格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

★UFC142:アントニオ・カウバーリョ vs. フィリッピ・アランテス

煽りVのBGMがいつもと違う。ブラジル仕様なのか、2012年仕様なのか。前回同様、第1試合から出来上がっているブラジルの観客。アウェイのカウバーリョにはブーイングの洗礼。
カウバーリョは日本では修斗でライト級(65kg)タイトルに挑戦経験があり、リオン武とは1勝1敗。
フェザー級
ハイキックを受け止めてテイクダウンしたカウバーリョ。パス狙い。ハーフに。鉄槌を落としながらパスを狙う。アランテスが亀になりがぶりの体勢に。そのまま立ち上がるが、カウバーリョは首を捕らえて頭部に膝を入れる。アランテスのタックルを切って完全なマウント。しかしアランテスがブリッジで逃れて立ち上がる。場内は狂喜乱舞。打撃戦に。ほぼ互角。アランテスが飛び膝を放つが、キャッチしたカウバーリョがテイクダウンを狙う。アランテスが切った所でホーン。1Rはカウバーリョ。
2Rからなぜか残り時間の表示が消えている。
打撃戦。ほぼ互角の打ち合いだが、アランテスが組んで金網に押し付ける。カウバーリョが体を入れ替えると場内ブーイング。離れてカウバーリョがパンチ・ハイを入れるがガードの上。パンチをヒットさせて金網際まで追い込んだアランテスだが、カウバーリョは組んでバックを狙うと離れ際にパンチを叩きこむ。しかしアランテスのパンチがヒットし、また形勢逆転。残り10秒でカウバーリョがバックスピンのハイキックを放つ。ラウンド終了。
ほぼ五分だが、ややアアランテスのヒットの方が多く感じた。
カウバーリョはアウェイだし、ジャッジに勝敗を委ねたくない所。アランテスの攻撃にはいちいち観客が大歓声を上げてバックアップする。カウバーリョタックル。しかし切られてガードに。ラバーを狙うカウバーリョだが、アランテスはパウンド。カウバーリョ、立つ動きは見せずにディフェンスするのみで、パウンドで目尻をカットする。アランテスは体を起こさずに安全圏で肘・パウンドを入れ続ける。ハーフから潜って立ち上がったカウバーリョだが残り時間は1分。スピニングバックキックを放つが空振り。アランテスの右がクリーンヒット。カウバーリョの飛び膝は空振り。ホーン。アランテスは勝利を確信して金網に登りアピール。
3者29-28でアランテス勝利。

★UFC142:ヒカルド・フンチvsマイク・パイル

ウェルター級。戦極ファイターパイルと対戦するのは、UFCで2戦するも連敗でリリースされ、1試合他プロモーションで経験を積んでから地元で復帰したフンチ。
アウェイのせいなのか、実績では上のパイルが青コーナー。
右ストレートをヒットさせたパイルぐらついたフンチに首相撲から顔面に膝を叩き込みダウンを奪う。追い打ちのパウンド。全く抵抗できず、レフェリーストップ。
ホームということでUFC復帰を果たしたフンチだが、力量差がありすぎたか。ホームの選手の敗戦に凍りつくブラジルの会場。そしてパイルの勝ち名乗りにはブーイング。

★UFC142:ユーリ・アルカンタラvs小見川道大

フェザー級。アルカンタラは前回のUFCデビュー戦では第1試合で勝利したアランタスに判定勝ちしている。小見川同様、ライト級からの転向組。
今回、会場は空席が目立つ。メインの頃には埋まるのかもしれないが、チケットが瞬殺された前回のリオ大会と比べると、売れ行きはいまひとつだった模様。しかし会場の盛り上がりは超満員クラス。
小見川入場。入場曲はブルーハーツ?音が小さくてよく聞こえない。アルカンタラはジャングルファイト王者ということで、セコンドにはイズマイウの姿が。
コールと同時に一礼した小見川。小見川に対するブーイングは少な目だが、アルカンタラには大歓声。
いきなり左膝をボディにヒットさせるアルカンタラ。小見川は距離を取る。アルカンタラの左が顔面を捕らえる。小見川もステップインしてパンチをヒットさせる。アルカンタラのワンツーがヒット。小見川やや後退して立て直す。遠距離から入っていくタイミングを伺う小見川。前に出た所にアルカンタラのスピニングバック肘がヒット!ぐらついた小見川。組み付いてしのごうとするが、逆にバックを取られる。パウンド。しかし反転して上を取った小見川。残り1分。パウンドを落とす。一本超えてハーフ。しかしガードに戻された。密着して細かいパウンド・ヒジを落とす。残り僅かでアランタスが腕十字!伸びた!タップ寸前だったがホーン。
小見川のヒジが逆に曲がっているように見えたが、大丈夫だったろうか。カメラの死角で小見川の手が見えなかったが、タップはしていない。ただ、手はタップの準備態勢に入っていた。ギリギリ命拾い。
後がない小見川。前に出ていった所にパンチを貰い、バランスを崩してバックを取られる。ガードに戻した小見川は得意の腕ひしぎ腕固めを仕掛けるが決まらない。ハーフから潜りスイープを狙うがマウント。金網を蹴って体勢を変えるがバックを取られている。残り半分。アルカンタラはパウンドを落としつつチョーク狙い。なんとかハーフからガードに戻した小見川。右耳から出血している。また腕ひしぎ腕固めを狙うが抜ける。アルカンタラはなおもパウンド。潜りを狙うがアルカンタラのバランスを崩せない。逆にヒジ連打をもらう。ホーン。
もはやKOで勝つしかないところまで追い込まれた小見川。
小見川は盛んにスイッチを見せながら飛び込むタイミングを伺う。セコンドはゴーを指示するが、なかなか入っていけない。逆にアルカンタラがパンチで出る。パンチを打っていく小見川だが、消耗が大きい。しかしアルカンタラも疲れている。小見川がパンチをヒットさせて組み付くが、アルカンタラは引き込み。ガードで時間を使う作戦か。残り1分。パウンドを落とす小見川だが、KOするには至らない。残り20秒でブレイク。アルカンタラがパンチから組み付いてマウントを取った所でタイムアップ。
3Rは取ったかもしれないが、1,2Rは落としているので負けたか……。
30-27、29-28、30-27の3-0でアルカンタラ。3Rもアルカンタラが引き込んで小見川がパウンドを入れた以外はアルカンタラペースだったので、アルカンタラに入れたジャッジがいてもしょうがない。

★UFC141:ガブリエル・ナパォン・ゴンザガvsエドナウド・オリベイラ

ヘビー級。UFCデビュー戦となるオリベイラは15戦無敗。PRIDE最終戦で中尾KISSに敗れたエジソン・ドラゴを破っている。当初はロブ・ブロウトンと対戦予定だったが、ブロウトンの欠場でゴンザガとの対戦に。ミルコをKOしたことでお馴染みのゴンザガはJDS、ブレンダン・シャウブに連敗し、UFCから一度はリリースされたが、地元で復帰。
背が高くひょろっとした体型のオリベイラ。身長は201cm。UFCではシュトゥルーフに続く長身か。ゴンザガがタックルでテイクダウン。バックに回るが、立ち上がるオリベイラ。向き直ったがまたテイクダウンするゴンザガ。金網際でハーフ。金網を使って立とうとするオリベイラだが、ゴンザガはバックに回ってチョーク。タップアウト!
ゴンザガ、UFC復帰戦で快勝。オリベイラはどんな選手かも分からないまま敗退。一応柔術黒帯らしいが、グラウンドではなすすべなかった。

★UFC142:サム・スタウトvsチアゴ・タヴァレス

ライト級。ロンドン出身で、UFC7戦中、5試合がアメリカ以外での試合というスタウト。インターナショナルイベントの穴埋め要員という感じだが、最近5戦では4勝1敗と好調を維持している。対するタヴァレスも最近5戦は3勝1敗1分けと勝ち越し。前座戦線から抜け出す者を決める戦い。
残り1試合でメインカードまで50分の時間があるため、少しインターバルが取られるか?
Facebook中継のリプレイ。最低15分はインターバルが取られるということに。
再開。スタウト入場。直前のオッズでは、地元のタヴァレスがアンダードッグ。FXTV視聴者向けには、タヴァレスがグラウンド、スタウトがスタンドキープで戦うだろうと説明されている。
タヴァレスがタックルでテイクダウン。しかしスタウトは寝かされずに立ち上がる。また組んで、今度は小内刈りでこかしてテイクダウンしたタヴァレス。すぐに立たれるが、ダブルレッグで持ち上げてテイクダウン。立とうとするタヴァレスにパウンドを入れつつ押さえ込む。立たれたが、すかさずギロチンへ。しかし抜かれて下に。潜りで抜けた。スタンド。打撃戦はややスタウト有利。ホーン。
テイクダウンを奪った分、タヴァレスのラウンドか。打撃戦。タヴァレスは時折タックルも見せるが、スタウトに切られる。タヴァレスの右がヒット。そこからタックルに行くが、スタウトが片足で凌ぎ切って倒せず。スタウトワンツー。左ボディ。ハイキックを放つタヴァレス。ホーン。
このラウンドは微妙。明確に効いた打撃がない場合、ジャッジがどのへんのヒットまでを取るのかわからない部分がある。Sherdogのジャッジは2者スタウト、1者タヴァレス。
タヴァレスの右ストレートとスタウトのローが交錯するが、スタウトのローが股間に入りタイムストップ。相当痛そう。再開。大振りの右を打ち込んでいくタヴァレス。タックルは受け止められる。またタックル。受け止められたが金網まで押し込み、足を掬って倒そうとする。しかし耐えたスタウト。スタウトのジャブがヒット。タヴァレスの大振りの右はヒットせず。残り30秒。スタウトの右で腰が落ちたタヴァレス。後退。スタウトのアッパーがヒット。ホーン。両者勝利アピール。
最後の攻防で3Rはスタウトか。
ユナニマスでタヴァレス勝利。微妙だったが、ホームの利もあったが、もし逆だったら相当ブーイングが出たと思うが。ポイントは読みあげられず。Sherdogのジャッジは2者29-28スタウト、1者28-29タヴァレス。3Rは三者スタウト。

★UFC142:エジソン・バルボーザvsテリー・エティム

ライト級。8試合中、7試合がアメリカ以外での試合というエティム。うち5試合がご当地イギリスでの試合。今回はアウェイ。15勝中12勝が一本勝ちのグラップラーで、ルタ・リーブリ茶帯。対するバルボーザは9戦全勝・UFC3戦3勝のストライカー。デビュー戦はローキックで相手の足を破壊してKO勝ちしたが、その後は打撃戦でも手こずる相手との試合が続いている。
パンチで出ていくエティム。パンチをヒットさせてテイクダウンへ。しかしすぐに立って離れるバルボーザ。エティムダブルレッグ。一瞬倒したが、バルボーザは巴投げで返して離れる。強烈なロー。インロー・アウトローをエティムの左足に入れる。パンチで出てくるエティム。バルボーザのハイ。エティムがタックルに入るが、金網で堪えて脱出される。エティムのパンチをヘッドスリップでかわすバルボーザ。バルボーザがバックスピンキックをボディに入れた所でホーン。
1R、ともに明確な攻勢はなし。ややバルボーザか。エティムがテイクダウンを奪う場面もあったが、すぐに立たれている。打撃ではバルボーザだが、エティムもけっこうパンチで打ち合えている。バルボーザはエティムのタックルを警戒しているのか、やや手数が少ない。
2R。強烈な右アウトローを連打するバルボーザ。ギアが上がってきた。エティムはローをカットできていない。パンチから右ロー。エティムのタックルは切られる。ローが何発も入る。エティムのパンチもヒットしない。エティムがタックルに入りテイクダウン。しかしすぐに立ち上がって抜けた。右ローが出なくなったバルボーザ。膝でカットされた際に痛めたか?左ミドル。ホーン。2Rは手数でもバルボーザ。
バルボーザのローで足が流れるエティム。パンチでは五分のエティムだが、蹴りがある分、バルボーザが優勢。バックスピンハイキックが顔面を捉えてエティム失神!!!
まるでカンフー映画のような蹴りで完全KO。ピーター・グラハムバダ・ハリをKOした時のローリングサンダーのような、鮮やか過ぎるKO勝ち。

★UFC142:エリック・シウバvsカーロ・プラター

ウェルター級ブラジリアン対決。エリック・シウバは前回のリオ大会でUFCデビューし、40秒KO勝ち。ジャングルファイト出身なので、当然セコンドにはイズマイウ。相手のカーロ・プラターは、WECやStrikeforceなどに出場経験があるものの、レギュラー参戦には至っていない。柔術・柔道・ルタすべてで黒帯を取得し、最近は4戦連続一本勝ち。今回がUFCデビュー戦。
右のパンチで突っ込み同時に左膝をボディに叩きこむシウバ。倒れこんだプラターにパウンドの嵐。タックルに行こうとするプラターだが、そのまま顔面にパウンドの連打が止まらず。動きがなくなりレフェリーストップ!2戦連続秒殺KO勝利。
が、なかなか裁定が発表されない。レフェリーのマリオ・ヤマサキはシウバの鉄槌が後頭部殴打とみなして反則負けとのこと!リプレイで見ると鉄槌が側頭部か後頭部か微妙なポイントを打っている。ほとんどが側頭部だと思うが、後頭部に当たっていなくもない。どこまでが側頭部でどこからが後頭部かも明確じゃないし、これは難しい。当たった時点でレフェリーが止めるならわかるが、あのスピードだとその暇もないか。

★UFC142:ホウジマール・トキーニvsマイク・マッセンジオ

ミドル級。地元のトキーニョはマーコートにKO負けしたが、その後2連勝中。マッセンジオはUFCを一度リリースになり、出戻りで現在1勝1敗。
身長差がかなりある。マッセンジオが大きいのもあるが、トキーニョの173cmというのはミドル級最小クラス。シングルレッグに入ったトキーニョが引き込んでヒールへ!あっという間にタップアウト!マッセンジオ、タップした後も立てない。秒殺決着。トキーニョはUFCで4度目の足関勝利。

★UFC142:ヴィトー・ベウフォートvsアンソニー・ジョンソン

ミドル級戦だったが、ジョンソンが計量をクリアできず、197ポンドのキャッチウェイト戦に。オッズはジョンソン有利だったが、体調も考慮されてか、現在は逆転。
ジョンソン、かなりでかい。元ウェルター級の面影なし。前に出ていく。ヴィトーの左ハイを掴んでテイクダウン。ガードから十字を狙ったヴィトーだが、すぐに離れて飛び込んでのパウンドを打つジョンソン。インサイドで抑えこむジョンソンだが、かなり早めのブレイク。タックルで組みついたジョンソン。金網に押しこむ。観客からはチャントが。金網で堪えてパンチを入れるヴィトー。またブレイク。突っ込んできたジョンソンにパンチから膝を入れるヴィトーだが、押し込んでテイクダウンを奪ったジョンソン。密着したままパウンドを入れるジョンソン。またブレイク。早すぎ。まだ突進してくるジョンソン。がぶったヴィトーがパウンド。バックに回る。バックマウントからパウンド。チョークを狙いつつパンチ。肘。体を伸ばしてチョーク。タップアウト!
ジョンソン、序盤にかけていたか、最初のプレッシャーは凄かったが、後半失速していた。
しかしブレイクが早すぎ。前回のブラジル大会も早めだった印象があるが。

★UFC142:ジョゼ・アルドvsチャド・メンデス

フェザー級タイトルマッチ。レフェリーマリオ・ヤマサキには先程の裁定もあって若干のブーイングが飛ぶ。対戦相手のメンデスにはそれ以上のブーイング。
メンデスの強烈なロー。アルドもローを返す。タックルに来たメンデス。足に絡みついたが、切られた。じわじわプレッシャーをかけるアルド。メンデスは距離を取って打撃の当たらない位置をキープ。またアルドのロー。メンデスが飛び込んでアッパーを放つが間合いの外。アルドボディアッパー。メンデスはアルドの左足にシングルを仕掛けるが、切られる。アルドのアッパーをかわしてシングル。しかしまた切られる。ボディアッパーから前に出たアルドだが、メンデスが組み付く。スタンドでバックを取ったメンデス。投げようとするが、金網を掴んでこらえたアルド。レフェリーが注意。バックから膝を入れていくメンデス。メンデスの腕のクラッチを切り、振り返りざまアルドの膝が顔面にビッグヒット!!仰向けにダウンするメンデス!!すかさずパウンド!!レフェリー止めた!!
興奮したアルドが客席にダイブ!!熱狂状態の観客がもみくちゃに。アルド、かなり興奮している。オクタゴンに戻そうとするスタッフを振り切り、放送席にいたブラジルの解説者と抱き合う。
1R4分59秒。残り1秒だった。
チャド・メンデスは総合初黒星。

★UFC142:総評

メンデスはタックルはほとんど切られていたが、最後の膝をもらうまでは互角だった。しかし全体としてはアルドペース。膝はアンラッキーな面もあったかもしれないが、メンデス相手にあれだけきっちりタックルを切れるなら、並のレスラー相手なら問題ないだろう。
小見川はこれで1勝3敗。メンデス戦に続いての完敗で、内容も悪い。アルカンタラはこれから上位に食い込みそうな実力者ではあるが、かなり厳しくなった。
イベント後にPPVで流されたであろう前座マッチが何試合か放送されたが、小見川の試合はWOWOWで放送されず……。事前にアナウンスが無いのでそうかなとは思ったが。今回同様、生中継されたUFC138の際には、事前に小見川の試合も放送されるとアナウンスがあり、全試合終了後に録画で流された。あれはズッファから特例でやってもらっていたのか。前座がSpikeからFXでの中継に変わってできなくなったのか。日本大会の前座中継も生では放送されないことが決まっているが、録画でも流れるかどうか、現時点では不透明。
衝撃的な決着が続々。今回もブラジル大勝利の内容で、観客も熱狂。メインでアルドが勝った後の観客の盛り上がりが凄かった。
ベストバウトはメイン。

★UFC142:三賞発表

  • KO・オブ・ザ・ナイト:エジソン・バルボーザ
  • サブミッション・オブ・ザ・ナイト:ホウジマール・トキーニョ
  • ファイト・オブ・ザ・ナイト:バルボーザ vs. エティム

賞金は6万5千ドル。バルボーザはダブル受賞で13万ドルをゲット。