格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC on ESPN+50:第6試合・ロン・チュー vs. ブランドン・ジェンキンス

ライト級。

上海のUFCアカデミー出身で、他の2名と一緒に4月にUFCデビューしたが、健闘はしたものの全員敗退。ディフェンスが甘く攻撃を貰いがち。攻撃をもらっても効いてないアピールは積極的にやっていたが、当然それだけでは勝てない。まだ21歳だが、UFCで戦える実力がないと見なされれば、早めのリリースの可能性もある。

本来ダコタ・ブッシュと対戦予定だったが、ブッシュが新型コロナ陽性で4日前に欠場が決定。急遽、29歳でMMA15勝7敗という微妙な戦績のジェンキンスUFCデビュー。先月27日のPFLのプレリムに出場し、元UFC(0勝2敗)のジェイコブ・キルバーンに飛び膝で1RKO勝ちしている。

カーフキックを入れるジェンキンス。ロン・チュー間合いを詰めるがまたカーフをもらう。ローの蹴り合い。ジェンキンスのインローがローブローになるが、ロン・チューすぐに続行。またローを蹴り合う。ロン・チューがパンチで攻める。右がヒット。ジェンキンスまたカーフ。ジェンキンスバックブローをはアンツがそこに右をもらいダウン気味に倒れた。ロン・チューパウンド。ジェンキンス背中を向け立とうとする。スタンドでバックを取っているロン・チュー。倒してハーフバックからチョーク。ジェンキンス正対して外すがパウンドをもらう。またハーフバックになり殴っていく。立とうとするジェンキンスに肘。ホーン。

1Rロン・チュー。

2R。ロン・チューが強いパンチを打ち込むとタックルへ。倒したがすぐ立つジェンキンス。なおもボディロックしてテイクダウンを狙う。倒した。ハーフからパウンドを入れるロン・チュー。マウント!ジェンキンスケージを蹴って返そうとするがまたマウント。またケージを蹴って上を取ったジェンキンス。パウンド。立ち際に膝。しかしロン・チューのパンチを貰ってふらつく。ワンツーをまたもらった。ホーン。

2Rロン・チュー。

3R。ロン・チューがワンツー、ミドルで出る。もらっているジェンキンスだが、もらいながらも打ち返している。しかしもらってケージまで下がる。バック肘をかわされてスリップダウンしたジェンキンス。ロン・チューパウンド。ジェンキンスの立ち際にバックを取る。投げてパウンド。ハーフバック。パウンドを入れていくロン・チュー。ジェンキンス立つがまた倒された。疲れが見えるジェンキンス。残り1分。インサイドからパウンドを落とすロン・チュー。亀のジェンキンスにパウンドをまとめる。再三ハーフバックからチョークを狙っているが、ハーフバックなので向き直られて外される。しかしバックから殴られふらついているジェンキンスを見てレフェリー止めた。

ロン・チューUFC初勝利。が、戦績的にもジェンキンスUFCレベルではないという気が。

UFC on ESPN+50:第5試合・モンテル・ジャクソン vs. JP・ベイズ

バンタム級

グレコでオリンピックを目指していたジャクソン。しかしMMAではタックルでテイクダウンを奪われることも多く、UFC4勝2敗のうち、負けた試合ではいずれもテイクダウンを7回・8回と奪われている。前回はUFCデビュー戦のジェシー・ストレーダーにパンチでダウンを奪い、最後はパウンドで秒殺KO勝ち。

夫婦でコンテンダーシリーズからUFCに勝ち上がったベイズだが、3月の同日デビュー戦では両者とも敗戦。妻のシャイアンは先月の2戦目でグラウンドから立ち際の微妙なタイミングでハイキックを打ち込みKO勝ちしている。しかし旦那はUFCデビュー戦で3戦未勝利のブルーノ・シウバに2Rパンチで3度もダウンを奪われKO負け。南アフリカ出身で、こちらもレスリングでオリンピックを目指していた時期がある。しかし初戦の印象が悪かったのか、オッズは大差のアンダードッグ。

長身・細身のジャクソン。ベイズタックルに入るが切られた。またタックル。シングルレッグからボディロックしてテイクダウン。すぐマウントへ。反転しようとする。ジャクソンだがさせずにバックマウント。チョーク。外れたがなおもバックを取っているベイズ。が、ジャクソンが立ち上がると下に落ちた。そこからタックル。ジャクソン首を抱えてギロチン。スタンドで絞める。外れた。ベイズ反り投げを狙ったが潰され下に。ベイズ立った。至近距離から膝を入れたジャクソン。離れた。ベイズがボディに膝を入れるとギロチンで引き込む。外れた。ベイズ下に。ジャクソンパウンド。ベイズ立ったがバックを取られている。ジャクソンバックからパンチ・膝。ホーン。

1Rジャクソン。

2R。ジャクソンの左をもらい首がのけぞったベイズ。さらに左をもらう。ジャクソン組んで倒した。ベイズ足関を狙うがジャクソン立った。スタンドでバックに。ベイズ正対してギロチンで引き込むが外れて下に。ベイズは亀に。ベイズの立ち際に膝を入れたジャクソン。スタンドでバックから膝を入れるジャクソン。離れた。パンチがヒットしベイズまたダウン。今度は立たせたジャクソン。ベイズタックルに来るが切られた。また組むベイズをボディロックしてサバ折りテイクダウン。ハーフで押さえ込む。ホーン。

2Rジャクソン。

3R。ジャクソンの左ストレートがヒットしベイズ三度ダウン!ジャクソンパウンド。下からしがみついて凌ぐベイズだがタックルを切られてパンチを入れられる。四つに組んだベイズにジャクソン膝。しかしローブロー。再開。また左がヒット。ベイズダウン。見えてない。ジャクソン立たせた。ベイズタックルから引き込み。ジャクソン上で何もしない。下からの仕掛けを警戒しているのかもしれないが。下からキムラを狙うベイズ。ジャクソンディフェンスしてボディを殴る。時間がすぎる。タイムアップ。

三者30-27でジャクソン勝利。

が、あそこまで打撃で圧倒しているのに、ベイズの組みに付き合いすぎて判定に。上になっても何もできないならさっさと離れて打撃勝負したら良かったのでは。

UFC on ESPN+50:第4試合・エリン・ブランチフィールド vs. セーラ・アルパー

女子フライ級。

まだ22歳でMMA6勝1敗のブランチフィールド。これがUFCデビュー戦。これまでの主戦場はInvictaで、敗れた唯一の相手は現UFCファイターのトレイシー・コルテス(現在3勝0敗)戦でのスプリット判定負け。また、コンテンダーシリーズを勝ち上がりUFCに参戦している(0勝2敗)ヴィクトリア・レオナルドともInvicta時代に対戦しハイキックでKO勝利している。7歳から始めた柔術は黒帯で、グラップリングエディ・ブラボー・インビテーショナルで王者になっている。当然、組み技が武器となるが、打撃も積極的に使っている。4月にバンタム級UFCデビュー予定だったが相手のノルマ・デュモンが体重オーバーしたため試合消滅した。

アルパー姉さんはコンテンダーシリーズで勝利して、昨年9月にUFCデビュー。初戦はジェシカ・ローズ・クラークとのバンタム級での試合で、しつこくタックルでテイクダウンを狙っていったが、クリーンにテイクダウンを奪うことができず、打撃では一方的な内容で、3Rには反則気味のニアグラウンド膝を顔面に貰い、最後は嫌倒れしてKO負け。ローカル時代にフライ級からバンタム級に上げているが、今回またフライ級に戻している。30歳でMMA9勝5敗。

解説の魅津希はブランチフィールドと練習したことがあるが、グラップリングで何もできなかったほどレベルが高いとのこと。

パンチからローを入れるアルパー。ブランチフィールドがパンチで出ていく。右ミドルがボディにヒット。組んでいくアルパーだが引き剥がした。ボディ・顔面にパンチを入れていくブランチフィールド。左が顔面にヒット。組んだブランチフィールドだが離れる。また右ミドル。積極的に手を出しているブランチフィールドだが頭の動きがなく自分もパンチを貰い気味。組んでケージに押し込んだ。四つからボディロックしてテイクダウンしたブランチフィールド。すぐにサイド。がっちり押さえ込む。ニーオンからクォーターマウントへ。パウンドを打ち込みマウント。肘。嫌がって背中を向けたアルパーだが、反転してハーフに戻した。ブランチフィールドはパウンドで削っていく。足で阻むアルパーだがブランチフィールド立って足を蹴る。ホーン。

1Rブランチフィールド。スタンドの打撃では積極的だったものの被弾もあったが、テイクダウンすると一方的に。

2R。また出ていくブランチフィールド。パンチを先手で出していく。右ハイ。ワンツーがヒット。アルパーの被弾が増えてきた。ケージまで下がったところにパンチを打ち込まれる。組んだブランチフィールドが投げてテイクダウン。ハーフバック。パウンドを入れつつチョークを狙うブランチフィールド。アルパーはディフェンスに徹する。向き直ったアルパー。ハーフ。残り1分。肩固めをセットし足を抜いていくが時間がない。クォーターマウントでパウンド連打。背中を向けたアルパーを殴っていく。ホーン。

2Rブランチフィールド。

3R。ブランチフィールドが打撃で出ていく。ケージまで下がったアルパーに組み付くと離れ際に肘。が、アルパーの肘ももらった。また出ていき、虚を突いてタックルに入るブランチフィールド。テイクダウン。ハーフからすぐに足を抜いてサイド。またハーフバックに。正対しハーフにしたアルパー。残り1分。ブランチフィールドパウンドから足を抜いてサイド。アルパーはもうフィニッシュされないことを目的にしているか。残り10秒でマウントを取ってパウンド連打。亀になったアルパーをなおも殴っていく。タイムアップ。

判定30-25×2、30-26の大差でブランチフィールドがUFCデビュー戦勝利。

打撃は積極的だったものの、ディフェンスが甘くもらう場面もあったブランチフィールド。今回は打撃でも勝てる相手だったから良かったが、上位相手にはもっとレベルを上げていかないと厳しい。最後はかなりパウンドをまとめていたが、レフェリーも残り時間僅かでは止めにくかっただろう。もうちょっと早めに仕掛けたかった。魅津希曰く、押さえ込みが上手いとのことで、テイクダウンしてからは一方的だった。

アルパーは寝ても立っても劣勢では勝ち目がなかった。

UFC on ESPN+50:第3試合・インパ・カサンガナイ vs. カールストン・ハリス

ウェルター級。

重量級以外では珍しいアメフトからの転向組のカサンガナイ。UFC2戦目でメインカードに出場するホアキン・バックリーのジャンピングソバットで被KO・オブ・ザ・イヤーとなったが、前戦はミドル級からウェルター級に落とすと、1勝0敗のサーシャ・パラトニコフ相手にテイクダウンを狙っていく展開で、2Rにスクランブルで逃げようとしたパラトニコフにチョークを決めて一本勝ち。UFC2勝1敗。両親はコンゴからの移民で、MMA9勝で一本勝ちが3回、KO勝ちがゼロという、UFCでは珍しい選手。

ガイアナ出身初のUFCファイター・ハリスは5月にUFCデビュー。UFC1勝1敗のクリスチャン・アギレラ相手にパンチを効かせて、組み付いてきたところをがぶってダースチョークで1R一本勝ち。現在はブラジル在住で、マーシオ・クロマドから習ったルタ・リーブリがバックボーン。UFCデビューが遅く、34歳と若くない。

カサンガナイのパンチにハリスも長いリーチから打ち返すと組み付く。ケージに押し込みテイクダウンを狙うがカサンガナイはこらえて引き剥がす。パンチを打ち込むハリス。打撃戦でハリスのパンチが効いたカサンガナイ。それを見たハリスが間合いを詰めて追い打ち。もらってカサンガナイダウン!ハリスバックを取り右のパウンド連打。動けず打たれ続けるカサンガナイ。レフェリーストップ。

きれいではないが変則的なパンチがヒットし、ハリス2試合連続フィニッシュ勝利。

UFC on ESPN+50:第2試合・グスタボ・ロペス vs. アラテン・ヘイリ

バンタム級

UFC1勝2敗のロペス。初戦はデヴァリシビリにテイクダウンを取られまくり判定負け、2戦目は元RIZINファイターアンソニー・バーチャックに1Rチョークで一本勝ち。前戦はUFC1勝0敗のエイドリアン・ヤネスにスタンドで打撃で押される展開が続き、3RにカウンターをもらってKO負け。バックボーンはレスリング。

中国・内モンゴル自治区のヘイリはUFC2勝1敗。モンゴル相撲の経験があり、レスリングで中国3位の実績がある。頑丈さ・フィジカルの強さが武器だが、UFCでの2勝はいずれもテイクダウンで固めるのみで、打撃では劣勢。前回はケイシー・ケニー相手にスタンドの打撃でボコボコにされ、打たれ強さでダウンはしなかったものの、打撃技術の差は歴然で完敗した。ROAD FC時代に朝倉海と対戦経験があり、その時は秒殺KO負けしている。

打撃戦。強打を放っていくヘイリだが、ロペスがパンチに合わせて組み付いた。ケージに押し込むが入れ替えるヘイリ。引き剥がし離れるロペス。ヘイリ右オーバーハンド。ロペスパンチ連打で出た。ヒット。そのままタックルに入るが、ヘイリ受け止めて引き剥がす。ヘイリがプレスしていく。大振りのパンチを打ち込む。圧されてケージ際をサークリングするロペス。残り1分。両者ともなかなか間合いに入らない。明確に取ったという意識はないはずだが、ラウンドを取りに行かない。ホーン。

ほぼ互角の1R。ヘイリの右オーバーハンドで左目が腫れているロペス。

2Rもプレッシャーを掛けるのはヘイリ。ロペスカーフキック。右を打ち込むヘイリ。ワンツー。ロペス出られないが、ヘイリも手数はそれほど多くない。後半になってようやく前に出ていくロペス。ヘイリをケージまで下がらせたところでタックル。しかし受けとめて切ったヘイリ。残り1分。ヘイリまたワンツー。両者また出ていかない。見合いのままホーン。

2Rややヘイリ。

3Rもプレスしていくヘイリ。右オーバーハンド。目の腫れもあってかこの右オーバーハンドをよくもらっているロペス。右から左フックもヒットさせるヘイリ。ロペスパンチがヒット。突如パンチで突っ込むロペス。下がるヘイリを追いかけてパンチを打ち込む。なおも追いかけてパンチを入れるがそこからタックルへ。切れないヘイリ。ロペスバックに回る。倒そうとしたロペスだがヘイリがっつりケージを掴む。レフェリー注意したものの、またケージを掴んで減点1。再開直後にまたケージを掴んでいるヘイリ。すぐ放したのでレフェリーのチェックなし。バックからチョークを狙うロペス。放してパウンド連打。けっこうヒットしたがヘイリ立つ。離れて今度はヘイリがタックル。切ったロペス。ギロチンで引き込んだ苦しげなヘイリだったが首を引き抜いた。またスタンドへ。残りわずかに。が、最後まで両者出ていかない。タイムアップ。

判定28-28のドロー。リードしていたヘイリだが、反則のケージつかみで自滅し、むざむざ勝利を捨てた。

ロペスは3Rにラッシュを仕掛けたが、1R・2Rと、圧された展開なのに終盤取り返しに行かず見合うのみ。3Rにようやくラッシュを仕掛けたが、それが出来るなら最初からやるべきだった。

UFC on ESPN+50:第1試合・エミリー・ウィットマイア vs. ハンナ・ゴールディ

女子フライ級。

ローカル2勝1敗でTUFに出場したウィットマイアは、TUF後2勝3敗で、現在トータル4勝4敗。勝った相手はいずれもリリース済み。ここ2戦はテイクダウンされる→マウント取られる→パウンド打たれる→チョーク、テイクダウン→ガードからの腕十字と、今時やられないようなパターンで2試合連続一本負け。

ゴールディは2019年にUFCデビューしたが判定負け。2年のブランクを経て、ストロー級に落とした7月の前戦は打撃で一方的に攻められ、3Rにテイクダウンからマウントを奪ったが攻められず判定負けで連敗中。今回はウィットマイアの当初の相手が欠場したことで、3週間前に代役で出場オファーを受けた。

両者ともにストロー級の選手だが、今回はフライ級での試合となる。

組んだウィットマイアが大内テイクダウン。ゴールディのガードにパウンドを落とす。ゴールディ距離ができたところで立ったが、ウィットマイアが組むと投げてテイクダウン。またガードを取るゴールディ。パスしていくウィットマイア。足で距離を離し立とうとしたゴールディだが、立ち際にバックに周りチョークを狙うウィットマイア。ゴールディ反転しまたガードに。ゴールディガードから腕十字へ。腕が伸びてタップアウト!

テイクダウンからリードしていたウィットマイアだが、2試合連続ガードからの腕十字で一本負け。

ゴールディは初の一本勝ちでUFC初勝利。ゴールディの対処が良かったのか、ウィットマイアの対処が駄目だったのか、微妙なところ。

UFC on ESPN+50:オッズ/予想と展望

アンソニー・スミス 1.60
ライアン・スパン 2.47
イオン・クテラバ 1.68
デビン・クラーク 2.27
アリアネ・リプスキ 1.82
マンディ・ブーム 2.02
アルマン・ツァルキャン 1.13
クリストス・ジアゴ6.25
ホアキン・バックリー 1.50
アントニオ・アロヨ 2.70
ネイト・マネス 2.75
トニー・グレーブリー 1.48
ニコラス・モッタ 1.32
キャメロン・ヴァンキャンプ 3.55
マイク・ロドリゲス 1.97
テフォン・チュクウィ 1.85
パニー・キアンザド 2.07
ラケル・ペニントン 1.79
ロン・チュー 1.29
ブランドン・ジェンキンス 3.40
モンテル・ジャクソン 1.18
JP・ベイズ 5.00
エリン・ブランチフィールド 1.30
セーラ・アルパー 3.60
インパ・カサンガナイ 1.80
カールストン・ハリス 2.00
グスタボ・ロペス 2.00
アラテン・ヘイリ 1.80
エミリー・ウィットマイア 1.83
ハンナ・ゴールディ 1.95

Bellator266との同日開催となるUFC。メインはどちらもライト級戦で、Bellatorは元UFC同士のヨエル・ロメロ vs. フィル・デイヴィスで対抗しているが、UFCはいつも通りのカード。というかBellatorとバッティングしている時はカード弱めにも見える。

アンソニー・スミスはグローバーテイシェイラとアレキサンダル・ラキッチに連敗してタイトル戦線から後退したが、下位との対戦となったデビン・クラーク戦は三角絞めで一本勝ち、前回はジム・クルートにローキック1発で足を破壊してのドクターストップ勝ちと復調気味。35勝のうち、判定勝ちが2回しかないフィニッシャー。

コンテンダーシリーズ出身のスパンはこれが初メイン。UFCデビューから4連勝していたが、ジョニー・ウォーカーにはダウンを奪いながらも凌がれ、タックルに肘連打をもらってのKO負けで初黒星。前戦はミーシャ・サークノフ相手に秒殺KO勝利。こちらもフィニッシュ率が高く、特にチョークとギロチンでの一本勝ちが多い。

スパンは前回ミーシャ・サークノフに勝ったのが唯一のランカーへの勝利。まだはっきり評価できる実績がない。しかしタイトル挑戦経験者で連勝中のスミス相手にそこまで離されたオッズではないので、界隈での評価は高いのかもしれない。

スミス一本勝ち。

今回は全15試合の大ボリューム。最近のイベントでコロナ等の影響で流れた試合も組まれているのだが、それにしても多い。プレリムの3時間枠に9試合もある(通常は1試合30分目安で6試合)。これだけいて、ランカーはメインの2人とプレリムに出場する女子バンタム級のパニー・キアンザドだけ。

オッズが今大会一番のフェイバリットになっているアルマン・ツァルキャンは注目選手。UFCデビュー戦は現ランキング5位のイスラム・マカチェフに敗れたが、そこから3連勝。ただ、全試合危なげない判定勝ちのため、なかなか上位に挑む試合は組まれないかもしれない。

ローリングソバットKOで一躍有名人となったホアキン・バックリーは、前回地上波ABCでの試合に抜擢されたが、3連敗中でリリース寸前だったアレッシオ・デ・キリコに1RハイキックをもらってまさかのKO負け。今回の相手はUFC0勝2敗のアロヨだけに、絶対に取りこぼせない。

第1試合開始は19日朝5時から。速報します。

 

RIZIN.30:予想

例によってMMAの試合のみ。

第2試合・昇侍 vs. 鈴木千裕

MMAで大幅体重オーバーによる失格を機にキックに転向した鈴木だが、KNOCK OUTで王者に。MMA時代から打撃が得意で活きがいい選手ではあったが、いかんせんMMAではルーキーレベルでしか試合をしていない。キック王者とはいえ、いきなりRIZINに出るレベルかは疑問だが、相手もRIZINレベル未満の昇侍なので釣り合いは取れている。

MMA第1試合ということで盛り上げが期待されており、昇侍が正面から打ち合えば間違いなく盛り上がるだろう。ただそうなると比較的打たれ弱いのは歴戦のダメージがある昇侍で厳しい戦いになる。空気を読まずに勝ちに徹すれば、MMAファイターとしての実績で上回る昇侍にも十分勝ち目があるだろう。が、そんな勝ち方では次呼ばれなくなるかもしれないと考えると、打ち合うのが正解か。

鈴木KO勝ち。

第3試合・太田忍 vs. 久保優太

レスリング銀メダリスト vs. K-1王者という華やかなマッチメイク。キャリアにも差はないし釣り合いが取れている。が、契約体重が66kgなのは、太田が階級を上げるのではなく、久保に合わせた体重ハンデ戦

33歳からのMMA転向でどれだけ伸びしろがあるか。長くトレーニングしているアドバンテージで太田が組んでスタミナを削っていく展開で、久保は組みを警戒して思い切った打撃も出せなくなり、最後は太田のパウンドでKOと予想。

第4試合・佐々木憂流迦 vs. 堀江圭功

瀧澤戦ではフィジカルの強さを見せた佐々木だが、フィジカルを鍛えすぎた結果、バンタム級では減量が厳しくなりフェザー級に転向(デビュー当時はフェザー級だったので戻したことになる)。

今回の試合の中では一番結果が読めない試合。佐々木が体格的優位が無くなる中でどこまでやれるか。打撃では堀江が上だが、佐々木も打撃がかなり上手い。そこで互角に戦えるなら、組みで上回る佐々木にチャンスが出てくるが。

堀江判定勝ち。

第5試合・武田光司 vs. 矢地祐介

RIZINライト級日本人頂上対決…というには矢地に勝っている大原を無視して決めていいのか?と思ったが、武田は3回も勝っているからまあいいか。RIZINではあまり力を出し切れている感じがしない武田。川名戦も微妙な判定だった。一方の矢地は川名に判定勝ちして一皮剥けた感がある。が、地力ではやはり武田が上か。ただ、明確に差がない展開になると、矢地がワンダウンを奪ってその印象だけで判定勝ちという展開もありそう。

武田判定勝ち。

第6試合・浜崎朱加 vs. 藤野恵実

相手がいない王者浜崎。今回の相手は階級上のクイーン・オブ・パンクラシスト。RIZINのスーパーアトム級が本来のアトム級より約1.4kg重い(アトム級:47.6kg、スーパーアトム級:49kg、ストロー級:52.2kg)とはいえ、40歳になってから初めて49kgまで落とす藤野にとっては、体格の優位より減量の負担の方が大きいか。

浜崎判定勝ち。

バンタム級GPは全試合東京ドーム大会組 vs. 大阪大会組。正直全試合で東京組の優位が動かないし、大阪組の勝ち方も今後に期待できるものではなかった。やはり一回戦での元谷 vs. 岡田はもったいなかった。

第7試合・元谷友貴 vs. 瀧澤謙太

組みで大分力の差がある。瀧澤はまたも力が出し切れない相手。ただ、GPの中であえて番狂わせがあるとしたらこの試合か。

元谷一本勝ち。

第8試合・扇久保博正 vs. 大塚隆史

修斗で岡田にフルラウンドで完敗した大塚が組み合わせの妙で準々決勝進出。アップセットを起こせるファイルスタイルでもないが、レスリングで圧倒できる相手ではないのが厳しい。

扇久保判定勝ち。

セミファイナル・井上直樹 vs. 金太郎

パンクラスでハファエル・シウバに完敗した金太郎と、そのシウバに勝利した石渡に圧勝した井上の対戦。まあ井上の石渡戦は石渡がもうベストのコンディションでなかったという事情もあるが。

GPでは一番力の差がある組み合わせか。井上一本勝ち。

メインイベント・朝倉海 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ

金太郎に敗れているヤマニハ。サトシとクレベルのおかげでボンサイ幻想が高まっていたが、6月の一回戦でそれも薄れたか。ヤマニハは寝技よりもむしろ打撃が得意だが、さすがに朝倉海相手だと厳しい。

朝倉KO勝ち。

バンタム級GPは1試合くらいアップセットが起きたら面白くなりそうだが、井上・朝倉の優勝候補はしっかりと勝ち残ってほしいところ。

開始は19日14時。当日朝5時からUFC、メインカードは8時から。Bellatorは朝7時開始でメインカードは10時開始。RIZIN前には終わる見込み。

速報します。

ONE X:12月5日のONE10周年イベントでDJとロッタンがミックスルールで対戦。ビビアーノ・フェルナンデス vs. ジョン・リネカー、タン・リー vs. ゲイリー・トノンのタイトル戦も決定。

12月5日にONEが10周年イベント開催。カード第1弾として、UFCフライ級王者DJとONEムエタイ王者ロッタンの4Rミックスルールでの対戦が発表された。ルールの詳細は不明だが、2Rがムエタイ、2RがMMAのルールになると思われる。

また、バンタム級王者ビビアーノ・フェルナンデスが2年ぶりに復帰。元UFCのジョン・リネカー相手に2度目の防衛戦を行う。

フェザー級王者タン・リーがMMA無敗のゲイリー・トノン相手に防衛戦を行う試合も合わせて発表されている。

PANCRASE323:メインイベント・中田大貴 vs. Ryo

フェザー級契約だったがRyoが約400gオーバー。規定により、キャッチウェイトで行われる(減点などのペナルティなし)。中田3位、Ryo4位。

昨年のネオブラでMMAデビューし、決勝で狩野に敗れた中田。2月のRoad to ONEで階級をフェザー級に落とし、昨年のネオブラフェザー級王者の岩本と対戦して1RKO勝ち。今年5月には元王者の田村一聖と対戦し、パンチを打ち込まれたものの打ち返して逆転KO勝ち。ランキング入りし、パンクラス3戦・MMA4戦でメインを飾る。25歳でバックボーンは空道。

36歳のRyoは柔道をバックボーンにOUTSIDERでキャリアを積み、昨年10月のパンクラス初戦はJ太郎相手に判定となったものの、2戦目は1Rギロチンで一本勝ち。5月の透暉鷹戦では、グラウンドで下になる苦しい展開が続き、残りわずかで仕掛けたギロチンも不発…と思われたが、終了後に透暉鷹が落ちており、4分59秒一本勝ちで3連勝。しかし、今回は計量失敗という失態。

中田出ていくがRyoの左がヒット。打撃で出るRyo。右がヒット。さらに右が入って中田ダウン!Ryoネックロック。そのまま背中に乗ってチョーク!しかし外してRyoが下に。今度は中田がパウンド。Ryo立つが中田スタンドでバックに。ここでタイムストップ。

カットしている中田。リプレイで見ると中田のダウンの際に頭が当たった?ドクターチェック。再開はスタンドから。

Ryoがまた出ていく。パンチがヒット。中田前戦のように打たれても打ち合っていく。Ryoタックル。テイクダウン。中田ケージを背に座った状態で肘を入れる。Ryoは腰をクラッチしながら足で膝十字。外れて中田がケージで立ったRyoボディロックしているが差し返す中田。引き剥がそうとするがRyoまたタックル。ケージでこらえる中田。引き剥がしパンチを入れる。Ryo下がった。残り1分。中田パンチで出るが、パンチにタックルを合わせて組み付くRyo。中田ブラウン肘。ホーン。

1R三者Ryo。

2R。中田今度は右ミドルで出る。飛び膝!ケージを背負ったRyoにパンチを打ち込むが、Ryo組んでタックルへ。しかしケージでこらえて引き剥がした中田。消耗が見えるRyo。下がるところにミドル・パンチを入れる。組み付くRyoに首相撲から膝。Ryo消耗しているが中田もかなり攻めていて口が開いている。試合時間ちょうど半分だがフルタイムのような疲労感。Ryo押し込んだまま動きなくブレイク。また蹴りで出ていく中田。パンチが相打ち。組んだRyoがケージに押し込みテイクダウン。しかしケージを背にして座った状態の中田は肘を入れていく。Ryoはしがみつくのみ。立った。中田ミドル。ホーン。

2R三者中田。

3R。出ていく中田にRyoはサークリング。右を入れた中田。Ryo疲れもあってかぐらつく。中田ミドル。組もうとするRyoだが中田組ませない。Ryoインロー。連打。お互いのローが相打ちになりスリップダウンしたのは中田。すぐ立つ。出る中田だがRyoタックルで押し込む。ケージでこらえる中田だがRyo引っこ抜いてテイクダウン。だが背中を付けない中田。押し込むRyoだが中田立った。また出ていく。距離を取るRyo。タックル。組ませない中田。残り1分。タックル。切った。またタックル。切る。中田出てパンチを入れる。右がヒット。ミドル。ワンツー。Ryoも打ち返すが中田が最後まで手を出し続けてタイムアップ。

判定三者29-28で中田勝利!3Rはテイクダウンされてもそこから攻めさせず、終始打撃で攻めた中田。Ryoも3Rになってから入れたインローがかなり効いていたので僅差だった。

セコンドに付いていた大沢ケンジがそのまま試合後のインタビュアーに。

「自分には夢があります。UFCに行って世界最強の男たちと殴り合いがしたい!今のレベルだと、こんなことを言っても笑われるかもしれないけど、必ずたどり着きます」

退場時に足が痛く歩けない中田。インローを蹴られた左足ではなく右足を痛めた模様。

PANCRASE323:セミファイナル vs. ロッキー川村2 vs. 荒井勇二

ミドル級。荒井はランキング2位、2階級王者の川村はパンクラス2年10ヶ月ぶりの参戦となり、現在はランク外。ロッキー2としては初参戦。

当初は本名の川村亮での参戦が発表されていたが、ロッキー川村引退により、ロッキー川村2としての参戦に。MMAは2017年の新村優貴とのミドル級タイトルマッチでKO負けして以来のMMAルールの試合。2019年には巌流島でチェ・ホンマンに勝利。同年KNOCK OUTでキックデビューし、当時無敗で全ラウンド1RKO勝ちの吉野友規に2Rまで持ち込んだもののKO負け。プロレスにはハードヒットなどを含め定期出場している。40歳になってからのパンクラス復帰は、第1試合に出場したキッズレスリング時代の教え子・内藤と戦うため。

荒井は37歳だが昨年のネオブラ王者。とはいえプロデビューは2012年で、キャリアもすでに10戦。昨年12月、プロ2戦目の内藤と対戦し、1R17秒でKO負けしている。

ガウン・トランクスに「2」と入れているロッキー川村2。

遠い間合いで牽制している両者。川村が間合いを詰めるとサークリングしながら下がる荒井。間合いを詰めると荒井がパンチを出していく。川村のハイ。ヒットしたがキャッチして組み付いた荒井。スタンドでバックについた。正対した川村。荒井シングルレッグに入るが差し替えして離れた川村。また出ていく川村。右が耳の後ろにヒット。荒井前のめりに倒れながら組み付こうとするが引き剥がされる。またタックルに入る荒井にカウンターの膝!亀の荒井にパウンドを入れる川村。レフェリーストップ!

復帰戦で快勝した川村。

インタビュアーの質問にすべて「エイドリアーン」で返すロッキー川村2。