ライトヘビー級王座決定戦5分5R。ランキングはプロハースカ2位、アルバーグ3位。王者のアレックス・ペレイラがUFCホワイトハウス大会でヘビー級に転向するために王座を返上したことで組まれた王座決定戦。
チェコのプロハースカは33歳。UFC6勝2敗(5KO・1一本勝ち)。キャリアでは32勝5敗1分(28KO・3一本勝ち)。UFCの2敗の相手はいずれも前王者ペレイラで、どちらも2RKO負け。ガードを下げた構えでスリリングな打撃戦を見せるが、ややスロースターター気味で、ここまでは勝った試合でも前半のラウンドを取られる場面がしばしばある。本人曰く、打たれてからスイッチが入るとのこと。UFC9戦目だが、うち8試合がナンバーシリーズでの試合となる。
ニュージーランドのアルバーグは35歳。UFC9勝1敗(5KO・1一本勝ち)。キャリアでは13勝1敗(8KO・1一本勝ち)。ニュージーランドの選手に多い、ラグビーからの転向組で、当初はキックを主戦場としていた。2019年にニュージーランドのキックトーナメントで優勝。2020年、コロナ禍に入ったタイミングでキックからMMAに本格転向し、DWCSに出場して1RKO勝ち。しかし、MMAの試合経験はローカルレベルで3試合のみであり、対戦相手も同じルーキーレベルで、UFCで戦えるレベルにあるかは不明だった。UFCデビュー戦はUFC1勝1敗、MMAでも7勝1敗のキャリアしかないケネディ・ンゼチュクだったが、1Rの攻防でスタミナを使い果たし、2Rにパンチを貰ってKO負け。その後はUFCも育成を意識した前座から中堅未満レベルの相手をあてがい、順調にMMAに適応していき、6戦目ではキャリア初の一本勝ちも見せる。2024年5月に、アロンゾ・メニフィールドを破って6連勝でランキング入り。さらにオーズデミア、ブラホヴィッチ、レイエスと、元王者・挑戦者を下してトップランカーまで上ってきた。
オッズはプロハースカ1.80倍、アルバーグ2.05倍。なぜか評価の低いプロハースカは、タイトル返上以降4戦連続でアンダードッグだったが、前回のラウントリー戦に続いてフェイバリット。アルバーグはUFC11戦目で2度目のアンダードッグとなる。
両者オーソドックス。カーフキックを入れたアルバーグ。プロハースカがパンチで飛び込んだ。カーフを蹴り返す。アルバーグはまたカーフキック。ジャブを突くプロハースカ。パンチで出たプロハースカ。プロハースカのカーフキックでぐらついたアルバーグ。またカーフキック。ぐらついているアルバーグ。足を痛めたか。マットを指差して打ち合おうと要求するプロハースカにパンチで出るが、プロハースカがまたカーフキックを入れる。リプレイの映像で見ると、アルバーグはステップの最中に右足を痛めた模様。プロハースカのカーフキックに対しカットしようとして左足を上げると、軸足の右足の踏ん張りが効かないアルバーグ。ケージまで下がった。しかし詰めてきたプロハースカが右を放とうとした刹那にアルバーグの左フックが入りプロハースカダウン!すかさずパウンド連打!鉄槌!レフェリーストップ!
アルバーグが右足負傷のアクシデントを乗り越えて逆転KO勝ちし、10連勝でUFC王者に。
プロハースカはタイトルマッチで3戦連続のKO負け。
新王者のアルバーグは試合後のインタビューで、「膝を怪我してしまった。痛めた瞬間、すぐにわかったよ。でもあの一発のパンチが狙える感覚があったので倒せた。サポートしてくれた仲間に感謝している。すべてを変えると約束していたので、実現できて最高だ」とコメントした。
敗れたプロハースカは「やっちまった。こういうこともある。アルバーグが怪我をしたのがわかったので、少し心配してしまった。心が揺らいでしまった。大きなレッスンになった。人生は学びだ。強くなって戻ってくる」と語った。