾラ vs. ボビー・モフェット

フェザー級

南米ペルーのバルゾラはTUFラテンアメリカ2ウィナー。レスリングとルタ・リーブリがバックボーンで、TUF後の初戦で判定負けした後、すべて判定だが最低でも1試合5回はテイクダウンを奪う試合展開で4連勝。が、前回はコンテンダーシリーズ出身のUFC2戦目ケビン・アギラーにタックルを切られ続け判定負け。

グラップラーのモフェットは昨年10月のUFC初戦は得意のダースチョークで一本勝ち(ただし、レフェリーが止めた後、相手のチャス・スケリーは決まってないと抗議していたが)。今年3月の2戦目はブライス・ミッチェルとのグラップリングゲームで健闘したものの判定負け。

打撃で出るモフェット。バルゾラワンツーから出る。ケージ際までプレスする。ステップインしてジャブをヒットさせた。間合いが詰まり両者の打撃が交錯。またケージまで下がらせたバルゾラ。モフェットの右がヒット。残り時間がなくなり両者の回転が上がる。残りわずかでバルゾラがダブルレッグで倒したがすぐ立たれた。ホーン。

1Rは手数がほぼ五分。最後のテイクダウンもすぐ立たれているのでポイントにしづらいが、他に差がなければそれを考慮するしかない。

2R。またタックルに入り倒したバルゾラだが立たれた。打撃で出るバルゾラ。モフェットが逆にタックルに入り、スタンドでバックに回るが、すぐ正対して引き剥がしたバルゾラ。ケージに詰めてパンチ連打を入れる。モフェットもパンチで出る。バルゾラの左フックがヒット。打撃でリードしているバルゾラ。残り1分。モフェットがパンチで出る。連打をヒットさせたが残り10秒でまたバルゾラがタックル。寝かされずに立つモフェット。ホーン。

2Rも僅差。

3R。バルゾラがスーパーマンパンチからラッシュ。ケージに追い込みタックル。しかしスイッチで入れ替えたモフェットが押し込みながら打撃を入れる。ジャブ。前に出るバルゾラ。またケージまで詰める。このラウンドも僅差のまま残り1分。プレスするのはバルゾラだが。残りわずかでまたタックルに入ったバルゾラ。倒せずタイムアップ。

判定29-28、28-29、29-28のスプリットでバルゾラが接戦を制した。

UFC on ESPN+14:第7試合・ギルバート・バーンズ vs. アレクセイ・クンチェンコ

ウェルター級。

柔術世界王者バーンズ。UFCではパンチでダウンを奪うなど、打撃にも磨きをかけているが、自分のパンチを過信してか、ストライカーと打ち合ってしまいKO負けすることも。UFCではここまで7勝4敗。元イヴォルヴMMA所属でONEにも出ていた弟のエウベウ・バーンズも、前回のコンテンダーシリーズに出場して勝利し、UFCとの契約を勝ち取っている。当初はラウレアノ・スタロポリが出場する予定だったが負傷欠場となり、直前の代役で本来のライト級から階級を上げて出場する。

クンチェンコはローカル18戦全勝でUFCと契約すると、昨年9月のロシア大会はチアゴ・アウベス、12月のオーストラリア大会は岡見と、いずれも元タイトル挑戦者相手に完勝し2連勝。対戦相手の実績があるのはクンチェンコに対する期待の現れと思われたが、完勝でも判定でインパクトがある内容にならなかったためか、3戦目は同じUFC2勝0敗のスタロポリと組まれて、スタロポリ欠場で今後は階級下のバーンズとの対戦に。体格差はあるが実績ではスタロポリよりは上で、楽ではない試合。

バーンズのローでスリップダウンしたクンチェンコ。すぐ立つ。クンチェンコもカーフキックを入れる。カーフキック連打。じりじり間合いを詰めるがバーンズもカーフキック連打を返すとタックルへ。ケージに押し込む。テイクダウン。ケージを使って立とうとするクンチェンコを立たせないで押さえ込んだ。パスを狙う。押さえているだけの展開に会場はブーイング。残り1分を切ってバーンズがパウンド連打を入れる。そのままマウント。ガードに戻したクンチェンコがケージを使って立ったところでホーン。

1Rバーンズ。

2R。間合いを詰めるクンチェンコにバーンズもパンチを入れる。バーンズタックル。受け止めて引き剥がすクンチェンコ。右を打ち込んだバーンズ。クンチェンコが圧をかけてくる。クンチェンコのローにタックルを合わせてテイクダウンを奪ったバーンズ。オクタゴンほぼ中央。パスを狙う。ハーフ。上から首を抱えたバーンズだがガードに戻される。残り時間わずかでパスから一気にバックに回りチョークを狙うが、股下から抜けられ初めて下になる。しかしホーン。

2Rバーンズ。無敗のクンチェンコが追い込まれた。

3R。ミドルを連打するバーンズ。倒すしかないクンチェンコが前に出ていく。ケージを背負ったバーンズ。タックル。倒せず引き込んだがそこからまた起き上がりタックルで立つ。離れた。打撃の手数も増やしてきたクンチェンコ。ローで足を払われスリップダウンしたバーンズ。立たずに攻めてこいと挑発するがレフェリーブレイク。バーンズ、クンチェンコのローの打ち終わりにタックル。ボディロックしバックに回った。立って正対したクンチェンコだがバーンズはまだボディロックしテイクダウン狙い。ブラウン肘を連打するクンチェンコ。しかし時間が過ぎていく。残り20秒でブレイク。もう逃げ切りでいいバーンズ。距離を取る。クンチェンコ追いかけて打撃を入れるがタイムアップ。試合終了と同時に倒れ込んだバーンズ。

判定三者フルマークでバーンズ勝利。

クンチェンコ、MMA初黒星。これまで完勝でも期待ほどの内容ではなかったクンチェンコが、追い込まれて覚醒するかと思ったが普通に負けた。バーンズはショートノーティスでの階級上の試合でアップセット勝利。

UFC on ESPN+14:第6試合・シリル・ガーヌ vs. ハファエル・ペソア

ヘビー級。

今回のグラップラーの目玉選手がメインカードに出場するホドウフォ・ヴィエイラなら、ストライカーでの目玉選手はこのガーヌ。バックボーンのキックでは13戦全勝。昨年8月にカナダのTKOでのMMAデビュー戦がタイトルマッチ(ただし、相手も1勝1敗の選手なので、タイトルのレベル自体がその程度のものではあるが)でヘビー級王座を獲得すると、その後2度の防衛に成功し、4戦目・わずか1年でUFCデビューという抜擢を受ける。ここまでの3戦はすべてKO。211cmと長いリーチを誇り、ヘビー級には似つかわしくない軽快なステップから鋭いパンチを打ち込んでいく。フランシス・ガヌーと同じMMAファクトリーの所属で、スパーリングパートナーも務めている。

ガーヌによれば、UFCデビュー戦相手は7人から断られたとのことで、同じ初参戦のペソアとの対戦に。ブラジルのペソアはMMA9戦全勝で7KO勝利。ストライカーのようだが、打撃のレベルではガーヌとは差があるか。

ステップを踏むガーヌにお腹タプタプのペソアもパンチを出していく。ミドルを入れたが足を払われ倒される。立った状態からパウンドを入れたガーヌ。ペソアタックルに入るが受け止めて引き剥がした。ジャブを入れたガーヌ。ペソアも大振りのパンチで出る。スタンドで圧をかけてケージ際まで下がらせるガーヌ。ペソアがパンチで飛び込むがかわされた。ジャブを入れていくガーヌ。お互いの右が交錯。前に出たペソアを受け止めてケージに押し込んだガーヌだが、ペソアが投げた。しかし投げられた勢いで入れ替えて上を取ったのはガーヌ。サイド。肩固め。がっちり入りペソアタップ!

ストライカー・ガーヌのUFCデビュー戦はまさかの一本勝ち。

デビュー戦同士だったためレベルは不明だが、キャリア的にはガーヌはまだまだ育てるマッチメイクが必要か。四つからテイクダウンを取られかけたのも、強い相手なら簡単には返せなかったかもしれない。

UFC on ESPN+14:第5試合・ティーシャ・トーレス vs. マリーナ・ホドリゲス

女子ストロー級トーレスはランキング8位。

現王者アンドラジ、元王者ヨアンナ、次期タイトル挑戦者ウェイリーに敗れて3連敗中のトーレス。それ以前に負けた相手は前王者のナマユナスと、王者クラスにしか敗れていない。試合は打撃の手数とケージ押し込みでの判定勝ちが多い。

ブラジルムエタイ王者のホドリゲスは、昨年9月のUFC初戦は1Rにテイクダウンから固められるとリカバリーがなく、2Rと3Rに打撃で追い上げたが二者28-28のドロー。2戦目は元WSOF王者のジェシカ・アギラーに終始打撃で攻め続け判定勝ち。まだMMA無敗。

打撃戦。リーチに勝るホドリゲスが打撃を入れていく。トーレスがタックルに入るが受け止める。ミドルをキャッチしてまた組み付いたトーレスだがホドリゲスはケージでこらえてボディに膝を入れる。離れたトーレスだが、ホドリゲスは追いかけて首相撲から膝を入れる。ホーン。

1Rは打撃のヒット数でホドリゲス。

2R。前蹴り、ローを入れるホドリゲス。トーレスも蹴りを返す。しかしパンチの間合いには入れない。ホドリゲスがケージに押し込み首相撲。引き剥がしたトーレス。パンチで出てきたホドリゲスにカウンターを入れる。トーレスシングルレッグ。しかしパンチで引き剥がされる。またケージに押し込んだホドリゲス。首相撲から膝連打。引き剥がしてもすぐにまた首相撲トーレスはテイクダウンを狙うがボディに膝をもらう。離れた。残り30秒でトーレスタックル。しかしまた首相撲に捕らえられ膝をもらう。ホーン。

2Rもホドリゲス。

3R。またケージに押し込み膝を入れるホドリゲス。トーレスの蹴りをキャッチしてテイクダウンしたが、グラウンドはやりたくないのか立たせる。タックルに来たトーレスにニンジャチョーク。そのままグラウンドに持ち込み絞めるが外れた。立ち際に膝をボディに入れたホドリゲス。組んできたトーレスにまた首相撲。ボディへの膝と肘を連打。投げを狙うトーレスだが倒せず。残り30秒。首相撲から崩してこかしたホドリゲスだがまた立たせる最後に首相撲から肘連打。タイムアップ。

30-27×2、30-26の3-0でホドリゲス勝利。

10-8つくラウンドはなかったと思うが、ホドリゲスがムエタイを駆使してランカー相手に完勝。

UFC on ESPN+14:第4試合・ホジェリオ・ボントリン vs. ハウリアン・パイバ

フライ級。ボントリン8位、パイバ14位。この試合はブラジル人対決。

契約選手はほぼ全員ランカーのフライ級。このところ以前より組まれるペースが増えてきたように思えるが、まだ継続していくには絶対的な選手数が足りない。

パンクラスではフライ級で体重オーバーし春日井たけしに腕十字で勝利し、グランドスラムではバンタム級に上げて田中路教に一本負けしているボントリン。UFCでも体重オーバーをやらかすのではないかと不安だったが、今のところコンテンダーシリーズとUFCでの2度の計量はクリア。2月のUFC初戦は元WSOF王者マゴメド・ビブラトフにスプリット判定勝ち(ビブラトフはUFC戦績1勝2敗となりリリースされている)。

パイバも同じく昨年のコンテンダーシリーズで勝利しUFCと契約し、2月にUFCデビュー。地元のカイ・カラフランスと対戦し、メディアのジャッジも真っ二つに割れる競った内容でスプリット判定負け。フライ級ファイターは負ければリリースされていたが、さすがにUFC初戦で負けただけではリリースされなかった。まだ23歳。

打撃で間合いを詰めたボントリンがパンチを貰ったがそのままタックル。尻クラッチしてテイクダウン成功。ハーフで押さえ込んだが、タックルの前にもらったパンチで目の下が大きく腫れておりドクターチェック。チェック後なぜかスタンドで再開されるが、レフェリー少ししてから試合を止めてグラウンドに戻して再開。立ったパイバだがボントリンパンチで出ると首相撲から膝。さらにパンチから組み付くと持ち上げてテイクダウン。今度はパイバのドクターチェック。右のまぶたが大きくカットしていてレフェリー止めた。

首相撲からの膝でカットした模様。ボントリンUFC2連勝。

UFC on ESPN+14:第3試合・ジェラルド・デ・フレイタス vs. クリス・グティエレス

バンタム級

ブラジルのフレイタスは2月のUFCデビュー戦で同じUFCデビュー戦のフェリペ・コラレス相手に判定勝ち。完全にスタミナが切れたコラレス相手にテイクダウンからパスしまくったが、リカバリーして立たれて判定に持ち込まれている。

グティエレスはUFC1勝1敗。初戦はテイクダウンを取られまくってチョークで一本負けといいところがなかったが、3月の2戦目はローを効かせての判定勝ち。

両者遠い間合いで打撃戦。フレイタスが飛び込んでパンチをヒットさせる。じわじわプレスするフレイタス。またパンチで飛び込み一発ヒット。グティエレスはケージ際まで圧されてサークリング。フレイタス、パンチで飛び込むとタックルに。シングルレッグに切り替えるが、グティエレス切った。しかしまたスタンドでプレスするフレイタスに圧されて下がる。残り1分。ローで足を払ったフレイタスがそのまま組んでボディロックからテイクダウン狙い。足をかけてテイクダウン。パスを狙うフレイタスだが時間がない。ホーン。

1Rフレイタス。両者手数が少ないが、特にグティエレスは消極的。残りのラウンドすべて取るしかないが、戦法を変えてくるか。

2R。グティエレスが前に出始めた。ローを入れる。しかしまたフレイタスが出てくると下がる。カーフキック。もらったフレイタスがバランスを崩しスリップダウンしたがすぐ立つ。またプレスするフレイタスグティエレスケージを背負う。フレイタスのタックルは切った。パンチで出るフレイタスにまたカーフキックで倒す。フレイタスまたタックル。ダブルレッグ。テイクダウン。残り半分。ハーフからパウンドを入れつつ足を抜きに行く。パスしたフレイタスだがグティエレスその瞬間に立つ。強引にバックに回ろうとしたフレイタスだが前に落とされる。残り1分。グティエレス立つが、フレイタスは立たずにスクート。スクートでの見合いが続いてしまうグティエレス。ガードに入ってパウンドを落とすがホーン。

2Rフレイタスグティエレスはカーフキックは強いがいかんせん数が少なすぎる。

3R。また前に出るフレイタスグティエレス飛び膝。浅い。前に出てくるフレイタスにカーフキック。効いているがフレイタスは距離を詰めて行く。またカーフキックをもらいスリップダウンしたフレイタス。立たずにスクート。上から足を蹴るグティエレスだがフレイタス立った。グティエレスがバッティングで頭部をカットしたようでドクターチェック。再開。またカーフキックを入れるグティエレス。明らかに効いてるが、組んでいくフレイタス。タックルを切られると引き込み。グティエレス付き合わずにスクートになるが、フレイタス立たない。見合った状態から立った。またカーフキックで倒されるフレイタス。すぐ立たずにスクートで見合い。レフェリー立たせる。カーフキックは効いているが、スリップダウンでいちいち時間が過ぎるためKOできそうにない。フレイタスがパンチ連打で出ていく。連打がヒット。グティエレスバック肘。どんどん圧をかけるフレイタスに下がるグティエレスだが、出られないのか勝っていると思っているのか。パンチで出続けるフレイタス。タイムアップ。

3Rはグティエレスのカーフキックか、フレイタスのパンチか、どちらが評価されるか微妙。

判定割れた。29-28、28-29、29-28のスプリットでグティエレス勝利。2Rもフレイタスのテイクダウンからの攻めよりもグティエレスのローが評価されたか。

Chris Gutierrez def.  Geraldo de Freitas Jr. :: UFC on ESPN+ 14 :: MMA Decisions

メディアの評価も割れてる。

2試合続けてカーフキックを効かせて勝ったグティエレスだが、手数が少なすぎ際どい結果に。

UFC on ESPN+14:第2試合・カズラ・バーゴス vs. アレックス・ダ・シウバ

ライト級。

メキシコのカズラことホドリゴ・バーゴスはUFCデビュー戦。7月末にラファエル・フィジエフが欠場し、急遽代役出場が決まった。前戦では元UFCのマイク・デ・ラ・トーリに18秒でKO勝ちしているが、その後試合が連続で流れて、約1年3ヶ月ぶりの試合となる。MMA11勝2敗だが、33歳と若くはない。

シウバは4月のロシア大会で負傷選手の代役としてUFCデビューした選手。ローカル戦績は20勝1敗で勝った試合はすべてフィニッシュしているが、相手のレベルが不明。UFC初戦はロシアのアレクサンダー・ヤコブレフ相手にテイクダウンから攻めたものの、タックルにギロチンを合わせられタップアウト負け。

打撃で出るバーゴスだがシウバに蹴りを捕まれテイクダウンを許す。すぐにガードを取るバーゴス。シウバはパウンドを入れつつパス狙い。バックに回る。バックマウント。バーゴス、腕を掴んでチョークを防ぐがバックマウントから脱出できない。バックから殴りつつチョークを仕掛けるタイミングを狙っているシウバ。時間が過ぎていく。残り30秒になってようやく反転に成功したバーゴス。パウンドを入れていく。下から蹴るシウバ。バーゴス舌を出して挑発すると、ラウンドが終わってないのに背を向けて離れる。レフェリー戦うように促すがホーン。

1R、終盤のパウンドだけでは印象を返せずシウバのラウンド。

2R。打撃戦。バーゴスシングルレッグに入るがシウバに潰され下に。スイープを狙ったバーゴスだが亀になりまたバックに回られる。立とうとするバーゴスを押し倒し上をキープするシウバ。バーゴスのガード。下から三角を狙うが、シウバは両足を抱えてダブルアンダーでパスしに行く。また亀になるバーゴス。バックからパウンドを入れるシウバ。仰向けに向き直るバーゴス。ハーフに。残り1分。バーゴス下から殴るが当然上から殴り返される。ホーン。

2Rもシウバ。バーゴス、安易に亀になって攻めを許す展開が多すぎる。

3R。シウバがヒット&アウェイで打撃を入れていく。フィニッシュが必要なバーゴスだが手数が少ない。テイクダウンを警戒しているのかもしれないが。シウバパンチを打ちながら足をかけるとバーゴスをスリップさせ上に。ハーフにしてパウンドを入れるシウバ。バーゴス、ディフェンスはするが立とうとしないまままた時間が過ぎていく。亀に。バックを取らせてようやく立ったがすぐに投げられる。また立つがバックを取ったままのシウバが投げを狙いコントロール。タイムアップ。

判定三者フルマークでシウバ勝利。

バーゴスは3Rほぼすべて下になって返せないまま敗戦。シウバの押さえ込みが特に強いようにも思えなかったが。