あくまで「パンクラス社長」という設定で書かれた、パンクラス15年間の裏話。尾崎氏は今までもそしてこれからも社長であり、15年という節目だから書いた、ということになっている。裏話とは言ったが、かなり表沙汰になっている話も多い。何しろ15年だけあって、どこまでが表沙汰になっていた話なのかわからなくなっているものもあるが。
印象に残ったことをいくつか挙げてみる。
- 広告に出ていた「パンクラス旗揚げに藤波参加」というのは、運営サイドとして関わるという話があったというだけ。
目次にも出ていない程度の小ネタだが、インパクトを与えるために広告に載せたか。
- ロゴ(バッテンマーク)とキャッチコピー(ハイブリッド・レスリング)をデザイナー・コピーライターに発注し、価格は300万円だったが、値切って50万円にしてもらった。
それぞれ、パンクラスのイメージとして多大な影響を与えた。後から考えたら300万円でも安いくらいだったろう。
- 数々の訴訟
シャムロック、前田、ボードッグ、猪木祭り。まあほとんど表に出ているような話ばかりだが。
- 数々の没ネタ
「東京ドームでグレイシーとの対抗戦」から、コロシアム2001(2002)、ボードッグ日本大会など。どれだけ現実的な話だったのかは分からないが。タイ興行の計画では、タイでは法律でムエタイ以外の興行はできないと決まっていて断念したとか。
- 高橋の退団は、パンクラスが高橋の給料を払えなくなったため
高橋が身を引いてくれたという美談として語っている。
- 船木のピークは97年のルッテン戦
このエピソードにもあるように、ほとんどのパンクラス選手に対しては一切悪く言っていないが、唯一船木だけは若干否定的に書いている。ヒクソン戦後、すぐ引退は発表しないでくれと言ったのに発表してしまったとか、引退後はほとんど道場で指導をすることもなかったとか。しかし、ベストバウトにルッテン戦を挙げるなど、完全に叩いているわけでもない(ちなみにベストバウト2位は菊田vs近藤)。
パンクラスオフィシャルサイトでも売っている(http://blog.livedoor.jp/pancrasenews/archives/794829.html)くらいだし、暴露本的な内容とはほど遠い。それだけに、内容の刺激もそれなりのものになってしまっているが。