格闘技徒然草

MMAを中心とした格闘技情報&観戦ブログ

UFC317:ポストファイトボーナス/総評

・ファイト・オブ・ザ・ナイト:ジョシュア・ヴァン vs. ブランドン・ロイバル

・パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト:イリア・トプリア、グレゴリー・ロドリゲス

メインはトプリアが1RKO勝ちで二階級制覇達成。打撃戦では体格で上回るオリベイラの打撃も怖かったが、フェザー級時代以上の破壊力で意識を飛ばしてみせた。試合後にはバックアップファイターだったツァルキャンをはじめとして次期挑戦者候補がケージサイドで見ていたが、インタビュアーのジョー・ローガンが呼び出したのはパディ・ピンブレット。てっきりUFCサイドの意向なのかと思ったが、大会終了後の記者会見でダナ・ホワイトは「自分がいれば止めていた」と語っている。

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ダナ・ホワイト「(トプリアとピンブレットのフェイスオフは)起こるべきではなかった。誰がケージに入れたのかわからない。事が起こった時は自分は部屋に戻っていたが、そうでなければあんなことは起こらなかった。」

あの場では二階級制覇を成し遂げたトプリアを祝福する時間をトプリアに与えたかったとのこと。次期挑戦者については現時点で未定とも言っている。

一方、トプリア自身は初防衛戦でピンブレットとの対戦を希望(試合前のインタビューでは、ピンブレットが自分と対戦するにはあと1回勝つ必要があると語っていたが)。

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両者の因縁は、SNS上でピンブレットがトプリアを攻撃したことに端を発している。その中で、ピンブレットがジョージア人の多く(トプリアの家族を含む)が犠牲になった南オセチア紛争を揶揄したことで批判を浴び、後に謝罪した。しかし両者が実際に顔を合わせた2022年3月のロンドン大会で、試合数日前に顔を合わせたトプリアがピンブレットに平手打ちをする騒動が発生。その時ジャイ・ハーバートにKO勝ちしトプリアは、試合後のマイクでピンブレットとの対戦をアピールしていた。

結局は、トプリアがその後フェザー級に戻し、ピンブレットとの接点は無くなったかに思えたが、トプリアがライトに上げたことで因縁が再燃。

試合後のフェイスオフでは、ピンブレットとはさらに体格差があったトプリアだが、逆にそれ以外でピンブレットが有利な要素はなく、実現しても結果は見えているように思えるが。

セミは王者パントージャが防衛に成功。2R後半にやや失速したようにも見えたが、3Rすぐにスタンドバックからグラウンドに引き込んで四の字バックを取りチョークで一本勝ち。

試合後のジョシュア・ヴァンとのフェイスオフについては、ピンブレットの場合と違い、ダナ・ホワイトは事前に「ロイバル vs. ヴァンの勝った方がNo.1コンテンダーになる」と語っていたため、特に問題視せず。このままヴァンが次期挑戦者になることが確実に。

鶴屋のテイクダウンは防いでいたヴァンだが、パントージャの場合は打撃で圧を掛けながらテイクダウンを狙ってくるので、同じようにタックルを切れるとは限らない。ロイバルは打撃で真っ向勝負してきたが、組みの警戒をしながら同じ威力のパンチを打ち込めるかどうか。一方で、パントージャも2R後半の失速が年齢によるものなのかどうかという不安要素もある。

メインカード第1試合では前回無敗がストップしたペイトン・タルボットがフェリペ・リマ相手に勝利。弱点だったテイクダウンディフェンスと、下になったところからのリカバリーに成長を見せての勝利。UFCデビュー当時にたまたま連続でフィニッシュを続け注目された無敗ファイターが、穴をつかれて攻略され、結局その後は目立たない中堅選手に落ち着くというパターンも良くあるUFCで、最速での復帰を果たしてみせた。単にUFCで生き残るのではなく、タイトルを目指すなら、これくらいの成長速度でなければ追いついていけない。ヴァンにしても昨年7月にチャールズ・ジョンソンに敗れてから飛躍的に成長している。前戦で無敗を止められた中村倫也や鶴屋怜も、8月の復帰戦では敗戦を糧に成長した姿を見せてくれることが期待される。