格闘技徒然草

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UFC on ESPN+117:第6試合・タティアナ・スアレス vs. アマンダ・レモス

女子ストロー級スアレス2位、レモス4位。トップランカー対決だがプレリム扱い。

女子ストロー級王者ジャン・ウェイリーがフライ級王者シェフチェンコと対戦するためにタイトルを返上。空位の王座は来月のアブダビ大会で1位ジャンジロバ vs. 5位ダーンで争われる。この試合は次のタイトル挑戦者を決める戦いになる可能性が高い。

メキシコ系アメリカ人のスアレスは34歳。UFC7勝1敗(1KO、4一本勝ち)。キャリア10勝1敗(2KO、5一本勝ち)。2016年のTUF23ウィナー。レスリングで世界選手権3位の実績があり、タックルからのテイクダウンで攻めるスタイル。膝の負傷があり、2019年から23年まで長期欠場していたが、復帰後も2試合連続で一本勝ちし、今年2月にウェイリーのタイトルに挑戦した。しかし、1Rこそテイクダウンを奪い上から攻めるも、2R以降はタックルをすべて切られ、打撃で削られ消耗した終盤には逆にテイクダウンを許すなど、王者の異次元の強さの前に完敗し、キャリア初黒星。しかしその天敵ウェイリーがいなくなったことで、タイトル獲得への最大の障壁が取り除かれたことになる。

ブラジルのレモスは38歳。UFC9勝4敗(3KO、2一本勝ち)。キャリア15勝4敗1分(8KO、3一本勝ち)。UFC女子ストロー級で最多となる6度のノックダウンを誇る強打のストライカー。2年前にウェイリーのタイトルに挑戦したが、テイクダウンされるとグラウンドでの力の差があり、一方的な展開で判定負け。ダーンには僅差判定勝ちしたが、ジャンジロバには組まれて寝技に持ち込まれると、バックからのチョークから腕十字に切り替えられ一本負け。前戦は4連勝中の最年少ヤスミン・ルシンドの挑戦を受ける試合だったが、レモスがテイクダウンして上を取ると、そこからの攻撃は少なかったものの、ルシンドも下から何をするわけでもなく、前半2Rを押さえ込みで固めて判定勝ちした。

オッズはスアレス1.22倍、レモス4.50倍。ランキングは2位と4位だが、相性もあってか大きなオッズ差に。

サウスポーのスアレスにレモスはオーソドックス。前蹴り、ローで牽制するスアレス。じわじわと間合いを詰めてケージまで下がったレモスにスアレスがタックル。シングルレッグに切り替えた。引き剥がして離れようとしたレモスを追って脇を差したが、レモスは右腕を小手に巻いて凌ぐ。が、スアレスのヒザがローブローとなりタイムストップ。再開。レモスが左ハイ、インローを入れる。左ミドル。右ローをキャッチしたスアレスがテイクダウン。レモスはすぐ立ち上がるが、スアレスは放さずケージに押し込むと、シングルレッグからダブルレッグに切り替えてテイクダウン成功。ガードのレモスに密着したままパウンドを入れるスアレス。ハーフにして殴る。1R終了。

2R。ローの蹴り合い。インローを入れたレモスに首を抱えてケージに押し込んだスアレス。シングルレッグでテイクダウン。倒され際にスクランブルで上を取ろうとしたレモスだが、スアレスがバックを取る。立ったレモスだがスアレスがバッククリンチしてヒザを入れていく。ダブルレッグでリフトしたスアレスがテイクダウンに成功。レモスは下からフックスイープを狙うが、首をギロチンに抱えたスアレス。首に巻かれた腕を両手で掴み外して立つレモスだが、スアレスは離れずにケージに押し込んでいく。押し込みながらヒザを入れる。レモスがニンジャチョークに捕らえると、そのまま飛びついて両足でボディシザースしながら絞める。スアレスはケージに押し込みながら引き込ませないようにこらえた。その体勢のまま2R終了。

3R。詰めてきたレモス。インロー。右を打ち込む。スアレスがダブルレッグで飛び込むが、スプロールで切るレモス。スアレスはそのままケージに押し込むとボディにヒザを打ち込んでいく。身動きが取れないまま時間が過ぎていくレモス。またダブルレッグに切り替えたスアレス。肩の上まで担ぎ上げたスアレスがテイクダウン。しかし倒されたレモスが起き上がって上を取ろうとする。スアレスも立ち上がると再びケージに押し込む。残り1分。レモスがアッパーから右のヒジを入れて引き剥がした。詰めるレモス。ワンツー。強烈なパンチで出る。スアレスがタックルに入るが切られると引き込んだ。逆転を狙いパウンドを入れるレモスだが、ニーシールドで距離を作り凌ぐスアレス。タイムアップ。

判定三者29-28でスアレス勝利。終盤攻め込まれたが、前半のリードで逃げ切った。